【プロセカ】プロセカ4周年記念座談会(1) はるまきごはんさん、雄之助さん、水野あつさんが語る「出会い」、「曲作り」、「プロセカ」のこと

同世代の3人、ざっくばらんに語る!

 
 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 リリース当初からこのコンテンツを追いかけてきたコロコロオンラインプロセカ班は、2021年10月には1周年を祝した特集の展開や、

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 2022年10月には『プロセカ』2周年を記念した大特集を実施。

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 さらに2023年10月に『プロセカ』3周年記念特集を掲載するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けてきた。 

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  そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 ということで、『プロセカ』の歩みとともに4年に渡って続けてきた“ボカロPインタビュー連載”ですが、今回は“プロセカ4周年記念企画”として、なんとも豪華な座談会を実施!! この連載にもご登場いただいた、はるまきごはんさん(『プロセカ』に書き下ろし楽曲『月光』、『エンパープル』を提供)、雄之助さん(同『Awake Now』、『Supernova』を提供)、水野あつさん(同『星空オーケストラ』を提供)というプライベートでも関係が深いというお三方にお集まりいただき、それぞれの出会い、楽曲のこと、そして『プロセカ』について語り尽くしてもらいました! ここでしか読めない、笑いと感動のロングインタビュー!

※インタビューは感染対策を徹底して行っております。

「これはやられた!」と思った曲とは?

――『プロセカ』の4周年を記念して、当サイトのボカロP連載にも登場いただいた豪華なお三方にお集まりいただきました! はるまきごはんさん、雄之助さん、水野あつさんですけれども……じつは皆さん、プライベートでもかなり仲が良さそう……ということで、ぜひとも座談会をしたいと思ったんです。

はるまきごはん そうですね、僕らけっこう古い付き合いだと思います。

――はるまきごはんさんは、雄之助さん、水野さんと初めて会ったときのこと、覚えてらっしゃいます?

はるまきごはん あつさんと会ったときのことは覚えているんですけど、雄之助は……ぜんぜんですね。なんか、気づいたら話していたんですよ(笑)。

雄之助 僕とはるまきごはんの出会いは……たぶん、2015年か2016年まで遡ると思います。

はるまきごはん ボーマス(※『THE VOC@LOiD M@STER』という即売会)で会ったか……もしくは、DMのやり取りをしたような記憶がありますね。当時はまだDiscordなどのコミュニケーションツールがなかったから、「Skypeで話そう!」みたいな感じでボカロPの友達とやり取りをしていたんです。たぶんその流れで……、思い出した! 雄之助にYouTubeのことを教えてもらったんですよ。

――YouTube!?

雄之助 あ、そうだ! これ、ちょっと恥ずかしい話なんですけど、そのころ僕はまわりの人から“ボカロPのYouTube博士”って呼ばれていて(苦笑)。

はるまきごはん あったなあ(笑)。

雄之助 というのもいまから10年くらい前って、自分の楽曲をYouTubeに投稿する人が少なくて、やり方が浸透していなかったんです。ボカロ楽曲と言えば、ニコ動の時代でしたから。

――そうかそうか!

雄之助 なので定期的に、YouTubeの情報を共有する会を設けて、通話アプリで教えたりしていたんですよね。

はるまきごはん 雄之助しか、YouTubeの正しい使いかたを知らなかったんですよ。

一同 (笑)

――そんなこともないでしょうけど!

はるまきごはん 雄之助以外、投稿するアカウントすら持っていなかったんですよ。 YouTubeは、あつさんがボカロをやり始めたあたりからじゃないですかね? 楽曲の公開先として定着したのは。

水野あつ そうですそうです。僕のころはもう、最初からYouTubeありきな感じでした。

はるまきごはん 僕らにとってはYouTubeって後発なので、昔からいるボカロPほどYouTubeに投稿している曲の順番がぐちゃぐちゃになったりしていて(笑)。昔の曲ってYouTubeが定着していない時代に作ったものなので、あとになって、「あ、これもまだYouTubeに入ってなかった」って言って投稿し直しているから(笑)。

――あ、そうか! 昔作った曲を、いまになって引っ張り出してきてYouTubeに投稿するから、最新のものとゴチャゴチャになっているんですね(笑)。

はるまきごはん はい。なので、YouTubeの投稿日はたまにアテにならないです(笑)。でも雄之助だけは当時からニコ動と並行してYouTubeに投稿していたので、特別な存在だったんですよ。海外でもすでに人気になっていたので、公開の方法も海外仕様だったんですよね。

――おおお……! トレンドをリードしていたんですね、雄之助さん。

雄之助 いやでも、思い出すとめちゃくちゃ恥ずかしいんです。そのころ、「YouTubeってどうすればいいの?」って集まってきた人、はるまきごはんを始め自分より遥かに知名度も実力もある人ばかりでしたから……。とはいえそれをきっかけに仲良くなった人は多いので、結果的によかったんですけどね。

▲座談会の流れをリードしながら笑いと感動のコメントをしてくれた雄之助さん。

――では水野さん、おふたりとの出会いはどんな感じで?

水野あつ はるまき君との出会いは、めちゃくちゃ明確に覚えています。なぜなら、僕はもともとはるまき君の大ファンだったから。はるまき君とn-buna(ナブナ)さんが、ボカロPを目指すことにした2大きっかけでしたからね。

はるまきごはん あ、そうなの!?

水野あつ いや、そうだよ!? 毎回言ってるじゃん!

はるまきごはん 確かに、いつも聞いてるかも(笑)。あつさんはもともとバンドをやっていて、そのころからTwitter(現・X)では繋がっていたんです。なので最初は、自分はボカロP、あつさんはバンドマンとして知り合ったんですよ。当時、自分と相互フォローしている人でバンドをやっている人って確かあつさんしかいなくて、僕はもともとバンドが大好きな人間なんですね。憧れていた……と言ってもいいくらいに。なので、(バンドってどういう感じでやっているんだろう……?)って、あつさんに対して興味津々でした。なので、ずっと気になる存在だったんですよね。ある時、即売会に来てくれて、そこからふつうに話す関係になりました。

水野あつ そうそう。せっかくだから挨拶に行こうと思ってはるまき君のブースに行ったら、僕のことを認知してくれていたのがすごくうれしくて。で、いまだに鮮明に覚えていることがあるんですけど、そのときに僕、自分のCDを持っていったんです。それも、曲はコピーで焼いてジャケットもぐちゃぐちゃな、完全なハンドメイドのCD……。それをはるまき君に、「よかったら聴いてください!」って渡したんです。

――いいですね、そういうの。

水野あつ そしたらはるまき君が、もう製品化されている『NEO DREAM TRAVERER』のアルバムを取り出して、「じゃあこれ、よかったら」って渡してくれて。……もう、それがはるまき君の人の良さなんですよ! めっちゃ丁寧で優しくて!!

はるまきごはん いや、そこはふつうに交換するでしょ!(笑)

水野あつ いやいや! こっちからしたら、手作りクッキーを渡したら、お返しに立派なゴディバのチョコをもらったみたいなもので!!

一同 (爆笑)

――おもしろすぎるなこのメンバー!!!

水野あつ はるまき君は憧れでしたから、(こんなことがあってもいいのか!?)って、内心大感動です。それ以来、僕にとってはるまき君は聖母のような存在になりました。

雄之助 聖母って(笑)。

水野あつ さらに言うと、僕がはるまき君のTwitterをフォローしたときって、まだフォロワーが数百人しかいなかった時代なんです。600人くらいだったかなぁ。当時、はるまき君はフォローした人をすべてフォロバしていたので、僕も相互になったというカラクリです(笑)。

▲ほんわかした雰囲気を漂わせながらも、ときにアツい言葉を投げかけてくれた水野あつさん。

――はるまきごはんさん、現時点のフォロワーって21万人以上ですから……めちゃくちゃ初期からのファンだったんですね!!

はるまきごはん 多分ですが、フォロバしたのはさっきも言ったように、あつさんがバンドをやっていたからだと思います! 

水野あつ えええ、そうなんだー! 初めて知った! キチンと、何らかのきっかけがあったんですね。

――でもはるまきごはんさん、YouTubeのことは雄之助さんに教えてもらって、バンドのことは水野さんに教えてもらっていたんですね。

はるまきごはん あ、言われてみれば確かにそうですね! でもあつさんは、SEKAI NO OWARIの企画ライブに選ばれて出場したりとか、そっちの分野で既に活躍していたので、僕の視点で言えば「相互のバンドマンがボカロ始めたぞ」みたいな感じでした。そこから、あつさんがボカロPとしてスタートして、徐々にみんなに知られていく過程を、傍から見ていたんですよね。

水野あつ うわあ、それはすごくうれしいですねえ。……あ、その流れでもうひとつ語っていいですか!?

――もちろんです!

水野あつ ボカロPとしてデビューして少ししたころ、メディアに取り上げられて再生数が伸びたことがあるんです。でもそのとき、著作権の管理だとか事務的なことがまったくわからず、頼れる人もいなかったので、ダメ元ではるまき君に連絡したんです。「こういうのって、どんな管理をしていけばいいの?」って、SNSのDMで尋ねたんですよね。

はるまきごはん あったね~。

水野あつ そのときにめちゃくちゃ丁寧に教えてくれただけじゃなく、「あつさんのこと昔から見ているけど、最近だんだん知られていっていて、すごくうれしい。今後も応援してます」みたいなことを言ってくれて……! それがもう、どれだけ励みになったことか!

――アツい……!!

はるまきごはん 実際、当時すでに『生きる』とか『知りたい』が沢山聴かれていましたからね。

――はるまきごはんさん、先日インタビューさせてもらったときもめちゃくちゃ物腰が柔らかくて、「なんて紳士なんだろう!」って思っていたんですが……今日実際にお会いして、まさにイメージ通りの人でした!!

はるまきごはん ヘラヘラしてるだけですが、ありがとうございます。

▲な、ななななんと!!取材当日、代表曲『メルティランドナイトメア』のマスコット的なキャラ、メルティさんをはるまきごはんさんが連れてきてくれた! かわいすぎる!!

――雄之助さんと水野あつさんは、どんな出会いで?

雄之助 あつ君の『知りたい』とかを聴いていたので、もともと知ってはいたんですけど、一気に距離が近くなったのは同じレーベルに入ったことですね。このふたりは設立メンバーなので、一期生であり、同期になるんです。新しいレーベルでかなり挑戦的だったこともあって、ふたりでよく「がんばっていこうね」って話したことを覚えています。で、その後はちょいちょい絡む機会が増えてきて、ニコニコ超会議で対談をしたりとか……。

水野あつ ああ、あったね! あと、いっしょにラジオをやっていたり、ふつうに互いの家でゲームで遊んでいたりもします。……とは言え、知り合った最初の最初ってなると……。

雄之助 ……なんだっけ?(笑)

――意外と忘れるもんですね。

雄之助 忘れちゃいますねーーー! SNSでのフォローとか、ホントに気軽にしてしまうので、あまり記憶に残っていないのかもしれないです。

水野あつ そういう意味ではやっぱり、同じレーベルで活動を始めたことが大きかったと思います。

――いやでも、いまの皆さんのやり取りだけで、すごく仲がいいってことはわかりました。

雄之助 でもいまって、知り合う手段が数年前と比べても段違いに増えたじゃないですか。SNSのフォローもそうですけど、DMとか、Discordとか、そのほかの通話アプリとかとか……。そういったツールを使って知り合うこともあれば、イベントとかで直でご挨拶したことがきっかけになるパターンもあるので、もう記憶がごっちゃごちゃになるんです。

――うーん、いかにも現代っぽい話ですねえ。

雄之助 そうなんです!!

はるまきごはん ……話そうと思ったら無限に話せてしまうんですが、この話だけで時間が終わってしまう可能性があるので、つぎに進みますか(笑)。

――ありがとうございます!(笑) でははるまきごはんさんから見て、雄之助さんと水野あつさんの「ここがすごい!」というポイントを挙げていただきたいなと。

はるまきごはん まず雄之助のすごいところなんですけど、僕が昔、家の鍵を忘れてゴミ出しに行ってしまい、共用玄関から締め出されてしまったことがあるんですけど、そのときに雄之助が玄関を開けてくれて、「雄之助ってすげぇ!」と思いました。

(一瞬、静まり返る室内)

――……え!? どういうことですか!!?(汗)

はるまきごはん じつは1年くらい前まで、本当にたまたまなんですけど、僕と雄之助は同じアパートの別の部屋に住んでいたんです。

雄之助さん以外 へぇ~~~~!!

雄之助 僕らって合作もしているんですけど、ちょうどその作業をしていたときに、何も知らずにはるまきごはんが住んでいるアパートの、真下の部屋に引っ越したんです。でもお互いにそんなことになっているとは夢にも思わず、毎日、「ここどうかね?」、「うん、いいね」なんて、チャットで会話しながら曲を作っていました(笑)。

はるまきごはん この話、表で言っていなかったので、「あ、このインタビューで言おう」って決めてました。

――やったー! 初出し情報いただいたー!!(笑)

水野あつ ていうか、そんな偶然あるの!?

はるまきごはん それは本当にそう。さっきの鍵の話なんですけど、僕がゴミ出しに行って締め出されたときに、すぐに雄之助の部屋のインターフォンを押して、「ごめん、入れなくなった。鍵開けて」って言ったら、「バカ……、バカ……!」って言いながら、開けてくれました(笑)。冬だったのもあって、本当に天使かと思いましたね。

雄之助 友だちのあんなアホな姿を見て、おもしろいやら情けないやら……(笑)。思いっきり部屋着で閉め出されてるんですもん!!

はるまきごはん 雄之助は、頼れる男です。

――優しくていい人だ、ってことはよくわかりました(笑)。ではその流れで、はるまきごはんさんから見た水野さんはどういう人?

はるまきごはん 雄之助が鍵の話だけだったのに、急にマジメなことを言っちゃうんですけどね。

――はい(笑)。

はるまきごはん さっきも言ったようにあつさんとは、ボカロP同士として出会ったわけじゃないんですよね。バンドで活動して、ボカロPの世界に飛び込んできて。そしてこっちの世界でもいい音楽を作って徐々に認められていって、いまでは“水野あつ”と言ったらボカロ聴いてる人だったら知ってるじゃないですか。それって簡単なことじゃないと思うし、このバイタリティーと行動力は、本当にスゴいなと思います。いまの水野あつを形作っているのは、そういう部分なのかなと思います。

――すごくわかります。先日、水野さんにインタビューさせてもらったときに、ボカロPになった当時のことを詳しくお聞きしたんです。ホントに身ひとつで上京してきて、ハングリー精神だけでやってきた……みたいなことを。

水野あつ はい、そうでしたね。めちゃくちゃ話させてもらいました。

――そのお話と、いまはるまきごはんさんがおっしゃったことが符号します。

はるまきごはん そうか。最初は東京にいなかったんですもんね。

水野あつ はい、関西にいたので。僕からすると、このふたりを追い掛ける立場です。年齢はいっしょですけどスタートが遅いし。なので、なんとかついていきたいし、そのためには何にでも挑戦する……という気持ちでした。

――お、では水野さんから見たはるまきごはんさんと雄之助さんも語ってもらいましょう。おふたりの、どんなところがスゴいと思いますか?

水野あつ もう、めちゃくちゃありますよ! サウンド面では……って語ろうと思っていたんですけど、さっきの鍵の話が強烈すぎて、別なおもしろいことを言わなきゃかな、って……!

――いやいや、おもしろくしようなんて思わなくていいですから!!(笑) ふつうに語っていただければ!

水野あつ わかりました(笑)。まず、ふたりとも人間性がすばらしいんです。でも、対照的なところもあるんですね。

――はい。

水野あつ まず雄之助君は、まわりを巻き込む力がすごいです。それは表向きだけじゃなくプライベートでも同じで、とくに後輩から慕われているんです。よって自然発生的に“雄之助コミュニティ”みたいなのができているんですけど、それはさっきのYouTube博士と同じなんですよね。そうやって集まった人たちに分け隔てなく音作りのコツを教えたり、DTMのレクチャーをしたり……。そういうのが、根っから好きなんでしょうね。

――面倒見がいいんですね。

水野あつ まさに! 僕が悩んでいるときも親身になって相談に乗ってくれますし。そういう、頼りがいがあるところとか、まわりを巻き込むエンタメ性みたいなものが、雄之助君が作る音楽に繋がっている気がします。

――すばらしい分析! では、はるまきごはんさんは?

水野あつ 僕にとっては神様みたいな人なので、何か言うこともおこがましいんですけど(苦笑)。人間性も、作られる曲も最高なので、どこから語ればいいのやら……!

はるまきごはん いや、もう十分ってくらい語ってると思うよ(笑)。

水野あつ はるまき君の『地球をあげる』がめちゃくちゃ好きで、じつはこの曲、自分のクリエイティブにかなりの影響を及ぼしています。……これは初めて言うんですけど、僕の『でもね』っていう楽曲は、『地球をあげる』があったからこそ作れたんです。

はるまきごはん あ、そうなんだ。

水野あつ 『地球をあげる』の中に、「私の街は3月なのに たまに雪が降るよ 出来損ないの 私のように 間違えちゃうんだろうな」っていう歌詞があるんですが、この部分が心から好きで……! この一節を聴いただけで、はるまき君の人間性とか生きてきた背景が、パッと浮かんでくる気がするんです。この歌詞そのものははるまき君を投影しているわけじゃないと思うんですけど、そこはかとない物悲しさとか抒情的な響きが、マジで自分の目指すところだなぁ……って思って。僕にとって、歌モノの頂点が『地球をあげる』なんですよね。

――あーーー……! 水野さんにとって、はるまきごはんさんはクリエイターのトップなんですね。

水野あつ そうですね! はるまき君が表現しているものが、いま考え得る僕の到達地点なんです。……まあ、この何年間で「……無理だな!」って痛感しているんですけど!!(笑) とくに、はるまき君が最近発表している曲なんて、僕には到底マネできないなって思いますし。

――『エンパープル』、超いいからなーーー……!!(興奮)

水野あつ ですよね!! マジでヤバいんですよ!!

はるまきごはん ありがとうございます(笑)。改まって言われるのは慣れないですけど、すごくうれしいです。

水野あつ 意味がわからないレベルでいいです。どんな生活を送っていたら、あんな曲が作れるのか教えてほしいですよ……!

▲どんな角度から撮影しても最高にかわいいメルティさん。周りのスタッフたちもメロメロでした。

――水野さんがはるまきごはんさんを心から尊敬されているのがよくわかりました(笑)。では続けて、雄之助さんから見たこのおふたりは?

雄之助 はい。まず、はるまきごはんは……難しいな。彼は憧れるクリエイターというより、もはや“戦友”に近い存在なんです。ず~っと長いこと同じ場所で活動してきたので、憧れとかを抱く隙すらなく、この10年近くひたすら刺激を受け続けている存在ですね。はるまきごはんが作った作品を事細かくチェックするわけではないんですけど、しっかり聴きますし、個展に遊びに行ったりもします。そしてそのたびに、やる気をもらっているんですよね。

はるまきごはん お互い投稿していなかった期間もないし、ずっと横で活動し続けてる感覚だよね。

雄之助 あ、そうそう!(笑)

――おふたりは、競い合っている……というイメージですか?

雄之助 いや、それはまったくないと思います。

はるまきごはん うん、ジャンルも遠いですし、「勝ちたい」という気持ちとはまた違う気がしますね。

雄之助 僕らの世代のボカロPが、相対的に少ないのが大きいかもしれません。若い世代がどんどん出てきていますけど、僕らくらいのキャリアでボカロPを続けている人って、けっこう少なくなってきているので……。

――皆さんよりも上の世代と、若い世代の人がたくさんいる……というイメージは、確かにあるかも。

雄之助 あ、まさにそんな感じです。ですので、はるまきごはんやあつ君と競い合うという感じには、たぶん一生ならないと思います。それよりも、「がんばれ!」って思います。俺もがんばるけど、みんなもがんばって! って。

――それは確かに、戦友だわ……。

雄之助 はい、そうなんです。

――では、水野さんに対しては?

雄之助 あつ君本人をすごくリスペクトしているんです。彼の作品って、本人の人間性が前面に出ていて「いいなー」って感じることが頻繁にあって……。だから、まわりの人間にもよく言うんですよ。「水野あつはあまりにも聖人で、その優しさが作品に現れまくっている」と。人間的にも、作品的にも本当に好きですね。

水野あつ ありがとうございます……!

雄之助 あつ君の作品はかなり深く掘って聴いているんですけど、彼のアレンジがとても好きなんです。これ、本人に言うのも初めてですけど。

水野あつ えーーー!! そうなの!? ホンマに!?

――これはうれしいですねぇ……!

雄之助 編曲……というより、彼独特な音遊びに近い感覚が刺さるんです。水野あつ作品は、聴いていて楽しいです。

水野あつ あー……。それは逆に、僕に知識がないがゆえのやりかたが雄之助君に響いていると……!

雄之助 そんなこと言ってない(笑)。

水野あつ 僕から言わせれば、雄之助君こそアレンジの頂点ですからね。それに比べると、僕は音楽理論やスキルもまったくで、ひたすら音楽が好きだから……という気持ちだけで曲を作っていたんです。

雄之助 でもそういうがむしゃらな時代って、本当に大事ですよね。自分の作品を振り返ってみても、まだつたなかったころに作ったものでも、「なんかいいな」って感じたりしますし。いまだと、なんとなくの固定観念で、「こんなことやっちゃダメだよな」ってブレーキがかかってしまうことも、駆け出しのころって平気でやっていましたから。

――ではその流れで、それぞれが『プロセカ』に書き下ろされた楽曲を聴いてどう思ったのかを、ぜひ知りたいです。まず雄之助さんが作られた『Awake Now』と『Supernova』を聴かれて、はるまきごはんさんはどう思われましたか?

はるまきごはん じつはプロセカで雄之助とリリース時期が被るのが2回目なんですよ。雄之助の曲が出た直後に自分の曲が……という流れが『プロセカ』の中でできてしまっていて、そっちの印象のほうが強烈で(笑)。

――確かに! 書き下ろし楽曲の収録時期、おふたり隣り合わせですもんね!

はるまきごはん それもあって、『Awake Now』と『Supernova』はめちゃくちゃ聴いています。雄之助って本当にいろいろな曲を作るし、引き出しも多いクリエイターなんですけど、『プロセカ』に書き下ろす曲はとくにキャッチーですよね。『Awake Now』なんて、いかにも雄之助のアレンジらしい、魅力的な要素がいっぱい詰まっているんですけど、それでいてしっかりと歌い込める贅沢な造りになっています。……って冷静に分析しながらも、「また雄之助と被るんかい(笑)」っていう気持ちのほうが先に立ちますね(笑)。

雄之助 これ、『プロセカ』に実装されたあとに、バーチャル・シンガーver.をそれぞれのボカロPがアップするじゃないですか。すると、こっちまで1日違いとかで公開することになるので、「どこまでいっしょなの!?」って笑っちゃいます。

――……じつはおふたりで、計画的にやっていたり?(笑)

雄之助 そんなの、狙ってできないですよ!(笑)

――では水野さん、雄之助さんの書き下ろし楽曲についてはいかがですか?

水野あつ 雄之助君の曲って、ちょっと聴いただけで「あ、雄之助君だ」ってわかるくらい個性が際立っているんです。その中でも『Awake Now』は、はるまき君が言った通り、もともとキャッチーな曲が多い中でも、ピンポイントでいいスポットに当ててきたな……って感じがしました。『Supernova』も、そんな雄之助色が強い曲ではありますけど、サビのあたりに漂う優しい感じは、春野くん(※『Supernova』の作詞担当)の色がきちんと出ているなと。でも、はるまき君の『月光』もそうですけど、「共作って……いいなあ」って聴くたびに思います。(※『月光』ははるまきごはんさんとキタニタツヤさんの共作)

――あの……『Supernova』って、モモジャンの曲なんですよね。意外性があって、すごくいいなと思いました。

はるまきごはん あ、そうそう。かっこいい感じが、いい意味で予想外ですよね。

雄之助 これ、収録の際にも声優さんたちに話したんです。「挑戦してほしいです」って。確かに普段のモモジャンとはちょっと印象が違う曲調ではありますけど、ちゃんとアイドル的に歌う部分も入れ込んだので、オシャレかつかわいく歌っていただけたらな、って。……でも、あつ君の言ったサビの部分は、歌唱の際に声優さんがめっちゃ苦労されていました。というのも、僕がメロディをガンガンに詰めて作っちゃったので、ボカロではなく人間が歌うと息継ぎすらできないんです。よって……謝罪です! ご負担をおかけしました!

――『Supernova』については、また近いうちに詳細を聞くインタビューが回ってくると思うので、そのときにも詳しくお聞かせください(笑)。

雄之助 はい、ぜひぜひ!

▲2022年5月31日に実装された、ビビバス書き下ろし楽曲『Awake Now』(作詞:牛肉、作曲:雄之助)。そして2024年6月18日に実装されたモモジャン書き下ろし楽曲『Supernova』(作詞:春野、作曲:雄之助、春野)。

――でははるまきごはんさん、水野さんの『星空オーケストラ』を聴かれた感想を教えてください。

はるまきごはん あつさんがそれまで持っていたアレンジのクセ……というかアイデンティティみたいなものに加えて、よりポップスとして昇華したなぁ……と聴いていて思ったんです。あつさんのほかの楽曲って、もうちょっとエレクトロニカっぽい感じでまとまっていたり、ピアノがメインだったりすることが多いと思うんですけど、それよりも壮大で、MVの星空の美しさと相まってスケール感がめちゃくちゃあるなと感じました。これっておそらく、雄之助が言ったアレンジ力が増してきたからなんだろうなって、ちょっと腑に落ちたんですよね。

――よくわかります。『星空オーケストラ』って、ミュージカルを見ている気分になるんですよね。

はるまきごはん そうですそうです。そういう、広がりを感じさせるんですよね。

水野あつ ワンダショって前向きなキャラがそろっていますけど、僕が書き下ろしをさせてもらったイベントストーリーって、彼らにとっての転換期だったんですよね。なので、元気さとか個性は活かしつつも、いい意味で商業ベースの音楽に持っていければなぁ……と思って作っていました。

――メジャー感、みたいなことですね。雄之助さん、『星空オーケストラ』についてはいかがですか?

雄之助 僕はふだんから『プロセカ』はかなりやり込んでいるんで、かなりユーザー目線で語れると思うんですけど、『星空オーケストラ』の発表を聞いたときに、「マジでワンダショに水野あつじゃん!」って、純粋にうれしかったし、インパクトも絶大でした。曲にも感情を揺さぶられましたし、素直に「いいな」って思ったんです。そして、いつも『星空オーケストラ』でリズムゲームを叩いています(笑)。

水野あつ ありがとうございます! いやあ、うれしいですね。

▲2023年1月19日に実装された、ワンダショ書き下ろし楽曲『星空オーケストラ』(作詞・作曲:水野あつ)。

――雄之助さん、続けてはるまきごはんさんの『月光』と『エンパープル』についてもぜひ!

雄之助 『月光』は、ヤバいです! もう公開されてから数年経ちますけど、いまだに衝撃を受け続けていますから。マジで「やられた!」って感じでしたし、こいつら(はるまき&キタニ)が最強だわとも思いました。

――おおおお……!

雄之助 バーチャル・シンガーver.のMVも含めて、完成度の高さがハンパないんです。アレンジの仕方に衝撃を受けましたし、やっぱりシンセサイザーの音の使いかたが要所要所で抜群なんですよね。前に、はるまき&キタニコンビが『月光』を作っている画面を見せながら配信をしたことがあって、それも見ていたんですけど、ふたりが出すアイデアの量からしてスゴかった……! すさまじい楽曲です。今回、『Supernova』は春野と組んで作りましたけど、これは多分に『月光』の影響ですね。あんなの聴かされたら、やりたくなりますもん! 同じ世代のボカロPとの共作を!

――それほどの影響を受けられたんですね。

雄之助 受けましたねー……!

――これは、はるまきごはんさんとしてもうれしいコメントなんじゃないですか?

はるまきごはん 本当にそうですね。何かの作品が生まれるきっかけになると言うのは、とてもうれしいことです。

――では水野さん、はるまきごはんさんが作られた2曲についてはいかがですか?

水野あつ ほとんど雄之助君が言ってくれた感じですが(笑)、『月光』はおふたりの良さが詰まった楽曲でしたし、『エンパープル』は純粋に、はるまきごはん節が光る神曲でした。

はるまきごはん ありがとう。

水野あつ 概念的な話になっちゃいますけど、たとえば雄之助君の楽曲って、起承転結がしっかりしている物語……って感じがするんです。逆にはるまき君の場合は、ちょっとした違和感を感じつつ読み進めて行って、すべてを通して見たときに「完成されてる……!」って衝撃を受ける……。そんな楽曲のイメージなんです。

――あーーー! でも、わかる気がします。

水野あつ いい意味で、アナログ的な感じすら覚えるんですよねーーー。

▲2022年5月29日に実装された、ビビバス書き下ろし楽曲『月光』(作詞、作曲:キタニタツヤ/はるまきごはん)。そして2024年6月28日に実装されたニーゴ書き下ろし楽曲『エンパープル』(作詞・作曲:はるまきごはん)。

――この、他の人が作られた楽曲についてもう少し掘り下げさせてください。『プロセカ』ってこの4年間で本当に多くの書き下ろし楽曲が実装されましたけど、皆さんが聴かれて「これはすごい!」って思ったものをぜひ挙げてほしいんです。

雄之助 おお、いい質問ですね……!

――はるまきごはんさん、ひとつ挙げるとするなら?

はるまきごはん では、あえて最近の中からピックアップしますと、『ULTRA C』をめっちゃ聴いてます。

一同 おおおお~!! わかる~~~!!

はるまきごはん もうGigaさんが好きすぎて、最近はひたすら流しているんですけど、タイムリーなことも相まって『ULTRA C』は最高です……!

――Gigaさんぽさが全開なんだよなーーー!

はるまきごはん そう! あと2DMVもめちゃくちゃかっこいいじゃないですか。すべてをひっくるめて完成度が高いんです。プロセカに収録されてる音源や映像も含めて、全部のバージョンに隙がないですよね。

雄之助 光栄なことに、この曲の歌詞の中に「Awake Now」って曲名を入れてもらっているんです。『ULTRA C』って、ビビバスの過去の曲のタイトルを歌詞として入れ込まれているので。

――あ、そうですね! 冒頭の歌詞が「この路地を抜けろ Awake now」ですもんね。

はるまきごはん いいなーーー(笑)。

――じゃあ雄之助さん、「これはやられた!」っていう『プロセカ』の書き下ろし楽曲は?

雄之助 えっとですね……煮ル果実さんの『トリコロージュ』です。

――あーーー!! いいですよね!

雄之助 あの曲は、僕ごときが解説をするレベルじゃないです。衝撃を受けすぎて、泣きそうになりましたから。改めて、僕はああいう雰囲気の曲がいちばん好きなんだと思いました。ですので『プロセカ』を起動して、「さて、何をやろうかな」って思った瞬間、『トリコロージュ』をEXPERTで叩いたりしています。それくらい好きです。

――煮ル果実さんにはちょっと前にこのインタビュー連載に出ていただいて。あの特徴的な歌詞である宝石のところでめちゃくちゃ苦労した……と話していただきました。

雄之助 僕も一度お会いしたことがあって、そのときに「『トリコロージュ』大好きです!」って伝えることができました(笑)。

――あの、皆さんなんというか……あけすけに「大好きです!」って主張されるんですね。

雄之助 そりゃあもう! だってみんな、音楽オタクですもん!

はるまきごはん 作っている人なら、大なり小なり音楽好きだと思うし。だから、好きな曲やそれを作ってくれた人に対しては、素直に大好きと言えますよね。

――すばらしいなぁ……(感動)。では水野さん、いかがですか?

水野あつ そうですね……あえて1曲だけ挙げるとしたら、僕は『にっこり^^調査隊のテーマ』になりますね。

一同 おお~~~~!!!

――ワンダフル☆オポチュニティ!さん! このおふたりもインタビューさせていただきましたけど、おもしろかったなー!

水野あつ 僕もワンダショを担当させていただいたってのもあるんですが、とにかく曲としての驚きがハンパじゃなかったです。「こういうテーマでも曲になるんだ」という衝撃と、あの1曲を聴けばワンダショのすべてがわかりますよ……ってくらい、彼ら彼女らの良さが詰まっている曲であり、歌詞になっているんですよね。

――わかります……!

水野あつ 僕、これまでゲームのストーリーに絡んだ楽曲提供ってやったことがなかったので、『星空オーケストラ』を作ったときも悩んだんです。どうやってえむちゃんの気持ちを汲み取ろうか……と考え始めたら、1年くらい経過しちゃっていましたし……。そんな僕からすると、『にっこり^^調査隊のテーマ』はワンダショの特徴の抽出度が際立っていますし、その結果の完成度も段違いなので、いまでもくり返し聴いている曲になります。本当に、勉強になりました。

――……いやあ、こういう話っておもしろいなー! 正直、このテーマだけで何時間も聞きたいです。

雄之助 あははは。

――でもそれも、皆さんが他のクリエイターをちゃんとリスペクトしていて、曲も聴き込んでおられるからなんですよね。

はるまきごはん もともとボカロ好きだったから、この世界に入って来た人も多いですし。

雄之助 そうそう。でも言われてみると確かに、こういうことを語る場ってほとんどないですね。SNSでも言わなくなっちゃったし。

はるまきごはん それは言える! 昔のほうが遥かに発言してたもんね。友だちが楽曲を投稿したら必ずその感想と、URLを貼って拡散したり(笑)。

水野あつ やってたーーー!!

――自分たちの企画を正当化するわけじゃないですけど、この座談会は意義あることでしたね……!

雄之助 いやもう、僕らとしてもめっちゃありがたいです。貴重な時間になってます。

――……と言いつつ、盛り上がりすぎて予定の時間を大幅に超過してしまっているので、いくつか質問を飛ばさせていただきます!!(苦笑)

はるまきごはん 飛ばさなければいけないほど話してしまってたんですね(笑)。

▲お三方がやられた…!と思った楽曲。『ULTRA C』(作詞:Reol、作曲:Giga & TeddyLoid)、『トリコロージュ』(作詞・作曲:煮ル果実)、『にっこり^^調査隊のテーマ』(作詞・作曲:じーざす)

――あの、この4年間で『プロセカ』がらみのイベントがたくさん行われましたけど、とくに印象に残っているのはどのあたりですかね?

雄之助 僕はクリエイターズフェスタですね。というのも、はるまきごはんといっしょに出ているので。

はるまきごはん あれは楽しかったねー。ふたりでコラボ出店したんですよ。

――ありましたね! 存じ上げております!

はるまきごはん あれって、ボカロ即売会史上、最長クラスのイベントだったんです(笑)。確か、10時間以上は会場にいたんじゃないかなー。朝から夜の8時までやっていたんですよ。

――長いっすね!!!

雄之助 ひたすら長かったのも印象的だったんですけど、コロナ明けの1発目みたいなイベントだったことも、忘れられない要素のひとつなんです。

はるまきごはん 打ち上げで、ここの3人も含めてみんなでしゃぶしゃぶに行ったんだよね。

雄之助 そうだ! そこで、「今後のクリエイターズフェスタを良くするために」なんていうテーマで話し合った!!

はるまきごはん 「10時間は、流石にヤバい」みたいな話をして、その後アンケートに書いた(笑)。

――おもしろい(笑)。そのほか、セカライとかセカイシンフォニーでご自身の楽曲が演奏されたり、歌われたりもするじゃないですか。

雄之助 ああ、そうですね! 僕はコネクトライブもすべて見ていますけど、自分の曲のイントロが流れた瞬間に狂喜乱舞するんです。そして、スクショを何百枚も撮って(笑)。

▲“コネクトライブ 4th ANNIVERSARY Brilliant Stage”で披露された『星空オーケストラ』。

――いちファンみたいな反応ですね(笑)。はるまきごはんさん、いかがですか?

はるまきごはん 僕は直近なんですけど、4周年の感謝祭の昼公演を見に行ったんです。そこで『エンパープル』をやってもらったんですけど、すごくよかったです。『プロセカ』が大好きな人たちに囲まれて声優さんたちが歌うというシチュエーションも、とても暖かかったです。

――僕も同じ昼公演に行ってましたけど、『エンパープル』が流れたときに、来場者がどよめきましたよね。

はるまきごはん セトリの流れ的にカバー曲が続いてからのオリジナル楽曲……という構成で、そのド頭で『エンパープル』が来たので、ちょっと緊張もしたんですけどね(笑)。

雄之助 わかる。自分の曲がライブで流れると、妙にドキドキするんだよね……!

はるまきごはん しかも感謝祭の場合はバンドじゃなく、オケが使われるので、自分で作った音がそのまま流れるわけです。なので、聴きたいと思うのと同じくらい、「これ、自分の作った音大丈夫かな……?」っていう心配の気持ちも大きいんですよね(笑)。

――でも、ライブで自分の曲が演奏されるのを聴けるのは、すばらしい体験ですよね。

はるまきごはん おっしゃる通りですね。お客さんとしても、楽しませて頂きました。

▲“プロジェクトセカイ 4th Anniversary 感謝祭”にて『エンパープル』を生歌唱するニーゴのキャスト陣。

――では水野さん、いかがですか?

水野あつ 僕もクリエイターズフェスタは印象深いですね。あと、感謝祭も毎年のように見ているんですが、自分の曲を演奏してもらったことがまだなくて……! ですのでいまのはるまき君の言葉を聞いて、「俺もいつかは!」って思いました。

――うんうん。

水野あつ あと、オーケストラが演奏するセカイシンフォニーですけど。

――はい。

水野あつ セカシンは……ホントにお願いします! ぜひ僕の曲も!!

はるまきごはん オーケストラは、また独特の感動があるんです。そうそうないですからね、フルオーケストラに自分の曲を演奏してもらえることなんて。

水野あつ 『星空オーケストラ』は、曲名からしてセカシンでやるのにピッタリだと思うんです!!

はるまきごはん 確かに、オーケストラだもんね(笑)。

雄之助 僕はセカシンの会場で泣いちゃいましたからね。感動して。そのとき、『仮死化』の制作者であり、僕やはるまきごはんと同期で昔からいっしょに楽曲制作もしているボカロP、遼遼(はるかりょう)と会場で聴いていたんですけど、そのときのセトリが『仮死化』からの『Awake Now』だったんです! これがめちゃくちゃよくて、ふっつーに涙を流していました。

――あーーー! 2023年のセカシンですね!

雄之助 そのときに遼遼も、「僕も雄之助さんといっしょのタイミングでやれてよかったです……!」って感動していて。あの瞬間は、忘れられないです。セカシン最高ですよ!

▲“セカイシンフォニー2023”にて、オーケストラの生演奏で『Awake Now』が奏でられた。

――わかりました! では、最後の質問になってしまうのですが、4周年を迎えてますます盛り上がり、数ヵ月後には劇場版も控えている『プロセカ』にひと言ずつお願いいたします。まず、はるまきごはんさん。

はるまきごはん これからもボカロPとして、『プロセカ』に協力できる機会があれば頑張ります! ということと、4年って決して短い時間ではないじゃないですか。その間に紡ぎ出された物語のゆくえとか、まもなく公開される劇場版も、いちボカロPとしてすごく楽しみにしています。

――ありがとうございます! では、雄之助さん。

雄之助 はい! まずは4周年おめでとうございます。本当に『プロセカ』ってこの後の展開が読めず、純粋にユーザーとしても楽しませてもらっています。彼らがどう成長していくのか、心から楽しみですし、自分も盛り上がりの一助になれるならこんなにうれしいことはないので、またお手伝いできる日を楽しみにしております!

――ありがとうございます! では、水野さん。

水野あつ 『プロセカ』って、ボカロの文化にも大きな影響を与えていると思っています。もともとニッチな世界で育まれてきたものにスポットを当てて、いまやいろいろな人たちの架け橋になってくれていると思うんです。そんな『プロセカ』を、ボーカロイドたちといっしょに盛り上げられたら、こんなに光栄なことはありません!

――わかりました!! ありがとうございます! ……あの、もうひとつだけお聞きしてもいいですか?

はるまきごはん もちろんです。

――はるまきごはんさんはキタニさんと曲を作られ、雄之助さんも春野さんと共作されていますけど……この3人でコラボというのは、考えられるものですか?

水野あつ あーーー!

雄之助 なるほどーーー!!

はるまきごはん 確かに……いやでも、3人の共作ってどうやるんだろう?(笑)

水野あつ あんまり聞かないですよね(笑)。

はるまきごはん とはいえ……めちゃくちゃおもしろそうですね。

雄之助 ですね! 機会があったら、ぜひやってみたいです。合作って、楽しいですからね!

水野あつ このふたりがボカロP歴も長いですし、そもそもトラッカーとしても優秀過ぎるので、どんな感じに作業が進むのかわかりませんけど、そういう機会を作れたらいいなーと思います!

――では、ちょっと期待を込めつつこの鼎談を締めさせていただこうと思います。本日は楽しいお話、本当にありがとうございました!

はるまきごはん雄之助水野あつ ありがとうございましたー!!

 

はるまきごはん

札幌市出身のボカロP/イラストレーター/アニメーター。

自身の楽曲のアニメーションMVやアートワークなど全てのクリエイションを手掛ける。

スープカレーが好き。

 

X: @harumaki_gohan

YouTube : http://youtube.com/c/harumakigohan

niconico : http://nicovideo.jp/mylist/57349416

HP:harumakigohan.com/10/

雄之助/Yunosuke

サウンドプロデューサー、作編曲家。
最先端のサウンドメイクを活かして、心に残るポップミュージックを目指して創作している。
音声合成ツールを用いた自身の楽曲のみならず、声優やボーカリスト、ゲームや広告など多岐に渡って楽曲を提供。
また、海外生活での経験を通じて、国境を越えたコライトやコラボレーションも積極的に行っている。

Twitter:https://twitter.com/bass_ynk
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水野あつ

2019年活動開始のボカロP / シンガーソングライター。 やさしい音楽をテーマにした楽曲を作っている。猫が好き。

 

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

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■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai

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