「『ドラえもん』って、むしろ大人のほうがジーンとくる」
8/7(金)公開の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』で、猿の姿をした謎の男“ジル”を演じる、木村拓哉さんにインタビュー! 『ドラえもん』との思い出、小学生時代のエピソード、本作にかける思いなどを聞いてきた!! なんと、コロコロコミック読者へのスペシャルメッセージもあるぞ!!!!
木村拓哉(きむら・たくや)
1972年生まれ、東京都出身。ジャニーズ事務所所属。出演したドラマや映画が次々に話題となり、大ヒットを記録。2020年1月8日には初のソロアルバム『Go with the Flow』をリリースした。
一番好きな恐竜は……
——木村さんが、コロコロコミックで『ドラえもん』を読んでいた当時のことを教えてください!
いきなり「これ、言っていいのかな?」っていうエピソードなんですけど、立ち読みしていました(笑)。当時は、今のようにひもで縛られていなかったんです。それと、僕が子どもの頃って、コンビニエンスストアが世に広まり始めた時代で「コンビニ!? なんだ、これ!?!?」っていう驚きと共に足を運ぶようになって。だから、コロコロっていうと、コンビニで立ち読みしていた記憶がよみがえります。
——少年時代の記憶に、コロコロコミックがあることがうれしいです! 木村さんが小学生の頃は、どのようなホビーやゲームが流行っていましたか?
周りのみんながお小遣いを貯めてゲームウオッチ(※任天堂初の携帯ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」)やファミコン(※ファミリーコンピュータ。今の「Nintendo Switch」のような存在!)を買うのを見て、「いいなあ」って思っていました。我が家にはお小遣いシステムがなかったんですよね。
だからというわけではないですけど、家にあった恐竜の図鑑をよく見ていました。
——今回の『映画ドラえもん のび太の新恐竜』にもつながりますね。どの恐竜が一番お好きでしたか?
一番!? それは厳しいな。本当はTレックスって言いたいですけど、空を飛べるプテラノドンは外せないよなっていうのもあるし。あの巨体にも関わらず草食系のブラキオサウルスとか。トリケラトプスも捨てがたいし。……まあ、でも滑空できるって相当だと思うので、プテラで。
ひみつ道具が現実化する時代になった
——今回、出演オファーがあった際にドッキリ番組じゃないかと思ったそうですね。
すっごく、疑いました。テレビ朝日もそういう番組始めるのかな、って(笑)。そしたら「違います。ガチです」って。そう思ってしまうくらい、自分の少年時代に密接していた作品です。
実際に台本を手にして、自分が担当する“ジル”っていうキャラクターが出てくるページ全部にふせんを貼って、セリフにマーカーを引いて、そこから作品の中に入っていく実感が湧いてきました。
——木村さんと『ドラえもん』の最初の出会いは、どのようなものでしたか?
最初はアニメですね。幼いながらに「のび太って、ダメダメだな」と思いながら、若干(笑)、上から目線で見ていました。でも、そんなのび太に対して、ドラえもんが「仕方がないなあ。これを使ってごらんよ」って道具を出して、助けてくれるじゃないですか。だから、だんだん、のび太のことが羨ましくなっていって。きっと、今の子どもたちも同じような気持ちですよね。
今年で『ドラえもん』が50周年と伺って、そんなに長い間、ずっと子どもたちから羨ましがられるキャラクターって、すごいなって。言い換えれば、のび太は50年間もダメダメってことでもあるんですけど(笑)。……本っ当、藤子・F・不二雄先生はすごい。
——のび太とドラえもんたちのキャラクターやその関係性以外では、どういった部分に藤子先生のすごさを感じますか?
さっき、スタッフさんとも話していたんですけど、『ドラえもん』に「糸なし糸でんわ」っていう、ひみつ道具が出てくるんです。
——理科の実験などでつくる小学生も多いと思います! 本来は、声を糸の振動によって伝えるから「糸電話」なのですが、「糸なし糸でんわ」には糸がないという。
そう! それって、つまり携帯電話なんですよね。今は2020年だから、当たり前のように僕らの生活のなかに存在しますけど、当時、僕らが子どもだった頃は、アニメを見て「すごいなあ。本当にあったらいいなあ」って思っていたわけで。
もしかして、『糸なし電話』に似た携帯電話みたいに、どこかの誰かが、今まさに頑張りながら開発しているものがあるんじゃないかって、いくつものひみつ道具を頭に浮かべながら思うんです。先見の明がすごいですよね。