By まつがん
前回予告するのを忘れてしまっていたが、今回紹介するのは例によってデッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ!
ゼニスを召喚できるS・トリガーだと……?
しかも《天運ゼニスクラッチ》のようにトップ1枚ではなく、3枚見た中から選べるということで、成功率も3倍。出したゼニスはそのまま破壊されてしまうとはいえ、ゼニス特有の強力な召喚時効果を使えると考えただけでもワクワクさせてくれる1枚だ。
さて、2月15日 (土) に発売予定のエキサイティング・デュエパ・デッキ「ツラトゥストラは水晶と語らう」に収録される新カード、《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》が抱える問題点は明白で、能動的にゲームを動かすにしては重すぎるコストにある。さらに「S・トリガー」持ちなので受けデッキに向いていると思いきや、逆に「めくった3枚の中には必ずゼニスが含まれていなければならない」と考えると、40枚の中に要求するゼニスの搭載枚数も8枚程度では足りないことになり、構築上の制約も大きい。
だが、まずはシンプルに考えよう。「9コストのクリーチャーをバトルゾーンに出す」という条件において、最も簡単な方法は何だろうか?
私が導き出した答えは、これだ。
ガチャでは???🤔🤔🤔
デッキ作りとはまず脳を捨てるところからがスタート地点だ。左上にどんなマナコストが書いてあろうが、ガチャを使えばすべてゼロである。ダスニゼスがめくれればそこからゼニスが出て勝ち。直接ゼニスがめくれても勝ち。つまりガチャ=勝ちだ。何か重大な見落としをしているような気もするが、脳がないのでわかりません。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ゼニス・キューブ』
4 | 《桜風妖精ステップル》 | 4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 4 | 《「奇妙」の頂天 クリス=バアル》 | 4 | 《「鎮魂」の頂 ベートーベン・ソレムニス》 | 4 | 《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》 | 4 | 《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》 | 4 | 《蠅の王 クリス=タブラ=ラーサ》 | 4 | 《水晶転生》 | 4 | 《ミステリー・キューブ》 | 4 | 《ジャスミンの地版》 |
キューブでゼニスがめくれたらただのバニラじゃねーか!!!😡😡😡
そう、それは赤ちゃんでもわかる欠陥であった。ダスニゼスは召喚効果を使える代わりに出したゼニスが自壊する。《ミステリー・キューブ》や《水晶転生》はゼニスは残るものの召喚時効果が使えない。両方に噛み合ったゼニスなどそうそう都合よく存在するはずもなかったのである。
だが、ガチャがダメでも他がある。そうだ、王道篇ではデッキ内のクリーチャーを確定で呼び出せるギミックがあった。そのギミックとは、すなわち。
「W・ヨビニオン」から2体出せばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『ヨビニオン・ダスニゼス』
4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 4 | 《魔誕の獅子デスライガー》 | 4 | 《終末縫合王 ミカドレオ》 | 4 | 《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》 | 4 | 《呪烏竜 ACE-Curase/繁栄の鏡》 | 4 | 《フェアリー・ライフ》 | 4 | 《フェアリー・Re:ライフ》 | 4 | 《ライフプラン・Re:チャージャー》 | 4 | 《ダンシング・フィーバー》 | 4 | 《爆進イントゥ・ザ・ワイルド》 |
ゼニスの枠がカッツカツじゃねーか!!!😡😡😡
「ヨビニオン」でめくれるため《流星のガイアッシュ・カイザー》が使えず、「2→4→6→10」を呪文か上側が10コスト以上のツインパクトだけで再現しようとした結果、8枚のゼニスに人生全賭けするしかなくなってしまった。いくら2体で計6枚を見れるとは言っても、全力でマナを伸ばした先がかなりの確率ですべてを失う谷底というのはさすがに自分からゲームを負けに行っているとしか思えない。
というかこのあたりで「もしかしてダスニゼスで出す価値のあるゼニス、《終末縫合王 ミカドレオ》だけなのでは???🤔🤔🤔」と気づきはじめてしまったのも辛い。将来性もあるとはいえ、ひとまず現時点でデッキにならないようでは新カード紹介記事として差し障りがある。何とかして一応のゴールと呼べるデッキリストにはたどり着かなければならない。
だが、ガチャもヨビニオンもダメとなると、ダスニゼスを出す手段は限られてくる。デュエマにおいて9コストは尋常な手段では出せない。
と、するならば……?
暴発させればいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『暴発ダスニゼス』
4 | 《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》 | 4 | 《頂竜連結 バジュエン・ザ・ローラ》 | 4 | 《覚醒連結 XXDDZ》 | 4 | 《セルリアン・アックス・ドラゴン/ダブルアックス・チャージャー》 | 4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 4 | 《暗獅連結 グレイテスト・ネルザ》 | 4 | 《終末縫合王 ミカドレオ》 | 4 | 《ドラゴンズ・サイン》 | 4 | 《ボルシャック・サイン》 | 4 | 《聖魔王秘伝ロストパラダイスワルツ》 |
何枚コンボなんだよ!!!😡😡😡
4ターン以内に能動的な暴発をするために《聖魔王秘伝ロストパラダイスワルツ》を入れよう→7コストSAの連結ディスペクターを「3→5」からサイン呪文で出そう、しかも水晶チャージャーも生かせるぞ……と考えたまでは良かったが、いざできあがったのは要求の鬼、クソ辻無惨様であった。
しかもまたゼニス8枚しか入ってないし。そもそも「ダスニゼスを出せば勝ち」ではなく、「ダスニゼスから安定してゼニスを出せたらすごい」くらいなので、ダスニゼスを出すのに全力を尽くさなければならないようではその時点でデッキが破綻しているのである。
だが、そもそも要求枚数少なくダスニゼスを出せるカードなど限られている。私は9コストのクリーチャーを踏み倒せるカードを探し続けた……《勝災電融王 ギュカウツ・マグル》、悪くはないが重い……《QQQKYOKU・マウンテス》、せめてスピードアタッカーがあれば……《ジョー!ジョー!友ジョー!》、9コスト踏み倒すのに5文明の9コスト支払うバカがどこにいるんだよ!!!😡😡😡
そしてその果てに、最軽量の9コスト踏み倒しにたどり着いたのだ。
そう、すなわち。
清永から出せばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『清永ダスニゼス』
4 | 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》 | 4 | 《機動基盤 コア・キャリバー/エレクトロ・シャワー》 | 4 | 《蒼狼の豊穣 ワクムテラス/オリジナル・ライフ》 | 4 | 《五輪の求道者 清永》 | 3 | 《配球の超人/記録的剛球》 | 4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 3 | 《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》 | 2 | 《終末縫合王 ミカドレオ》 | 2 | 《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》 | 2 | 《「俺獅」の頂天 ライオネル》 | 2 | 《「戦鬼」の頂天 ベートーベン》 | 4 | 《呪烏竜 ACE-Curase/繁栄の鏡》 | 2 | 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 |
ゼニス全部抜いて《地封龍 ギャイア》入れろ!!!😡😡😡
そう、それはクソデッキあるある100の法則の一つ。「ダスニゼスは清永を欲しているけれども、清永はダスニゼスを欲していない」のパターンであった。
度重なる失敗を経て、もはや《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》を選んだことを後悔しそうになるほどだった。
だがその時、私に天啓が降りてきたのだ。
ダスニゼスを踏み倒すための最大の要素を、私はまだ使っていなかった。ダスニゼスは「S・トリガー」を持っているのだ。
ということは、すなわち。
《Disアイ・チョイス》から出せばいいのでは???🤔🤔🤔
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『チョイス・ダスニゼス』
4 | 《Disアイ・チョイス》 | 4 | 《配球の超人/記録的剛球》 | 4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 4 | 《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》 | 4 | 《終末縫合王 ミカドレオ》 | 4 | 《黒智縫合 レディオブ・ローゼルド》 | 4 | 《「合体」の頂 アクア・TITAAANS/「必殺!ジェット・カスケード・アタック!!」》 | 4 | 《呪烏竜 ACE-Curase/繁栄の鏡》 | 4 | 《トレジャー・マップ》 | 4 | 《フェアリー・Re:ライフ》 |
シンプルに回らん!!!😡😡😡
「4ターン目までにマナゾーンに水闇自然を用意しながら《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》も置きつつ手札に《Disアイ・チョイス》も抱えておく」ってそんなんできるならもう《ラッキー・ダーツ》でも打っとけ!!!😡😡😡
かくして、たどり着いたと思われた天啓すらもあっさりと打ち砕かれた……《空奏力 ナイン》の回に匹敵するほどの迷走ぶりに、「デッキにならなすぎて新カード紹介やめたいです」とデッドマンにお願いする寸前であった。
だが、私は忘れていたのだ。あらゆる可能性を真剣に検討した者だけが未踏の領域に至ることができるということを。
あまりにも簡単な事実を見落としていた。「S・トリガー」という能力を生かす手段は、「S・トリガー」を参照するカードを使うことだけに限られないのだ。
そう、すなわち。
自分でシールドをブレイクすればいいのでは???🤔🤔🤔
最新弾である王道篇第4弾「悪魔神、復活」で登場した《魔誕翔天マルピア》は、わずか3コストで自分のシールドを暴発させることができる。いわば1コスト軽くなった《暴発秘宝ベンゾ》だが、自身が「S・トリガー」を持っているので、《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》と同様ブレイクを連鎖させることができるのだ。
これならば、運命力さえあればわずか3コストで《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》をバトルゾーンに出すことができる。しかも、この3ターン目に自らのシールドから「S・トリガー」を唱える動きには読者諸賢も最近馴染みがあるのではないだろうか?そう、こいつのことは今日から《マーシャル・クイーン》と呼ぶことにしよう。
そして暴発先として《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》に《天運ゼニスクラッチ》まで加えれば、1つのシールドブレイクに対し1~2割くらいの確率でゼニスが出せるようになるはずだ。
だが、これでもまだ問題は残されていた。ゼニスの選定だ。
《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》と相性の良いゼニスは《終末縫合王 ミカドレオ》くらいしかいない、というのがこれまでの経緯で判明した事実だった。ゼニス本体がバトルゾーンに残らなくても有用な召喚時能力というのは限られている。
しかしここで、私はすべてを解決できるアイデアにたどり着いたのだ。
そのアイデアとは、すなわち。
シールドを追加するゼニスを使えばいいのでは???🤔🤔🤔
「逆アポロ」というデッキが難攻不落なのは、1枚のシールドブレイクに対して7~8割で「シールドを1枚追加する」という効果が発生するからだ。こうなると5枚のシールドに対してシールドの実数は10枚や15枚にもなる。S・トリガーである確率と、シールドを追加するカードである確率との掛け算。それを仮に「1ブレイクごとの生存率」と定義した場合の「逆アポロ」の生存率を、仮に0.75×0.75くらいであるとしよう。
だが、もしそもそも1枚のS・トリガーから2枚以上のシールドを追加できるとしたなら、この計算式が持つ意味は変わってくるのではないだろうか?「発生する事象が少ない代わりに、その事象が発生した際のインパクトも大きい」という場合、たとえば0.3 (トリガー率) ×0.6 (ゼニスのヒット率) ×2.5 (平均追加シールド枚数) のような計算式で、近しい値の生存率を実現可能なのではないか。
何せ「ゼニスの召喚時能力を使えるトリガー」が12枚も入っている (うち暴発の4枚だけは自ターン限定だが) のだ。
そうして「シールドを2枚以上追加するゼニス」を投げ続けていれば、いつかはダスニゼスからの《終末縫合王 ミカドレオ》にたどり着くはずなのだ……ダスニゼスの枚数もミカドレオの枚数も増やせない。ならばシールドブレイクという試行回数を増やせばいいのだ。遠回りこそが最短の道だった……ありがとうジャイロ・ツェペリ。
というわけで、できあがったのがこちらの「逆ゼニス」だ!
『逆ゼニス』
4 | 《魔誕翔天マルピア》 | 4 | 《暴発秘宝ベンゾ/星龍の暴発》 | 1 | 《サイバー・I・チョイス》 | 4 | 《偽りの名 ダスニゼス/リーダー・水晶チャージャー》 | 4 | 《「獅子」の頂 ライオネル・フィナーレ》 | 4 | 《「獅星」の頂 ザ・ライオネル》 | 4 | 《終末縫合王 ミカドレオ》 | 2 | 《黒智縫合 レディオブ・ローゼルド》 | 4 | 《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》 | 4 | 《「俺獅」の頂天 ライオネル》 | 1 | 《ポジトロン・サイン》 | 4 | 《天運ゼニスクラッチ》 |
ではまた次回!来週は休載なので、1月24日(金) にまた会おう!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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