デュエマ妄想構築録 vol.77-1 ~世界を壊せ!オールイン・クレバス!!~

By まつがん

 恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック12月号はもう入手されただろうか?

 デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。


 「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」は、ドリームレアや各種SRなどのわかりやすいレアリティ以外にも、地味に強力なカードが数多く収録されていた。

 そのうちの1枚が、これだ。

▲「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」収録、《無頼妖精ワイルド・リリィ》

 《無頼妖精ワイルド・リリィ》。スマートフォンアプリ「デュエル・マスターズ PLAY’S」からの逆輸入となるカードだが、楯確認ができてしまうために現代ではなかなか作られなくなった確定サーチカードということで、新デッキが組めそうなポテンシャルを有している。

 だが他方で、このカードには一つ問題があった。それは、同コスト帯にいるライバルの存在だ。

▲「フルホイルパック リバイバル・ヒーロー ザ・エイリアン」収録、《緑銅の鎧》
▲転生編 第4弾「終末魔導大戦」収録、《進化の化身》

 4コストで登場時に確定サーチが可能なクリーチャーといえば、《緑銅の鎧》が存在する。このカードを使えば、自然以外のカードはマナゾーンに確定で置くことができる。「《無頼妖精ワイルド・リリィ》が5~8枚目で積めるようになったんだ!」と主張することも可能だが、サーチ先自体を4枚デッキに積めばそれで既に8枚は積めているので、差別化を主張するならやはり《無頼妖精ワイルド・リリィ》を使うなら自然の進化クリーチャーをキーカードにしなければならないということになってしまう。

 また、《進化の化身》というカードも存在する。進化クリーチャーをマナゾーンではなく手札に加えられるので、特殊な運用をしないなら次のアクションと進化元を同時に用意できて便利そうである。こことも差別化を主張するなら、手札ではなくマナゾーンに進化クリーチャーを置けることに優位性が認められるデッキでなければならない

 いつも通り「唯一無二性に着目」して新デッキを作ろうとすると、このように《無頼妖精ワイルド・リリィ》が持つ唯一無二性があまりにも狭いことに気づかされるだろう……それでも、どうにかその狭い部分を通しにいくしか勝ち目はない。

 さてここで、《無頼妖精ワイルド・リリィ》が探すのは進化クリーチャーである。では、上記の2点を満たすような進化クリーチャーとは一体何だろうか?

 私が導き出した答えは、これだ。

▲聖拳編 第2弾「無限軍団の飛翔」収録、《ダイヤモンド・ブリザード》

 《ダイヤモンド・ブリザード》では???🤔🤔🤔

 《無頼妖精ワイルド・リリィ》が持つ「唯一無二性」は、実はもう一つあった。それは「スノーフェアリーである」という点だ。

 スノーフェアリーという種族は、「超感謝祭 ファンタジーBEST」以前から豊富な種族サポートを有している。そして古のそれらは、進化が絡んでいることも多い。なかでも《ダイヤモンド・ブリザード》といえば、効果はアッパー調整されているものの「デュエル・マスターズ PLAY’S」で大暴れしたカードとして知られている。

 すなわち、《ダイヤモンド・ブリザード》を現代のスノーフェアリーと組み合わせれば、《エンドレス・フローズン・カーニバル》を無限に打ちまくるデッキとかが作れるのではないか?

 ……と、思ったのだが……。

▲革命編 第4章「正体判明のギュウジン丸!!」収録、《武家類武士目 ステージュラ》
▲神化編「第1弾」収録、《ダイヤモンド・カスケード》

 デュエプレじゃねーんだぞ!デッキにならん!!!😡😡😡

 そもそも紙の《ダイヤモンド・ブリザード》は言ってしまえばただの《武家類武士目 ステージュラ》なので、あまりにもイカれたオリカすぎるプレイスの《ダイヤモンド・ブリザード》と比べて悲しくなってしまうだけなのであった。

 そしてこれは、《ダイヤモンド・カスケード》についても同様であった。そもそも《エンドレス・フローズン・カーニバル》を唱えるために大量のスノーフェアリーを手札に確保したいのに、《ダイヤモンド・カスケード》の墓地からのマナ置き能力は《エンドレス・フローズン・カーニバル》を唱えた後にこそ必要な能力だし、かといって《ダイヤモンド・ブリザード》を出してしまうと5マナが出せるはずもない。しかもそれらの問題は、《武家類武士目 ステージュラ》が既にすべて解決してしまっているのだ。

 そう考えると、《ダイヤモンド・ブリザード》《ダイヤモンド・カスケード》の実質ほぼ上位互換たる《武家類武士目 ステージュラ》が存在している現状、それと噛み合わない《無頼妖精ワイルド・リリィ》が新たに活躍する余地はないようにも思える。

 だが、私は見落としていたのだ。

 《ダイヤモンド・ブリザード》《ダイヤモンド・カスケード》に続く、第3のスノーフェアリーの進化クリーチャーの存在を。

 そう、すなわち。

▲「最強戦略!! ドラリンパック」収録、《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》

 《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔

 「《エンドレス・フローズン・カーニバル》を使って楯を殴らずに勝とう」などというのはあまりにも虫が良すぎた。楯は殴れば割れる。つまり結局勝負を決めるのは拳なのだ

 《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》は下に7枚のスノーフェアリーを吸い込めばパワー24000のパワード・ブレイカーで実質ワールド・ブレイカーとなる。そしてバトルゾーンのスノーフェアリーも吸い込めるので、《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》をサーチして役割を終えた《無頼妖精ワイルド・リリィ》もろとも下敷きにすることで、そのポテンシャルを余すところなく活用できるというわけだ。

 バトルゾーンとマナゾーンにダイレクトアタック要員を除いて合計7枚のスノーフェアリーを用意できるターンは、《桜風妖精ステップル》や《天体妖精エスメル /「お茶はいかがですか?」》など1枚で2枚分のカウントができるスノーフェアリーをフル活用したと仮定して、概ね4ターン目となるだろう。

 とはいえ、「4ターン目にワールド・ブレイカーが殴って脇の1体がダイレクトアタックします!!!」というだけだと、《我我我ガイアール・ブランド》で愚直に殴っているのとさして変わらない。楯を殴るからには、他の楯殴りデッキに対する差別化点を主張する必要がある。

 しかし、「4ターン目に《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》の下にスノーフェアリー7枚を敷く」ことが決まっている以上、デッキに入れられるのはスノーフェアリーだけに限られている。

 まさかトリガーケアが可能なスノーフェアリーがそう簡単に存在するはずも……。

 あった。

▲十王篇 第1弾「切札×鬼札 キングウォーズ!!!」収録、《珊瑚妖精キユリ》
▲アビス・レボリューション 第3弾「魔覇革命」収録、《同期の妖精/ド浮きの動悸》

 《珊瑚妖精キユリ》だ。これならパワー24000の《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》の脇に添えるだけで、《異端流し オニカマス》を添えた《CRYMAX ジャオウガ》と近しい状態にまで持ち込める。自身が《無頼妖精ワイルド・リリィ》などの展開をサポートできる最低限の2コスト帯としてもカウントできる点も有能だ。

 また、《珊瑚妖精キユリ》を採用するなら水単色のスノーフェアリーが欲しくなってくるところ、《同期の妖精/ド浮きの動悸》はダイレクトアタック要員のスノーフェアリーをS・トリガーから守れるほか、《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》の天敵とも言える《深淵の逆転撃》をケアできる。

 これらのどちらかを絡めながら《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》で一撃5枚ブレイクを決めるというコンセプトならば、「火単ブランド」との差別化は十分できているはずだ。

▲「超感謝祭 ファンタジーBEST」収録、《完璧妖精サエポヨX》
▲「超感謝祭 ファンタジーBEST」収録、《ダイヤモンド・カミタイオ》

 とはいっても、《無頼妖精ワイルド・リリィ》はマナゾーンに《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》を置くだけなので、何かしらの手段でマナゾーンから引っ張り出す方法が必要となる。

 そこで《完璧妖精サエポヨX》は《珊瑚妖精キユリ》と同様自身が初動としてカウントできつつ《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》をマナから呼び出せるので、デッキ内のすべての需要を完璧に満たす存在と言える。ただし、「ハイパー化」のためにタップしたスノーフェアリーを巻き込んだ《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》はタップ状態で着地してしまうので、それを除いて7枚を用意する必要がある点には注意だ。

 また、《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》が《無頼妖精ワイルド・リリィ》と合わせて8枚だとしても、《完璧妖精サエポヨX》の役目も8枚なければ、《無頼妖精ワイルド・リリィ》を《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》と同一視することができない。そこで《ダイヤモンド・カミタイオ》は、スノーフェアリーでありながら《武家類武士目 ステージュラ》のようにごく少ないマナでマナゾーンの《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》を回収できるため重宝する。スノーフェアリーの頭数自体は増えないがリソース数は増えているので、《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》で丸ごと下に敷いてしまえばスノーフェアリー1枚分お得だ。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《ヨビニオン・マルル》
▲エピソード3「デッド&ビート」収録、《妖精の裏技ラララ・ライフ》

 《ヨビニオン・マルル》は競技シーンでは「確定《天災 デドダム》呼び出し装置」として運用されているが、このデッキでは「1枚でスノーフェアリー3~4枚分になるアドバンテージお化け」である。《桜風妖精ステップル》《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》がめくれれば単純にお得だし、2体目着地時の能力で《ダイヤモンド・カミタイオ》や《妖精の裏技 ラララ・ライフ》につながって《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》にアクセスできるパターンもあり、種族も含めてそのポテンシャルを最大限に発揮できるデッキと言える。

 デッキ内で唯一の非スノーフェアリーである《妖精の裏技 ラララ・ライフ》は、3ターンキルを可能にする唯一無二のカードだ。このカードが無料で公開領域を広げてくれるおかげでデッキを実質36枚にできていると言っても過言ではない。「ゼロ」を崇めよう。

 というわけで、できあがったのがこちらの「オールイン・クレバス」だ!

 『オールイン・クレバス』

枚数
カード名
4 《桜風妖精ステップル》
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
4 《完璧妖精サエポヨX》
4 《珊瑚妖精キユリ》
4 《同期の妖精/ド浮きの動悸》
4 《ヨビニオン・マルル》
4 《氷結龍 ダイヤモンド・クレバス》
4 《無頼妖精ワイルド・リリィ》
4 《ダイヤモンド・カミタイオ》
4 《妖精の裏技 ラララ・ライフ》

 

まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」

デッドマン「いいですよ!では《インパクト・アブソーバー》を出します

▲転生編 第3弾「魔導黙示録」収録、《インパクト・アブソーバー》

 令和だぞ!!!😡😡😡

 ではまた次回!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は12/6(金)更新!!