By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック8月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
「愛感謝祭 ヒロインBEST」が発売し、エンジェル・コマンド、サイバー、シノビ、グランセクト、フェニックスという5つの種族がコンセプト面で強化を受けることとなった。
だがその一方で、そうした種族の枠にとらわれずとも使用できる、ポテンシャルの高いカードも存在していた。

《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》。クリーチャー側はサイバー・メクレイドを活用しないとなかなか出せない一方で、呪文側は殿堂カードである《ホーガン・ブラスター》からS・トリガーをほぼ抜いただけの効果(エレメントも出せる部分にも一応違いはあるが)となっている。
つまり実質的に、デッキに《ホーガン・ブラスター》を5枚積めるようになったわけだ。当然《ホーガン・ブラスター》から《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》がめくれても唱えられるし、逆もまたしかりである。この《ホーガン・ブラスター》5枚体制を生かした新デッキを何かしら組めないだろうか。
新カードを使ってデッキを作る際には、その新カードの「唯一無二性」に着目するのが王道である。では《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》の唯一無二性はどこにあるのだろうか?


それを知るには、近しい効果を持つカードと比較するのが重要である。
シャッフルしてランダムなトップを使用できるカードとしては、他にも《ミステリー・キューブ》や《バンキシーの魔盤》といったカードが存在している。これらが殿堂カードではないのに、《ホーガン・ブラスター》だけが殿堂カードである理由はどこにあるのか。
それは呪文を使用できることにより、自身がめくれても連鎖する部分にある。《ミステリー・キューブ》以外36枚クリーチャーのデッキで、《ミステリー・キューブ》から《ミステリー・キューブ》をめくったような経験は誰しもが持つことだろう。しかし《ホーガン・ブラスター》の場合、《ホーガン・ブラスター》で《ホーガン・ブラスター》がめくれてもデッキが1枚減っただけで再抽選が可能なのだ。ゆえに、当たりが出るまでシャッフルし続けることが可能なのである。
では《ホーガン・ブラスター》がそのような唯一無二性を持つとして、そんな《ホーガン・ブラスター》自体は殿堂解除されていないまでも、類似の《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》で作るべきデッキといえば?
そう、すなわち。


呪文だけを連鎖させるデッキが組めるのでは???🤔🤔🤔
デッキ内を「他の呪文を唱えられる呪文」40枚で固めることができれば、何か一つでもアクションできた時点で無限の呪文連鎖が始まることになる。もしそのチェインでそのまま勝つことができるなら、最強デッキが爆誕する可能性がある。
とはいえ《ホーガン・ブラスター》が殿堂になっているくらいなのだから、「他の呪文を唱えられる呪文」だけで40枚固めるのは難しい……と思われるかもしれない。しかし実は《ホーガン・ブラスター》の呪文を唱えられる部分にだけ着目した場合には、《ウォーター・イン・ザ・ダーク》という互換カードが存在しているのである。そうなると「他の呪文を唱えられる呪文」でかつ「7コスト以下」という新たな制限が加わり、なお一層40枚を埋めるのが難しく思えるが、直近の最強カードの一角である《真気楼と誠偽感の決断》が使えるなど、可能性を感じられるコンセプトとなっている。これはぜひ完成させたい。
さらに、このコンセプトが有望である理由は他にもあった。《ホーガン・ブラスター》《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》《ウォーター・イン・ザ・ダーク》を連鎖させることにより、大量のシャッフルで相手の手首を破壊できるのだ。ダイレクトアタック、特殊勝利に続く第3の勝ち手段、それは人体破壊によるデュエル継続不能である。もちろん自分は家で一人回しして手首を鍛えられるので破壊の心配はない。プレイングなどの精神面ばかりに気を取られて肉体面を疎かにしがちなカードゲーマーの弱点を突ける、まさしくメタゲームの終着点がそこにはあった。
あとは「7コスト以下」で「他の呪文を唱えられる呪文」を調べ、片っ端からデッキに入れていけばいい。


《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》は呪文側を《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》や《ウォーター・イン・ザ・ダーク》などで踏み倒した場合には、そのまま補充した手札から《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》や《ウォーター・イン・ザ・ダーク》などを唱えられる再帰性を持つ。こうしたカードを大量にデッキに入れることにより、たとえランダムが絡んだとしても呪文連鎖が途切れる可能性を大幅に減らすことが可能となる。
こうした再帰性は《ドレミ団の光魂Go!》にもある。1ドローなので手札の補充が心許ないが、代わりにS・トリガーであることにより相手のブレイクからチェインがスタートできる点は見逃せないメリットだ。


ただランダムにデッキ内の呪文を使用する以上、勝ち手段のスロットは極限まで絞らざるをえない。そうなると当然楯落ちのケアが重要となるが、呪文連鎖の手段の一つとなる《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》が自然に採用できるので、《ラッキー・ダーツ》と合わせて5枚だけ入れておけば、確実とまでは言えないもののケアの可能性を生むことができる。
また、ちなみに呪文から呪文を連鎖させるという処理は、《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》で《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》を「メクレイド」した場合の処理と同様、「呪文のテキストの中に次の呪文が入り込む」ような形になるので、呪文だけが連鎖し続けている限りそれらの呪文は墓地に落ちずにどんどん溜まっていくことになる。そうなると10個くらいの呪文を唱えておきながら《真気楼と誠偽感の決断》で唱えるべきトリガー付き呪文が墓地になかったりするような事態が多発してしまう。しかしそこで《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》でクリーチャー側の着地を挟めれば、その能力が待機することにより、呪文の連鎖は一旦止まるので、それらの呪文が墓地に落ちるタイミングを作ることができるというのも、このカードの果たせる地味ながら偉い仕事だ。
そして《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》《ウォーター・イン・ザ・ダーク》や《ドレミ団の光魂Go!》といったS・トリガー付きの呪文は、《呪術と脈動の刃》によってマナゾーンからも唱えられる。《ドレミ団の光魂Go!》と同時に採用すると手札とマナの管理はシビアになるが、トリガーを多めに採用すれば、1~2枚ずつを手札とマナゾーンに構えた状態からチェイン始動するのもそう難しくはないことだろう。


あとは肝心の勝ち手段をどうするかだが、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》や《真気楼と誠偽感の決断》を挟みながらの呪文連鎖なので、チェインすればするほど手札が溢れていくことになる。そこで《エターナル・ブレイン / ブレイン珊瑚の仙樹》を採用することで、《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》経由でめくれた場合にそれ自体を連鎖させてさらに手札補充しつつ、どこかのタイミングで《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》を出し、さらに《ドレミ団の光魂Go!》でもう1枚の《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》の呪文側を唱えてタップすれば、呪文連鎖をそのまま勝ち手段にすることができる。呪文連鎖は《真気楼と誠偽感の決断》を挟むとどこかでチェインが分裂するので、2回のトリガー使用を「《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》のクリーチャー側を出す」と「《ドレミ団の光魂Go!》から《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》の呪文側を唱える」に終着させることが可能なはずだ。
もちろん《エターナル・ブレイン/ブレイン珊瑚の仙樹》や《偽りの名 iFormula X / クリスティナ・フォール》は《ウォーター・イン・ザ・ダーク》の外れにはなってしまうが、そこは日頃の行いで徳を高めることによってケアするしかない。ダイレクトアタック、特殊勝利、人体破壊に続く第4の勝ち手段、それは神との対話である。最強のデュエリストたるもの、行住坐臥すべて対戦に影響すると思わなければならない。車が通っていないからといって赤信号を渡るようでは、至高の領域にはたどり着けないのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ホーガン・チェイン」だ!
『ホーガン・チェイン』
4 | 《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》 | 4 | 《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ/「未来から来る、だからミラクル」》 | 2 | 《偽りの名 iFormula X/クリスティナ・フォール》 | 1 | 《サイバー・I・チョイス》 | 4 | 《トワイライトMk.1 Type ホーガン/「イチバンになってみせる!」》 | 1 | 《ラッキー・ダーツ》 | 4 | 《エターナル・ブレイン / ブレイン珊瑚の仙樹》 | 4 | 《ウォーター・イン・ザ・ダーク》 | 4 | 《真気楼と誠偽感の決断》 | 4 | 《呪術と脈動の刃》 | 1 | 《ホーガン・ブラスター》 | 1 | 《ポジトロン・サイン》 | 4 | 《ドレミ団の光魂Go!》 | 1 | 《ブレイン・スラッシュ》 | 1 | 《目的不明の作戦》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!」
まつがん「チェイン始動!……(10分後)くっ、山札切れで負けか……もう1回!」
デッドマン「いいですよ!」
まつがん「チェイン始動!!……(さらに10分後)また山札切れで負けだ!!」
デッドマン「これ僕要ります?」」

ランダムが挟まってるから山札なくなるまでに狙って勝てなくて大体自爆するじゃねーか!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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デュエマ妄想構築録 vol.84-1 ~超魂レイドの可能性に挑戦!ファイナル・レイド!!~ |
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