By まつがん
今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!

登場時だけでなく、手札から捨てただけでも3000以下を破壊できるだと……?
《エマージェンシー・タイフーン》や《サイバー・チューン》など、「手札を捨てる」ことはコンボデッキにとって一般的な行動だ……古くは《爆撃男》が活躍した例もある。それほどまでに、「アクションを伴わずに相手のクリーチャーを処理できる」ことには重要な価値がある……特に、メタクリーチャーが重要な役割を果たす現代デュエマにおいては。
というわけで、4月19日(土) に発売予定の王道W第1弾「邪神vs邪神 ~ソウル・オブ・ジ・アビス~」に収録される新カード、《粋と雨衣 ケローラ》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
まず《粋と雨衣 ケローラ》自体は、5コストと重く《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》などの競合も多いため素出しが現実的ではないため、それ自身デッキコンセプトの核にはしづらいというのは同意してもらえるだろう。
だが、だとしても《粋と雨衣 ケローラ》が、ある特定のデッキにとって重要な役割を果たさないとも限らない。では「《粋と雨衣 ケローラ》が重要な役割を果たすデッキ」が存在するとして、それはどのようなデッキだろうか?
たとえば先攻3ターン目にジャスキルを仕掛けられる火単《我我我ガイアール・ブランド》デッキがあったとして、そのデッキが仮に《我我我ガイアール・ブランド》を出しながら《マジシャン・ルピア》を除去できたとしても、そもそも「《マジシャン・ルピア》がバトルゾーンに残るかどうか」は勝敗に全く関係がないので、こういった場合の《粋と雨衣 ケローラ》は全くもって不要と言える。
すなわち単純に考えれば「《粋と雨衣 ケローラ》が重要な役割を果たすデッキ」とは、「パワー3000以下のクリーチャーがめっちゃ邪魔なデッキ」だ。具体的には、《キャディ・ビートル》や《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》といったメタクリーチャーを目の敵にしたデッキと言えるだろう。
ではそのようなデッキで、かつ「捨てる」という行動を伴うものといえば何があるだろうか?
私が最初に考えたのはこれだ。

「火水マジック」では???🤔🤔🤔
《粋と雨衣 ケローラ》は「マジック・アウトレイジ」なので、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》で捨てることができる。ならば直前のターンに《キャディ・ビートル》や《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》を出されたとしても、《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》を出しながらそれを破壊することで全く意に介することなく《芸魔隠狐 カラクリバーシ》へと「革命チェンジ」し、その後の展開へとつなげられるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ケローラ・マジック』
4 | 《AQvibrato》 | 4 | 《歌舞音愛 ヒメカット/♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》 | 3 | 《同期の妖精/ド浮きの動悸》 | 4 | 《灼熱の演奏 テスタ・ロッサ》 | 1 | 《単騎連射 マグナム》 | 3 | 《調律師ピーカプ/♪音速で 本番中に チューニング》 | 4 | 《芸魔隠狐 カラクリバーシ》 | 2 | 《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》 | 2 | 《粋と雨衣 ケローラ》 | 4 | 《芸魔王将 カクメイジン》 | 1 | 《ゴルパガーニ-A7/ダウンフォース・サーキュラー》 | 2 | 《飛翔龍 5000VT》 | 4 | 《氷柱と炎弧の決断》 | 1 | 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》 | 1 | 《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》 |
別に面白くない!!!😡😡😡
確かに真面目に「火水マジック」には1~2枚くらい入ることになるのかもしれないが、だとしても「火水マジック」というのはかなり完成され尽くしたデッキであり、「うおおおおおおお!!!《粋と雨衣 ケローラ》すげえ!!!!!」という興奮とは無縁である。
そう、私が求めているのは強烈なブレイクスルーなのだ。ゆえに、もっと《粋と雨衣 ケローラ》の必要性が高いデッキを考えなければならない。
『カエルのうた』
4 | 《飢えと乾き ケローラ》 | 4 | 《終斗と乾き ケローラ》 | 4 | 《歌舞音愛 ヒメカット/♪蛙の子 遭えるの何処?好きと謂ひて》 | 2 | 《蛙跳び フロッグ》 | 4 | 《淡いと濃い ケローラ/♪やせガエル 負けるなケローラ スパイラル》 | 4 | 《ボン・キゴマイム/♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》 | 2 | 《蛙紙の聖沌 fr09/聖沌忍法 メカ寄せの術》 | 4 | 《カエルB ジャック》 | 4 | 《粋と雨衣 ケローラ》 | 4 | 《♪古池や 蛙飛び込む スパイラル》 | 4 | 《♪友のため ケローラたちが オペレーション》 |
デッキじゃない!!!😡😡😡
これは脳のシールドをブレイクしすぎである。
ここで冷静に別の観点から考えてみることにしよう。「カードを捨てる」という行動は、最軽量だと《暗黒鎧 ダースシスK》が0マナで行えるが、殿堂カードのため1枚しか積めない。1マナだと《堕魔 ザンバリー》や《最期の竜炎》で任意で捨てられるが、アドバンテージを失わずに捨てるとなると、《エマージェンシー・タイフーン》に代表される2マナ手札交換呪文が最軽量となる。
つまり《粋と雨衣 ケローラ》を最も欲しいターン、つまり仕掛けるターンに「捨てる」をある程度安定して行おうとするなら、3ターン目なら1マナ、4ターン目でも2マナしか残らないのだ。
こう考えると、《粋と雨衣 ケローラ》と組み合わせるべきカードの条件が見えてくる。1つ、「捨てる」行動が何度も発生するデッキのフィニッシャーであること。2つ、2マナ以下で仕掛けられるフィニッシャーであること。3つ、《キャディ・ビートル》や《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》の対処に困る高マナコストのカードであること。

このような条件を満たすカードには覚えがあった。《暴走龍 5000GT》だ。
だが、現代で通用している「アバク墓地ソース」の基盤では手札を捨てる行動は《ヨビニオン・フレイムバーン》くらいしかない。《鬼札アバクと鬼札王国》を使わない限り、11枚という《暴走龍 5000GT》が求める墓地のクリーチャー枚数は多すぎるのだ。
つまり、もっと墓地のクリーチャーの要求枚数が少ない《暴走龍 5000GT》がいれば……?
そう考えたとき、私は答えに至ったのである。
そう、すなわち。

《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》では???🤔🤔🤔
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》ならば、《キャディ・ビートル》や《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》の処理に「捨てる」呪文を使った後に0マナで召喚できる。要求する墓地枚数も8枚と少なく、非クリーチャーが混ざっても問題ないというのもありがたい。
ただ、以前制作した「超全力ジャオウガ」の基盤だと「捨てる」行動が少なくなりすぎてしまう。そもそも闇にはアドバンテージを失わずに「捨てる」カードがほとんどないのだ。ゆえに、デッキ全体を火文明に寄せることが解決策となる。


「捨てる」行動は火文明だけだと「捨ててから引く」だが、水文明が混ざれば「引いてから捨てる」になる。《粋と雨衣 ケローラ》を適切なタイミングで捨てるためには後者の方が強力なことは言うまでもない。
《龍装者 “JET” レミング/ローレンツ・タイフーン》は《絶望神サガ》全盛期によく見かけたカードだが、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》と組み合わせるにあたっても「火文明含みの《エマージェンシー・タイフーン》」という唯一無二の役割を果たしてくれるカードだ。
また、同じ2コストの手札交換材である《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》はアドバンテージこそ失ってしまうものの、最終的な打点となってくれる点が頼もしい。


2コストに「火文明含みの《エマージェンシー・タイフーン》」を求めるなら、3コストに求めるのは「火文明含みの《サイバー・チューン》」だ。《反逆龍 5000typeR/無法頂上会談》はそのものずばりのスペックだし、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を引かない場合にはクリーチャー側を召喚するオプションもある。
《パイセン・チュリス》は「捨てる」行動は伴わないものの、火文明の3コストで《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を手札にキープしながら確実に墓地を3枚肥やせる手堅いスペックを持っている。このデッキでは《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》のための墓地枚数を「2ターン目2枚、3ターン目3枚、4ターン目3枚」か「2ターン目2枚、3ターン目2~3枚、4ターン目2+2枚」で肥やすことになるので、3ターン目の3枚肥やしアクションが2枠欲しいところをしっかりと埋めてくれる。


上記のような「火文明含みの《エマージェンシー・タイフーン》」とか「火文明含みの《サイバー・チューン》」を不自由なく運用できるのは《邪心臓の魔法陣》の存在が大きい。もちろん2枚引いたそれらのうちの1枚を1ターン目にマナチャージすることも考えられるが、毎回2枚引けるわけではないし、3ターン目にトップデッキするパターンもある。そのうちの1種類がアンタップインできる上に受けになるというだけで、デッキの強度が何倍にも補強されるのだ。
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》からの出し先も、例年通りの《CRYMAX ジャオウガ》だけでなく《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》という更新が入っている。しかもこのデッキでは《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》→《パイセン・チュリス》のようにバトルゾーンにクリーチャーが残る進行もあり、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を引かない場合にもなるべく4ターン目に「ハイパーエナジー」で普通に召喚できるカード採用になっているのがオシャレなポイントだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「ケローラ・ジャオウガ」だ!
『ケローラ・ジャオウガ』
4 | 《灼熱の闘志 テスタ・ロッサ》 | 4 | 《カラカラ・警・ルピア/「ここはお任せだッピ!」》 | 4 | 《龍装者 “JET” レミング/ローレンツ・タイフーン》 | 4 | 《パイセン・チュリス》 | 4 | 《粋と雨衣 ケローラ》 | 4 | 《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》 | 4 | 《CRYMAX ジャオウガ》 | 4 | 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》 | 4 | 《反逆龍 5000typeR/無法頂上会談》 | 4 | 《邪心臓の魔法陣》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《かぼちゃうちゃうちゃう》を出します」

パワー4000の墓地対策でカード検索するな!!!😡😡😡
ではまた次回!来週は休載なので、3月28日 (金) にまた会おう!!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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