デュエマ妄想構築録 vol.84-2 ~一粒で三度おいしい!カウンター・ジョニー!!~

By まつがん

 王道W第2弾「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」は新ギミック「超魂レイド」によって「超魂X」の拡張を図ったセットだった。

 だがそんな中で、「超魂レイド」と似ていながらもそれよりも強力な効果を実現できるカードが存在していた。

▲王道W 第2弾「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」収録、《無頼BEN-K1000》

 《無頼BEN-K1000》。登場時に3枚見て1枚を下に敷くところまでは「超魂レイド」と同じだが、残り2枚をマナとシールドにそれぞれ振り分けられるということで、これはもはや実質光火自然の《天災 デドダム》と言っても過言ではないだろう。

 では、そんな凄まじいポテンシャルを秘めた《無頼BEN-K1000》を使って新しいデッキが組めないだろうか?

 だがそう思って《無頼BEN-K1000》の「唯一無二性」について考えてみると、意外と有効活用するのが難しいことに気づく。

 なぜなら「『超魂レイド』はデッキ内の特定の集団を探すのには向いていない」という、前回到達した結論がまず前提として存在している。そしてそうである以上、《無頼BEN-K1000》の能力もまた同様に「特定の集団を探す」用途には使えない。しかも《無双の超越者ファイナル・ストームXX NEX》とは異なり、《無頼BEN-K1000》で何がしかのカードを下に敷いたところで大したボーナスは望めないのだ。

 しかしそうなると、《無頼BEN-K1000》の「カードを下に敷く」という部分をどう生かせばいいというのだろうか?

 私は再び「超魂レイド」が抱える本質的な課題と向き合うことになった……「メクレイド」とは異なり、「カードを下に敷く」という部分には(進化速攻を付与できる、という以外の)最低保証のバリューがないという課題に。

 《無頼BEN-K1000》が単に登場時にちょっと強い《フェニックス・ライフ》ができるだけのクリーチャーにとどまらないというのなら、自身の下に敷くカードにも価値を与える必要があるのだ。

▲革命ファイナル 最終章「ドギラゴールデンvsドルマゲドンX」収録、《ミラクル1 ドレミ24》

 この点について、私は最初《ミラクル1 ドレミ24》などの「革命チェンジ」持ちを想起した。下に敷いた進化元を回収できるようにすればいいのではないだろうか、と。

 しかし《無頼BEN-K1000》は3枚を手札には振り分けないため、「革命チェンジ」持ちを手札に回収できるわけではないという点がネックになった。そこまで大したバリューのあるコンボでもないのに、デッキ内に何枠かの「革命チェンジ」持ちを要求してしまうからだ。

 かといって、《無頼BEN-K1000》の下に敷かれたランダムな1枚を生かす方法などそう簡単には思いつかなかった。

 答えは永久に見つからないようにも思われた……だが。

 実は案外、身近なところに答えはあったのだ。

 私が導き出した答えは……これだ。

▲「にじさんじコラボ・マスターズ 異次元の超獣使い」収録、《聖霊龍王 メルヴェイユ》
▲覚醒編「第1弾」収録、《光霊姫アレフティナ》

 《聖霊龍王 メルヴェイユ》で下のカードごとシールド化すればいいのでは???🤔🤔🤔

 コスト論から言えば、《無頼BEN-K1000》の3枚振り分ける能力の中で最もバリューが高いのはシールド埋めになる。将来トリガーとして0マナでプレイ可能なカードを見てから埋められる行動だからだ。

 ということは、《無頼BEN-K1000》を採用するデッキでは必然S・トリガーを厚くとることになる。すると何が起こるか?

 《無頼BEN-K1000》の下に敷かれるカードもまたS・トリガーの可能性が高いということだ。

 もちろんカードに下にS・トリガーが敷かれているだけでは特に機能しない。だがそこで《聖霊龍王 メルヴェイユ》を採用すれば、そのカードを《無頼BEN-K1000》ごとシールドに埋め直せるのだ。

 この発想の優れている点は、《無頼BEN-K1000》の振り分ける3枚を余すことなく使えるという点だ……3枚見て、最も強力なS・トリガーはまずシールドへ。状況を選んだり即効性が低いものは《無頼BEN-K1000》の下へ。そして《聖霊龍王 メルヴェイユ》が見つかればマナゾーンへと、全くもって無駄がない。

 さらに《聖霊龍王 メルヴェイユ》を《無頼BEN-K1000》の上に進化させて自身をシールド送りにすることで、一気にシールドを3枚も増やすことができる。すなわち《無頼BEN-K1000》1枚がシールド4枚分になるということだ。そうなれば、勝ち手段は《光霊姫アレフティナ》が相応しいだろう。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『カウンター・アレフティナ』

枚数
カード名
4 《魔誕妖精スイセン》
4 《無頼BEN-K1000》
4 《光霊姫アレフティナ》
4 《王道の革命 ドギラゴン》
4 《聖霊龍王 メルヴェイユ》
4 《偽りの名 ドルーシ》
4 《霊騎コルテオ/プロテクション・サークル》
4 《逆転の剣スカイソード》
4 《百威と族絆の決断》
4 《スロットンの心絵》

 

 《光霊姫アレフティナ》出すの大変すぎる!!!😡😡😡

 耐久デッキが勝つためには仕方がないとはいえ、トリガーで金太郎飴デッキを作ろうというときに《百威と族絆の決断》のような《光霊姫アレフティナ》を出すための余計なS・トリガーが必要になってしまうというのは、《光霊姫アレフティナ》の明確な弱点と言えた。

 また、構造的に呪文封じを無視できそうなのに勝ち手段だけ呪文に依存しているのが情けないというのもあった。

 だが、シールドを増やすデッキが特殊勝利できる手段など《光霊姫アレフティナ》の他にあるはずも……。

 あった。

▲王来MAX 第1弾「鬼ヤバ逆襲S-MAX!!」収録、《MAX・ザ・ジョニー》

 《MAX・ザ・ジョニー》で特殊勝利すればいいのでは???🤔🤔🤔

 これなら《百威と族絆の決断》のような余計なカードは必要とせず、ただ6マナをひねるだけでいい。さらに《聖霊龍王 メルヴェイユ》の早出し&疑似耐久のために採用されている《スロットンの心絵》にも新たな役割を与えることができる。

 それにシールドが10枚以上必要な《光霊姫アレフティナ》よりも、ブレイクのリスクがあるとはいえ自前でシールドが追加できるために8枚で済む《MAX・ザ・ジョニー》の方がハードルが低く、シールド10枚は厳しいものの7~8枚にするのは簡単な《無頼BEN-K1000》との整合もとれている。

 コンセプトは決まった。あとは細部を突き詰めていくだけだ。

▲王道W 第2弾「邪神vs邪神Ⅱ ~ジャシン・イン・ザ・シェル~」収録、《アルジェン・ゴルギーニ》
▲王道篇 第4弾「悪魔神、復活」収録、《邪眼の魔法陣》

 《無頼BEN-K1000》と同じく王道W第2弾に収録されている新カード《アルジェン・ゴルギーニ》は、小さい《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》のような性能で、トリガーとしての信頼性がある程度高い。また殴り返しでシールドを追加する能力があるほか、その能力が「超魂X」なので《無頼BEN-K1000》の下に敷けるとアドだし、《聖霊龍王 メルヴェイユ》が乗っかるとシールドを超回復できるバケモノが爆誕するというのもデッキコンセプトと噛み合っている。

 こうした耐久コンセプトは能動的な動きが弱くなりがちだが、《無頼BEN-K1000》が「3→5」でシールドを強めながら《MAX・ザ・ジョニー》の着地を早めてくれるし、「3→5」の二種類目として《邪眼の魔法陣》を採用することでデッキの動きを安定させられる。こちらもいざというときにはシールド追加ができるというのがポイントだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「カウンター・ジョニー」だ!

 『カウンター・ジョニー』

枚数
カード名
4 《無頼BEN-K1000》
4 《王道の革命 ドギラゴン》
4 《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》
4 《聖霊龍王 メルヴェイユ》
4 《MAX・ザ・ジョニー》
4 《アルジェン・ゴルギーニ》
4 《偽りの名 ドルーシ》
4 《逆転の剣スカイソード》
4 《邪眼の魔法陣》
4 《スロットンの心絵》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!では《ギガボルバ》を出します

▲第4弾「闇騎士団の逆襲」収録、《ギガボルバ》

デッドマン「……あれ?いつもならここでキレてくるのに」

デッドマン「……ま、まさか……」

 デッドマン「ショックで立ち往生してる……!弁慶だけに……!!😱😱😱」

 次回はデッドマンが持ってきてくれた新カードを紹介予定!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は7/4(金)更新!!