デュエマ妄想構築録 vol.74-4 ~番外編:終炎デュエパーティー~

By まつがん

 おおおおおデュエパーティーに命を燃やせ!!!

 今回は番外編ということで、例によって「オリジナル」や「アドバンス」とは異なる特殊なフォーマット「デュエパーティー」を遊んでいこう(過去6回はこちら→vol.51-5vol.55-5vol.60-5vol.63-5vol.69-5vol.71-4)。

 前回は王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」から《蒼き王道 ドギラゴン超》をパートナーにしたデッキを紹介した。そしてそこから王道篇第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」が発売となっている。ならば、王道篇第2弾をテーマにしたデュエパーティーのデッキを作るのが筋というものだろう。

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《聖霊超王 H・アルカディアス》

 となれば、最初に思いつくのは当然《聖霊超王 H・アルカディアス》だ。

 だが、ここで一つ問題が生じる。それは「《聖霊超王 H・アルカディアス》パートナーで目指すべきデッキタイプがかなりニッチ」というものだ。

 まず《聖霊超王 H・アルカディアス》自身にそこまで決定力がなく、かつ呪文ロックしかできないため、たとえば「S・トリガーを多めに積んで受けて返す構築」にした場合、《終末縫合王 ミカドレオ》や《「覇道」の頂 シュラ・ベートーベン》、《爆龍皇 ダイナボルト》といったパートナー相手には好き勝手されてしまう。

▲王来篇 第1弾「王星伝説超動」収録、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》

 であれば《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》パートナーのように「メタクリーチャーを適宜立てつつ《星姫械 エルナドンナ》《ブルトゥーラ-D1》などで盤面を維持する構築」も考えられる。この場合《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》と比較してパートナー自身がメタクリーチャーであり、文明も多く様々なカードが積める部分は差別化点として評価できる。

 しかし他方でその場合、S・トリガーが薄くなった部分に全体メタをかけると3人分のヘイトが向いて普通に殴り倒されてしまうヴィジョンも見える。《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》パートナーならば展開速度の早さと攻撃しながらのアンタップかつ全体ブロッカー付与でバランスが取れていた部分が、《聖霊超王 H・アルカディアス》パートナーではすっぽり抜け落ちてしまうのだ。

 かくして、《聖霊超王 H・アルカディアス》パートナーはかなりの部分で《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》パートナーの下位互換だし、何よりパートナーさえ着地すればかなり能動的にゲームを動かせる《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》とは異なり、普通に毎ターンメタクリーチャーを地道に並べるだけなのでプレイ体験が個人的にはあまり面白くなさそうという結論に至った私は、別のパートナーを探すことにした。

 そしてそこで、前回《空奏力 ナイン》のデッキを作りまくった経験が生きたのである。

 そう、すなわち。

▲王道篇 第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」収録、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》

 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》だ。

 特殊勝利や追加ターンが封じられているデュエパーティーにおいて、他の3人を一度に倒せる手段としてメジャーなのは「ロック」と「連続攻撃」だ。

 そして「連続攻撃」は2つに大別される。《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》《暴龍事変 ガイグレン》のように自身でアンタップ能力を持っているか、《爆龍皇 ダイナボルト》《雷龍 ヴァリヴァリウス》のようにアンタップ能力を持つクリーチャーを踏み倒しながら攻撃していくかだ。

▲ゴッド・オブ・アビス 第2弾「轟炎の竜皇」収録、《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》
▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」収録、《爆龍皇 ダイナボルト》

 この点、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》は自身でアンタップ能力と踏み倒し能力の両方を持っている唯一無二のクリーチャーであり、これらのパートナーと比較しても遜色ないパートナー適性を持っていると言える。

 では《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》をパートナーとしたデッキを作るとして、そのデッキはどのような特徴を有するだろうか?

 まず同じ5コストで火文明単色の《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》パートナーのデッキ(vol.63-5参照)と比較しよう。あちらは「シビルカウント5」を達成する必要があったため、「ゼロ文明のクリーチャーが使えない」「パートナー召喚より先に4枚のエレメントを出しておく必要がある」「デッキ内のマナコストに縛りはない」といった特徴があった。

 一方《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》は、アンタップ条件が「タップしているクリーチャーが5体以上」なので、「ゼロ文明のクリーチャーを頭数に加えてもよい」という差がある。また無限攻撃するために5体必要な点は同じだが、自身が攻撃時にクリーチャーを1体踏み倒せるので、「パートナー召喚より先に3体のクリーチャーを出しておく必要がある」。5コストのパートナーはおおよそ4ターン目の召喚を目安とするところ、タマシードをカウントできない代わりに要求クリーチャーが1体減っている点は大きい。

▲アビス・レボリューション 第2弾「忍邪乱武」収録、《ボルシャック・ガラワルド》
▲新4弾「誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」収録、《“乱振”舞神 G・W・D》

 他方、踏み倒し能力は山札上かつ5コスト以下に限定されているので、「デッキ内には5コスト以下のクリーチャー以下しか入れられない縛りがある」《ボルシャック・ガラワルド》《“乱振”舞神 G・W・D》といった取り回しのいいメタ対策が使えないのはマイナスポイントだろう。

 とはいえ、総合的には《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》パートナーの場合と比較してもほぼ上位互換と言っていい。連続攻撃系のパートナーは《爆龍皇 ダイナボルト》のようにアンタップ材+「選ばれない」系クリーチャーを同時展開しない限り「G・ストライク」1枚で止まるのが難点だが、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》は本体が止まっても脇のクリーチャーだけで無限攻撃できるので序盤のブレイク以外は「G・ストライク」を貫通するからだ。

 また、自身がアンタップ能力を持っているため《カダブランプー》などのアンタップ能力持ちクリーチャーを採用しなくていい点も大きな利点だ。これにより、踏み倒すクリーチャーを「無限攻撃の貫通」という目的に向けたものだけに統一できる。

▲「カスタム変形デッキ 革命vs侵略 爆熱の火文明」収録、《単騎連射 マグナム》
▲不死鳥編 第2弾「魔闘竜×機兵団」収録、《お騒がせチューザ》

 だが、いくらデッキに入れるクリーチャーを好きに選べるといっても《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》自体は対処されやすく、トリガーやシノビをケアできるカードも火単かゼロ文明の5コスト以下では《単騎連射 マグナム》《お騒がせチューザ》といった限られたカードしかないため、無限攻撃自体は簡単にできても貫通まではなかなか難しそうにも思える。

 しかし、ここで私は閃いたのだ。

 トリガーをケアできないのは、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の1回のめくりに対してブレイクするシールドが多すぎるからだ。通常のクリーチャーを使って無限攻撃する場合、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の2打点+1打点+1打点+1打点+1打点で計6打点を使って全体アンタップ+5以下踏み倒しが走ることになる。

 この6打点をどうにかして減らすことはできないだろうか?

 6打点が必要になってしまうのは、全体アンタップのために5体をタップする必要があるからだ。

 では、打点を使わずにタップできるクリーチャーがいたらどうなるだろうか?

 そう、すなわち。

▲闘魂編「第1弾」収録、《ピーカプのドライバー》
▲闘魂編 第4弾「覇道帝国の絆」収録、《ジージョのトンカチ》

 「タップスキル」持ちと組み合わせればいいのでは???🤔🤔🤔

 攻撃の代わりに自身をタップすることで効果を発揮する能力……いわゆる「タップスキル」持ちのクリーチャーを使えば、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》で何度アンタップしようが、そのたびに相手のシールドをブレイクすることなくタップ状態のクリーチャーを用意できる。これにより、より少ない打点で《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》のめくりを発動させられるというわけだ。

 ちなみに「ダイナモ」持ちを入れることも検討したが、火単の5コスト以下では5種類しか存在しないものを2体並べる必要があることを考えると「0.3タップスキル」くらいの効率しかないので諦めることにした。

▲新4弾「誕ジョー!マスタードラゴン!!〜正義ノ裁キ〜」収録、《はずれポンの助》
▲「ペリッ!!スペシャルだらけのミステリーパック」収録、《夜のポンの助》

 さらに、シールドをブレイクせずにタップできるのはタップスキル持ちだけではない。《はずれポンの助》《夜のポンの助》は、攻撃しながらもトリガーのリスクを負うことなく5体のタップクリーチャーカウントになれるので、このデッキにおいては最強の1マナ域クリーチャーだ(ちなみに何枚でも入れることができるが、同名着地制限で《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》のめくりが止まってしまうので1枚ずつがベターだろう)。

▲聖拳編 第3弾「魔封魂の融合」収録、《ロンリーのホッチキス》
▲聖拳編 第3弾「魔封魂の融合」収録、《独神兵ローンスピナー》

 絶対このパートナーでしか使わないであろうマニアックなカードとしては、《ロンリーのホッチキス》《独神兵ローンスピナー》がある。ただのデメリット持ちと思いきや、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の攻撃時の踏み倒しのたびに勝手にタップするので、これらもブレイク抜きで5体のカウントになってくれる偉大なクリーチャーだ。

▲「マスター・ファイナル・メモリアル・パック」収録、《終わりポンの助》
▲第3弾「超戦士襲撃」収録、《甲神兵クエロス》

 《終わりポンの助》は《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》のブレイク数を2から1に減らしてくれるので、実質的にはタップスキル持ちと似たような機能を果たしてくれる。

 基本的には《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を出したターンにそのまま勝ちにいくのでターンを返すことは想定していないが、《甲神兵クエロス》を無限攻撃させられれば全員のマナを枯らしてターンが返った場合のリスクを低減できる。

 というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!

 『パートナー:終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン』

カード名
《はずれポンの助》
《夜のポンの助》
《ブンブン・チュリス》
《ブルース・ガー》
《ブレイズ・ハイパー・クロー》
《ホップ・チュリス》
《爆鏡 チッタ》
《クミタテ・チュリス》
《一撃奪取 トップギア》
《Re:奪取 トップギア》
《アシスター・コッピ》
《チック・医・スルッチ》
《暗黒剣 フラヴナグニル》
《こたつむり》
《月砂 フロッガ-1》
《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》
《連射のカルマ ユキメ/ショット・水晶チャージャー》
《ポップ・ルビン》
《ピーカプのドライバー》
《チッタ・ペロル》
《ビシット・アメッチ》
《完璧妖精ビスカX/「燃え燃えズッキュン!」》
《アニー・ルピア》
《ケングレンオー ~出発~》
《愛護兵ブランカ》
《ポッポ・弥太郎・パッピー》
《ロンリーのホッチキス》
《レクタ・アイニー》
《コッコ・ルピア》
《コッコ・ルピア GS》
《百鬼ヤコウ》
《フレフレ・ピッピー》
《パロッタ・剣・ルピア》
《クック・驚・ブルッチ》
《ボルシャック・ハイパー・ヴォルジャアク》
《メタルコックのタイマー》
《ジージョのトンカチ》
《荒法師ミガサ》
《ボルシャック・フォース・ドラゴン》
《終わりポンの助》
《単騎連射 マグナム》
《ピッチュ・アイニー》
《チョクシン・ゴー》
《独神兵ローンスピナー》
《烈火大聖 ソンクン》
《砕界の左手 スミス》
《お騒がせチューザ》
《ギギギのギタロー》
《ボルシャック・バラフィオル》
《ダイナボルト <ドギラ.Star>》
《消王ケシカス》
《最終兵ッキー》
《ノビル兄貴オニズーム》
《マウントザウルス》
《甲神兵クエロス》
《クック・ポロッチ&ドラッケン/スクランブル・チャージャー》
《龍装者 バルチュリス》
《Napo獅子-Vi無粋/♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》
《轟炎の竜皇 ボルシャック・カイザー》

 

 安定4ターン目始動の無限攻撃とはいえトリガーケアは緩いのでレベル2相当だとは思うが、パートナー固有のカードを数多く採用した、独特かつ楽しい使用感のデッキに仕上がったと思う。ぜひ一度試してみて欲しい。

 ではまた次回!来週は休載なので、9月27日 (金) にまた会おう!!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は9/27(金)更新!!