2000年(平成12年)第261号~第272号
■2000年のトピック:
1999年11月に満を持して発売されたポケモン新作をベースにした「ポケットモンスター 金銀 ゴールデンボーイズ」(斉藤むねお)をはじめ特集記事や付録はポケモン関連が鉄板、中でも初代ポケモンのミュウ以来の通常プレイでは手に入らないポケモン“セレビィ”のプレゼント企画はこの年のハイライト。
また、劇場作品「映画ドラえもん のび太の太陽王伝説」、「劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王ENTEI」のヒットに「うちゅう人 田中太郎」の「おはスタ」内アニメ化放送など映像分野でも明るい話題が続きました。また、新人作家育成の企画ページ「コロコロ漫画大学校」の開校も重要なトライでした。
■主な人気マンガ:
1月号~ 「ポケットモンスター 金銀 ゴールデンボーイズ」斉藤むねお
3月号~ 「4V4 嵐」こしたてつひろ、「とんでもアドベンチャー スパイロくん」春風邪三太
5月号~ 「たたかえ!地球ぼーえー隊 MAC」うぉーりゃー大橋
6月号~ 「ぞくぞくヒーローズ」樫本学ヴ、「音速バスターDANGUN弾」てしろぎたかし
8月号~ 「ドカポン?! ミレニアムクエスト」堀美一
9月号~ 「ドラベース」むぎわらしんたろう/藤子プロ、「あっぱれメガバカBoys」のむらしんぼ
11月号~ 「マッスルキング」大内水軍
人気連載が継続傾向となり、新規スタート作品が少ない1年でしたが、そんな中でもネクストヒットを模索する動きが見られ、ポストミニ四駆のダンガンレーサーを漫画化した「音速バスターDANGUN弾」(てしろぎたかし)、ポケモン以降のRGP(ロールプレイングゲーム)原作「ぞくぞくヒーローズ」(樫本学ヴ)や「ドカポン?! ミレニアムクエスト」(堀美一)、外食産業のマクドナルドとタイアップした「たたかえ!地球ぼーえー隊 MAC」(うぉーりゃー大橋)などこれまでと異なるアプローチの企画へのトライなども行われました。スポーツ物では少人数サッカーを題材にした「4V4 嵐」(こしたてつひろ)とドラえもんワールドに新たな息吹を送り込むことに成功した「ドラベース」(むぎわらしんたろう)がスタートしています。
■主なホビー:「機獣新世紀ゾイド」シリーズ
80年代に一斉を風靡したトミー(現タカラトミー)のメカホビー「メカ生体ゾイド」が1999年に「機獣新世紀ゾイド」として再始動。コロコロ誌面でもジオラマ写真+テキストによるグラビア「ゾイドバトルヒストリー」を展開、ミリタリー要素とSFマインドが同居した独自の世界観は多くの読者を魅了しました。
また同年6月号からはマンガ「機獣新世紀ZOIDS」(上山道郎)連載、9月からはMBS系にてテレビアニメ「ゾイド -ZOIDS-」放送が開始、以降2000年代前半にわたり派生シリーズを含めて新作+旧シリーズのリニューアルを合わせた豊富なキットのラインナップ展開で注目を集める人気ホビーになりました。
■2000年の世の中
豪シドニー・オリンピック開催
イチロー選手、野手として日本人初のメジャー・リーガーとなる
SCEよりDVD再生機能も備えた家庭用ゲーム機、プレイステーション2発売
二千円紙幣、新五百円硬貨発行
「甘栗むいちゃいました」(クラシエフーズ)、「ムースポッキー」(グリコ)の菓子がヒット
「おはスタ」の挨拶「OHA!(おーはー!)」を真似た慎吾ママ(SMAP 香取慎吾)の「おっはー」が流行語に
■コロコロトリビア: 新人作家の新たな登竜門!「コロコロ漫画大学校」開校!
当時、新人発掘を目的とした漫画賞は年2回募集の藤子不二雄賞がありましたが、より多くのチャンスを新人に与え、優秀なオリジナルマンガの作家を育成する目的で作られた新人賞が「コロコロ漫画大学校」でした。
毎号見開き2ページに編集者が選考時に注目する実践的なマンガ執筆時のポイント指南と、年4回の作品募集の情報をまとめたコーナーで、ここから後にコロコロ本誌で活躍する村瀬範行先生(「ケシカスくん」)、曽山一寿先生(「絶体絶命でんぢゃらすじーさん」)、吉もと誠先生(「ウソツキ!ゴクオーくん」)などまさに、オリジナル作品で勝負するマンガ家を数多く輩出した隠れた名物企画となりました。