トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×しぇるたん 第2回】
あとばる選手×しぇるたん選手による対談の第2回目!
今回は「東西対抗 真夏のオンライン大会」東西決戦の各試合について、ふたりに解説してもらうぞ。意外な編成も飛び出した今大会だが、そこにはどんな意図があったのか? そのあたりをじっくりと聞いていこう。
▲「東西対抗 真夏のオンライン大会」東西決戦
しぇるたん選手のGloriaが出場した「東西対抗 真夏のオンライン大会」東西決戦の試合は上のリンクから視聴することができるぞ。
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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OPENREC.tv:https://www.openrec.tv/user/atobaru_ikaしぇるたん
前衛から後衛まで、さまざまなブキを使いこなすマルチウェポナー。世界トップクラスの実力者で、『スプラトゥーン2』では.52ガロンベッチューでXパワー3000を達成。また、『スプラトゥーン3』でも世界最速でS+50に到達したほか、公式大会である「スタートダッシュ杯」ではベスト4入り、「東西対抗 真夏のオンライン大会」では東日本代表の座をつかむ。高いゲーム理解度に基づいた的確な指示出しができる司令塔としての役割も得意で、そのクレバーな立ち回りは非常に参考になる。
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対Red carpetを意識した編成
――ここからは各試合の内容を伺っていきたいんですけど、最初はカジキ空港のエリアでした。ここでしぇるたん選手はイグザミナーを採用してましたけど、東日本代表決定戦ではおもにR-PENペンを使っていましたよね。イグザミナーにしたのはどんな狙いがあったんですか?
しぇるたん:まず、オフラインの環境のチャージャーって、なんかそこまで強くないってイメージがあって。あと単純に相手の編成にいるカーボンローラーに対してR-PENがあまり強くないのがあって、R-PENに代わる「塗りが強いドリンクブキ」なら「イグザミナーかな」みたいな。
――なるほど。東日本代表決定戦のエリアと比べると、ひまじん選手がバケスロからN-ZAP85に、メロン選手もシャープマカーネオからボトルガイザーに変更と、ろぶすた~選手以外はみんなブキを持ち替えていましたよね。これは、このステージだからという理由? それとも東日本のあとにいろいろ編成を試して、こっちの方がいいっていう結論になった?
しぇるたん:東日本代表決定戦のときって相手が8チームいるので、どのチームと当たってもある程度は安定して戦えるような編成を作っていたんですよ。汎用性の高い編成というんですかね。
でも、今回は相手が1チームだけで、カーボンローラーを主軸とした編成のチームだとわかっていたので、そのカーボンをメタれるような編成にするっていうのを中心に編成を考えて、ブキを入れ替えた形ですね。
――完全に対Red carpet、対カーボンローラーデコを意識した編成にしていたってことなんですね。
しぇるたん:そうですね。
――しぇるたん選手はもともとマルチになんでも使えるプレイヤーではありますけど、イグザミナーも使えるんですね。R‐PENも使えるし、ボトルも使えるし、ZAPも使えるしってので、ホントすごい。
しぇるたん:イグザミナーは、以前所属していたDFMに入っていたときにナワバリで使っていたので。今回それがちょうど活かせてラッキーみたいな(笑)。
――試合は互いに打開をよく決め合うシーソーゲームの展開となりました。改めてこの試合を振り返ってよかったなと思う点、狙い通りにできたなという点を教えてください。
しぇるたん:練習段階ではけっこうドリンクを使って前めでキルを取って、そもそもエリアに触らせないような動きで勝っていたんですけど、本番はドリンクを飲んでいてもあまり前めのキルが刺さらなくて。その原因がカーボンがセンプクしていて、そこに刺されたりとかがけっこう多かったというのがあったので、そこを最初からうまくケアできていれば、もう少し余裕のある試合ができたのかなっていうのがありましたね。
でも、逆にそれを試合中に気付けて、「ドリンクを飲んでもキル入らなかったら打開されないから、もうちょい落ち着いてプレイしよう」って声掛けできたのがよかったところですかね。
あとばる:やっぱり、みんな上手いなって感じですよね。各々がシーソーゲームになり得るキルをしっかり取っていて、「うわー、カジキでこうなったらきついよな」っていう展開のあとでも、フリーの状態でしっかりキルを取り返していたりしていて。こういうレベルの高い試合はやっぱり見ていて面白いですよね。
あと、この試合も顕著でしたけど、しっかり各々がスペシャルが溜まるまで待って、反撃の狼煙みたいなのが基本的にウルトラショットだったので、これだけ上手い人たちでも、スペシャルを溜めてレッツゴーっていうのをしっかりやった上で個々の技量があるんだなっていうのは改めて感じましたね。
――2試合目はスメーシーワールドのヤグラでした。ここではメロン選手がスパッタリーを採用していましたけど、これはどういう狙いだったんですか?
しぇるたん:練習の最初の頃は、ラピッドブラスターデコ、ボトルガイザ-、N‐ZAP×2というドリンク2枚編成でやっていたんですけど、なんかこれだとあまりキルが発生しなくて、カウントがシーソーゲームになることが多くて。
これは、あまりよくないねって話になって、それでラピッドをロングブラスターに変えたんですけど、ZAP、ZAP、ボトル、ロングだと、ちょっとZAPが生存寄りになっちゃって、あまり前に行けなくなっちゃんですね。だったら、1枚はZAPではなく、ビーコンを置けるドリンクブキとしてスパッタリーを採用しようみたいな。スメーシー自体が、そもそもビーコンがけっこう強いのもありましたし。
――ステージが広いですもんね。
しぇるたん:そうなんです。それで、ビーコンで前線復帰を早くして、ろぶすた~と俺でキルを頑張るみたいなコンセプトで組んでいました。
――エリアもエナスタ2枚、ここもエナスタ2枚ですけど、しぇるたん選手たちとしてはエナスタ2枚の方が自分たちの対面力の強さを活かせるという狙いなんですか?
しぇるたん:いや、カーボン相手にドリンク1枚だと、ドリンクブキが事故ったときに、わりと取り返しのつかないことになっちゃうので。なのでドリンク2枚にして、もしドリンクブキが落ちちゃったとしてももう1個ドリンクあるよみたいな。カーボンのキルを緩和させるという狙いですね。
――確かに2枚あれば、「そこにカーボン、いたんかい!」というのがあってもどうにかなると。ただ結果としては、負けてしまったというところで、あまり思い通りに試合を運べなかった?
しぇるたん:そうですね。スパッタリーって打開があまり強くないので、完全に押し込まれちゃうと、「俺らなににもできない」みたいな状態になりがちなんですよ。ただ練習のときは一回もそういう流れが来なくて、ずっとこっちがボコボコにしている状態で勝っていて。一応、「俺らのこの編成は打開がきついから、そうならないようにしよう」という話はちょろっとしてはいたんですけど、本番でそれを引いちゃって「うわー」みたいな感じでした。
――一番なりたくない展開に持っていかれてしまったという感じだったんですね。あとばる選手はこの試合はどう見ました?
あとばる:メロンくんがスパッタリーを出してきたのにちょっと驚きはあったんですけど、採用理由としては「まあ、わかるわ」って感じだったんですよ。スメーシーのヤグラで、ビーコンを置いて、ドリンクも撒いて、かつ攻められてって枠としては確かに最適だなって。
ただ、いましぇるたんくんが話してくれた通り、打開はやっぱりきつそうだなってのは思って、これは攻め続けるためのスパッタリーなんだろうなと思って見ていたんですけど、そこをRed carpet側が本当にうまいこと攻めて、結果的に「唯一の弱点」みたいなところを突かれちゃったんだろうなってのは試合展開を見て思いましたね。
――Red carpet側のウルトラショットもけっこう刺さっていましたもんね。
あとばる:そうですね。ウルトラショットもそうだし、落ちるタイミングがバババっと連続で落ちちゃったんで、けっこう完全打開しないといけない形になっちゃったのが、試合展開としてはきつかったかなと。
――やっぱり第二関門を突破されちゃうと厳しくなる感じなんですかね。
あとばる:ひとつの指標にはなるとは思いますけど、そこを突破されても逆転はできるステージではあると思うんですよね。ただ、ドリンク2枚だしっていうので、この編成だとなかなか厳しかったところはあったかもしれないですね。
・カーボンローラーをメタることを意識した編成を組んでいた!
・ドリンク2枚編成もカーボンローラー対策のひとつ!
・ヤグラは編成の打開の弱さが出てしまったことが敗因!
次回も引き続きふたりの対談をお届け。第3試合以降の戦いについて振り返っていくぞ。