By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
さて、今週から11月20日に発売予定の新セット『統率者レジェンズ』の情報が出始めました。
【お知らせ】今週より『統率者レジェンズ』のプレビュー期間がスタート!世界各地より公開されたカードは順次ギャラリーへの追加が行われますのでどうぞお楽しみに!
⬇通常版カードギャラリーhttps://t.co/sq84AWCDog
⬇特別版カードギャラリーhttps://t.co/wU1FTmpECW#mtgjp #CMRLegends pic.twitter.com/vEu6PxwS3J— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) October 27, 2020
世界的に大人気のカジュアルフォーマット「統率者戦」にフィーチャーした新セットで、構築済みデッキではなくブースターパックが販売されます。その収録カードが徐々に公開され始め、主にヴォーソスの方(マジックのストーリーラインのファンの俗称)が盛り上がっています。なんといっても統率者戦というフォーマットの性質上、伝説のクリーチャーが多数収録されることになるので、過去に登場した重要人物なども姿を見せています。
これらのカードは統率者戦で使えることはもちろん、レガシーやヴィンテージでも使用可能になります。いつかこの連載でも『統率者レジェンズ』のカードを取り上げる機会があるかも知れませんね。
さて、『統率者レジェンズ』のカードプレビューも気になるところですが、今週もスタンダードの最新・最強のデッキをご紹介していきたいと思います!
MPLリーグウィークエンド
MPLリーグウィークエンドとは、MPL(マジック・プロ・リーグ)所属選手たちによるリーグ戦です。そもそもMPL自体が世界最強の24名のプロプレイヤーたちによって構成されるトップクラスの集団なので、そのリーグ戦もまた世界最高峰と言えるでしょう。
開催場所はMTGアリーナのオンライン上で、フォーマットはスタンダードで開催された本イベントは、『ゼンディカーの夜明け』環境の趨勢を占う上で非常に意義深く、世界中のプレイヤーたちが観戦を楽しんでいました。
そんなMPLリーグウィークエンドでは、なんと日本人プレイヤーの佐藤 レイ選手が11勝1敗という勝率90%超えの驚異的な成績を収めて見事に初週を制しています。
佐藤選手が使用していたデッキは、先日キーカードの《幸運のクローバー》と《僻境への脱出》が禁止されたはずの「アドベンチャー/出来事」メカニズムを使用したデッキです。果たしてどのようなリストだったのでしょうか? 早速見ていきましょう!
グルールアドベンチャー(使用者:佐藤 レイ選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
9 | 《森》 |
3 | 《山》 |
4 | 《寓話の小道》 |
2 | 《進化する未開地》 |
4 | 《岩山被りの小道》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
4 | 《山火事の精霊》 |
4 | 《エッジウォールの亭主》 |
4 | 《カザンドゥのマンモス》 |
4 | 《恋煩いの野獣》 |
2 | 《探索する獣》 |
3 | 《漁る軟泥》 |
4 | 《髑髏砕きの一撃》 |
2 | 《原初の力》 |
2 | 《グレートヘンジ》 |
3 | 《エンバレスの宝剣》 |
2 | 《焦熱の竜火》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
2 | 《運命の神、クローティス》 |
2 | 《焦熱の竜火》 |
2 | 《怪物の代言者、ビビアン》 |
2 | 《アクロス戦争》 |
2 | 《エンバレスの盾割り》 |
3 | 《アゴナスの雄牛》 |
2 | 《解き放たれた者、ガラク》 |
2枚のキーカードを禁止されてしまったアドベンチャーデッキですが、こちらのリストではよりパワーカードを中心にしたアグロミッドレンジ風のデッキに生まれ変わっています。このことは『エルドレインの王権』に収録された神話アーティファクトサイクルの《エンバレスの宝剣》と《グレートヘンジ》の2枚が採用されていることからも伝わってきます。
《エンバレスの宝剣》は瞬速持ちなため奇襲性もありつつ、以降+1/+1修正とトランプル・二段攻撃を付与する凄まじい装備品です。一振りでゲームを決めるような展開もありつつ、除去などで凌がれた場合でも、《エンバレスの宝剣》を担がせるだけで以降プレイするクリーチャーの全てがフィニッシャークラスの怪物へと変貌することになります。いわば約束された勝利の剣。また、ストーンヘンジ?風の遺物である《グレートヘンジ》も強烈なアドバンテージを稼ぎ出してくれるカードで、これらの2枚のカードの存在がこのデッキを超骨太なビートダウンデッキとして成立させています。
また、『ゼンディカーの夜明け』の新クリーチャーである《山火事の精霊》と《カザンドゥのマンモス》も採用されています。これらのカードはこのデッキの攻撃的な戦略にも合いますし、《エンバレスの宝剣》を担わせるのにも良い強力なクロックです。
もちろん従来のアドベンチャーデッキに採用されている《エッジウォールの亭主》+《砕骨の巨人》&《恋煩いの野獣》ラインも採用されており、アドバンテージの面でも優秀なバランスの良いデッキです。環境に存在する他のデッキ、たとえば「ディミーア・ローグ」などのテンポデッキに対しては、《髑髏砕きの一撃》や《焦熱の竜火》といった除去で相手のクロックを減らしつつダメージレースを制すことができるようになっています。
今大会で「グルールアドベンチャー」を持ち込んだのは24名中4名のみでしたが、そのすべての選手が6勝(勝率50%)以上の成績を収めているため、アベレージは非常に高かったようです。
『ゼンディカーの夜明け』環境開幕以降禁止カードが相次ぎましたが、ようやく落ち着いてきたスタンダード環境で、いよいよ最初(?)の仮想敵が定まってきたといったところでしょうか。果たして今後もグルールが他のデッキをシバキ続けるのか、あるいはまた新機軸のデッキが出てくるのか? 楽しみですね!
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。 MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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