By まつがん
5月に発売予定の「Wチームドッキングパック チーム銀河 & チームボンバー」に収録される新カード、《「流星の雫」》。このカードを使ってどんなデッキを組むべきか。
特定のカードを軸にデッキを作る際には、そのカードが持つ「そのカードにしかできないこと」……すなわち、固有の存在価値に着目するのが一つのやり方だ。
では《「流星の雫」》にどんな固有の存在価値があるのかというと、まず思いつくのは1マナで出せる3種類目のサイバー・ウイルスであるという点である。
《アストラル・リーフ》の進化元になれる3種類目の (実質) 1マナ域というのは、確かに固有の存在価値と言えるだろう。
だが、これには一つ問題があった。それは、《アストラル・リーフ》の枚数は別に増えたわけではないという点だ。
40枚の山札でデッキに4枚入れたカードを2ターン目までに引く確率は、先手なら49%、後手でも55%程度しかない。つまり2回に1回はコンセプトを再現できないわけで、もちろん強化されたことには違いないけれども、《アストラル・リーフ》デッキの一番のネックを解決してくれたわけではないというのが妥当な評価だろう。
しかしだとしても、《「流星の雫」》には他に固有の存在価値はないのだろうか?
そう考えたとき……私はある一つの可能性に思い至った。
それは、シールドゾーンに1マナで置けるカードであるということだ。
ギャラクシールドのコストが1マナのカードとしては、他に《「自由のクルト」》があった。そして 《「流星の雫」》と同じ水文明の《海底鬼面城》を加えれば、光+水という文明の組み合わせではシールドゾーンに1マナで置けるカードが3種12枚採用できることになるのだ。
とはいえ、それだけだと「シールドゾーンに1マナでカードを置けたから何なの?」と思われるかもしれない。
しかしデュエル・マスターズというゲームにはいつでも活躍の瞬間を待ちわびている、可能性に満ちたカードたちが数多く眠っているのだ。
《赤攻銀 イザヤック》、そして《青守銀 アドマニ》。
これらのクリーチャーたちは、シールドゾーンにカードが置かれたらタダ出しできるという能力を持っている。ならば1ターン目にシールドゾーンに置けるカードが12枚になったことは、彼らのタダ出しが極めて安定したということを意味しているのだ。
とはいえ冷静に考えると、《赤攻銀 イザヤック》が早く着地したからといって《「自由のクルト」》や《「流星の雫」》と合わせてクソビート……というのはさすがに夢物語が過ぎる。それに《青守銀 アドマニ》はプレイヤーを攻撃できないので、早出ししたとしてもビートダウンの一翼を担うことはできない。
ならば《青守銀 アドマニ》のブロッカーを頼みにして高速で防御壁を展開するプランかと思っても、それだと今度は《赤攻銀 イザヤック》が不要になってしまう。
要するにせっかく同じ条件でタダ出しできるというのに、《赤攻銀 イザヤック》と《青守銀 アドマニ》との能力の方向性の不一致がここでは問題になってしまっているのである。
この問題を解消するには、《エメスレム・ルミナリエ》のようにクリーチャーの頭数そのものを頼みにするか、もしくは《赤攻銀 イザヤック》と《青守銀 アドマニ》に同じ能力を後付けで付加するしかない。
もし……もし仮にだが。
「全員をブロッカーにするカード」が、《Dの牢閣 メメント守神宮》以外にあったなら……。
いや、違うお前の出番じゃない。
そう、《セイント・キャッスル》だ。
このカードこそ新時代の《Dの牢閣 メメント守神宮》(?)。1マナギャラクシールド軍団に加えて《赤攻銀 イザヤック》と《青守銀 アドマニ》まで採用しているので、後手だとしてもブロッカーの頭数が足りなくなることはないだろう。
これによりデッキコンセプトは徹底した「防御」に振られることとなった。である以上、対戦相手の苛烈な攻め手をしのぎきるだけのリソース確保手段が《海底鬼面城》以外にも必要となる。
そこで《三・騎・繚・乱》の出番だ。
《セイント・キャッスル》が防御を固めてくれるので、ギャラクシールドしてもすぐブレイクされて手札に帰ってくるだけ……なんて寂しい結果にはならず、《サイバー・ブレイン》のプレミアム殿堂など意に介さない純然たる3マナ3ドローを満喫できる。
とはいえ、カードを引いてブロッカーを大量に並べるだけでは時間が経てばいずれ突破されてしまう。
何か決定打が必要なのだ。相手が「もう勘弁してください」と泣きを入れるほどの、圧倒的なパワーカードが。
だが、ギャラクシールドはまだ第1弾が出たばかりでカードプールが少ない。《「絶対の楯騎士」》や《「雷光の聖騎士」》も悪くはないが、もっと相手の心を折りにいけるような、そんな圧倒的な切り札が……。
あった。
《煌世主 サッヴァーク†》。やはりギャラクシールドと噛み合うのは同じキラ君のマスターカードしかない。
毎ターン増えていくブロッカーの山にしびれをきらした相手がうっかり殴ってきたら、表向きの楯3枚を裏返しながらおもむろに呪文を詠唱するのだ。
「主よ、約束の日は来たり!今こそ応えよ!第七の聖典に刻まれしその名は……《煌世主 サッヴァーク†》!!!!!!!」
確実に出禁である。
というわけでできあがったのがこちらの「ギャラクシー・キャッスル」だ!
『ギャラクシー・キャッスル』
《「流星の雫」》 | |
《「自由のクルト」》 | |
4 | 《「流水の大楯」》 |
《赤攻銀 イザヤック》 | |
4 | 《青守銀 アドマニ》 |
4 | 《煌世主 サッヴァーク†》 |
4 | 《憤怒スル破面ノ裁キ》 |
4 | 《三・騎・繚・乱》 |
4 | 《海底鬼面城》 |
4 | 《セイント・キャッスル》 |
なお、新カード紹介後の回で恒例となっている対戦動画だが、現下の情勢では撮影が難しいため、今回もなしである。ご了承いただけると幸いだ。
さて、いかがだっただろうか。
《「流星の雫」》が収録されている「Wチームドッキングパック チーム銀河 & チームボンバー」は、5月23日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック6月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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