By まつがん
今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

なんだこの強烈なバグの予感は……?
普通に考えればクリーチャーが付いているだけの《勇愛の天秤》だが、もし仮に手札を1枚捨てただけでカードが墓地から離れてしまったとするなら……?そんな不穏な気配を既にして感じさせる、高すぎるポテンシャルを持ったカードだと言えよう。
というわけで、9月20日(土) に発売予定の王道W第3弾「邪神vs時皇 ~ビヨンド・ザ・タイム~」に収録される新カード、《魔誕妖クズトレイン》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
新カードを使ってデッキを組む際には、唯一無二性。だとして、《魔誕妖クズトレイン》の唯一無二性はどこにあるのか?


3コストの火のクリーチャーで登場時に《勇愛の天秤》が可能なカードとしては、《ラーヴァ=アーヴァ》が既に存在している。とするならば、やはり「各ターンはじめてカードが自分の墓地から離れた時」のテキストを生かすしかないだろう。
何せもし《魔誕妖クズトレイン》の登場時にこの能力を発動させられるなら、過去には存在しない生きた《氷柱と炎弧の決断》と言っても過言ではないほどの爆発的な手札交換が可能になるからだ。
では、《魔誕妖クズトレイン》で捨てて「各ターンはじめてカードが自分の墓地から離れた時」のテキストが誘発されるカードといえば何があるだろうか?


そう、《世露詞駆 キャロル》だ。元ネタの《夜露死苦 キャロル》は「かわりに」なので墓地に落ちないが、こちらは一旦墓地に落ちたところで誘発するので、2ドローの後に墓地からバトルゾーンに舞い戻り、さらなる1捨て2ドローを誘発させてくれる。
また、《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》をはじめとする、墓地に置かれたときに置換ではなく誘発で墓地を山札に戻すカードたちも、「各ターンはじめてカードが自分の墓地から離れた時」の条件を満たす一群だ。
とはいえ、仮に「各ターンはじめてカードが自分の墓地から離れた時」のテキストが誘発したとしても、バトルゾーンに残った《魔誕妖クズトレイン》を生かさないならばただ条件が厳しくなっただけの《氷柱と炎弧の決断》だ。
つまり《魔誕妖クズトレイン》の唯一無二性を生かすなら、バトルゾーンの《魔誕妖クズトレイン》本体を生かせるコンセプトである必要がある。
だが、そんなコンセプトがそう簡単に見つかるはずも……。
あった。

《デッドヒート・メガマックス》の頭数にすればいいのでは???🤔🤔🤔
《デッドヒート・メガマックス》は火のクリーチャー4体をタップするだけで火のクリーチャーなら何でも山札から呼び出せるという超級の切り札だが、火のクリーチャーには《AQvibrato》のようにアドバンテージを失わずに並べられるものが少なく、アドバンテージを失ってでも最速で並べようとすると「S・バック」軸になるがそうなると《デッドヒート・メガマックス》を探せない一方、いざ探そうとしてもそもそもサーチ能力も乏しく1種4枚の《デッドヒート・メガマックス》を安定して探すことが難しかったため、これまでは競技的とまではイマイチ言えないコンセプトだった。
だが「歩く《氷柱と炎弧の決断》」こと《魔誕妖クズトレイン》の出現により、「アドバンテージを失わずに火のクリーチャーの頭数を用意しつつ」「速度を落とさず」「《デッドヒート・メガマックス》も探しにいける」ということで、デッキの構造的な弱点を完璧に克服できるようになったのだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『クズトレイン・メガマックス』
4 | 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》 | 4 | 《炎怒 コアゲ》 | 3 | 《勇騎 バクアイラ-1》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《魔誕妖クズトレイン》 | 4 | 《世露詞駆 キャロル》 | 4 | 《魔誕獣ヤミノストライク》 | 2 | 《ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》 | 4 | 《禁断竜王 Vol-Val-8》 | 4 | 《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》 | 2 | 《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》 | 4 | 《デッドヒート・メガマックス》 |
不純物多すぎて回らん!!!😡😡😡
そもそも《デッドヒート・メガマックス》は唱えた先のフィニッシャーを一定数積まなければならないデッキだが、そこに新たに「《魔誕妖クズトレイン》を歩く《氷柱と炎弧の決断》にするために必要な墓地を離れるカード」がスロットを圧迫した結果、圧迫祭りが開催されてしまったのである。
また、《魔誕妖クズトレイン》によってドロー能力がアップしたとはいえ、それでもデッキに4枚きりの《デッドヒート・メガマックス》を引かないとそもそも勝負の場にすら立てないというのは、言うなればデッキの未完成に気(キ)が付いていないデッキ未満の「デッ」であった。
だが《デッドヒート・メガマックス》の枚数を増やすことはできない。ならばどうするか?
私は《デッドヒート・メガマックス》からの出し先のクリーチャーの側に着目することにした。
もしこれらのクリーチャーが、《デッドヒート・メガマックス》の「当たり」でありつつも、単体でも機能するクリーチャーだったならばどうだろうか?
そう、すなわち。


普通にも出せるクリーチャーを出し先にすればいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『アウトレイジ・メガマックス』
4 | 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》 | 4 | 《卯年の園上者 アルラパン》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《魔誕妖クズトレイン》 | 4 | 《世露詞駆 キャロル》 | 4 | 《無重力 ナイン》 | 4 | 《魔誕獣ヤミノストライク》 | 4 | 《魔神頂上 ”密愛流”9th / 「パーフェクト!パーフェクト!!」》 | 1 | 《“轟轟轟”ブランド》 | 4 | 《熱血武闘 カツキング》 | 2 | 《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》 | 4 | 《デッドヒート・メガマックス》 |
こんなんで勝てるわけないだろ!!!😡😡😡
確かに《デッドヒート・メガマックス》を引かなくても動けるようになったのでデッキとしてはまだしも完成に近づいたかもしれないが、動けるとはいってもただ「コストどうりのアクションが行えている」というだけで特にぶっ飛んだ要素もなく、パワーの欠片も感じられない出(デッ)枯らしの「キ」であった。
だが、2つのデッキにはそれぞれ理があった。大型の切り札を最速で着地させることが《デッドヒート・メガマックス》の強みであることは確かだし、他方で《デッドヒート・メガマックス》そのものを引けないときのサブプランがないことが《デッドヒート・メガマックス》の弱みであることもまた確かなのだった。
要するに、ジレンマなのだ。《デッドヒート・メガマックス》の出し先を重くすればするほど単体で機能しないものとなる。逆に軽くすればするほどゲームに勝てなくなる。
だから私は、そのギリギリの境目を見出すことにしたのである。
ゲームを決着させるほどのパワーと、サブプランとしての柔軟性との両立。それが可能なカードとは何か。
私が導き出した結論は、これだ。


フレア覇星とハイブリッドすればいいのでは???🤔🤔🤔
《“必駆”蛮触礼亞》は《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》との組み合わせで「開発部セレクションデッキ」にもなったことがある名カードだが、最近では《頂上混成 BAKUONSOOO8th》との組み合わせでアドバンス・フォーマットで活躍するばかりとなっていた。
だが実のところ《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》との組み合わせだけでも対戦相手に与えるインパクトは相当なものである。さらに追加ターンの代わりにリソースを失う《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》とは異なり、登場時に2ドローできるので、《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》を出すこと自体が《デッドヒート・メガマックス》プランにもつながる点が非常に噛み合っている。もちろん《デッドヒート・メガマックス》からの出し先としても申し分ない。
どの道《魔誕妖クズトレイン》のために《世露詞駆 キャロル》を活用する時点で《デッドヒート・メガマックス》の出し先は火水に限定される。その中で《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》は、《“必駆”蛮触礼亞》とセットで引く前提だが、パワーと柔軟性を両立する唯一無二の切り札なのだ。
「デッ」と「キ」が合わさり、ついに「デッキ」となった。あとはこのコンセプトに沿って残りのカードを埋めていくだけだ。


《デッドヒート・メガマックス》のデッキとして特徴的なのは、《無重力 ナイン》と《魔誕獣ヤミノストライク》合わせて8枚の「G・ゼロ」を採用する一方で、ルーター(引いて捨てるor捨てて引く)能力持ちを《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》と《魔誕妖クズトレイン》の8枚だけに絞った点にある。そもそもこの8枚以外は実用性が低いし、1回のルーターで《世露詞駆 キャロル》+「G・ゼロ」2体で《デッドヒート・メガマックス》の4体条件を無の盤面からいきなり満たせるので、その確率は高い方が良い。またこれらを引けていないパターンはフレア覇星プランになっている可能性も高く、焦って弱いルーターでデッキを回すよりもデッキのどの部分を引いてもぶん回りになるという一貫性を重視した形だ。
最後に余ったスロットでパワーと柔軟性を単体で両立できているのが《偽りの希望 鬼丸「終斗」》で、そもそも展開力が高いこのデッキでクソビートを可能にするほか、メタ対策になる上に1枚とはいえドローも付いているので《デッドヒート・メガマックス》プランの阻害にもならないため、ありとあらゆる点において頼もしい限りだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ビッグバン・メガマックス」だ!
『ビッグバン・メガマックス』
4 | 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《魔誕妖クズトレイン》 | 4 | 《世露詞駆 キャロル》 | 4 | 《無重力 ナイン》 | 4 | 《魔誕獣ヤミノストライク》 | 3 | 《偽りの希望 鬼丸「終斗」》 | 4 | 《禁断竜王 Vol-Val-8》 | 4 | 《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》 | 4 | 《“必駆”蛮触礼亞》 | 4 | 《デッドヒート・メガマックス》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《ヴェネラック-F5》を出します」

消防車だけに出来(デッキ)がひでぇ(火でぇ)ってか、やかまわしいわ!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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