【スプラトゥーン】トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!! あとばる×つくよみが語る「スプラトゥーン甲子園2023 全国決勝大会」~3~

トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×つくよみ 第3回】

「スプラトゥーン甲子園2023」全国決勝大会を優勝した、つくよみ選手との対談の第3回目!

今回はDAY2の決勝トーナメントの各試合についてたっぷりと語ってもらったぞ。

▲「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメント

 

つくよみ選手の心の怪盗が優勝した「スプラトゥーン甲子園2023 全国決勝大会 DAY2」の試合は上のリンクから視聴することができるぞ。

あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
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つくよみ
高いレベルでジムワイパーを使いこなすトッププレイヤー。「スプラトゥーン甲子園2023全国決勝大会」では、リーダーとしてチームを牽引。連続で相手を倒す華麗なプレイを見せるなど大車輪の活躍で、見事にナワバリ日本一の称号を手にした。視野の広さやエイム、状況判断などすべてがハイレベルだが、中でも相手との距離の取り方や生存能力に長け、一瞬のスキを突いて敵陣に切り込む動きも得意。とくにナワバリにおいては、非常に計算された立ち回りを見せ、最強クラスの実力者との呼び声も高い。全国決勝大会ではその実力を遺憾なく発揮したといえるだろう。
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BBZ戦はすべての対策がハマった完璧な試合!

―― DAY2 決勝トーナメントの初戦はBangColorBabyZ(以降、BBZ)が相手でした。相当、対策を練ったということでしたが、まず1本目のナメロウ金属での試合はどのような作戦で挑んだんだですか?

つくよみ:ナメロウ金属は、前日の試合を見ていて、れんたなさんとダイナモンさんのオーダースロッシャーレプリカ&ジムワイパー・ヒューのコンビがめちゃめちゃ右奥の段差下に張っていて行くのがわかっていて。それで、前日の試合で右奥にLACTが1回抜けて、敵からしたら左手前の部分に1人抜けてきた状態だったんですけど、そのときに普通はスロッシャーかジムワイパーが戻って見に行ったり、LACTが見たりするんですけど、BBZR-PENが戻って見に行っていて。
 それを録画で確認して、PENが戻っているってことは孤立でもいいから誰か右奥にひとり入っちゃえば、PENは強制的に下がって射線が消えるなと思って。これは、立ち位置の取り方として前衛2人を置いている弊害だと思うんですけど、それで実際の試合では俺らも右奥に入りまくってPENの射線をできるだけ右手前にさせるようにして。
 そうすると前に張っているスロッシャー&ジムワイパー組もかなりきつくなるので、そこを処理するという形を取っていました。

 

▲つくよみ選手とさんく選手は積極的に相手右奥に侵入していた。
(「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメントより引用)

 

――R-PENにうまく仕事をさせないような作戦をとったわけですね。

つくよみ:そうですね。それでBBZは、れんたなさんとダイナモンさんのオーダースロッシャーレプリカ&ジムワイパー・ヒューで前に押す。俺らはジムワイパー&スクリュースロッシャーで前に押す、ってなると圧倒的に俺らの方が塗りを残す能力が高いので、同じことをしたら対応しないといけないのは相手になるんです。
 結果、俺がめちゃめちゃ右手前に入ってPENのヘイトを取ったことで、こちらの左奥に入っている相手の前線がきつくなって、そこをさんくととーやでうまく処理してくれて、完璧に作戦がハマったなという勝利でした。

 

――この形って練習ではそんなにやっている形ではないんですよね?

つくよみ:はい。練習ではほぼやってないというか、そもそもブキが違いました。もともとは俺もジムワイパー・ヒューを出してカニタンクを使って、できるだけ中央で均衡状態を維持するという戦い方をしていたので。それを止めて前線に出るという形にしたので、ブキもヒューからジムワイパー無印に持ち替えた形ですね。

 

――ほぼぶっつけ本番の形で編成を変えたのはすごいですね。

つくよみ:直前で対策を立てても、けっこううまくいかなかったりするものなんですけど、今回はあまりにも事前に立てた対策が言語化能力として完璧すぎてたとえば自分が前線で孤立しても、相手してくるのはPENとLACTで、スロッシャーは下がって見にこないから、カニタンクじゃなくてショクワンダーにしたら近距離が苦手な2つのブキにとってはしんどいみたいな。完全に言語化した対策ができて、正直負ける気はしていなかった。

 

▲(「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメントより引用)

 

――相手がいきなり編成変えてきたら別ですけど、そうでもない限りは自分たちが有利にならない訳がないっていうような。

つくよみ:その話もあって、次の試合に行くんですけど。

 

――2本目はヤガラ市場での試合でした。ここは負けてしまった試合ですね。

つくよみ:ここは、相手はシャープマーカーを2枚出してくると思っていて。俺ら1回BBZと練習試合をやっていて、そのときシャープマーカー2枚編成にボコボコにされたんですよ。それで、このままだときついなと思って、カニタンク対策としてウルトラショットを持つスクリュースロッシャー・ネオを入れて、右から吐かれても普段はやらないんですけど俺とさんくで左にいって、左から破壊するという動きを取ろうと思ってんです。
 でも、蓋を開けたらまさかのシャープマーカーなしの編成で。「えっ、イグザミナー出してくるの!?となって(笑)。でも、始まったらもう通話もできないし、どうしようないみたいな。それでもなんとかなるかなという感じでやってみたんですけど、この試合はBBZのるすさんがすごく上手くて負けてしまったって感じでしたね。でも、自分たちの中ではヤガラ市場か一番苦手なステージだったので、負けてもまあ仕方ないって感じではありました。

 

▲ヤガラ市場での両チームの編成。BBZはシャープマーカーを採用しない編成で読みが外れた形に。
(「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメントより引用)

 

――読みも外れたっていうのもあるし。それで、3本目はバイガイ亭での試合でした。ここはどんな作戦で臨んだんだですか?

つくよみ:バイガイ亭は練習最終日に編成を変えて、R-PEN、ジムワイパー・ヒュー、N-ZAP85、LACTにしました。変える前の編成は、BBZがやっていたイグザミナー、ジムワイパー・ヒュー、バケットスロッシャー、LACTというもので、この編成の強みはスロッシャーとジムワイパーが入っているから中央の戦闘は強いし、手前に入ってくるのも抑えられるから、中央の制圧力が高くて終始押すことができることなんですけど、LACTの手前塗りが追いつかなくて、最終的に半分に均衡されたら塗り負けするというのがあって。
 あとイグザミナーがPENに対して弱すぎるのもマイナス要素で。それで編成を変えて、N-ZAPを入れることにして、これによって右奥側に入っていくと右の敵高の普段はいけないところにキューバンボムが投げられるんですね。これがジムワイパー・ヒューとかスロッシャーとかだとインクがきつくてそれができないんですけど、やっぱり塗りという面で右高を荒らせるのはめちゃめちゃ強いなっていうのを練習段階で感じて。

 

――そうなんですね。

つくよみ:実はこの編成は箸パスタ本舗がバイガイ亭でやっていた編成で。これがめちゃめちゃ強くて、俺らも真似しようってなったんです(笑)。もともと自分らの悩みとして、中盤を押せるけど最後に五分になったら塗り負けちゃうというのがあって、それを解決するためにこの編成にしました。

 

――実際、BBZとの試合でも最初は押されていたけど、最終的に五分に戻したら最後は塗り勝ちしたという展開でしたね。特に終盤につくよみ選手がカニタンクを使って、BBZのダイナモン選手をうまく抑え込んでいたシーンは印象的でした。

つくよみ:あのシーンも俺は「カムバック」と「スペ増」のギアを採用していたのに対し、ダイナモンさんは「復活短縮」を2個積んでいたので、「絶対にカニタンクは俺の方が早く溜まる」ということがわかっていて。あそこで自分が先にカニタンクを吐けて、ダイナモンさんを自由に動けなくできたのは、ギア選択がうまくハマってくれたのもありますね。

 

▲(「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメントより引用)

 

――そういうギアの差とかもちゃんと考えた上での立ち回りだったんですね。

つくよみ:そうですね。普段は「ギア一個でそんあ変わらないだろ」って思っている派の人間なんですけど、あそこはしっかりちゃんと考えて、これはギアで変わったって思いました(笑)。カムバックとスペ増を積んでいるジムワイパー・ヒューってあんまりいないので、そこはちゃんと考えて積んでよかったなって思います。

 

――ここまでお話を聞いて、あとばる選手はどうですか?

あとばる:ちゃんと刺さっている場面しかなかったんで、話を聞いているだけで試合内容を思い返せるくらいにはその通りだなって感じでしたね。とくに最後のバイガイ亭のカニタンク吐き合いとか、ギアが違ったら、たぶんダイナモンの方が先にカニタンクを吐けていて、また違った展開になったと思うし。
つくよみ:そうなんですよね。
あとばる:たぶん、ダイナモンのカニタンクによってつくよみさんが抑えられて、試合終わりまでつくよみさんのカニタンクが溜まらない可能性もあった。そこをギア差で先に吐けたことで、ダイナモンが前に出られなくなってという展開だったので、ギア選び含めて大正解の選択したね。
つくよみ:結果論にはなってしまうんですけど、細かいミクロの部分まで完璧にハマったかなとは思います。
あとばる:そういうのがハマる瞬間って嬉しいですよね。
つくよみ:そうなんですよ。1戦目のナメロウで勝った時、作戦通り過ぎていて俺ら震えましたもん。正直、前日の試合を見ていて、乙リーグはBBZの強さが抜けていると思って。「こいつら化け物すぎる」って思って、対策を立てるまでは勝てるかどうか怪しいと思っていたんですけど、対策を立てたことで「これは勝てる」と自信が持てて、それが実現できたのがめっちゃ嬉しかったです。

 

▲最終的には1.7%の僅差で心の怪盗が見事に勝利した。
(「スプラトゥーン甲子園2023」 全国決勝大会 DAY2 決勝トーナメントより引用)

 

あとばる:ナメロウは特に刺さっている感じがありましたよね。
つくよみ:そうですね。ナメロウはめっちゃ刺さっていたな。右奥を詰めることによってPENが引くっていうのがもう完璧だったかもしれない。配信だとLACTが右奥に抜けて、それを1回PENが見に行ったというシーンが一瞬だけ映ってただけなんですけど、その一回の行動にすべてが詰まっていると思って。そのシーンはちゃんと見逃さずに注目して、対策したことが勝因だったなと思っています。
あとばる:この試合を配信で見ていると、れんたなとダイナモンをすげーうまく抑えているなって感じだったんですけど。 DAY1で見ていたBBZのナメロウの動きと比べて、DAY2ではまったくスムーズに動けていなくて、めっちゃ対策しているなって。
つくよみ:そうですね。LACTを使っているとーやも、前日に自分たちをコーチしてくれている人にLACTでのバケツ対面のアドバスをもらっていて。それで、先に塗りを取って、塗り振りの状況で戦わないってのを大事にしていたみたいで、実際それで左下でバケツとLACTで1対1になったときも、とーやが勝っていたので、なんか個々がちゃんと考えていた戦略がうまくはまったなって思います。本当にこの試合は細かいところが全部ハマったというぐらい完璧でした。

 

【今回のまとめ】
・BBZ戦、とくにナメロウの試合は完璧に作戦がハマった!
・前日試合でのPENの対応を見逃さなかったことが勝因に!
・ギア選びの差も勝因を分けたポイント!

 

次回も引き続きふたりの対談をお届け。DAY2の準決勝と決勝の試合についてたっぷりと語ってもらうぞ。

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次回は5/24(金)ごろ更新予定!!