By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。今回もカードプレビューを担当させていただくことになりました。
今回こちらの記事でご紹介するカードは、攻防に渡って活躍できるスタッツ、シンプルで癖のない能力を兼ね揃えたクリーチャーです。何より、公式のコラムでも取り沙汰されたことのあるみんな大好きなゴリラ姉さんアイコニックなクリーチャーを彷彿とさせるパワー/タフネスは、それだけで僕らの興味を惹きつける……かもしれません。ちなみに、この時点で今回ご紹介するクリーチャーのサイズが分かったという方がいたらなかなかのマジックマニアかも。
みなさん、このカードのパワーとタフネスは予想できましたか? それでは早速《森の守部》をご覧いただきましょう!
さて、まずはネタ要素をお話する前に真面目にカードを見ていきましょう。簡単にご説明するなら、デカい! 警戒! 疑似除去耐性!といったところでしょうか。
そんな《森の守部》の主戦場はやはりリミテッドになりそうです。6マナ5/7警戒というスタッツは地上戦で大きな存在感を発揮してくれることでしょう。相手の攻撃をしっかりと止めつつ、重い5点クロックで対戦相手を詰めてくれるのは頼もしいです。
また、《森の守部》は呪禁や破壊不能のような除去耐性こそ持たないものの、対戦相手の呪文や能力の対象になったとき2枚ドローできるという誘発型能力を持っています。過去のカードで例えるなら、セルフ《形成師の聖域》持ちといった感じでしょうか? 能動的にカードを引くために利用することはできませんが、対戦相手の除去に対する抑止力としては十分です。
対戦相手にしてみれば、地上戦を一手に担うこのクリーチャーは厄介この上ない存在ですが、かといって除去を撃つのも躊躇われるという、地味ながらいやらしい能力です。コンバットトリックやオーラの対象にするにも役に立ってくれるでしょう。
ただし、到達などはないため対戦相手の飛行クリーチャーに対しては無力で、回避能力もトランプルもないためトークンのチャンプブロックなどにも弱いという弱点もあります。逆に言えば目立った弱点はそのくらいで、そつのない性能です。アンコモンという比較的パックから出てきやすいレアリティであることもあって、リミテッドで緑をメインカラーとしたデッキを利用する場合にはよほどのことがない限り採用されることになりそうですね。
ところで冒頭の話に戻りますが、この5/7というサイズはゴリラよりもゴリラらしいエルフとして有名な《イマーラ・タンドリス》さんと同等です。少し古いカードではありますが、よくネタにされるクリーチャーなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。こちらをご覧いただくと、彼女の愛され方が分かるかも……。(※リンク先はマジック:ザ・ギャザリング日本公式ウェブサイトのとあるコラム)
何しろ「類人猿/Ape」のクリーチャータイプを持つ28種類のクリーチャーの中に、素手喧嘩で(=能力を考慮せず)彼女と互角以上に戦えるクリーチャーはわずか2体しかいません。他の類人猿たちは、《イマーラ・タンドリス》に触れれば鎧袖一触の勢いで跡形もなく消し飛びます。
色も点数で見たマナ・コストも能力も全てが異なっているため、《森の守部》と《イマーラ・タンドリス》ではカードとしての性能は大きく異なっていますが、しかし5/7というサイズを見ると、それだけでこの偉大な先輩の名前を思い出さずにはいられないのでした。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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