【大塚角満のゲームを語る】第41回 美しくも切ない『プロジェクトセカイ』に魅せられる


 

思った通りの超良作!

 
 当連載の39回目で、9月末に初のオンライン開催された“東京ゲームショウ2020”を総括する記事を書いた。
 
 その内容はざっくりと、今回の東京ゲームショウでとくに注目したコンテンツとして、『モンスターハンターライズ』、『デジボク地球防衛軍』、『真・三國無双8 Empires』の3つを挙げ、それぞれ簡単に解説していく……というものになっている。
 
 ……って、コレ、前回のコラムとまったく同じ書き出しなんだけどなw 
 
 いや、手を抜いているわけじゃないぞ。
 
 この書き出しで始まる“もうひとつのコラム”を書かないことには、俺の東京ゲームショウ2020は終わらねえ!! と感じていたので、あえてこのようなプロローグにしてみたのである。
 
 前回はこの流れで、現在大絶賛プレイ日記を連載中のオープンワールドアクションRPG『原神』を激賞するコラムを書いた。
 

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【原神】角満の『原神』大紀行

 
 『原神』は俺の想像通り(いや、想像以上だった)に売れに売れ、スマホアプリの新規ダウンロード数は堂々の1位となり、売上高も全世界で100億円を超えた……なんて報道もある。
 

 
 そして、この『原神』に続いて新規ダウンロード数2位につけ、プレイヤーからは、
 
 「神ゲー!」
 
 「究極の音ゲーアプリ!」
 
 と絶賛されているのが、今回のテーマであるセガのスマホアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』なのである。
 

 
 前回の当コラムで、
 
 「『プロジェクトセカイ』については、機会があったらじっくりと書きたいと思う」
 
 と記したが、わずか1週間で辛抱たまらなくなり、こうして書き綴るわけでありますw
 

音ゲーが苦手でも

 
 『プロジェクトセカイ』は、タイトルに“初音ミク”の文字が踊っていることからもわかる通り、いわゆるリズムアクションゲームである。ゲームのメインとなるモードは、
 

 
 上から降りてくるノーツ(バーみたいなやつね)を、曲に合わせて指示通りにタップしたり、フリックしたり、ホールドしたりと言った操作をして、得点を積み上げていくスタイル。ジャストタイミングでノーツを処理することでコンボが繋がっていき、上達すればするほど高得点で、かつ、気持ちのいいゲームプレイができるようになっている。いわば音ゲーのお手本のような、見事なまでのリズムアクションが完成しているというわけだ。
 
 このアプリに最初にハマったのは、『あつ森』日記でおなじみ、同僚のたっちー先生だった。彼女はPSPの『初音ミク -Project DIVA- 2nd』に魅せられて以来“超”が付く音ゲーマニアとなり、ボカロや初音ミクについても一家言ある“うるさ型”となっている。『プロジェクトセカイ』に関しても、東京ゲームショウ2020の公式放送を見たときから、
 
 「わしは今シーズンの残り、このゲームしかやらねえ!!!」
 
 とナゾの宣言をし、実際にサービスイン初日からドップリと遊び込んでいるのである。
 
 しかも……。
 

 
 「iPhoneの小さい画面じゃ、神の領域まで行けぬ。なので……“『プロジェクトセカイ』専用機”として、iPadを購入してくれたわ!!!」
 
 そう言って本当にiPadを買い、日がな一日、
 
 「この環境がベストじゃ!!! あたたたたたたたたたッ!!!」
 
 と、画面を叩きまくっているというw つまり音ゲーマニアから見ても、
 
 「このアプリ、あらゆる意味ですばらしすぎる。過去に遊んだ家庭用ゲーム機の音ゲーやアプリの中で、間違いなくナンバーワンだわ!!」(たっちー先生)
 
 だというのだ。こんなの、にわかの俺が論評する隙もないがなw
 
 とはいえ俺もヘタクソなりに、『プロジェクトセカイ』を楽しんでいる。動体視力と音感と反射神経の衰えが音ゲー部分では多分に足を引っ張っているが、そんなおじさんでも楽しめるくらい、このアプリはよくできているのだ。
 
 何がいいかって……描かれているストーリーと世界観が、荒んで乾ききったおっさんの心に優しく水をかけてくれるかのような、切なくもまぶしい若者たちの群像劇になっていて、なんかもう……タマラナイんだよホントに!!!><
 



 
 俺がいま遊んでいるのは、“Leo/needのセカイ”というストーリーだ。概要は、
 
 “様々な事情からすれ違い、幼馴染と疎遠になってしまった星乃一歌(ほしのいちか)。しかし、幼馴染のひとりで療養をしていた、天馬咲希(てんまさき)が学校に戻ってきたことをきっかけに、遠ざかっていた4人の距離に変化が表れ始める。幼いころ、流れ星を見ながら誓い合った「ずっといっしょに、バンドをしていこう!」という約束の場所に、4人は戻れるのだろうか……?”
 
 こんな感じなんだけど……最近、若者をテーマにしたノンフィクションとかドキュメンタリーを一瞥しただけで泣きそうになる俺には、あまりにも刺さりすぎるストーリーだわ(苦笑)。こうなったら、最後までプレイして彼女たちの歩んだ先を見届けてやるしかなくなるじゃん!!
 

 
 しかも、ストーリーはこれだけじゃなく、ほかにもいくつも用意されている。前出のたっちー先生に言わせると、
 
 「“ワンダーランズ×ショウタイム”のセカイが、めちゃくちゃよかった!!>< ぜひそっちも遊んでや!!」
 
 とのこと。
 

 
 こんな感じで、「音ゲーは、ちょっと苦手……」という人でも十分に楽しめる至高の作品になっているので、これを読んでわずかでも興味を持たれた方はぜひ触ってみてほしい! 絶対に、後悔しないと思うので!

大塚(おおつか) 角満(かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。

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