【プロセカ】ボカロPに直撃! “ナナホシ管弦楽団”さんが語る“モモジャン”と、オリジナル楽曲『パラソルサイダー』について!【ボカロPインタビュー企画 #42】

ナナホシ管弦楽団さんの曲作りに迫る!

 2020年9月のサービスイン以来、コロコロオンラインがひたすら追い掛け続けているセガ×Colorful PaletteのiOS/Android向けアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』。

 リリース当初からこのコンテンツを追いかけてきたコロコロオンラインプロセカ班は、2023年10月に『プロセカ』3周年を記念した大特集を実施するなど、担当からほとばしる圧倒的な“プロセカ愛”をカタチにし続けてきた。 

『プロセカ』3周年記念特集は下記の画像をクリック!!
 

 そんなコロコロオンラインプロセカ班がとくに情熱を注いで追っているのが、このゲームの根幹でもある楽曲……そして、それを制作されている“ボカロP”と呼ばれる“才能たち”であります!!

 “子どもが将来なりたい職業ランキング”において、ゲームクリエイターやユーチューバーらと並んでボカロPが上位にランクインし、コロコロの読者層との親和性もめちゃくちゃ高いということで、前述のプロセカ1周年特集の際にボカロ界のビッグネームにつぎつぎとインタビューを敢行!! その内容の濃さは業界内外に衝撃を与え、このたび……不定期連で、さらに多くのボカロPの皆様にご登場いただき、ナマの声をお届けできることになったのです!!

 『プロセカ』はゲーム内容はもちろん、楽曲のすばらしさが高く評価されて現在の人気を確立したと言っても過言ではない。それらを生み出したボカロPたちの考えかた、作品への向き合いかたを掘り下げたこのインタビュー連載を読まれることで、ゲームを遊ぶだけでは知りえない情熱や、楽曲に対する想いを知ることができるはずだ。その結果……さらに登場キャラやユニット、『プロセカ』そのもののことが好きになること請け合い!!

 そしてインタビューの後半では、“いかにしてボカロPになったのか?”という、将来この道に進みたいと思っている読者の皆様の道しるべになるような質問もぶつけているので、とにかくあらゆる人たちに読んでいただきたいなと!!

 さて今回ご登場いただくのは、“MORE MORE JUMP!”(モモジャン)にオリジナル楽曲『パラソルサイダー』を提供された“ナナホシ管弦楽団”さんだ。

 『パラソルサイダー』が書き下ろされたイベントストーリー“青空の先、輝きを追いかけて”は、モモジャンが初のワンマンライブを直前に控え、夏合宿を行ったときの物語だ。アイドル経験者のメンバーに追いつこうと必死になる花里みのりを見て、仲間の機微に誰よりも敏感な桃井愛莉が的確なアドバイスを行う。それにより、モモジャンの結束はより強くなって……という、その後の彼女たちの行く末を占う重要なストーリーとなっている。そこに書き下ろされた『パラソルサイダー』とは、どんな楽曲なのか? その誕生秘話を存分に語ってもらった。

※本インタビューはメールで行い、いただいた回答を元に構成したものです。

より良い音楽を作るための秘訣とは?

――ナナホシ管弦楽団さんはコロコロ初登場! そこで、まずは簡単に自己紹介をお願いしたいのですが……!

ナナホシ管弦楽団 はじめまして、ボカロPのナナホシ管弦楽団と申します。ふだんはボカロ曲の制作と楽曲提供のほか、歌い手の“SymaG”さんと『カロンズベカラズ』というユニットを組んで活動しております。よろしくお願いします!

※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。

――今回、『プロジェクトセカイ』で書き下ろし楽曲『パラソルサイダー』を提供されましたが、この依頼を受けたときの率直な心境をお聞かせください!

ナナホシ管弦楽団 『プロジェクトセカイ』の知名度は言うまでもなく、自分ももちろん知っていたので、まず自分にお声がけいただいたことが素直に嬉しかったです。その上で、僕はわりといろんな曲調を扱うので、どのタイプの曲を依頼されるのか、ワクワクしていました。

――オリジナル楽曲を担当したユニット、MORE MORE JUMP!に関しまして、初めて見たときにどのような印象を持たれましたか?

ナナホシ管弦楽団 すごく連帯感があるユニットだなと思いました。ひとりのフロントマンが圧倒的に引っ張っていくようなスタイルではなくて、グループとしての立ち姿がとてもしっくりと来るというか。ちゃんと、魅力がグラデーションになっている印象を受けました。

▲イベント『青空の先、輝きを追いかけて』の書き下ろし楽曲としてリリースされた。

――『パラソルサイダー』が書き下ろされたイベントストーリー『青空の先、輝きを追いかけて』のキーキャラクターは、桃井愛莉ちゃんです。彼女についてはどのような印象をもたれましたか?

ナナホシ管弦楽団 良い意味で発展途上で、最初から完全無欠なアイドルなわけではなく、ユーザーがその成長をいっしょに見守っていけるキャラクターだな……と思いました(もちろんすべてのユニットがそうだと思いますが)。笑顔や元気といった、ともすれば強くなり過ぎがちなワードを、自然体でまとえている印象です。

――では、書き下ろし楽曲『パラソルサイダー』を作られたときのテーマをお聞かせください! 方向性は、どのように決められましたか?

ナナホシ管弦楽団 『夏』というワードは、いただいたテーマとしてすでにラインナップされていたので、まず真っ先に“Splash=水しぶき”を思い浮かべました。MORE MORE JUMP!の弾けるような快活さはサイダーみたいだったので、あとは4人が手をつないで輪になっている姿が、広がったパラソルのように見えればいいなと。

――では、『パラソルサイダー』という曲名に込めた想いをお聞かせください。

ナナホシ管弦楽団 『パラソルサイダー』というタイトルを最初につけて、ユニットのキャラクターたちとストーリーから受けたイメージから、情景・心情を拾って方向性を決めました。“まっすぐさ”というのはMORE MORE JUMP!の魅力のひとつだと思ったので、あまり難しい曲にならないよう、比較的引き算で作っていきました。

――そんな『パラソルサイダー』の中で、とくにお気に入りの歌詞を教えてください!

ナナホシ管弦楽団 「ラッキーじゃなくても笑っていたい」、「夢見て蜃気楼 夢じゃ終わらない」……このあたりがお気に入りです!

――上記の質問と似通って恐縮なのですが、『パラソルサイダー』の“聴きどころ”を教えてください! ポイントや、こだわられた部分をお聞きできれば幸いです!

ナナホシ管弦楽団 サビの、「飛べそうな予感が急上昇!」の部分が、苦悩を乗り越えて夢に向かっていく4人の高まり・ワクワクを感じられて、すごく好きです。
 サウンド面のこだわりで言うと、夏と言えばの“スティールパン”(※ドラム缶から生まれたスティールドラムとも呼ばれる楽器。カリブ海に浮かぶトリニダード・トバゴ共和国で誕生した)を使っているのですが、「ふつう、こんな速いフレーズで入れるか?」みたいな部分もありまして……。でも、このハチャメチャ加減がMORE MORE JUMP!にとても合っている気がしていて、お気に入りです。

※MV画面はバーチャル・シンガーver.のものです。

――そんな『パラソルサイダー』の制作日数は、どれくらいになるのでしょうか? それに付随して、難産だったか、それとも比較的スラスラと作れたのか……など、制作難度などをお聞かせ願えればなと……!

ナナホシ管弦楽団 自分はあまり作るのが早いほうではなくて、ギターのレコーディングなども含めると実作業の日数で2週間~1ヵ月くらいはかかってしまうのですが、『パラソルサイダー』は比較的スムーズに作れたほうかなと思います。おもに最初のアイデア出しや歌詞・メロディーといった、制作の取っ掛かりの部分にもっとも時間がかかってしまうので、方向性がはっきりしていた分、そこはスムーズだったように思います。細かい音を重ねていくのは毎回たいへんですが、できあがっていくのが楽しみな作業でもあります!

――完成した『パラソルサイダー』がゲームに実装されたのを初めてご覧になったとき、どのように思われましたか?

ナナホシ管弦楽団 シンプルに、うれしかったです。実装自体ももちろんですが、多くのユーザーの方が楽しんでくださっているのを拝見したその瞬間は、毎度のことながら「作って良かったな」と思いますね。自分の子どもが手を離れて、巣立っていったような感覚にいつもなります。

 

――ゲームに実装後、たくさんの反響があったと思いますが、印象に残っていることがありましたら教えてください!

ナナホシ管弦楽団 「ナナホシの曲がついにプロセカに!」みたいな感想は、多くいただいたように思います。もともとボカロPとして飛び抜けた知名度があるわけでもなく、決して万人受けするタイプではないと思うので、依頼をいただいたこと自体、ホントに奇跡的だなと改めて感じました。基本的にはずっとロックをやってきていたのですが、そことは違うユーザー層からも好意的なリアクションをいただけて、うれしかったです。

――では、『パラソルサイダー』が大好きなファンの方に向けて、ひと言お願いいたします!

ナナホシ管弦楽団 『パラソルサイダー』を愛していただき、ありがとうございます。書き下ろし楽曲の魅力のひとつは、そのアーティスト・ユニットとともに成長していけるところだと思っています。この楽曲はこれからも、急上昇していくMORE MORE JUMP!とともに在り続けますので、末永くお楽しみください!

――ありがとうございます!! ……ではここから、将来の夢として「ボカロPになりたい!」と思っている人たちのために用意した質問にお答え願えればなと……! まずは……ナナホシ管弦楽団さんが、ボカロPになられたきっかけを教えてください!

ナナホシ管弦楽団 『初音ミク』の体験版に触れたのが最初ですね。もともとピアノをやっていたのですが、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の挿入歌である『God knows…』(作詞:畑亜貴、作曲:神前暁)という曲が弾きたくてギターを始めて、そこからアニソン調の音楽を作りたくて作曲に傾倒し始めました。当時はいまほどYouTubeも発展しておらず、録音まわりのことについても無知で、歌をどう入れていいかもわかりませんでした。そんなあるとき、『初音ミク』というソフトに触れて、試しに自分の学校の校歌を歌わせてみたのがきっかけになります。

――そんなナナホシ管弦楽団さんに、“ボカロPになるために必要なスキル”があれば教えていただきたいのですが……! どんなことを学んでいけばいいですかね……?

ナナホシ管弦楽団 いまは情報源も無数にあるので、ほとんどのことは調べているうちに身についてくるはずです。ですので、あまり心配せずとも大丈夫だと思いますよ。でもそれで言うと、“調べる力”はわりと重要になると感じます。それがあれば、人よりも速く成長できると思うので。
 あとは、長く続けているとどうしても、音楽が苦しく思える瞬間が来ると思います。そのときのために音楽以外にも、たとえばいっしょに遊べる友だちだったり、没頭できる趣味であったり、息抜きのできるものを見つけておくといいと思います。奇妙なことに、より良い音楽を長く続けるために大事なのは、音楽以外のこと、そして日々の生活なのです!

――ありがとうございます……! では、ボカロPになってよかったと思うことがありましたら、ぜひ教えてください。

ナナホシ管弦楽団 固定観念を取っ払えたことです。ボーカロイド楽曲は多種多様なので、「このジャンルはこうでなくてはならない」という縛りを、わりと早い段階でなくすことができたのかなと。作れるものの幅の広さにも影響してくるので、その点はボカロPになってよかったと感じます。

――そんなナナホシ管弦楽団さんに、将来ボカロPを目指す少年少女にエールをお願いしたいのですが!

ナナホシ管弦楽団 「頑張れ。だがしかし、焦るな!」。僕が、おじいちゃんに言われた言葉です。それぞれのペースで、それぞれの“好き”を追及していってほしいと思います! そしてこれからのボーカロイドの世界を、いっしょに盛り上げていきましょう!

――ありがとうございます! それでは最後に、『プロセカ』にもひと言お願いいたします!

ナナホシ管弦楽団 楽曲にもきちんとフォーカスを当てて下さっているのが、ボカロPとしてはとてもうれしく思います。これからも躍進するボーカロイドの世界を、目いっぱい広げていただけたら幸いです!

――本日はお忙しい中、本当にありがとうございました!!

 

ナナホシ管弦楽団

古き良きギターロックとアニメソングのキャッチーさを主軸に据えた『ナードロック』を得意とする、滋賀県出身のボカロP。

七変化のように幅広いジャンルの楽曲を手がけながら、SymaGとのユニット「カロンズベカラズ」の活動や様々なアーティストへの楽曲提供などを精力的に行なっている。

代表曲に「おねがいダーリン」「シル・ヴ・プレジデント(楽曲提供)」「抜錨」などがある。

 

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タイトル概要

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク

■対応OS:iOS/Android

■App Store URL:https://itunes.apple.com/app/id1489932710

■Google Play URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sega.pjsekai

■配信開始日:配信中(2020年9月30日(水)配信)

■価格:基本無料(アイテム課金あり)

■ジャンル:リズム&アドベンチャー

■メーカー:セガ/ Colorful Palette

■公式Twitter:https://twitter.com/pj_sekai