By まつがん
王道篇第2弾「カイザー・オブ・ハイパードラゴン」は、王道篇より登場した「超化獣」が持つ「ハイパーモード」の能力を使用した戦略に、さらなる多様性をもたらした。
そんな中で、最もインパクトがある能力を持つ「超化獣」といえばやはりこのカードだろう。
《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》。このセット唯一のオーバーレアであり、「ゴッド・オブ・アビス」から始まった暴竜爵というキャラクターが持つ物語の、一つの到達点となるカードだ。
「5以下全体SA付与」かつ「山札上から5以下をそのターン限定で踏み倒し」ということで、そこだけ見ると《超救命主 タイヨー》に近く、そうなると単色とはいえ手札から出せる上に出したクリーチャーも残る分タイヨーの方が強いかも?と一見思ってしまうかもしれない。
だが、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》にはまだ「ハイパーモード」後の能力がある。そしてその「ハイパーモード」後の能力は、なんとド派手に一定条件化で自軍全体を無限攻撃させられるというものなのだ。これはデッキを作らないわけにはいかないだろう。
では《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》でデッキを作るとして、どんなデッキを作るべきだろうか?
《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の難しさは、このカード自体が抱えるジレンマにある。まず「山札上から5以下をそのターン限定で踏み倒し」という能力に関して考えると、この能力のバリューが最も高まるのは「コスト5のクリーチャーを踏み倒した瞬間」だ。つまり、なるべく多くの5コストクリーチャーをデッキに入れた方が良いという指針につながる。
だが他方で、「OVERハイパー化」を起動するためには脇にクリーチャーを2体添えなければならない。さらにそれだけでなく、「ハイパーモード」後の無限攻撃を発動させるためには自軍攻撃後に5体以上のクリーチャーがタップしている必要があるので、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》で1体踏み倒せることを前提にしたとしても、フィニッシュターンには《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を含めた4体以上ものクリーチャーを並べる必要があるのだ。
5コストのクリーチャーが大量に入ったデッキで、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を含めた4体のクリーチャーをそう簡単に並べられるはずもない。
それが《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の持つ能力が宿命的に向き合わざるをえないジレンマだった。
通常のプレイヤーならば、その先に求めるのは「折り合い」だろう。すなわち、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の攻撃時能力のヒット率を最低限保ちながら、4体並べられるギリギリのラインを探す。それがまともな思考だ。
だが、私は全く別のことを考えた。《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の攻撃時能力のバリューを最大限維持しつつ、4体並べることもできる……そんな魔法の抜け道を。
そう、すなわち。
「5軸ガチロボ」で使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《ガチャンコ ガチロボ》を使ったデッキは、デッキ内の《ガチャンコ ガチロボ》以外のスロットを特定のマナコストに統一することになる。ならば「コスト5」を軸にすることで、「なるべく多くの5コストクリーチャーをデッキに入れる」と「《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を含めたクリーチャーを早期に4体並べる」という2つの相反する要請を両立することが可能になるのだ。
とはいえ《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》はコスト5以下にしかスピードアタッカーを付与しないので、《ガチャンコ ガチロボ》の側からするとめくれてあまり嬉しくないカードのようにも思える。
だが逆に考えよう。《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》は「5軸ガチロボ」においては《ガチャンコ ガチロボ》以外のすべての5マナ域とシナジーがある追加のガチロボなのだ。
それに直接相性が良いとは言えないにせよ、最終的には「《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》を『OVERハイパー化』する」と「《ガチャンコ ガチロボ》にSAを与えて走らせる」を両立することは実は可能なのである。それについては、残りのスロットを埋めながら説明しよう。
「5軸ガチロボ」の強みは何といっても「《ガチャンコ ガチロボ》のサーチ力の高さ」と「盤面処理能力の高さ」という2点にある。
《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》と《五番龍 レイクポーチャー ParZero》を合わせて採用できるので、「そもそも《ガチャンコ ガチロボ》を引かない」という事態はかなり起こりづらく、毎ゲーム安定して《ガチャンコ ガチロボ》を着地させられるはずだ。
そして「5軸ガチロボ」の最大の強みにして、《ガチャンコ ガチロボ》と《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》とをつなぐ結節点が《刀の3号 カツえもん剣》だ。
このカードは手札から無料で《ガチャンコ ガチロボ》にSAを付与できるので、《ガチャンコ ガチロボ》を出して《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》がめくれた場合、《ガチャンコ ガチロボ》を「OVERハイパー化」の種にしながらSA化した脇の5コストクリーチャーを「革命チェンジ」させて《ガチャンコ ガチロボ》にSAを付与してから、《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》の能力でめくれた5体目のクリーチャーも攻撃させて全体をアンタップさせることで、《ガチャンコ ガチロボ》のSA攻撃までつなげられるのである。
しかもここでも《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》と《五番龍 レイクポーチャー ParZero》がうまく機能する。8枚入っていれば《ガチャンコ ガチロボ》からめくれる可能性も高いが、めくれたこれらのクリーチャーが《刀の3号 カツえもん剣》を探す機能も果たすからだ。
とはいえトリガーをケアできないと盤面に何体並ぼうが突破力はそこまで高くはならないので、5軸の《奇天烈 シャッフ》こと《イニシャッフチブ》を採用することで呪文トリガーだけは最低限ケアできるようにしておこう。
《頂上龍覇 サソリス2nd/「ナチュラル、タイマン!」》は全体SA付与+トリガーなので優先度が高いように見えて、既述のように《刀の3号 カツえもん剣》があるこのデッキでは《ガチャンコ ガチロボ》から直接SA付与をめくる必要がないので、実はそこまで優先度は高くならないというのがポイントだ。
また、ガチロボ使いの心の中には常に「仮に《フェアリー・ギフト》が殿堂解除されたとしたらガチロボは何枚採用するのか?」という難問が存在する (※個人の感想です) が、《イカリノアブラニ火ヲツケロ》が登場したことでその難問には現実のものとして向き合わざるをえなくなった。当然ガチャが失敗する確率は上がってしまうが、個人的には、受け札としても有用性も加味して2枚目の《フェアリー・ギフト》として1枚だけ採用するくらいが落としどころなのではないかと思っている。
というわけで、できあがったのがこちらの「ハイパー5軸ガチロボ」だ!
『ハイパー5軸ガチロボ』
4 | 《オ:ドユニワ/喰土邪覇》 | 4 | 《全虹帝 ミノガミ/ハザード・パクト》 | 3 | 《無双の妖精/招然呪文「ジャイババン」》 | 4 | 《五番龍 レイクポーチャー ParZero》 | 4 | 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》 | 4 | 《終炎の竜皇 ボルシャック・ハイパードラゴン》 | 4 | 《刀の3号 カツえもん剣》 | 4 | 《イニシャッフチブ》 | 2 | 《頂上龍覇 サソリス2nd/「ナチュラル、タイマン!」》 | 1 | 《魔神頂上 “密愛流”9th/「パーフェクト!パーフェクト!!」》 | 4 | 《ガチャンコ ガチロボ》 | 1 | 《フェアリー・ギフト》 | 1 | 《イカリノアブラニ火ヲツケロ》 |
まつがん「よし、このデッキで勝負だ!デッドマン!!」
デッドマン「いいですよ!でもその前に、変なカードを求める研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
デュエマ妄想構築録vol.71バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.71-1 ~切り札を分身!ジナブリNEX!!~ | |
デュエマ妄想構築録vol.72バックナンバー | |
デュエマ妄想構築録 vol.72-1 ~攻撃させない!ダウンフォース・プリズン!!~ | |
デュエマ妄想構築録 vol.72-2 ~無限ガチャ!ハイパー5軸ガチロボ!!~ |