『デュエル・マスターズ プレイス』超特集! 松本しげのぶ大先生が語る『デュエル・マスターズ』誕生の瞬間!!

この冬、配信予定の全国のデュエリスト待望のスマートフォン向けゲームアプリ『デュエル・マスターズ プレイス』!!
 
早くもプレイが待ちきれないデュエリストたちはもちろんだが、あの大先生も待ちわびていた!
 
そう!! まんが『デュエル・マスターズ』の原作者であり、TCG『デュエル・マスターズ』の生みの親の一人でもある松本しげのぶ大先生だ!!
 
そんな松本大先生に『デェエルマスターズ プレイス』を試遊していただくとともに、初期の勝舞くん時代の『デュエル・マスターズ』から現代のジョーくん時代の『デュエル・マスターズ』まで、デュエマファン必読の思い出話やTCG『デュエル・マスターズ』誕生秘話を語っていただいたぞ!!
 

『デュエル・マスターズ プレイス』超特集企画
『デュエル・マスターズ プレイス』超特集! 松本しげのぶ大先生がアプリ初体験!!

 
今回は、TCG『デュエル・マスターズ』誕生の瞬間が明らかとなる!?


——最初に『デュエル・マスターズ』のまんがが始まった頃のお話をお聞かせください。
すごい稀な例だと思うんですけど、TCG『マジック:ザ・ギャザリング』を題材にしていた展開から『デュエル・マスターズ』のタイトルはそのまま新たなカードゲームが生まれたのは、コロコロのホビーまんがの中でも珍しいケースだったと思います。

 

▲まんが『デュエル・マスターズ』第1巻表紙。
主人公の勝舞くん、マジック時代の相棒カード、「針刺スリヴァー」が描かれている。

松本しげのぶ(以下、松本):そうですね。
 
ただ『デュエル・マスターズ』を描き始めるころはトレーディングカードゲーム(以下、TCG)をほとんど知らなかったんです。水木しげる先生の『水木しげるの妖怪伝』というTCGが出てて、それを集めていたくらいでした。
 
なので、他のTCGにも興味あったんですよ。テキストとか書いてあって、どういうカードゲームなのかなって……。
 
そのときにTCGの原型とも言える『マジック:ザ・ギャザリング』があるって知ったんです。たまたまお店に行ったら、『マジック:ザ・ギャザリング』のカードが売っていて、「これ、なんやろ? どうやって遊ぶんだろうな」って興味が引かれていたんです。
 
そして、3日後ぐらいに小学館行ったら、「マジック:ザ・ギャザリングってカードゲームがあるんだけど描いてみないか?」って話がちょうど来たんですよ!
 

 
——まさに運命的な!?
 
松本:ただ、僕は『どうやって遊ぶのかっていう興味』を持っていたくらいだったので、ルールやカードの種類はまだ知らなかった。
 
なので最初、『マジック:ザ・ギャザリング』の海外の人向けのカードイラストで「どんなまんがが、自分にできるだろうか?」と悩みました。そして、ホビーまんが自体、僕は描く自信がなくて一度断ったんです。
 
でも、担当さんが「ホビーまんがっていうのはスポーツまんがと同じで、子どもたちにとって一個のジャンルとしてしっかりある。すごい熱いまんがが描けます!」って熱意を込めて語ってもらったんです。
 
それで、「熱いまんがが描きたい!」となって描かせていただくことになったんです。でも初めは、テニクニカルアドバイザーの中村聡さんにいろいろと教えてもらいました。
 

▲テニクニカルアドバイザーの中村聡さん。(デュエル・マスターズ単行本第1巻より)

松本:それでも、わからなくて……。
 
僕が子どものころにはなかったものなので、TCGのルールやそれぞれのカードの意味が全くわからない。
 
毎回ネームを切るときにカードを並べて、どうやってまんがに起こしていくか悩みました。
 
TCGのカードバトルは基本的に1ターン1ターン交互に行います。格闘系まんがだったら2回殴ったり、フェイント掛けたり、いろんな演出が浮かぶと思います。でも、カードバトルでは難しい。順番に行われるものを一体どうやって熱く描いたらいいんだろうって。
 
そこでもネームにすごい時間がかかるんです。ネームに2週間かかったんですよ!
 
それが2、3年続いたんです。2週間ネームにかかったら作画に1週間しかない。逆算していくと(作画に)1週間しかなくて、ゲーム構築してもらってその対戦表を書いて、そのネームを起こすときに一体どのターンを省いて、どのターンを描けばいい……というのをやっているネーム作りで本当に2週間かかるんですよ。
 
——でも、実際それくらいの手間はかかると思います。
 
松本:ルールもうまく飲み込めていないからからコツも掴めず、作画が1週間。勝舞くん編の時、7巻までは1人で描いていたんですよ。
 
当時アシスタントもいなかった。それで作画を1週間なんです。だから、勝舞くん編の初期は絵が荒れてるんですよ(笑)
 
そうした中で、まんがで1ターン1ターン行われる時に、「どういう風に僕は描こうかな?」と思った。カードバトルって戦略とかを読み合う1ターン、本当に静かなバトルなんですね。
 
そこで思いついたのが、「1ターンして、相手のターンになった時にテンションを一個ずつ上げていこう!」
 
だから徐々に、ターンが進むたびに一個ずつ様々な感情がキャラクターに溜まっていくんです。不満とか鬱憤とか、それを一気に開放するのが切り札召喚の時!っていう流れを何回か描いているときにパターンとして作り上げられたんですよ。
 
——それは何回くらい描いて、「これだ!」っていうのがみえてきましたか?
 
松本:4巻ぐらいの時です。
 
それが顕著なのが、牛次郎戦なんです!
 

▲『デュエル・マスターズ』第4巻で対決する邪藩 牛次郎。

松本:これはファンの方からも好評で、このあたりでやっとパターンが見えてきたんです。
 
それで「マジック:ザ・ギャザリングを描ける!」と僕が思った時に、アンケートで1位がとれた。その喜びもつかの間で、「マジック:ザ・ギャザリングのまんがから、新しいカードゲームでまんがを作りたい」「全く新しいシステムのTCGを作ろう」と言われました。
 
単行本4巻くらいが出た時に言われましたね。
 
だから、あとの5巻、6巻のデュエルはマジック:ザ・ギャザリングで描いているんですけど……。
 
——その間にマジック:ザ・ギャザリングと並行して、デュエル・マスターズのカード制作にも携わっていた。
 
松本:そうなんです。だから、牛次郎戦のあとはちょっといろいろと抜けてるんです(笑)
 
僕の中でも、描きたいテーマもあったし、描きたいデュエルもあった。でも、やらなきゃいけないことがあっだ。だから、マジック:ザ・ギャザリングでやりたかったことができなかったのが、ちょっと悔しいところでもあったんです。
 
でも、マジック:ザ・ギャザリングが出てくる7巻まで全身全霊で描き切りましたね!
 
——ちなみにそのつかめてきたっていうタイミングにTCG『デュエル・マスターズ』を作ろうという提案を受けましたが、その提案を受けた時の印象はいかがでしたか?
 
松本:もう終わった……、本当に終わったって思いました。今だからこそ言えますが、当時新しいカードゲームで成功するわけないと思いましたから。
 
——試みとして前例がないですからね。マジック:ザ・ギャザリングから逆輸出的なことをやるのは、相当珍しいケースだったと思います。
 
松本:そうなんですよ。コロコロでも珍しいケースだと思うんです。
 
なので、ここからが本当にオリジナルを作ろうって話なんですよね。今までは「既存のものがあってまんがにする」っていうところだったんですけど、デュエル・マスターズになることで、マジック:ザ・ギャザリングのルールとは違ってくるわけです。
 
新しくなるので、「いままでのマジック:ザ・ギャザリングではなく、新しいデュエル・マスターズでどうしたら子どもに受け入れてもらえるか?」を考えたんです。
 
今でも大事にしてるんですけど、今までの不満ていうのをかき集めて、「一体、次何がやりたいか?」っていうのを見ると、すごく考えやすいんですよね。
 
デュエル・マスターズのシールドであったり、5文明っていう設定など。マジック:ザ・ギャザリングでは5文明っていう1個1個の文明は危機を迎えてて、滅びようとしてるから奪い合うみたいな設定の世界観だったんです。
 

 
松本:でも、デュエル・マスターズはどちらかというと各文明はすごくきちっと統率された世界で出来上がってる世界なんです。そして、各文明ごとの侵略とか交流とかがあって……と設定を作っていきました。
 
また、「もっとマジック:ザ・ギャザリングよりも深い世界観が書きたいな」「子どもにもっとわかりやすい世界観が作りたいな」というお思いから、まんがの側から言えることはすべてまんがに投入しました。
 
そして、タカラトミーさんや、カードを作っているウィザーズさんもやりたいことはいっぱいある。だから、みんなで提案しあって、どういう風にするかという作り方をデュエル・マスターズではしてるいるんです。
 
各社全力のアイデアをぶつけ合う会議は結構激しくなるんですけど、「引き下がれない!」「ここはやらせて!」みたいな多くの人の熱い想いでデュエル・マスターズを作ってます。
 
——なるほど。では、世界観は松本大先生が作られて、カードのゲームのルールやシステム、デザインはやはり最初に先生が?
 
松本:全部のデザインではないけど、先ほども言った通り会議でみんなで決める。
 
僕が初め提案していたのが、マジック:ザ・ギャザリングはライフ制だったので、そのシステムをデュエル・マスターズでは変えようというものでした。ライフ制のままだと、まんがになった時、キャラクターたちの傷つく描写が増えてしまう。
 
それを変えたくて、会議の中で「なにか防ぐもの、トークンなり防ぐものが壊れていくものにしてほしい」と僕が言ったんです。
 
それで、ウィザーズさんが「シールド」っていうのを考えてくれて、シールドっていうのはただ割れるだけではなくて、「シールド・トリガー」で反撃するというのもウィザーズさん側がゲーム構築してくれました。
 
なので、初めは「まんがの表現」から言えることはいろいろと提案しました。そして、5文明の世界観を作るときに、クリーチャーのイラストや世界観のイラストをかなり描きましたね。


今回はここまで!!
次回はまんが&TCG『デュエル・マスターズ』の制作の裏側が明らかに!!
勝舞くん時代の読者とって驚きのお話が飛び出してくるぞ!!
 

デュエプレ超特集記事はこちら!!

アプリ概要
タイトル:『DUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)』
ジャンル:対戦型カードゲーム
配信先:App store/Google Play
配信日:今冬配信予定
価 格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
公式サイト:
https://dmps.takaratomy.co.jp
事前登録:
DUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)公式Twitter:
https://twitter.com/dmps_infoDUEL MASTERS PLAY’S(デュエル・マスターズ プレイス)公式LINE:
https://line.me/R/ti/p/%40723prcyu
作品概要
『デュエル・マスターズ 10』
■作者:松本しげのぶ
■定価:454円+税
■発売日:2019年11月28日
■判型:新書判
■頁:192頁
■詳細:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091430854

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