デュエマ妄想構築録 vol.76-4 ~番外編:超暴淵デュエパーティー~

By まつがん

 デュエパーティーのデッキだけ家に20個くらいある人集合!!!

 番外編ということで、例によって「オリジナル」や「アドバンス」とは異なる特殊なフォーマット「デュエパーティー」を遊んでいこうと思う。

(参考:これまでに記事で紹介したパートナー)
vol.51-5
《終末縫合王 ミカドレオ》
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》
《蒼狼の王妃 イザナミテラス》

vol.55-5
《ニクジール・ブッシャー》
《兵繰凄の鎖 サイノ・ブサイ》
《星龍パーフェクト・アース》

vol.60-5
《屍術師インフェルノ・カイザー》
《天風のゲイル・ヴェスパー》
《闘魂混成 エンペラー・アクターシャ》

vol.63-5
《未来王龍 モモキングJO》
《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》
《爆龍皇 ダイナボルト》
《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》
《MAX-Gジョラゴン》
《強奪者 テラフォーム》
《鎧亜戦隊ディス・ピエロ》
《蒼狼の王妃 イザナミテラス》
《超運命 アミダナスカ》
《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》

vol.69-5
《ガチャンコ ガチロボ》

vol.71-4
《蒼き王道 ドギラゴン超》

vol.74-4
《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》

 今回は王道篇第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」からパートナー候補を探していこう。

 さて、デュエパーティーのパートナーを探すにあたっては、どのようなクリーチャーにパートナー適性があるのか?を理解しておく必要がある。

 そこで、上でこれまで私が作ってきたパートナーの共通点を見ていくと、求められる要件に気がつくことだろう……それは、「パートナーの能力で他のクリーチャーを出せること」だ。

 どうやっても長いゲームになることが想定される場合、それでも自分が勝ちたいなら「最終盤面からの逆算」が必要となる。ループや特殊勝利が存在しない多人数戦では、最終盤面とは逆転不能な「不可能状況」のことだ。

 そして、対戦相手全員の力をもってしても覆せない「不可能状況」を作るには、クリーチャー同士の強固なシナジー(e.g.《地封龍 ギャイア》+《古代楽園モアイランド》など)を実現する必要がある。だが1ターンの価値が極めて高いデュエパーティーでは、毎ターン1体ずつクリーチャーを出していてはいつまで経ってもそうしたシナジーを実現することはできない(9マナから《地封龍 ギャイア》をポン出ししても、一周するまでに誰かの呪文で除去されてしまうことだろう)。

 ゆえに、他のクリーチャーを出せる能力を持つことで「不可能状況」が完成した盤面を1ターンのうちに実現できるパートナーこそが強力となるのだ。

 ということで、王道篇第3弾のクリーチャーで「他のクリーチャーを出せる能力」を持っているものを探したところ……とある1枚のカードに行き着いたのである。

▲王道篇 第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」収録、《超暴淵 ボウダン=ロウ》

 《超暴淵 ボウダン=ロウ》だ。

 通常環境では最大5体の蘇生はいかにもオーバーキルであり、《漆黒の深淵 ジャシン帝》からの蘇生対象にもなる《アーテル・ゴルギーニ》で良くね???となりがちなこのカードだが、1人で3人を相手にしようと思うと3倍の出力が求められるデュエパーティーでは、そのポテンシャルをフルに発揮することができる。

 何せ「1→2→3」とクリーチャーをマナカーブ通りの展開するだけで、4ターン目には最大5面展開が可能となるのだ。早期にこれほどの物量を捌くのは、たとえ3人がかりでも難しいだろう。

▲ドラゴン・サーガ 第4章「超戦ガイネクスト×極」収録、《オタカラ・アッタカラ》
▲双極篇 第2弾「逆襲のギャラクシー 卍・獄・殺!!」収録、《ビックリーノ》

 大量に存在する《オタカラ・アッタカラ》系のクリーチャーは、動きの再現性を高めてくれる。墓地肥やしで4~5マナ域の「強力だけれども初手には不要なクリーチャー」を探しにいけるので、5面展開の威力もバックアップできる。

 もちろん《超暴淵 ボウダン=ロウ》の着地は早ければ早いほど良いところ、墓地肥やしの構造をとることで《ビックリーノ》などの実質0マナクリーチャーを活用し、最速3ターン目のパートナー着地も狙うことができる。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『パートナー:超暴淵 ボウダン=ロウ(途中経過)』

枚数
カード名
12枚程度の1コストクリーチャー
《一撃奪取 ブラッドレイン》
《Re:奪取 ブラッドレイン》
《ド:ノラテップ》
《メトロ=トロノーム》
《オペラグラス=ドクラス》
《ベル=ゲルエール》
《死積人形ブラッディ》
《無防備のシダン キナコ》
《凶鬼23号 グザリ》
《Disゲルネ》
《ぴえんぱおん》
《虚∞龍 ゲンムエンペラー》
《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》
《アロガント・アウェイン》
《罪無 ターボ兆》
《暗黒鎧 ザロスト》
《幽幻人形キヨ&ヨン&シー》
30 適当な5コスト以下のクリーチャー

 こんな構造だと5面展開っつっても雑魚ばっかじゃねーか!!!😡😡😡

 そう、それは《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーのデッキを作ろうとしたときに必ず通る構造的欠陥であった。

 《超暴淵 ボウダン=ロウ》登場時や攻撃時の蘇生の威力を高めるために、「ハイパーエナジー」材となる1~3コストのクリーチャーの能力を墓地肥やしで固めると、墓地肥やし能力しか持たないバニラクリーチャーが大量に蘇生されるだけになってしまうのだ。

 いくら3ターン目着地の上ブレがあるとはいえ、これではせっかくの大量蘇生の強みが失われてしまう。

 だが、「ハイパーエナジー」で4ターン目に《超暴淵 ボウダン=ロウ》を安定して着地させるプランには、「1→2→3」の展開は欠かせない。ならばここで考えるべきは、墓地肥やし以外のいかなる能力を持ったクリーチャーを入れればいいのか?だ。

 通常環境のデッキ構築と同じく、いやパートナーという確定要素があるデュエパーティーだからこそそれ以上に、再現性が求められる。「墓地肥やし」は再現しやすい能力だが、ここでの問題は対戦相手に干渉する要素がないことだ。

 ならば、「干渉」を再現することこそが《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーに最も必要な要素なのではないだろうか?

 そう、すなわち。

▲2017年「月刊コロコロコミック10月号」ふろくより、《DG 〜裁キノ刻〜》
▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《ブルーム=プルーフ》

 デッキ全体をメタクリだらけにすればいいのでは???🤔🤔🤔

 レベル3のデュエパーティーでは、互いのパートナーを牽制するべくメタクリーチャーを展開することが挨拶代わりとなるが、それはたとえば本来《フェアリー・ライフ》を唱えたいターンに我慢して行わざるをえない行動であることが多い。

 しかし《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナーならば、「ハイパーエナジー」によってメタクリーチャーを展開すること自体が自身の加速につながる。そしてメタクリーチャーは多く並べれば並べるほど対戦相手の行動を制限できるので、5面展開による相乗効果も期待できるというわけだ。

 1コストにメタクリーチャーが少ないことや、順調に「1→2→3」と展開できれば4コストのメタクリーチャーは不要であることを考えると、闇かゼロ文明で2~3コストのメタクリーチャーを積みまくる構造をとることになる。あとはその条件に合うクリーチャーを厳選していくだけだ。

▲転生編「第1弾」収録、《停滞の影タイム・トリッパー》
▲双極篇 第4弾「超決戦!バラギアラ!! 無敵オラオラ輪廻∞」収録、《凶鬼02号 ドゴンギヨス》

 《停滞の影タイム・トリッパー》《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》といったマナ制限能力を持つクリーチャーは、「ハイパーエナジー」の種にもなるため普段の倍以上強く使える。

 のちの蘇生対象を手札から墓地に送り込めるためデメリットを軽減できる《凶鬼02号 ドゴンギヨス》も、《超暴淵 ボウダン=ロウ》からの蘇生対象にはならないものの十分に採用候補となるレベルだ。

 《超暴淵 ボウダン=ロウ》を出して即勝ちなわけではなく、「蘇生したメタで雁字搦めにして1ターンもらう」という構造になっているため、《超暴淵 ボウダン=ロウ》を出す前と後とで相手のアクションのスケールが変わらない状態にできるのは心強い。

▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《邪龍 ジャブラッド》
▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《邪魂龍 ジャビビルブラッド》

 《超暴淵 ボウダン=ロウ》自体に除去耐性がないため「S・トリガー」などで返される危険はあるが、《邪龍 ジャブラッド》がいればその心配もなくなる。

 また、《邪魂龍 ジャビビルブラッド》が蘇生できると即時打点が大幅に増加するので、メタで縛りきれなさそうなプレイヤーを一人落としてターンを返すといった選択肢が生まれるのが強力だ。

▲闘魂編 第3弾「超神龍の復活」収録、《ギガクローズ》
▲第4弾「闇騎士団の逆襲」収録、《ギガボルバ》

 《超暴淵 ボウダン=ロウ》パートナー独自のマニアックなカードとしては《ギガクローズ》がある。5コスト以下のクリーチャーでほぼ無条件に《ロスト・ソウル》が可能というのは唯一無二の性能だ。

 また、《ギガボルバ》は闇単で《アポカリプス・デイ》をケアできる数少ないカードだ。《超暴淵 ボウダン=ロウ》は5枚肥やしでデッキ内の特定のクリーチャーを探す力がかなり強いので、限定的なシチュエーションでしか活躍しないカードでも弱点を大きく補強するようなものは採用候補になる。

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《死神覇王 ブラックXENARCH》
▲アビス・レボリューション第4弾「竜皇神爆輝」収録、《DARK MATERIAL COMPLEX》

 《死神覇王 ブラックXENARCH》は《超暴淵 ボウダン=ロウ》着地のためにタップした3体を破壊してそのまま出せる上に、その後の展開で対戦相手全員の盤面と手札に干渉できるようになるので、極めて強力なロック状態を実現してくれる。

 《DARK MATERIAL COMPLEX》は「ハイパーエナジー」の種にこそならないものの、このデッキが苦手な《飛翔龍 5000VT》と《ブルー・インパルス/「真実を見極めよ、ジョニー!」》に対抗できる数少ないサブプランとして機能する。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『パートナー:超暴淵 ボウダン=ロウ』

カード名
《ベイB ポンの助》
《霊淵 アガルーム=プルーフ》
《堕魔 ザンバリー》
《オンサ=マンサー》
《不蠍虫ガタドコサ・ワーム》
《不死帝の黒玉 ジェット》
《コミック=コロック》
《闇々人形アイビー》
《ジーペン=ギーゼン》
《犠牲の影 オンリー・ウォーカー》
《DARK MATERIAL COMPLEX》
《禁術のカルマ カレイル/フォビッド・水晶チャージャー》
《冥土人形ロッカ・マグナム》
《星空に浮かぶニンギョ》
《バリバリ・ケドケド》
《戯具 ドゥモグラ》
《堕魔 ドゥスン》
《マタドール・マルクーゼ》
《落下男》
《ブルーム=プルーフ》
《凶鬼77号 ビムナム》
《オッケーBros.》
《DG ~裁キノ刻~》
《伊達人形ナスロスチャ》
《停滞の影タイム・トリッパー》
《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》
《ダルピ・ルッピー》
《ジョーロー=スイーロ》
《虚構の影バトウ・ショルダー》
《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》
《セリヴィエット=エリー》
《波乗りザブンプル》
《洗脳センノー》
《ポクチンちん》
《邪龍 ジャブラッド》
《漆黒の深淵 ジャシン帝》
《邪魂龍 ジャビビルブラッド》
《カーペット=ガペット/「ふむ、君の希望を踏まえよう」》
《ギガボルバ》
《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》
《フットレス=トレース / 「力が欲しいか?」》
《ノリのりん》
《砕界の左手 スミス》
《アーテル・ゴルギーニ》
《謀遠 テレスコ=テレス》
《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》
《邪眼王B・ロマノフ》
《ギガクローズ》
《消王ケシカス》
《逆転王女プリン》
《ゲラッチョ男爵》
《凶鬼02号 ドゴンギヨス》
《幽幻人形キヨ&ヨン&シー》
《死神覇王 ブラックXENARCH》
《暴淵 ボウチ=トートロット》
《ジョリー・ザ・ジョニー Final》
《秩序の意志》
《深淵の逆転撃》
《Black Lotus》

 

 分類としては《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》パートナー類似のメタビートだが、そちらと比べても決定力やメタ対処能力が大きく増しており、脳内だがレベル3の中でも強力な部類のパートナーにあたるのではないかと思う。使用する際は、卓のプレイレベルを事前に確認した方が無難だろう。

 ではまた次回!来週は休載なので、11月29日 (金) にまた会おう!!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は11/29(金)更新!!