マイデザインにハマる匠
前回、コスチュームやラグなどを自分の好きなようにデザインできる『あつまれ どうぶつの森』の機能“マイデザイン”にどっぷりとハマり込んでしまっている同僚のたっちーの話を書いた。今回は、その続きである。
『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第14回 匠の部屋(1) |
進行の差
たっちーと俺は、『あつ森』が発売された3月20日に、ほぼ同時にゲームを始めた。厳密には、俺のほうはダウンロード版を購入したのでひと足早くプレイすることが可能だったのだが(日付が3月20日に変わった瞬間から遊ぶことができたのだ)、
「やっぱりそこは……ヨーイドンで始めるべきやろ!!」(たっちー)
ということになって、一斉スタートを切ることになったのである。
しかし、思わぬことが理由で、並走の約束は早々に砕け散ることとなった。……なんと、発売初日に(苦笑)。
当日記の第4回“リセマラで星を得る話”に詳しいのだが、
『あつまれ どうぶつの森』プレイ日記 角満島開拓日誌 第4回 リセマラで星を得る話 |
俺は、島のレイアウトを決定するときに稀に出現する“星型の池”がどうしても欲しくて、
それを引くまで幾度となく、ゲームのリスタートをすることになったのである。
リセマラをした回数は……じつに50回ほど((((;゚Д゚)))
けっきょくその日は、スタート→データ削除→スタート→データ削除……をひたすらくり返していたため、ゲーム本編は1ミリも進めることができなかった。そのせいで、ふつうにゲームを始めたたっちーと、丸1日分の差ができてしまったのである。
清貧の極み
とはいえ、『あつ森』はユルユルだらだらと長く遊ぶゲームなので、1日の違いなんて、宇宙的観点から見たらどーでもいい些末な瞬間に過ぎない。しかし、やるべきことが明確に定められている序盤はそうも言っていられず、1日の違いはキッチリと、結果として現れてくる。たとえば、新しい店や住人が導入されるのは、必ずたっちーのほうが“1日先行”。ひと足先にイベントを体験できるのは、“先行者メリット”と言えるかもしれない。
……と、ここまでが大前提の話。記事タイトルにある“匠の部屋”に関しては、以下から綴る。
ある日。
俺よりも1歩先で遊んでいるたっちーの島に、フラリと遊びに行った。目的は、
「キサマの島で“マスク”を売ってたら、買っておいてくれ! マイデザインで、マスクがトレードマークのキャラを作りたいんや!!」
と、まるで時事を反映させたかのような注文を受けており、無事に我が島で購入することができたので、たっちーに届けようと思ったのだ。
たっちーと合流し、注文のマスクを渡す。
ついでに、
持ってたタランチュラを20回くらい見せびらかしてやった。
でも、これだけで帰るのはあまりにも味気ないので、
「せっかくなので、島を1週してくるわ!!」
と言って、俺はたっちーの“とみおか島”の散策を始めた。見慣れないほかの人の島を見ると、いろいろと刺激になるからな!
そして俺は、たっちーの家の前までやってきた。
前出の理論に則れば、俺よりも先行で進めているたっちーのマイホームは、豪華絢爛かつ、世界の珍品奇品がならぶ万国博覧会のような内装になっているはず。しかも、彼女はあれだけマイデザインにも凝ってしまう職人肌だ。きっと家の中も、とんでもなく工夫されているに違いないぞ!!
ワクワクしながら、俺はたっちーに言った。
「家の中、見せてくれよ! レイアウトの参考にさせてもらうからさー^^」
素っ気なく、たっちーが応じる。
「ああ、ええで。参考になるかどうかわからんけどな」
またまたあ^^ 謙遜しちゃってコノコノぉ^^
ドアのノブをガチャリと回し、たっちーの家にお邪魔する。すると……そこには……(((( ;゚Д゚)))
すっからか~~~~ん……www
「!!!?!?!!?www」
我が目を疑うとは、まさにこのことであろう。な、なんだこの部屋は……!! ゲームスタート時のテントの中と、ほとんど変わってねぇぇぇええええ!!!www
「ちょ!!!www おめーの部屋、どーなってんの??www 何もないんだけどwww」
するとたっちー、少しテレながら「あー^^;」と言った。
「じつは……マイデザインにハマりすぎて、ほかのことに手が回らないねん!!www ホントは家の中も凝りたいんだけど……時間がまったく足らねぇぇぇえええ!!!www」
どうやらこれは、創作にすべての時間と労力を捧げる職人……いや、匠ならではの部屋ということか。その潔すぎる部屋のありさまを見た俺は、静かに、
「いや、おみそれしました……。これぞ……“清貧”の極み……><」
そうつぶやいたのだった……w
続く。
大塚角満の『あつ森』おもしろガイドも更新中
大塚角満(おおつか・かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |
『あつまれ どうぶつの森』公式サイト:
https://www.nintendo.co.jp/switch/acbaa/index.html
※ゲーム画面はNintendo Swicthソフト『あつまれ どうぶつの森』のものです。
© 2020 Nintendo
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