今エンタメ菓子が超熱い! 『釣りグミ』発売決定&『キャラパキ 発掘恐竜』大ヒット記念開発者スペシャルインタビュー!!(前編)


“釣り”をモチーフにした最新エンタメ菓子『魚ギョッと釣りグミ』(以下、『釣りグミ』)が、2020年3月16日(月)バンダイから発売決定!
 
お菓子だからとあなどるなかれ! 緻密に計算され、開発者の情熱が込められた、大ヒット間違なしの商品となっている。
 
そんな発表されたばかりの『釣りグミ』に関して、商品開発を手掛けたバンダイの片野裕太チーフに最速インタビューを実施!
 
前編では、片野チーフが手掛けた人気菓子『キャラパキ』シリーズの開発秘話をお届け!! 『釣りグミ』に繋がるヒットの要因とは!?

人物紹介
株式会社バンダイ
キャンディ事業部菓子事業チーム
チーフ
 
片野 裕太

 

型抜きから着想を得た
革命的チョコ菓子!!

――大ヒットしている『キャラパキ』ですが、そもそもの開発経緯を教えていただけますか。
 『キャラパキ』の歴史を振り返りながらになりますが、まずシリーズ第1弾として発売したのが『スーパーマリオキャラパキ』(2017年10月発売)です。この商品の開発経緯としては、まずうちのキャンディ事業部でお菓子とキャラクターを掛け算して、ただキャラを貼り付けただけじゃない商品を作ることが命題としてありました。そして、扱うお菓子はチョコレートに、キャラクターはマリオに決まり、そこからどういう風に両者を掛け算して面白くするか考えていたんです。
 

 
 そんなとき、注目したのが”板チョコの食べ方”でした。大体の人がそうだと思いますが、板チョコを食べるときって、普通にパキパキ割って食べますよね。これを遊びに転化できたら面白いかもって思ったんです。
 
――板チョコを遊びながら割る方法を模索したと。
 そうです。そして、参考にしたは縁日の”型抜き”でした。お菓子に描かれた形に沿って彫り抜き、その見栄えによって景品が貰えるやつですね。チョコを割るときにその要素があれば、より楽しめるかなと考えました。それに題材がマリオだったので、ブロックを割る(叩く)感覚に近いところもあり、親和性もバッチリだなと。
 

 
――お菓子とキャラクターが”型抜き”で見事に繋がりましたね。『キャラパキ』という商品名もバッチリ合っていますが、こちらはすんなり決まった名称だったんですか?
 じつは色々とありました(笑)。最初、私が「キャラパキ」でいこうと思って進めていたんですが、会議で「名前が安直過ぎるから考え直せ」って上司から言われたんです。そこから色々と案を出しつつも、キャラパキという響きの良さ、安直だからこそいいという思いがあり、結局最初の「キャラパキ」で押し通しました。
 
 結果的に成功したので、本当にあの時に名前を変えなくて良かったなと思っています。ちなみに、今でも上司から「あの時は(名前を変えろと言って)ごめん」と言われますよ(笑)。
 

 
――ストレートだからこそ良い場合もありますよね。続く第2弾はどのようにして展開されたのですか?
 『スーパーマリオキャラパキ』がまずまずのヒットだったので、「キャラパキ」というブランド自体を継続していこうという方針になりました。そこで第2弾のモチーフとして考えたが”恐竜の化石発掘”だったんです。
 
 じつは第1弾を手掛けていたときから、「次は恐竜を題材にしたい!」「板チョコから化石を発掘できたら楽しいはず!」と頭の中で考えていました。キャラクターを抜き出す楽しさに加えて、発掘を疑似体験できたら絶対に面白いじゃん!と。そうやって出来たのがシリーズ第2弾『キャラパキ 発掘恐竜』(2018年5月発売)でした。
 

 
――面白さの要素をさらに加えた感じですね。でも、言って良いのか分かりませんが、ひとつ気になることがあります。「キャラパキ」なのにキャラクターじゃなくなってませんか?
 うぐ、良いところに気が付きましたね……。おっしゃる通りで、会議でも「キャラパキじゃないじゃん」と指摘されました。でも、よく見てほしいです。これは化石の形をした恐竜のキャラクターなんですよ!
 
 つまり、これはキャラクターです。なので「キャラパキ」といっても全然問題ありません――という話で押し通しました。
 

 
――なんという力技(笑)。商品としてパワーアップした部分は他にありますか?
 第1弾の成功もあって、チョコ自体を1色から2色にできました! パッと見の良さもありますが、まるで化石が本当に埋まっているように見えるのがポイントですね。”発掘感”がさらに上がったと思います。
 
――たしかに化石を発掘している感覚が得られそうです。ユーザーからの反響はいかがでしたか。
 かなり良かったです。やはり恐竜は不動の人気を持っていますね。あと、ちょうど映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2018年)の上映開始とタイミングと重なったことや、夏の時期は恐竜博などで注目が高まる時期であったことも要因だと思います。
 
――発掘できる恐竜はティラノサウルスやプテラノドンなどがありますが、これらの種類はどう決められたのですか?
 基本的には、認知度の高い人気の恐竜を大前提として選んでいます。ですが、もうひとつ重要なのが”骨の形”なんです。発掘するのはあくまで恐竜の骨のため、それだけで”恐竜として分かること”がポイントになります。いくら人気があっても、意外と骨だけでは形が分からないものがありまして。例えば、ヴェロキラプトルなどの細く小さい恐竜とか。
 

 
――骨だけで映えることが重要なんですね。話は変わりますが、公式HPやパッケージの裏に描かれている”パキン原人”というキャラクターは、どのようにして生まれたんですか?
 キャラクターを登場されることで、商品にストーリー性が生まれ、より深みを持たせることができると考えました。ちなみに、パキン原人の正体は、あまり似てないんですけど私です(笑)。
 


 
――まさかの片野さん!?
 さきほどのストーリー性の話に加えて、「こういうキャラクターを使わないオリジナル商品を作るうえでの醍醐味は、自分自身の要素を入れられることだよ」と先輩に言われたんですよ。だったらと思い、デザイナーさんに自分のイラストを描いてもらって、そのまま化石発掘名人のパキン原人として登場させました。
 
――そんな過去があったんですね。でも、たしかにキャラクターがいることで物語が生まれ、親しみやすくなりますね。
 結構、細かな設定があるんですよ。公式HPには身長や体重、家族構成や口癖など、かなり細かく書かれています。この商品を好きになった人がHPを見て、「ここまで細かく設定されているんだ」と思ってもらいたくて。
 
――『キャラパキ』シリーズは、現在第3弾の『チョコの実だもの』まで発売されていますが、次は何か決まっていますか?
 詳しくは話せませんが、新展開はありますので、ご期待頂けると!
 
――さて、次にお聞きするのが、ついに3月に発売となる最新菓子『魚ギョッと釣りグミ』について! こちらは次週公開予定の記事で詳しく聞かせてください。
 こちらは『キャラパキ』とは、まったく異なるアプローチで作られたエンターテインメント×お菓子、名付けて”エンタメ菓子”となっています! ぜひご期待を!!
 


 
『釣りグミ』のヒミツが明かされる!
後編は3月16日(月)12時公開予定!

商品概要
『魚ギョッと釣りグミ』
■メーカー希望小売価格:60円
■発売日:2020年3月16日(月)
■売場:全国量販店の菓子売場等
■公式HP:https://www.bandai.co.jp/candy/products/2020/4549660424024000.html