ついに公開されたポケモン映画最新作『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』! 本作の主題歌は、1998年に公開された映画第1作目『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』と同様に「風といっしょに」となっている。
当時、小林幸子さんがソロで歌い上げた「風といっしょに」と異なり、今作ではポケモンと共に人生を歩んできた中川翔子さんも参加。世代を超え、異なる歌声が見事に重なり合う、新しい「風といっしょに」となっている。
本記事では、小林幸子さん&中川翔子さんに実施したポケモン、そして「風といっしょに」に関するインタビューをお届けする!!
「風といっしょに」にかけるふたりの想い
――まずはふたりの出会いについて教えてください。
小林幸子さん(以下、小林):ポケモン10周年イベントで初めてしょこたんにお会いしたとき、彼女から「『風といっしょに』神曲でした!!」と勢いよく言われたことを覚えています。いきなりだったので「え、神曲って何?」と驚きました。
中川翔子さん(以下、中川):まさか幸子様に直接お会いできる日が来るなんて……!という驚きとか興奮とか、色んな気持ちが混じり合ってしまい、気が動転して語彙力を完全に失いました(笑)。必死に言葉を絞り出した結果、「神曲でした!!」と言ったんです。
小林:しょこたんとお会いしたのはそのときでしたが、じつは私が少女漫画雑誌の子どもモデルとして出ていたとき、仲良かった方がいるんですよ。その方のお子さんが、しょこたんなんです。
――え!? すごい偶然ですね!
中川:うちの母が、子どもモデル時代に一緒にさせて頂いたようで……。以前、母から「幸子さんと一緒に歌えるなんですごいわね! でも、私は一緒にモデルをしたことがある」と言っていたんですが、「それって妄想だよね」と思っていたんです。まさか本当だったとは……。
小林:ご縁ですよね。
中川:驚きました。その事実もそうですが、母がモデルをしていたこと自体も知らなかったんので。
――そんなふたりが歌った「風といっしょに」ですが、今回はどのような気持ちで挑まれましたか?
小林:今回はデュエットなので、お互いの声質がマッチしないと、いくら元が良い歌でも上手く伝わらないことがあります。そのため、今回は周りを守って、包み込む、母親の気持ちで歌おうと思っていました。
中川:本当にすべてを包み込むような母性を感じて、涙腺が完全に崩壊しますよ。
小林:しょこたんはどうだったの?
中川:もともと当時の「風といっしょに」をたくさん聞いていました。それはもうイントロで泣けるくらいに。だからこそ、歌うのが難しかったです。歌えることの嬉しさ以上に、プレッシャーや恐れ多さがありまして……。
小林:当時の「風といっしょに」を聞いていた方たちは、すでに曲のイメージができているから。
中川:はい。あと、ポケモンファンの方たちから「なんで中川翔子が歌うんだ!」と思われていないかとか……。でも、そうやって考えていてもキリがないので、どうにかしようと。私には幸子様に寄せることはできない、真似もできないので。
小林:そこは、しょこたんのそのままでいいの。
中川:そ、そのお言葉がありがたいです!
小林:ふふ。結果的に、本当にいい曲になったものね。
中川:はい! とくに最後の「ララララ…」の合唱パートで、幸子様が最初に歌って、それをみんなが追いかけるコーラス部分が好きです。今は大人から子どもまで、色んな世代にポケモンファンがいる時代になっています。そうやってポケモンの輪が広がって、繋がっている感覚があるんですよね。私は今回の歌に、自分が今までポケモンと歩んできた思い出、人との出会いなど、色んな気持ちが乗ってくれている気がしています。
――すでにイベント等で歌われていますが、ファンからの反応はいかがでしょうか。
小林:先日、一緒にイベントで歌わせて頂いたんですけど、そのとき会場で「21年前当時の映画を見たことがある人~」と聞くと、子ども連れの大人の方がたくさん手を挙げてくれました。
中川:曲中はみんな歌ってくれましたね。
小林:会場にいらっしゃった男性のなかには、涙を流している方もいて。その姿を見てしょこたんも泣いちゃってね。時代を経ても色褪せない、本当にみんなの心に残ってくれている曲なんだなと思いました。
中川:泣いたら歌えないって分かっているんですけど、無理でした。思わずもらい泣きしちゃって……。
――当時の思い出が蘇るという部分もありますし、大人になったからこそ作品も曲も違った見え方ができるんですよね。
小林:そう、ちゃんと大人にも染みる曲なんですよね。もちろん、子どもにとっても良い曲だと思える。これってすごいことですよね。改めて、こんなにも素晴らしい曲を歌わせて頂けたんだ、本当に歌い手をやっていて良かったと思っています。
――中川さんは、以前『コロコロアニキ 2018年冬号』でポケモンに関するまんがを執筆していただきました。
中川:その節はお世話になりました!
小林:どんなことを描いたの?
中川:ポケモンとの出会いを重点的に描かせていただきました。『ポケットモンスター 赤・緑』を購入するとき、赤と緑どっちにしようか迷ったこと、祖父と一緒に映画を見たこと、全部リアルタイムでわくわくしていた記憶が残っているんです。今はもちろん、子どもの頃もいろんな娯楽がありました。そんななかで、ポケモンはもちろん、「ミュウツーの逆襲」や「風といっしょに」がずっと心の中で輝き続けているんですよね。
小林:その気持ちをまんがで表現できるのは才能よね。
中川:今だから言えますが、コロコロさんから「”ポケモンと私”というテーマで6ページまんがを描きませんか?」とお話を頂いたとき、どうしようか迷ったんです。言いたいことが多すぎて、6ページにどうやってまとめようかと……。でも、自分にとってのポケモンとの思い出を絵にするのはとても楽しかったです。
小林:しょこたんの存在は、今の子どもたちに色んなことを教えてくれますよね。子どもの頃は意図していないと思うけれど、”絵を描くこと”は、すごく勇気がいることだと思います。その一歩を踏み出したからこそ、今に繋がっているんです。だから、勇気を持って前に歩くことの大切さを体現したのがしょこたんなんだと思っています。
中川:ありがとうございます……!
――ちなみに、中川さんが次にコロコロでまんがを描くとしたら、どのような話を描きたいですか?
中川:ちょうど今、私が10代の頃にクラスに馴染めなくて、上手く行かなかった頃の話を本にしています。その挿絵を描いていたんですが、筆が止まらなくてまんがになってしまいました(笑)。たしかに忙しいんですが、逆に燃えているんですよね。どうやら実体験を交えた話を描くのが楽しいようで。いつかエッセイまんが「孫と私」とか描きたいです。
小林:しょこたんがおばあちゃんになるのを楽しみに待っていないと(笑)。
中川:いつか叶えたいです! あとは……「猫と私」も良いかもしれないです。
小林:ぜひ、それを描いて! 猫大好きだから!
中川:わかりました!(笑)
――コロコロコミックでお待ちしています! では最後に、「風といっしょに」が生まれて21年が立ちました。もし、21年前の自分に声をかけるとしたら、どんなことを伝えますか?
小林:私の答えは簡単です。「この歌と出会えてよかったと思う日が来ます」と。しょこたんに会えたことも、この歌があったからです。
最初に「風といっしょに」の依頼が来たときは、正直何もかも分かりませんでした。だから「なんで私なんですか?」とプロデューサーに聞きました。すると、「自分の家には、祖父・祖母、自分たち夫婦、子どもの3世代が同居しています。いろんな世代がいるなか、”小林幸子という存在は全員が知っていた”んです。そういった方に、この主題歌を歌ってもらいたい」と仰ってくださいました。
そのあと、マネージャーにポケモンのことを教えてもらって、楽しそうだな、歌ってみようかなと思って挑戦させていただいたんです。そして今、この歌が世代を超えて、一緒に歌ってくれる方がいることが本当に嬉しいです。
中川:21年前の自分に、幸子様と一緒に「風といっしょに」を歌っている姿を見せても絶対に信じないと思います(笑)。いやいや、これは妄想だ、もう一回寝ようって(笑)。
でも、ひとつ言えるのは、これから悩んだり、落ち込んだりする日があっても、ポケモンをやっていれば大丈夫だと伝えたいです。大人になって「ポケんち(ポケモンの家あつまる?)」(テレビ東京・あにてれ)で出会った方たちは、みんな年齢も職業もバラバラだけど、すごく仲良くなれました。
本当にポケモンのおかげでどれだけの出会いがあり、夢が見つかったか、計り知れません。今ここにあるものが、それらの夢がいっぱい叶った集大成だと思っています。だから、21年前の自分には「いいから全力でポケモンやってなさい。そしたら未来は大丈夫!」って言いたいです!
――ありがとうございました!
商品概要
『風といっしょに』
■発売日:2019年7月10日(水)
■商品形態:
①完全生産限定盤 2407円+税
(CD+DVD+グッズ/ デジパック仕様/ ポケモン絵柄ジャケット)
②通常盤 1204円+税
(CD only)
③期間生産限定盤 1389円+税
(CD only / デジパック仕様/ ポケモン絵柄ジャケット)
※完全生産限定盤と同絵柄
1. 小林幸子&中川翔子「風といっしょに」
2. 中川翔子「タイプ:ワイルド」
3. (Bonus track) さち&じゅり「ポケットにファンタジー」
4.「風といっしょに」instrumental
5.「タイプ:ワイルド」instrumental
1.「風といっしょに」Music Video
2.「風といっしょに」制作ドキュメント
3.「タイプ:ワイルド」SpecialMusic Video
<グッズ>
①ポケモンカードゲームスペシャルキラカード「ピカチュウ」
②中川翔子とBEAMSが共同プロデュースする「mmts」ポケモン絵柄クリアポーチ
(全5種のうちランダム1種封入)