超改造で日々のベイライフをよりアツく! ベイ界の第一人者による熱血解説記事がGoシュート!
第5回「ベアリング軸最強説って本当なのか!?」
こんにちは! マスターブレーダーのホリカワです。皆さん、ベイブレードは約20年前にも大ブームになっていたことをご存知ですか? 正式名称を『爆転シュート ベイブレード』といい、ベイを回してぶつけ合うバトル方法やパーツを交換する改造は、現在の『ベイブレード バースト』と同じです。
そしてその時代に大きく猛威をふるっていたパーツが、工業製品であるベアリングを内蔵したドライバー(当時はブレードベースと呼びました)です。ハンパない回転のスムーズさから、当時の大会上位に進出するベイのほとんどはベアリングの持久型でした。ベアリングを使わない持久型は持久型にあらず!! なんてくらいのイキオイでしたね。
そんな伝説的なベアリングを使ったパーツは現在の『ベイブレードバースト』にも存在し、多くの持久型改造で取り入れられている人気パーツとなっています。
そこで今回は、なぜベアリングを使ったドライバーはよく回るのか、本当にすべての持久改造に組み込む価値があるのかを研究してみたいと思います!!
■ベアリングを内蔵したドライバー
現時点(2018年8月現在)での『ベイブレードバースト』ベアリング内蔵ドライバーは1種。ズバリ、その名も「ベアリング」!
▲ベアリング
「神改造セット」や発売されたばかりの「超Zトリプルブースターセット」で手に入ります。フリー回転する軸先になめらかなPOM素材の円盤を装着した、高性能で人気のドライバーです。
■そもそもベアリングって何!?
ベアリングは、カンタンに言ってしまえば「非常に小さな鉄球の集合体」です。この鉄の球が下の図のように、軸と本体の間にいくつも入っているのです。自動車など本物の工業製品にも多く使われている本格的な部品と言えますね。
■究極のフリー回転だからよく回る!!
全体の構造は下の図の通り。軸先から金属シャフトが出ていて、軸と本体(黄色い部分)が別々に回転するので、地面からの抵抗をあまり受けずに長く回るという仕組みです。
【ドライバー「ベアリング」断面図】
でもその仕組みって他のフリー回転ドライバーと同じでは?……と思ったアナタはするどい!! そう、本体と軸先が別々に回るドライバーは他にもたくさんあります。しかしそれらのドライバーと「ベアリング」が大きく違うのは、金属シャフトと本体の接触部分(図の黒い部分)にベアリングを使用している点です。
ベアリング=小さな鉄球を接触部分に入れることで、鉄球が回転して本体と金属シャフトの摩擦を劇的に減らし、他のフリー回転ドライバーをはるかにしのぐスムーズな回転を実現しているのです。
さらに「ベアリング」ドライバーは軸先になめらかで摩擦抵抗の少ないPOM素材の円盤を装備しているので、摩擦の軽減にプラスして円盤形状による倒れづらさも獲得しています。
■すべての持久改造の選択肢に入れるべき逸品!!
ここまで読んで、もうおわかりでしょう。そう、自分たちで開発しておいてナニですが「ベアリング」ドライバーはマジで強い傑作です!! 持久改造ベイを作るなら、必ず候補に必ず入れるべきパーツでしょう!! よろしくお願い致します!!
……ですが、弱点もあります。それはスタジアムの傾いた場所では軸先の円盤がややこすれやすいこと。そしてレイヤー、ディスクを固定するスプリングが弱く、バーストしやすいことです。
ただどちらもシュートをブラさず、相手の攻撃を受けにくい平らな位置に正確に撃つことで克服できます。改造テクだけでなくシュートテクも磨いて、「ベアリング」ドライバーの性能を引き出してください!!
堀川亮(ほりかわ あきら)
マスターブレーダー。2008年、タカラトミー入社。ベイブレードバーストの開発からマーケティングまで、全般を担当。