By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは今週発売したコロコロコミック10月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めることはもちろん、10月に発売する「四強集結→最強直結パック」に関する情報も色々と掲載されている。ぜひとも手に取ってみて欲しい。
ある夏の蒸し暑い夜……
カードショップからの帰り道……怪しく伸びた電柱の影……
嫌な予感がしたあなたは、通りを足早に通り過ぎようとする……
だが、何者かが追いかけてくる気配……それはひたひたと……否、めためたという不気味な音を立てながら、背後からこちらに近づいてくるように感じる……
怖くなったあなたは、振り返らないようにしながら全力で走りだすが、その気配は後ろからピッタリついてくる……それどころか、段々と距離が縮まっていくような……
そしてついにあなたに追いついたその気配は、肩越しにあなたにこう囁くのだ……
???「後ろの正面だあれ……?」
◇
さて、今回は「クロニクル最終決戦デッキ」のカードの中で、競技シーンなどでまだあまり使われていないカードに焦点を当ててみようと思う。
そのカードとは、《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》。
このカードは「サイキッククリーチャーを出すカード」として見ると、7マナも払って自然のコスト7以下のサイキッククリーチャーしか出せないため、微妙に感じるかもしれない。
しかしこのカードの真価は呪文側にある。
そう、呪文側はデュエル・マスターズでも数少ない3マナ2ブーストを達成しうる呪文なのだ。
だが、それをもってデッキを作るとなると一つ問題が生じる。
それはこの連載でもたびたび話題にしてきた、カードの代替性にかかわる問題だ。
「3マナ2ブーストできる」という理由で《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》を採用するなら、3ターン目に呪文側を安定して唱えられなければならない。だが同一のカードは4枚しか積めないため、2種類目の3マナ2ブーストが必要になってしまうのである。
そこで他に3マナで2ブーストできる呪文を探してみる。まず考えつくのは《コンダマ / 魂フエミドロ》で、《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》がツインパクトということで相性が良いようにも思える。
だが、そもそも《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》を3マナ2ブーストとして運用する時点でデッキの大半は超次元呪文にしなければならない縛りがあるところ、ツインパクトの超次元呪文は《最終決戦だ!鬼丸ボーイ/超次元オニシュラ・ホール》と《全員集合!アクア・三兄弟/超次元ジェイシーエイ・ホール》の2種類しかないため、《コンダマ / 魂フエミドロ》をある程度信頼できる3マナ2ブースト呪文として運用するのは難しそうである。
ならばと《ボント・プラントボ》や《フェアリー・クリスタル》も検討してみるが、パワー12000以上の超次元呪文や無色の超次元呪文が存在するはずもない。
やはり《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》を軸にしたデッキを作るのは無理なのか……。
だが、私は簡単には諦めなかった。
このように適当なカードが見つからずにデッキ製作が詰まった際には、ひとまず組める範囲でサンプルデッキを組んでみて、残りのスロットに求められる要請をより具体化するという手法が有効である場合があることを私は知っていた。
よって「2種類目の3マナ2ブースト」の問題はひとまず棚上げにして、まずは適当にデッキを作ってみることにしたのである。
『サンプルデッキ』
《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》 | |
4 | 空きスロットA(3マナ2ブースト呪文) |
《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》 | |
4 | 《最終決戦だ!鬼丸ボーイ/超次元オニシュラ・ホール》 |
空きスロットB(できれば超次元呪文) | |
4 | 空きスロットC(できれば超次元呪文) |
4 | 《超次元フェアリー・ホール》 |
4 | 《全員集合!アクア・三兄弟/超次元ジェイシーエイ・ホール》 |
4 | 《超次元リュウセイ・ホール》 |
4 | 《姫様宣言プリンプリン》 |
超次元ゾーン | |
4 | 《大地のリュウセイ・ガイア》 |
1 | 《超時空ストームG・XX》 |
1 | 《勝利のガイアール・カイザー》 |
1 | 《勝利のリュウセイ・カイザー》 |
1 | 《勝利のプリンプリン》 |
実際に組んでみてわかったことは、このデッキは3→6→9のマナカーブを実現するデッキだということだ。
《大地のリュウセイ・ガイア》の登場により、《超次元フェアリー・ホール》は「5マナ2ブースト呪文」として活用できることとなった。そして《超次元リュウセイ・ホール》は《超次元フェアリー・ホール》と同様の役割を持てるので、もし3マナ2ブーストが8枚積めるなら、5マナ2ブーストの超次元呪文も8枚積めて、9コストのフィニッシャーである《姫様宣言プリンプリン》へと綺麗につなげることが可能になるのである。
だが、結局スロットAに収まるべき「2種類目の3マナ2ブースト」が見つからない限り、それも机上の空論に過ぎない。
何か、何かないのか……必死に考えながら《超次元リュウセイ・ホール》と《姫様宣言プリンプリン》を眺めていた私はしかし、それら2枚にこそ最大のヒントが隠されていたことに気が付いたのである。
火と水と自然の多色カード……2種8枚のホール呪文によるマナ加速……。
……はっ!つまりこういうことか!!
光闇の超次元呪文も入れて《フェアリー・ミラクル》をぶち込めばいいのでは???🤔🤔🤔
そう、火水自然の多色カードがマナゾーンにある状態で光闇の多色カードをチャージすれば、カード2枚でマナゾーンに5色が揃うのである。
幸い光闇の超次元呪文には 《超次元ガード・ホール》と《超次元の手ホワイト・ブラックホール》という2種類が存在するため、2ターン目までにチャージすることもそれほど非現実的ではない。
むしろデッキの初動が3マナスタートであることとこれ以上なく噛み合ったプランと言えるだろう。
というわけで、できあがったのがこちらの「超全力超次元単」だ!
『超全力超次元単』
《The 大親分 鬼流院 刃/「アンノウンがナンボのモンじゃ!」》 | |
4 | 《フェアリー・ミラクル》 |
《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》 | |
4 | 《最終決戦だ!鬼丸ボーイ/超次元オニシュラ・ホール》 |
《超次元の手ホワイト・ブラックホール》 | |
4 | 《超次元ガード・ホール》 |
4 | 《超次元フェアリー・ホール》 |
4 | 《全員集合!アクア・三兄弟/超次元ジェイシーエイ・ホール》 |
4 | 《超次元リュウセイ・ホール》 |
4 | 《姫様宣言プリンプリン》 |
超次元ゾーン | |
3 | 《大地のリュウセイ・ガイア》 |
1 | 《超時空ストームG・XX》 |
1 | 《時空の支配者ディアボロス Z》 |
1 | 《勝利のガイアール・カイザー》 |
1 | 《勝利のリュウセイ・カイザー》 |
1 | 《勝利のプリンプリン》 |
……え?「結局冒頭の謎のホラー調の始まりは何の関係があったんだよ」って?
関係はありますよ。
だって、あなたの後ろにね……「いる」じゃないですか……。
めためた……めためた……
ほら、聞こえてきたでしょう……?
???「後ろの正面だあれ……?」
ギャアアアアアア!!!!(サイキックが一体も出せず失神)
……おあとがよろしいようで。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。