By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック10月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ついに待ちに待った王道篇第3弾「ゴールド・オブ・ハイパーエンジェル」が発売となった。「ハイパーエナジー」「ヨビニオン」「逆転撃」「バラバラエティ」と多種多様なキーワードがてんこもりなおかげで、どのカードも楽しそうすぎて目移りしてしまう今弾だが、私が最初に目をつけたのは、それらのキーワードを何一つ持たないあまりにも地味すぎるコモンだった。
《ダック・アヒッチ》。こんな《クミタテ・チュリス》より後に登場したとは思えない、一人で満足にプレイヤーも攻撃できないクソザコアヒルに何を期待する部分があるのか……と、思われるかもしれない。
しかしこのカードの登場は、とあるカードにとっては福音となる可能性があるのだ。
そう、そのカードとは。
《火ノ鳥カゲキリ》が最強になったのでは???🤔🤔🤔
《火ノ鳥カゲキリ》は《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》を2ターン目にアンタップ状態で「革命チェンジ」させられる唯一無二のカードだが、2ターン目に召喚するためには1コストのファイアー・バードかオリジンが必要であるため、《ブルース・ガー》と《予言者シュウ》に頼らざるをえないというのが2~3年前の流れだった。
しかもその場合火+光で2色のデッキとなった上で進化元がどうやっても8枚しか積めず、ぶん回ったときの気持ち良さを得るための代償として安定性に目をつぶらざるをえない状況だった。
だがそれも《ワット・棘・トラッピ》の登場によって状況が一変する。これにより《火ノ鳥カゲキリ》の進化元は「火単で8枚」でも「火+光で9~12枚」でも、使用者のリスク感覚次第で好きに選択できるようになった。
そこにきての今回の《ダック・アヒッチ》である。これにより《ブルース・ガー》《ワット・棘・トラッピ》《ダック・アヒッチ》で「火単で進化元9~12枚」が実現できるようになったのだ。これで別に出したいわけでもない《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》などの光単のメタクリーチャーから、ついにおさらばできる。
また、「1コストの非進化ファイアー・バード」が12枚積めるようになったことで、《ゲンジ・天・パワッチ/招火呪文「アーマアド」》も地味にかなり使いやすくなった。《火ノ鳥カゲキリ》は探せないが《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》は探せるので、《ブルース・ガー》→《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》の動きの再現性を上げられる。
とはいえサーチカードが「A→B」の再現性を上げるだけだともったいないので、「C→D」のルートとして《襲撃者 「鎧」ドライブ》からの《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》も搭載することで、疑似的な《火ノ鳥カゲキリ》の増量も狙えるという寸法だ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『途中経過』
4 | 《ブルース・ガー》 | 4 | 《ダック・アヒッチ》 | 4 | 《ワット・棘・トラッピ》 | 4 | 《火ノ鳥カゲキリ》 | 4 | 《襲撃者 「鎧」ドライブ》 | 4 | 《ゲンジ・天・パワッチ/招火呪文「アーマアド」》 | 4 | 《龍装者 バルチュリス》 | 4 | 《凰翔竜機ワルキューレ・ルピア》 | 4 | 《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》 | 4 | 《蒼き守護神 ドギラゴン閃》 |
不協和音がひどい!!!😡😡😡
《ゲンジ・天・パワッチ/招火呪文「アーマアド」》でターン数的に一番拾いたいはずの《蒼き守護神 ドギラゴン閃》が拾えないのなぁぜなぁぜ?だったり(というかこの目的なら《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》で良かった)、《飛ぶ革命 ヴァル・ボルシャック》にチェンジできるやつ少なすぎ問題など、随所に破綻が見られすぎて思わずデッキをフライしてしまうところであった。チキンだけに。
……だが、このデッキには他にも大きな問題があった。《ダック・アヒッチ》の主張点が少なすぎるのだ。
《ダック・アヒッチ》は《火ノ鳥カゲキリ》の新たなる進化元である……それはいい。だがそもそも1種類4枚しか積めない《火ノ鳥カゲキリ》のために12枚も進化元を用意する必要は本来ない。その必要性を補うための《ゲンジ・天・パワッチ/招火呪文「アーマアド」》だが、それすら《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》でいいとなると、進化元はせいぜい9~10枚で十分という話になるだろう。
そしてそうなると《ワット・棘・トラッピ》との優先度争いが始まる。そうなったとき、このデッキはマナコストが異なるエレメントを3つも用意できるように見えるだろうか?むしろ受けの少なさを「G・ストライク」で補える《ワット・棘・トラッピ》の方が優先しそうに見えないだろうか?
「《ダック・アヒッチ》の登場によってこんなデッキが組めるようになった!」と胸を張って言えるのか?
私にはそうは思えなかった。
だが《火ノ鳥カゲキリ》を使おうとする限り、こうした問題からは逃げられない。ならばどうするか?
答えは簡単。《火ノ鳥カゲキリ》からの脱却だ。
環境を支配している「火光闇ファイアー・バード」は3ターン目《ハッター・ルピア》からの《雷炎翔鎧バルピアレスク》という鉄板ムーブが軸となっている。
だが《ハッター・ルピア》が1種類4枚しか積めないがゆえに、「火光闇ファイアー・バード」は時に《ハンプティ・ルピア》で相手を減速させたり、時に《アリスの突撃インタビュー》で相手のメタクリーチャー対処と踏み倒しを同時に実現したりと、様々なラインを採用せざるをえなくなっている。
しかしそこでもし、3ターン目に《雷炎翔鎧バルピアレスク》を出す方法が他にも存在したらどうだろうか?
そう、すなわち。
《リトル・翔・バルピア》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《雷炎翔鎧バルピアレスク》のイラストでバルピアレスクの背に乗っているファイアー・バード、それが《リトル・翔・バルピア》だ。
ゆえに「アーマード・メクレイド5」で《雷炎翔鎧バルピアレスク》を出すのはデザイン上の既定路線と言えるが、一方で《リトル・翔・バルピア》を出したターンに2回攻撃するには「1→2→3」の展開が必要であり、特に「火+光」の2色で組まれがちな「アーマード」においては、多色処理のターンが必要になってしまうこととどうしても噛み合いが悪いために、あまり採用されないというのがこれまでのところだった。
しかし「火単ファイアー・バード」ならば多色処理に詰まることなく「1→2→3」が可能となる。しかもこのコンセプトにおいては、「1→2→3」と展開するだけで殴れる《ダック・アヒッチ》は《ワット・棘・トラッピ》の明白な上位互換となる。さらに最終的に《アリス・ルピア》につなげることを考えると、《凶戦士ブレイズ・クロー》を使わずにデッキ全体をファイアー・バードで構成することにも合理性が生まれるのだ。
3ターン目に《雷炎翔鎧バルピアレスク》を出す方法は実はこれまでにも他に存在していて、《アシスター・コッピ》からの《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》がそれだ。
《アシスター・コッピ》は《リトル・翔・バルピア》のための「1→2→3」の構成員になれるし、《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》は「アーマード・メクレイド5」でめくれた場合におかわりできる。それぞれ単体でも役割がある上で合わせて引いたときにはバリューが上がるため、文句なしに採用できるだろう。
《雷炎翔鎧バルピアレスク》に加えて《龍后凰翔クイーン・ルピア》だけ採用しておけば、「アーマード・メクレイド5」が最終的に《アリス・ルピア》につながるのには十分すぎるだろう。
《龍后凰翔クイーン・ルピア》の素出しは見込めないが、「1→2→3」の展開の際にハンドキープすることで《雷炎翔鎧バルピアレスク》からの出し先に自然となってくれるので問題はない。ちなみに2枚引いたら憤死するしかないが諦めよう。
というわけで、できあがったのがこちらの「オールイン・バード」だ!
『オールイン・バード』
4 | 《ブルース・ガー》 | 4 | 《ダック・アヒッチ》 | 4 | 《アシスター・コッピ》 | 4 | 《マジシャン・ルピア》 | 4 | 《リトル・翔・バルピア》 | 4 | 《ハッター・ルピア》 | 4 | 《ファイン・撃・ピヨッチ/「暴竜爵は不滅なり!」》 | 4 | 《雷炎翔鎧バルピアレスク》 | 4 | 《龍后凰翔クイーン・ルピア》 | 4 | 《アリス・ルピア》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!では《異端流し オニカマ
ドワワン!
デッドマン「!?」
まつがん「おれが時を止めた……9秒の時点でな……そして脱出できた……」
デッドマン「無駄ァ!」
まつがん「オラァ!!」
※クソデッキに対して《異端流し オニカマス》はリアルファイトに発展する危険性があるので用法・用量をお守りください。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.74バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.74-1 ~実質マグナム5枚!ヨビニオン・マグナムゾーン!!~ | |
デュエマ妄想構築録vol.75バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.75-1 ~絶対3ターンメクレイド!オールイン・バード!!~ |