By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック1月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
あけましておめでとう!当連載では今年も変わらず、新カードを使ったデッキ (もしくはデッキ未満) を紹介していこうと思う。
さて、昨年末にいよいよ発売となった王道篇第4弾「悪魔神、復活」。その目玉カードといえばやはりこれだろう。
《悪魔世界ワルドバロム》。5文明のカードといえばこれまでマナシンボルに「0」と書いてあるのが通例だったわけだが、このカードの登場により、ついに1ターン目に5色マナを健全に用意しながら普通にマナを伸ばすことが可能となったのである。
そして、こうしたカードの効果に関わらないゲームの基礎概念の変更は、新デッキを作る上では大きなチャンスとなる。「これまでできなかったことができるようになる」ということは、「これまで注目されていなかったカードにも活躍の可能性が生まれる」ということを意味するからだ。
では、《悪魔世界ワルドバロム》をはじめとする「マナを埋める5色カード」の登場によって、どんなカードに活躍の可能性が生まれたのだろうか?
別に《悪魔世界ワルドバロム》が登場する前から、やろうと思えば《ウルトラ・ミラクルッピー》だろうと《ギガントウサギロボ・フューチャーX》だろうとマナゾーンに置くこと自体はできたわけである。だがマナが出ない5色カードをマナチャージして何になるというのか。「では《星龍パーフェクト・アース》をチャージしてエンドします……おや、そちらは《「色災」の頂 カラーレス・レインボー/天上天下輪廻天頂》ですか、いいですねぇ。ではこちらは《天気君》で」ゲームが進まねぇだろ!!!😡😡😡
そう、それを誰もやろうとしなかったのは、マナが生まれないとクリーチャーの召喚や呪文を唱えられず自分の手が進まないからだ。つまり《悪魔世界ワルドバロム》は、「5色のカードとシナジーがあり」「マナを支払って使う必要があるカード」を最も強化したと言えるのである。
では、そのようなカードといえば何だろうか?
決まっている。《月光電人オボロカゲロウ》だ。
「マナの数を増やしながらマナゾーンに5文明を用意する」行動は、これまではどうやっても2枚以上のカードの組み合わせによってしか実現しなかった。《新世界王の思想》のようなアンタップインの3文明カードや、《魅惑のロイヤル・エイリアン》のように1枚で4文明を供給するカードも登場した……だが、それらでさえ2ターン目にアンタップマナを用意しながら残りの文明を埋めるためには、さらにもう1枚のカードを要求した。しかし、「《月光電人オボロカゲロウ》で5ドローするためだけに2枚コンボを揃える必要がある」というのは40枚のデッキにかけるにしては大きすぎる負担だった。
けれども、ついに《月光電人オボロカゲロウ》が独り立ちできるときが来たのだ。今や2ターン目5ドローは、《月光電人オボロカゲロウ》を引く限りは保証されたと言っていい。
「けど《月光電人オボロカゲロウ》を毎回引けたとしても、《悪魔世界ワルドバロム》は4枚しか積めないよね?」と思うかもしれない。しかし《魔誕と光喜と楽識と炎怒と哀樹の決断》に加えてコロコロ1月号付録パックからランダムで当たる《悪魔界ワルバロム》があるので、マナを生むことができる5文明カードは3種12枚も積むことができる。これならば1ターン目に置き損ねることはそうそうないはずだ。
さて、では《悪魔世界ワルドバロム》の登場によって《月光電人オボロカゲロウ》が確定5ドローの怪物になったとして、それでどんなデッキを組むべきだろうか?
従来からの相棒である《絶海の虎将 ティガウォック》とさらに密接なシナジーを形成する?否、現代デュエマはそのようなスピード感ではない。それに2ターン目ならばともかく、3ターン目に5文明を揃えることは別に《悪魔世界ワルドバロム》がなくてもできていたのだ。よって、《悪魔世界ワルドバロム》の登場によって《月光電人オボロカゲロウ》を強く使おうとするなら、2ターン目の5ドローを悪用しなければならない。
だが2ターン目に《月光電人オボロカゲロウ》を出してしまうとその時点で残りマナは0である。いくらなんでもその状態で入れ替えた手札を活用する方法が存在するはずも……。
あった。
《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》と《天災超邪 クロスファイア 2nd》で超高速アグロが組めるのでは???🤔🤔🤔
《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》はマナゾーンに5文明を用意すると「G・ゼロ」で召喚できるW・ブレイカーだ。もちろんこれまでも《ウルトラ・ミラクルッピー》やら《天気君》やらをマナチャージすれば1ターン目に召喚することは可能だったが、その代わりにデッキが控えめに言ってうんちになるという強烈な代償があった。
だが《悪魔世界ワルドバロム》の登場は、このカードをノーリスクの0マナW・ブレイカーへと変貌させた。初手に引けば引いただけ並べられるし、《月光電人オボロカゲロウ》から引き込んだ5枚の中にある分も直ちにそのまま召喚できる。そう、ビートダウンの最先端は火単ではなく5文明なのだ。
また、《天災超邪 クロスファイア 2nd》も《月光電人オボロカゲロウ》の5ドローから引き込むことで「G・ゼロ」の条件を満たすので2ターン目にW・ブレイカーのスピードアタッカーを突っ込ませることが可能となる。2体並ばないのが玉に瑕だが、逆に2枚目は山札の下に押し込んでしまえばいい。
先攻2ターン目に《月光電人オボロカゲロウ》を召喚し、5枚を戻した後の手札に《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》と《天災超邪 クロスファイア 2nd》があると想定すると、残る手札は1枚となる。もしそれが《“轟轟轟”ブランド》だったなら最高のブン回りであることは疑いようもないが、《”逆悪襲”ブランド》をキープしておいて3ターン目に走らせられるだけでも、打点としては十分と言えるだろう。
とはいえ、ここまでの過程は「《月光電人オボロカゲロウ》を毎回引き込める」ことを前提にしている。実際には当然そんなわけもないので、5~8枚目の《月光電人オボロカゲロウ》として《未来設計図》を採用することで、1ターンは遅れるものの毎ゲーム安定した動きが可能となる。
もちろんその1ターンの遅れはアグロデッキにとっては致命傷だが、《砕界の左手 スミス》を採用することでそもそものハンデがある後攻のゲームにおいて2ターン目《月光電人オボロカゲロウ》の確率を高めにいけるので、差し引きで釣り合いはとれるはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『途中経過』
4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》 | 4 | 《砕界の左手 スミス》 | 4 | 《悪魔界ワルバロム》 | 4 | 《天災超邪 クロスファイア 2nd》 | 4 | 《”逆悪襲”ブランド》 | 1 | 《”轟轟轟”ブランド》 | 4 | 《悪魔世界ワルドバロム》 | 4 | 《未来設計図》 | 3 | 《“閃忍勝”威斬斗》 | 4 | 《魔誕と光喜と楽識と炎怒と哀樹の決断》 |
嘘つけ!詭弁で自分を誤魔化すな!!!😡😡😡
そもそもの問題は《未来設計図》を使おうと《砕界の左手 スミス》を使おうと《月光電人オボロカゲロウ》にたどり着けるとは限らないという部分にある。1ターン遅れたり後攻限定だったりするカードがしかも不確定というのは《月光電人オボロカゲロウ》の代替と呼ぶにはおこがましすぎたのだ。
だが、これらのカードが「《月光電人オボロカゲロウ》を探す」という目的においてはマナ効率とサーチ枚数においてほぼ最大効率であることは間違いのない事実である。ということは《月光電人オボロカゲロウ》を4枚しか積めない以上、このデッキは破綻しているとみなすしかない……だが、本当だろうか?
デッキを完成に近づけるコツは、矛盾するようだが「完成した」「これ以上いじりようがない」とは決して思わないことだ。固定観念を持った瞬間から、デッキの進化は止まる。
そもそもなぜ《月光電人オボロカゲロウ》が必要なのだろうか?5ドローしないと《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》を探せないし、《天災超邪 クロスファイア 2nd》の「G・ゼロ」条件を満たさないからだ。では、なぜ《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》と《天災超邪 クロスファイア 2nd》に目をつけたのだろうか?それは、極めて早期に展開できるW・ブレイカーだからだ。では、なぜ極めて早期に展開できるW・ブレイカーが必要なのだろうか?
それは、ゲームに勝つためだ。
つまり逆に考えれば、早期にW・ブレイカーを展開できるプランさえあるなら、《月光電人オボロカゲロウ》がなくてもゲームに勝てるはずなのである。
《天災超邪 クロスファイア 2nd》はさすがに《月光電人オボロカゲロウ》を介さないと出せないが、《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》は素引きさえすれば12枚の5文明カード1枚を引くだけで着地させられる。ならば、《天災超邪 クロスファイア 2nd》の代わりに早期に《”逆悪襲”ブランド》が着地させられるセカンドプランがあるならば、それは《月光電人オボロカゲロウ》の代替と呼べるのではないだろうか?
そう、すなわち。
《神出鬼没 ピットデル》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
そう、「火水ギャラクシー」とのハイブリッドプランだ。
《神出鬼没 ピットデル》は水のカード2枚を捨てる必要があるが、幸いにして引きすぎた5文明カードも《月光電人オボロカゲロウ》を引かずに手札に来てしまった《天災超邪 クロスファイア 2nd》も水文明である。ならば、《月光電人オボロカゲロウ》を引いてない場合には捨てるカードに困らないはずだ。
また、そうは言っても《天災超邪 クロスファイア 2nd》がないと打点に若干の不安が残るところ、合わせて《世露詞駆 キャロル》も採用することで《神出鬼没 ピットデル》+《夜露死苦 キャロル》が実質的に早期のW・ブレイカーを代替してくれる。マナゾーンの条件も、どうせ1枚は5文明カードをマナチャージするのだから問題はない。
というわけで、できあがったのがこちらの「オボロ・ウサギ団」だ!
『オボロ・ウサギ団』
4 | 《月光電人オボロカゲロウ》 | 4 | 《世露詞駆 キャロル》 | 4 | 《神出鬼没 ピットデル》 | 4 | 《レアカードハンター ウサギ団/ラビットハンド》 | 3 | 《マジック・A・セミプーロ/♪閑かさや とにかくブレイン 蝉ミンミン》 | 4 | 《悪魔界ワルバロム》 | 4 | 《天災超邪 クロスファイア 2nd》 | 4 | 《”逆悪襲”ブランド》 | 1 | 《”轟轟轟”ブランド》 | 4 | 《悪魔世界ワルドバロム》 | 4 | 《魔誕と光喜と楽識と炎怒と哀樹の決断》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!あれ、何だか1ターン目なのにマナゾーンに5文明カードが見えますね!では《ジョリー・ザ・ジョニー Final》を3体、0マナで召喚します」
ウサギ団の天敵で原作再現するな!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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