By まつがん
恒例の宣伝からだが、皆さんは先日発売したコロコロコミック1月号はもう入手されただろうか?
デュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
「頂上決戦!!デュエキングMAX 2023」のカードは、環境に様々な変化をもたらした。だがそんな中で、確かなポテンシャルを持ちながらも、いまいち綺麗に収まるデッキが見つかっていないカードも存在していた。
《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》。「墓地進化」という制約はあるものの、3コストですぐに攻撃できるクリーチャーを出しながら手札が減らない墓地肥やしが可能というのは、これまでに類を見ないスペックだ。
とはいえ、この1枚だけで新デッキの可能性を見出すのはなかなかに難しい。「墓地進化」である以上、《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》を使おうと思ったら2ターン目にもあらかじめ墓地肥やしをしておく必要があるし、「手札が減らない」という《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》の強みも、その2ターン目の墓地肥やしで手札が減っているようでは結局意味がないからだ。
だが。
直前のアビス・レボリューション第3弾「魔覇革命」には、そうした問題を解決できる《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》の最高の相棒が収録されていたのである。
《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》だ。
このカードを使えば2ターン目も手札を減らすことなく墓地肥やしが可能となる。さらには《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》を探しにいくことが可能な上に、唱え終わると自身が確定で「墓地進化」の元になれるということで、まさしく至れり尽くせりだ。
かくして、「2ターン目《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》→3ターン目《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》」という手札を減らさずに墓地肥やしが可能な黄金ラインが完成した。
とはいえ冷静に考えると、これだけだと「手札を減らさずに3ターン目の墓地が5枚+盤面に《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》」という状況ができるだけなので、「2ターン目《エマージェンシー・タイフーン》→3ターン目《サイバー・チューン》」という動きとスケール的には大差はない。
ならば《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》によってしか発揮できない独自の動きで既存の基盤と差をつけることができないか。
そう、すなわち。
《不死 ゾンビーバー》が使いやすくなったのでは???🤔🤔🤔
《不死 ゾンビーバー》は0マナで墓地が5枚肥やせるという規格外の効率を誇るカードだが、「侵略」するためには3コスト以上の闇のクリーチャーが攻撃する必要があり、《不死 ゾンビーバー》を引かなかったパターンに備えて「その『侵略』元自体も墓地を肥やせる」という条件で最速で動こうとする場合、これまでは《堕魔 グリール》か《凶鬼23号 アラクレ》あたりを使うしかなかった。
だが墓地を肥やしながら闇のカードを拾える進化クリーチャーである《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》の登場により、《不死 ゾンビーバー》の「侵略」しやすさが大幅に向上したのである。
となれば、この基盤をもとにデッキを作るほかないだろう。
『途中経過1』
4 | 《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》 | 4 | 《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》 | 4 | 《不死 ゾンビーバー》 | 28 | 何か |
さて、コンセプトのベースは決まった。ここからはコンセプトを補強するカードと具体的な勝ち手段がそれぞれ必要となる。
コンセプトを補強するカードとしては、《鬼札アバクと鬼札王国》がすぐに思い浮かぶことだろう。《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》の呪文側を2ターン目に唱えるためには一定枚数の自然文明が不可欠であり、その点《鬼札アバクと鬼札王国》はマナ基盤としても3ターン目のアクションとしても優秀だからだ。
また《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》と同様に墓地を肥やしつつも手札が減らない2マナ域のアクションとして、《サーイ=サイクル》がある。墓地が肥える速度は決して早くはないが、殴り気がある墓地利用デッキとしては唯一無二の性能だ。
具体的な勝ち手段については、《不死 ゾンビーバー》で大量に墓地が肥やせることから《暴走龍 5000GT》に白羽の矢が立った。
さらに《百万超邪 クロスファイア》もセットで入れれば、3ターン目の《不死 ゾンビーバー》のW・ブレイクによって3枚となったシールドを《暴走龍 5000GT》が割りきってくれる目算なので、ダイレクトアタック要員として機能するはずだ。
というわけで、できあがったのがこちらのデッキだ!
『途中経過2』
4 | 《サーイ=サイクル》 | 4 | 《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》 | 4 | 《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》 | 4 | 《鬼札アバクと鬼札王国》 | 4 | 《不死 ゾンビーバー》 | 4 | 《カツラデランス/「アフロ行きま~す!!」》 | 3 | 《百万超邪 クロスファイア》 | 1 | 《樹食の超人》 | 4 | 《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》 | 2 | 《ブラキオ龍樹》 | 4 | 《暴走龍 5000GT》 | 2 | 《大樹王 ギガンディダノス》 |
マナベース終わってるしそもそも墓地肥やし能力が全然足りねーぞ!!!😡😡😡
《暴走龍 5000GT》を4ターン目に着地させるためには、4ターン目開始時点で7~8枚の墓地が必要となる。
だがこのリストでは3文明ということもあり2ターン目と3ターン目にどちらも都合よくアクションができるとは限らず、さらに4ターン目も単色が置けるとは限らないため、墓地肥やし能力が足りずにどうあがいても平均の動きは「5ターン目GT」になってしまうのだ。
そして現代デュエマにおいては、対戦相手に干渉もなしで「5ターン目GT」などという悠長な動きは許されない。
かくして私は《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》と《暴走龍 5000GT》の共存は諦めざるをえないという結論に達したのだった。
だが、そうなると代わりの勝ち手段が必要となる。墓地利用なので対戦相手に干渉する要素はどの道多くは採用できない。となるとこのコンセプトで実現可能な4ターン目のフィニッシュムーブを見つける必要がある。
そんな都合の良い方法がまさか見つかるはずも……。
あった。
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》ならば、マナを使わないので《暴走龍 5000GT》より墓地肥やしの要求が緩くなる。さらに0マナで召喚できる上に自分の小物クリーチャーも吹き飛ばさないので、4ターン目の4マナを《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》の「アビスラッシュ」などに当てる選択肢も生まれてくる。
ただ《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》の採用は《鬼札アバクと鬼札王国》との決別をも意味していた。《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》を使うならデッキ内のカードはすべて闇文明か火文明のカードで統一したいところ、さすがに自然文明単色のカード抜きで《鬼札アバクと鬼札王国》を運用するのは不可能と思われたからだ。
となると、《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》の裏の選択肢、2枠目の墓地肥やしが必要となる。
だが《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》は手札が減らずに打点を作れるという唯一無二の3マナ域であるからこそ今回のデッキを作ろうと思い至ったはず。すなわち、2枠目は存在しないのではないか。
否。
確かに《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》ほどのスペックを持った3マナ域のクリーチャーは存在しない。
しかし、3ターン目に3マナのアクションをしなければならないという法はどこにもないのだ。
そう、すなわち。
《フォック=ザ=ダーティ》を使えばいいのでは???🤔🤔🤔
2ターン目にアビスのクリーチャーを出していれば、3ターン目に《フォック=ザ=ダーティ》へと「革命チェンジ」させることができる。さすがに《サーイ=サイクル》だけだと十分とは言えないが、《フォック=ザ=ダーティ》にチェンジする前提なら《ベル=ゲルエール》も及第点の2マナアクションに早変わりだ。
「革命チェンジ」というのがミソで、《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》と違ってこちらは単体では使用するのに自然文明のマナを必要としないというのがまさしく革命的だ。にもかかわらず同時に引いているときは《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》用の自然マナにもなるというのが素晴らしい。
というわけでこれらのアイデアをもとにデッキを作り直し、以下の形までたどり着いた。
『途中経過3』
4 | 《ベル=ゲルエール》 | 4 | 《サーイ=サイクル》 | 4 | 《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》 | 4 | 《不死 ゾンビーバー》 | 4 | 《フォック=ザ=ダーティ》 | 1 | 《盗掘人形モールス》 | 4 | 《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》 | 2 | 《弾丸超邪 クロスファイア》 | 4 | 《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》 | 4 | 何か |
《弾丸超邪 クロスファイア》は《百万超邪 クロスファイア》よりも出しづらいが、4ターン目に手札から《ベル=ゲルエール》《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》《盗掘人形モールス》を出すプランの際に、《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》に依存しないスピードアタッカーを作れる可能性がある点を評価した。
闇以外のカードをこの2枚だけに絞っているのは、《サーイ=サイクル》によって3ターン目開始時に墓地に落ちる1枚が《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》の進化元になれる「闇のクリーチャー」となる確率を極限まで上げるためだ。
だが、残された何よりも大きな問題は最後の1スロットにあった。
闇単タッチ自然の墓地ソースというデッキの基盤は満足いくものだった。《サーイ=サイクル》《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》《フォック=ザ=ダーティ》《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》というアビス・レボリューション産の強力なカード4種で墓地ソースをリニューアルするというのは、十分目新しいコンセプトだからだ。
しかしその斬新さゆえに、もはやこのコンセプトに合致するカードがこれ以上どうしても見つからなかったのである。
こうした事態にありがちなプランとして、《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》などの手打ちもできるS・トリガーを入れて雑にまとめることもできた。
けれども私は、ここまで来てデッキがフルポテンシャルを発揮しなくなるようなカードを入れたくないと思った。
36枚決まったデッキの残り4枚を埋めるのに必要なこと。それは「あったらいいな」という効果の逆算だ。
私は考えた。「もしここに黒い《一なる部隊 イワシン》がいたらいいのに」と。
36枚で既に完成しているコンセプトに必要なものがあるとすれば、デッキを36枚にできるカードだからだ。
そして。
その発想こそが。
運命の邂逅をもたらしたのだ。
黒いイワシン、いるじゃねーか!!!😡😡😡
そう、《ヴァイナル=ヴィランド》こそはアビスだけが使える《一なる部隊 イワシン》にして、《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》《不死 ゾンビーバー》というラインをデッキにするためのラストピースだったのだ。
これなら3ターン目の《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》で拾うカードの選択肢を広げられる上に、4ターン目の《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》や《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》の着地を大幅に安定させられる。闇単色のクリーチャーなので手札に来ても《サーイ=サイクル》で落ちてもデッキの動きを一切邪魔しない。まさしく完璧に求めていたカードと言える。
《一なる部隊 イワシン》が殿堂入りした今、「デッキを36枚にする」ことは不可能に思えた。だが最新種族であるアビスには、不可能を可能にするカードが無限に存在していたのだ。
というわけで、できあがったのがこちらの「アビス墓地ソース」だ!
『アビス墓地ソース』
4 | 《ベル=ゲルエール》 | 4 | 《サーイ=サイクル》 | 4 | 《ハニー=マーガニー/「こっちは甘いぞー」》 | 1 | 《ブルーム=プルーフ》 | 1 | 《一なる部隊 イワシン》 | 4 | 《邪眼の始祖 ロマノフ・アルファ》 | 4 | 《ヴァイナル=ヴィランド》 | 4 | 《不死 ゾンビーバー》 | 4 | 《フォック=ザ=ダーティ》 | 1 | 《盗掘人形モールス》 | 4 | 《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》 | 2 | 《弾丸超邪 クロスファイア》 | 3 | 《龍装鬼 オブザ08号/終焉の開闢》 |
まつがん「よし、デッドマン!このデッキで勝負だ!!」
デッドマン「いいですよ!では2ターン目《若き大長老 アプル》!3ターン目《かぼちゃうちゃうちゃう》!4ターン目《環嵐!ホールインワン・ヘラクレス》!5ターン目《ア:エヌ:マクア》!!」
せめてデッキのふりだけはしてくれ!!!😡😡😡
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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