千日手を破るために
特別なアクティオンゾウカブトを手に入れるために参戦している激ムズ虫相撲大会、タランティオン記念大会で決勝にコマを進め、
おそらく、我が軍でもっとも高いポテンシャルを誇る戦士、ヘルクレスオオカブト・リッキーブルーの突然変異種を惜しげもなく投入した。これは、
「あと2勝すれば優勝だ!!」
という厳然たる事実から逆算して、
「ここでリッキーブルーを使ってしまっても大丈夫」
↑このようにソロバンを弾いた結果によるもの。逆に言えば、もしもリッキーブルーが破れるようなことになればすべての計画が台無しで、
「また、出直してきやす^^;」
と、尻尾を巻いて逃げ帰るしかなくなってしまう。
しかし、前回の日記で書いたんだけど、
こちらがフルパワーの94で殴っても……!!
相手のタランドゥスツヤクワガタもまったく同じパワーをしているため、決着がつかない……! 互いに集中力が切れるまで同じ攻撃を出し続けると言う“千日手”の様相を呈してきて、
「もう、イヤなんですけど……。早く終わらせて別の仕事したい……><」
うんざりと、こんなことを考え始めてしまったのである。
この、膠着状態を突き破る手段としてリッキーブルーは技“げんきアップ”を持っているんだけど、1本目ですでに、1回目のソレを使ってしまっている。突然変異種なので技は2回使えるんだけど……できればこれはつぎの勝負まで持ち越して、ヒカリが出す2匹目のムシにもダメージを与えたいんだけど……。
このまま目押しルーレットをやり続けても、生身の人間である俺のほうが集中を切らしてミスをするのは目に見えている。そうなったら本末転倒なので……ここは!
温存せず、使っちゃうしかないな……! 負けたら、元も子もないんだから……!
その結果……!
よし!! 99!! ヒカリに差をつけることができた!!!
この瞬間、審判さんは判断を下して……!
「勝負アリッ!!!」
バチューーーーン……!!
決まった!!! なんとか決勝でも先手を取ることができたぞ!!
そして勝負は、運命の2戦目に突入する。
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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