デュエマ妄想構築録 vol.76-3 ～構築難度XX級！コマンドドラゴン・ドリーム!!～

By まつがん

　今回紹介するのは、デッドマンが持ってきてくれた新カード……それが、こちらのカードだ！

　「ハイパーエナジー」持ちのコマンドかつドラゴンだと……？

　他の能力はスピードアタッカーのみということで控えめだが、これだけ種族が強ければ様々なデッキで使いでがあるだろう。

　さて、12月21日(土) に発売予定の王道篇第4弾「悪魔神、復活」に収録される新カード、《GENJI・ハイパーXX》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

　新カードでデッキを組む場合、そのカードしか持ちえない能力、そのカードにしか成しえない行動といった、「唯一無二性」に着目するのが常道だ。

　では《GENJI・ハイパーXX》が持つ「唯一無二性」とは何だろうか？

　最も簡単に思いつくのは、3ターン目に召喚できる5コストのSA持ちドラゴンという部分だろう。

　比較対象としてわかりやすいのは《“龍装”チュリス》だが、殿堂カードということで4枚積める《GENJI・ハイパーXX》に優位性がある。ならば「《“龍装”チュリス》の再来」という部分に「唯一無二性」を見出すことができないだろうか？

　だが、ここで《偽りの希望 鬼丸「終斗」》の存在がネックになる。相手のマナゾーン条件があるとはいえ、「《“龍装”チュリス》の再来」というだけなら《偽りの希望 鬼丸「終斗」》がバトル付きで同じ役割をこなせる。

　上位互換が存在する時点で、「唯一無二性」と言い張るのは無理がある。ならば、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》より《GENJI・ハイパーXX》の方が勝っている部分を見つけるしかない。

　では、《GENJI・ハイパーXX》の方が《偽りの希望 鬼丸「終斗」》よりも強い部分とは何だろうか？

　私が導き出した答えは、これだ。

　3ターン目に《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を除去しながらすぐに「革命チェンジ」や「侵略」ができるのでは？？？🤔🤔🤔

　《偽りの希望 鬼丸「終斗」》の強みは、メタクリーチャーを除去しながら「革命チェンジ」や「侵略」につなげられる部分だ。だがそんな《偽りの希望 鬼丸「終斗」》にも乗り越えられない類のメタクリーチャーが存在する。《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》のように、着地した時点で行動制限をかけるメタクリーチャーを出されてしまうと、たとえバトルで処理できるにしても、そのターン中に走ることが不可能になってしまうのだ。

　だが、《GENJI・ハイパーXX》は1コストと2コストのクリーチャーを「ハイパーエナジー」でタップすることで1マナで召喚できるので、2コストで《シェル・アルカザール》のようなメタ除去を先に出すことで、行動制限をかけられずに着地させられるのである。これは《偽りの希望 鬼丸「終斗」》にもできない芸当だ。

　というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー・コマンド」だ！

　『ハイパー・コマンド』

　最初の一歩を踏み外したら終わりのセルフ鉄骨渡りデッキが完成！！！😡😡😡

　確かに《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の返しで「革命チェンジ」や「侵略」が可能というのは唯一無二なのだが、そのために必要な要求値もさすがに半端ではなく、こんなん毎試合通せるならもはや「運帝（うんペラー）」を名乗っていいと言えてしまうほどであった。

　だが、冷静に考えてみるとそもそもなぜ《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を除去する必要があるのだろうか？

　それは3ターン目始動だと、こちらが後攻の場合に相手の先攻3ターン目ポン置きが間に合ってしまうからだ。

　しかし、《GENJI・ハイパーXX》は「ハイパーエナジー」により最低1マナで召喚できるのである。ならば、2ターン目始動にすればそもそも除去の必要がなくなるのではないだろうか？

　そう、すなわち。

　《神出鬼没 ピットデル》を使えばいいのでは？？？🤔🤔🤔

　というわけで、できあがったのがこちらの「ピットデルXX」だ！

　『ピットデルXX』

　絶対回るわけないコーウンなキーデッが完成！！！😡😡😡

　《芸魔桂馬 バセヌテレジ》の2枠目として《GENJI・ハイパーXX》の可能性を見出したまでは良かったが、1種4枚しか積めない《神出鬼没 ピットデル》を引けないとドローとマナチャージだけを永久に繰り返す悲しきモンスターが爆誕するだけになってしまうのであった。

　だが、ここで私は気がついたのだ。

　2ターン目始動のパターンは何も、《神出鬼没 ピットデル》だけに限らないということに。

　そう、すなわち。

　《応援妖精エール/「みんな一緒に応援してね！」》を使えばいいのでは？？？🤔🤔🤔

　というわけで、できあがったのがこちらの「絶対侵略」だ！

　『絶対侵略』

　2ターン目にT・ブレイクできるけどそれで終わりな素うどんが完成！！！😡😡😡

　いくら「困ったら『侵略』させとけば何となくデッキになる」とはいっても、既存の火自然レッドゾーンに対して特段の主張点もなくただ脳筋で走るだけの束を新デッキと言い張るのは「君が代って実はオレのこと歌ってる歌なんだよね」っていうくらいの面の皮ミルフィーユであった。

　ここまででわかったことは、「相手の《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を無理にかわしながら《GENJI・ハイパーXX》を出すことを主張点にしようとすると必ず破綻する」ということだった。

　ならば、こちらもメタクリーチャーを出すことで《GENJI・ハイパーXX》召喚のための実質マナ加速をしながら対戦相手への遅延を図ることはできないだろうか？

　そう、すなわち。

　2コストのメタクリーチャーを入れまくればいいのでは？？？🤔🤔🤔

　というわけで、できあがったのがこちらの「メタノヴァ」だ！

　『メタノヴァ』

　もう自分でもよくわかんなくなってるデッキが未完成！！！😡😡😡

　「革命チェンジ」にだけ振り切った結果、《“龍装”チュリス》の下位互換という側面が際立ってしまい物悲しくなって最後までデッキが組めなかったのである。

　やはり《GENJI・ハイパーXX》を使うなら、「コマンド」「ドラゴン」両方の側面に着目した方が良いだろう。

　そしてそんな中でも、「ハイパーエナジー」による早出しが可能である点を生かすにはどうすればいいか。

　私が最後にたどり着いた結論は、これだ。

　相手のメタをどかせるクリーチャーでテンポをとればいいのでは？？？🤔🤔🤔

　そう、「早期にメタをどかしながら《GENJI・ハイパーXX》を出す」ことに再現性を求めてしまっていたから破綻した。そこで何度でもメタをどかして相手にメタの出し直しを強要することで、ターンが伸びて自ずと「メタをどかしながら《GENJI・ハイパーXX》を出す」ことに再現性が生まれるのだ。

　さらにその「メタをどかす」役割を《キング・オルカディズ》や《響乱の不死帝 ブルース》のような「S・トリガー」持ちで揃えることで、こちら側にメタが不在であっても楯からの切り返しで《GENJI・ハイパーXX》の「ハイパーエナジー」を活用できるようになる。すなわち「相手のメタをどかせるS・トリガー持ちクリーチャー」の採用は、「ハイパーエナジー」持ちとの関係では実質的にメタクリーチャーの採用と同様の役割を果たせるのだ。

　この構造が成り立つようになったのは、「天下夢双!!デュエキングDreaM 2024」で《蒼き夢双 ドギラゴン天》が登場したことによる影響も大きい。「革命チェンジ」先が火水のマナベースをサポートしてくれるので、《GENJI・ハイパーXX》を使ったデッキ構築に水文明という選択肢が生まれたからだ。

　そしてそれは、《轟く革命 レッドギラゾーン》との同時採用という「コマンド」「ドラゴン」ゆえの特権にもつながる。「ファイナル革命」により「ハイパーエナジー」で寝かせたクリーチャーもアンタップできるので、相性も抜群だ。

　《Disノメノン》はS・トリガー持ちではないが、火水自然というマナベースを完璧にサポートしながら「相手のメタをどかす」という役割において最高級の働きを見せてくれる上に、《蒼き夢双 ドギラゴン天》との相性も良い。

　そこから伸びたマナは《頂上印鑑 パラキン8th/「魔物がいるな……」》につなげることで出力を回収できる。《蒼き夢双 ドギラゴン天》と《Disノメノン》と組み合わせることでジャストダイバー持ちだけでダイレクトアタックまでいけるのは強力すぎるオプションだろう。

　というわけで、できあがったのがこちらの「コマンドドラゴン・ドリーム」だ！

　『コマンドドラゴン・ドリーム』

　ではまた次回！

ライター：まつがん   フリーライター。クソデッキビルダー。 論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。 オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている（が、上記のような理由で大体失敗する）。

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