By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック5月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
王道W第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」もついに発売し、デュエマの新たなる1年がスタートした。
さてそんな中で、私が特に注目した1枚がこれだ。

《フォック=ジャック》。一見何てことのない普通の2マナ域クリーチャーだが、墓地の枚数分だけパワーアップする「パワード・ブレイカー」持ちということで、理論上はこれ1枚で5枚のシールドをブレイクできる可能性がある。
だが、たとえそのために「めっちゃ墓地を肥やしまくるデッキ」を組んだとしても、《フォック=ジャック》が1種4枚だけだと、引かないパターンも頻発してそのコンセプトに体重かけ損となってしまうことが容易に想像される。
しかし、実は《フォック=ジャック》にはほとんど同一の能力を持った先輩が存在していたのだ。

そう、《刻一黒の成長 グレートブリテン》だ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『倍ナルカレーパン』
4 | 《刻一黒の成長 グレートブリテン》 | 4 | 《フォック=ジャック》 | 4 | 《ゾーShock/倍ナルファンタジー》 | 4 | 《ミリオンブレイブ・カイザー》 | 1 | 《“轟轟轟”ブランド》 | 4 | 《奇怪な鬼祭》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 | 4 | 《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》 | 11 | 余り |
デッキになってねーじゃねーか!!!😡😡😡
《刻一黒の成長 グレートブリテン》《フォック=ジャック》で5枚のシールドをブレイクするためには24000のパワーが必要なので、《刻一黒の成長 グレートブリテン》なら24枚、攻撃時に2枚墓地肥やしできる《フォック=ジャック》の場合でも21枚の墓地が必要となる。そんな枚数を用意することは常識的に不可能というか、そのための労力を考えるともっと簡単に勝った方がどう考えても賢いので、ここでは《ゾーShock/倍ナルファンタジー》や《「カレーパンを食ってやるぜぇ!」》などを駆使して人力でパワーを24000まで上げる方法を考えようとしたのだが、平たく言ってグレート無理テンであった。
だが、「墓地を肥やすよりパワーだけ上げる方が簡単なのではないか」という発想自体は良かった。
なぜならデュエマには、もっと簡単にパワーを上げられる方法が存在していたからだ。
そう、すなわち。

《秘密結社アウトレイジ》では???🤔🤔🤔
「『パワード・ブレイカー』には167枚ブレイクさせよ」と古事記にもそう書かれている。実際この連載でも、「167ブレイク」や「眼鏡カレーパン」など幾度となくそうしてきた。
だが他方で、《刻一黒の成長 グレートブリテン》を《フォック=ジャック》の5~8枚目とする構造は、《秘密結社アウトレイジ》と相性がそれほど良いとは言えなかった。アウトレイジなんだから相性良いだろと思いきや、《刻一黒の成長 グレートブリテン》を出すためには先に墓地を肥やさないといけない関係上、デッキスロットが無駄な軽量呪文で圧迫されてしまうからだ。

そこで私が目をつけたのが《ミロクの弟子 ニョライ》だった。現在2コストの非進化で無条件の「パワード・ブレイカー」持ちは他にも《輪輪-チャリン》《ブルーアイズ・ドラゴンフライ》と文明が散って存在しているが、《秘密結社アウトレイジ》を使う関係上、カードが探せるアウトレイジが無理なくデッキに積める水文明を相方に据えることは既定路線と言えた。
しかし、この選択が思いもよらない発見をもたらしたのだ。
《ミロクの弟子 ニョライ》と《フォック=ジャック》……水と闇で2コストの「パワード・ブレイカー」持ちがキーカードのデッキ。ならば、ピッタリのカードが存在しているではないか。
そう、すなわち。

《有象夢造》では???🤔🤔🤔
「パワード・ブレイカー」に《秘密結社アウトレイジ》を唱えて勝つのには、意外と多くの手順が存在する。「パワード・ブレイカー」持ちを並べる、《秘密結社アウトレイジ》を探す、ダイレクトアタッカーを用意するetc……だが《有象夢造》はその過程の多くを同時にこなすことができる唯一無二のカードなのだ。
しかも《フォック=ジャック》は闇だけでなく水の進化元からも進化できるNEOクリーチャーなので、「2ターン目にダイレクトアタッカー召喚」「3ターン目にアウトレイジ召喚」「4ターン目に《有象夢造》から進化速攻の《フォック=ジャック》を出して《秘密結社アウトレイジ》を唱え、5枚ブレイクからダイレクトアタック」という黄金ルートがとれるようになるのだ。
だが、このアイデアには一つだけ問題があった。それは《有象夢造》で蘇生するのが《ミロクの弟子 ニョライ》だとフィニッシュが1ターン遅れてしまうという点だ。
それも当然だ。《有象夢造》からの進化速攻は《フォック=ジャック》という、2コストで「パワード・ブレイカー」持ちのNEO進化クリーチャーだからこそできる離れ業だ。既存の2コスト「パワード・ブレイカー」持ちとでは、何をどうやっても噛み合わないのである。

《そのウサギ、クセ者につき》に頼ることも考えた。だが進化速攻で走るためには進化元が多色である必要があり、一応《そのウサギ、クセ者につき》を2枚引けば同じ芸当はできるものの、そこまでの要求値はさすがに受け入れがたかった。
とはいえ、既存のカードプールでは《フォック=ジャック》の2枠目など見つかるはずもない。
せっかくここまで考えたのに挫折か……私はそんな忸怩たる思いを抱えながら、王道W第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」のカードリストを見直した。
そしてそこで、運命の邂逅を果たしたのである。

《~鉄装の氷騎士~》だ。そう、「2コストで『パワード・ブレイカー』持ちのNEO進化クリーチャー」は、同時に2種生まれていたのである。
しかも水闇で組んでいる限り、《フォック=ジャック》も《~鉄装の氷騎士~》もデッキ内のすべてのクリーチャーを進化元にできる。これならば、かなり安定して4ターン目の進化からの《秘密結社アウトレイジ》を決めることができるはずだ。


《秘密結社アウトレイジ》の「G・ゼロ」に必要なアウトレイジは、《秘密結社アウトレイジ》自体を探せるカードが望ましい。《終止の時計 ザ・ミュート》と《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》はどちらもその要件を満たす上に受けにもなり、さらには《有象夢造》のための墓地肥やしもこなしてくれる一石三鳥のカードと言える。


ただ、「パワード・ブレイカー」+《秘密結社アウトレイジ》で相手のシールドを一度にすべてブレイクできたとしても、ダイレクトアタックが決められなければ意味がない。そこで「S・トリガー」をケアできるダイレクトアタッカーが求められるところ、《異端流し オニカマス》はメタ能力で相手の動きを牽制しながらダイレクトアタッカーになれる最良の選択肢と言える。
また、《異端流し オニカマス》ほどではないが、《文藍月 スケルハンター》もダイレクトアタックのターンにおいては脇に添えたアウトレイジをタップして「ハイパー化」できるので、こちらも「S・トリガー」をケアしたダイレクトアタッカーになれる《異端流し オニカマス》の2枠目だ。
かくして、「2コストで『パワード・ブレイカー』持ちのNEO進化クリーチャー」が8枚、「ドローできるアウトレイジ」が8枚、「選ばれないダイレクトアタッカー」が8枚という、過去に類を見ない安定感の《秘密結社アウトレイジ》デッキが爆誕したのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ジャック・レイジ」だ!
『ジャック・レイジ』
1 | 《DARK MATERIAL COMPLEX》 | 4 | 《フォック=ジャック》 | 4 | 《~鉄装の氷騎士~》 | 4 | 《異端流し オニカマス》 | 4 | 《文藍月 スケルハンター》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《終止の時計 ザ・ミュート》 | 4 | 《電脳の女王 アリス/不埒な再侵入》 | 1 | 《裏斬の取引 パルサー》 | 1 | 《疾封怒闘 キューブリック》 | 3 | 《飛翔龍 5000VT》 | 1 | 《龍頭星雲人/零誕祭》 | 4 | 《有象夢造》 | 4 | 《秘密結社アウトレイジ》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《インパクト・アブソーバー》を出します」

妄想構築録キラーやめろ!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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