By まつがん
ついに先週発売となった、アビス・レボリューション第4弾「竜皇神爆輝」。
1年に渡って強化されてきた種族 (オレら) の戦略の集大成となるパックということもあり、メカ、マジック、アビス、アーマード、ジャイアントの各使い手たちは発売を心待ちにしていたことだろう。
だがそんな中で、私が一番に注目したのはいかにも怪しげなカードだった。
《DARK MATERIAL COMPLEX》。わずか1コストでありながらパワー25000のワールド・ブレイカー持ちという規格外のスペックだが、その秘密はこのカードが持つ能力にある。
すなわち、「タップ状態で出て毎ターン下にカードが置かれていき、下に8枚置かれるまでアンタップしない」ので、他のクリーチャーが離れた場合にもカードは下に置かれるとはいえ、1ターン目に設置したとしても攻撃できるのはせいぜい6ターン目以降が関の山なのだ。
だが、とにもかくにもたった1マナでデメリットもなくパワー25000のクリーチャーをバトルゾーンに出せるというのだから、使い道はテキストに書かれた能力だけに限られない。
たとえば《天風のゲイル・ヴェスパー》や《トテントン》と組み合わせてみるのもいいだろう。
肝心なのはそのカードが持つ唯一無二性……すなわち他のカードよりも大きく抜きんでた部分を使って、どのようなシナジーを形成するかなのだ。
では、《DARK MATERIAL COMPLEX》の唯一無二性を生かしてどのようなデッキを作るべきか。
私が出した答えは、これだ。
《天斬の悪魔龍 ジュランデス》が8枚になったのでは???🤔🤔🤔
約2年半ほど前、私は「ジュラン退化」というデッキを作った。
普通にはアンタップしない《界王類七動目 ジュランネル》と《天斬の悪魔龍 ジュランデス》も、上に進化クリーチャーを乗せていればアンタップさせられる。その後で進化クリーチャーを剥がしていわゆる「退化」させればあら不思議、1マナで攻撃できるワールド・ブレイカーが爆誕というコンセプトだ。
だがそのコンセプトには問題があった。《界王類七動目 ジュランネル》と《天斬の悪魔龍 ジュランデス》の両方に対応した軽量の進化クリーチャーが存在しないため、それぞれ専用の進化クリーチャーを入れざるをえず、結果として互いにコンボパーツが噛み合わない2つのコンボを共存させただけになってしまったのである。
「AとB」のコンボと「CとD」のコンボを一つのデッキ内に共存させた場合、Aを引いたときに必ずBを引けるわけではないし、Cを引いたときに必ずDが引けるわけでもない。したがって「AとD」や「BとC」の組み合わせなどでもシナジーが発生させられないならば、一人回しの段階で怒りのあまり脳の血管がブチ切れて憤死するクソデッキができるだけなのだ。
しかし、《DARK MATERIAL COMPLEX》の登場はそんな前提をすべて覆してくれた。
なぜなら、《DARK MATERIAL COMPLEX》と《天斬の悪魔龍 ジュランデス》ならば共通の進化クリーチャーを容易く用意できるからだ。
かくして、ここに約2年半越しの伏線回収が実現したのである。
あとは2年半前の経験を生かし、今度こそ実用的な「退化」デッキを作るだけだ。
《DARK MATERIAL COMPLEX》と《天斬の悪魔龍 ジュランデス》に共通する進化クリーチャーであり、かつ「退化」がその方法によらないために最も簡便なのは《ジャリ <デスマ.Star>》だ。普通の進化クリーチャーは破壊すると進化元も一緒に墓地に行ってしまうが、「スター進化」ならばただ破壊するだけで「退化」できるからである。
ただこれだと《DARK MATERIAL COMPLEX》と《天斬の悪魔龍 ジュランデス》は8枚積めるのに対して《ジャリ <デスマ.Star>》は1種類4枚のみで代替がきかない。そこで《トレジャー・ナスカ》を採用することで、《ジャリ <デスマ.Star>》を探しつついざというときは《DARK MATERIAL COMPLEX》《天斬の悪魔龍 ジュランデス》も探しにいけるため、格段に安定性が向上するのだ。
そしてせっかく《トレジャー・ナスカ》を採用するならば、アンタップした《ジャリ <デスマ.Star>》を自ら破壊する用途の自壊カードも1コストで揃えた方がアクセス先が増えて便利だろう。
《魔流毒》は後半にダイレクトアタッカーとして必要な《死神術士デスマーチ》をマナに逃がせるので、1マナとしては破格の仕事量をこなしてくれる。
一方《怒りの影ブラック・フェザー》は定番の自壊札だが、こちらは《ガガガン・ジョーカーズ》で回収できるのが強みだ。
単色のカードのみで3ターン目まで1マナずつ綺麗にマナを使いきりたいとなると、たとえば「闇闇闇闇自然自然」という風にバランス良く毎回来てくれればいいが、逆に「闇闇自然自然自然自然」で闇のカードをどちらも埋めたくないといった場合に、大きく初動が遅れてしまうことになる。
そこで追加の自壊札として《雪溶の鎖/堕牛の一撃》を採用することで、マナベースを安定させつついざというときはダイレクトアタッカーになるという3つの役割を持ったツインパクトとなる。
最後に、このままだと受けの要素がまるでないために自分のコンボを見せびらかしたいだけの全裸の変態になってしまうところ、他のカードが全部1マナということもあり、せっかくなので1マナの受けのカードを入れたい。
しかしそんな都合の良いカードがまさか存在するはずも……というところで見つけだした《ドンドン打つべしナウ》は、《DARK MATERIAL COMPLEX》や《天斬の悪魔龍 ジュランデス》の高パワーを生かした受けトリガーでありつつ、いざというときは1ドローでコンボパーツを探しにいけるので、このデッキにぴったりの1枚だ。
というわけで、できあがったのがこちらの「COMPLEX退化」だ!
『COMPLEX退化』
4 | 《DARK MATERIAL COMPLEX》 | 4 | 《天斬の悪魔龍 ジュランデス》 | 4 | 《ジャリ <デスマ.Star>》 | 4 | 《怒りの影ブラック・フェザー》 | 4 | 《死神術士デスマーチ》 | 4 | 《雪溶の鎖/堕牛の一撃》 | 4 | 《魔流毒》 | 4 | 《ドンドン打つべしナウ》 | 4 | 《トレジャー・ナスカ》 | 4 | 《ガガガン・ジョーカーズ》 |
???「コラ!ちゃんと『※ちなみにブロッカー1体で破綻するよ』って明記しなさい!!」
そ、その声は!?
1コストに収まらない大器、デッドマン!!(これはゾンビがどうのって言ってました)
デッドマン「先の展開が気になる研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」
はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?
次回に続く!……ちなみに来週12月29日 (金) はお休みだ!2023年もお世話になりました、良いお年を!!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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