By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
先週末には東京でレガシーイベントである「Eternal Party 2020」が開催されていました。こちらは国内最大手のカードショップである「晴れる屋」と「BIGMAGIC」の2社が共同開催しているトーナメントです。
こちらのイベントは元々大阪でのみ開催されていたイベントでしたが、昨年から東京大会も開催されるようになりました。今年は大阪府の外出自粛要請を受けて大阪大会は中止となり、東京のみでの開催となったようです。関西のレガシープレイヤーにとっては残念なお知らせでしたが、時勢を鑑みるとやむを得ないところでしょうか。
とはいえ久しぶりのリアルトーナメントということで、厳重な新型コロナ対策が敷かれる中でも多くのプレイヤーが集まっていたようです。晴れる屋のウェブサイトではカバレージページも公開されており、当日の熱狂の様子が伺えます(※リンク先は外部サイト)。
さて、この連載ではずいぶん長い間レガシーを取り上げておりませんでしたが、たまには気分を変えて、今大会で優秀な成績を収めていたレガシーのデッキをご紹介していきたいと思います。
Eternal Party 2020
上述の通り、「Eternal Party」は元々は関西圏で開催されていたレガシーイベントです。レガシープレイヤーからはもっぱら「エタパ」と称され、毎年年末にレガシープレイヤーたちが大阪へ大挙して押し寄せるのは冬の風物詩とも言える光景でした。
今年は残念ながら大阪での大会が中止になってしまい、そうした光景を見ることは叶いませんでしたが、関東では新型コロナ対策を行った上で大会が実施されていました。
【大会結果】一瞬の隙を逃さずに《垣間見る自然》から動き出したクリーチャーの連鎖は、まさにエルフの真骨頂!森の妖精は群れをなし、そして相性最悪といわれたANTさえも飲み込んだ!『Eternal Party 2020 東京』優勝は島田 裕幸!!おめでとう!!
#mtgjp pic.twitter.com/G1yUHw156P
— 晴れる屋メディア (@hareruya_Media) December 6, 2020
そうした中で、見事に優勝を収めたのは今年7月に発売されたセット『Jumpstart』で新たなカードを得た「エルフ」デッキでした。どのようなリストなのか、さっそく見ていきましょう!
エルフ(使用者:島田 裕幸選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
3 | 《森》 |
2 | 《Bayou》 |
2 | 《ドライアドの東屋》 |
3 | 《樹木茂る山麓》 |
2 | 《新緑の地下墓地》 |
1 | 《霧深い雨林》 |
1 | 《吹きさらしの荒野》 |
4 | 《ガイアの揺籃の地》 |
1 | 《育成泥炭地》 |
4 | 《アロサウルス飼い》 |
4 | 《遺産のドルイド》 |
4 | 《イラクサの歩哨》 |
4 | 《クウィリーオン・レインジャー》 |
4 | 《ワイアウッドの共生虫》 |
1 | 《樺の知識のレインジャー》 |
4 | 《エルフの幻想家》 |
1 | 《漁る軟泥》 |
1 | 《威厳の魔力》 |
1 | 《孔蹄のビヒモス》 |
4 | 《垣間見る自然》 |
4 | 《緑の太陽の頂点》 |
3 | 《むかしむかし》 |
3 | 《自然の秩序》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
3 | 《思考囲い》 |
3 | 《突然の衰微》 |
2 | 《外科的摘出》 |
2 | 《精神壊しの罠》 |
1 | 《溜め込み屋のアウフ》 |
1 | 《フェアリーの忌み者》 |
1 | 《大祖始》 |
1 | 《陰謀団式療法》 |
1 | 《暗殺者の戦利品》 |
「エルフ」デッキはその名の通り種族「エルフ」を持ったクリーチャーと、エルフとシナジーを形成するカード群で構成されたデッキです。デッキには非常に多くのクリーチャーが採用されていますが、その実チェイン・コンボ(呪文を繰り返し唱えてイニシアチブを得る)のような挙動を取ります。
古くからレガシー環境に存在するデッキでしたが、そんなこのデッキのニューカマーがこの《アロサウルス飼い》です。1マナ1/1のこのクリーチャーが持っている能力は3つ。
まず上2つの能力は、「青い環境」と言われるレガシー環境では非常に強力です。打ち消しが効かなくなるというのは見た目以上に強力で、《自然の秩序》のような通れば勝つ呪文や、《垣間見る自然》のように是が非でも通したい呪文を安全に唱えることができるようになります。また、メインボードから無理なく入れることのできる青対策カードということでサイドボードのスロットを稼ぐこともできるというのも地味ながら有力なポイントです。
元々エルフは人気のデッキでしたが、《死儀礼のシャーマン》禁止以降弱体化を余儀なくされたことで少しシェアを減らしていました。そうした中でエルフ復権の旗印となったのも《アロサウルス飼い》であり、このカードがいかに大きな影響を及ぼしたかが伺えます。
デッキの他のパーツは大きな変更はなく、《遺産のドルイド》と《イラクサの歩哨》パッケージはもちろん、《ワイアウッドの共生虫》や《クウィリーオン・レインジャー》といったシナジーカードも豊富に採用されており、エルフの強みを最大限活かすことができるリストとなっています。
レガシーはデッキを組むために古くて入手困難なカードも必要になる反面で、一度デッキを組めば以降はほとんど大きなカードの入れ替えもなく長く遊び続けられるのが魅力です。スタンダードを追いかけ続けるのに疲れてきたという方は、レガシー参入を検討してみてもいいかもしれません。
ライター:ドブフクロウ 青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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