By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
呪文が全部タダになる、だと……?
10コストのフィールドらしいド派手な効果だが、《オールデリート》から1マナしか減っておらず、《流星のガイアッシュ・カイザー》の軽減もフィールドなのでもちろん乗らないともなると、いくら置けたらゲームが終わりそうな効果とは言っても、デッキ作りはなかなかに険しい道のりになるかもしれない。
というわけで、10月21日(土) に発売予定の「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」に収録される新カード、《完全水中要塞 アカシック3》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
一番の課題は何といっても「10コストの《完全水中要塞 アカシック3》をどうやって設置するのか?」だろう。
フィールドの踏み倒しといえば《族長の魂友 ワチャゴナ》だ。
0マナの「革命チェンジ」によって10マナの《完全水中要塞 アカシック3》が出せるというまさかの100%OFFの予感を前に、一瞬胸を躍らせかけた。
だが、《族長の魂友 ワチャゴナ》のテキストをよく見て欲しい。
「D2フィールドを1枚、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい」
そして《完全水中要塞 アカシック3》のカードタイプはというと。
「ヒストリック・フィールド」
なんやねん聞いたことないわそんなもん!!!😡😡😡
こうして《族長の魂友 ワチャゴナ》を使うプランは一瞬にして崩壊した。
とはいえ、真っ当な「2→4→6→10」の動きで《マナゴリラ》や《ドルツヴァイ・アステリオ》を使うというのは、いかに脳内をデュエパーティーに毒されている私でも気が引けた。せめて《流星のガイアッシュ・カイザー》が絡むのでもなければ、現代デュエマでやることではない。つい半年くらい前にそんなデッキ作ってたけど
こうして、「ヒストリック・フィールド」という謎の新タイプを作ってまで《族長の魂友 ワチャゴナ》を封じるウィザーズ開発部の緻密な調整を前に、今回こそはさすがに万事休すかと思われた。
だが。
実はデュエル・マスターズの広すぎるカードプールにおいては、そんな「ヒストリック・フィールド」すらも参照できる抜け道が存在していたのだ。
そう、そのカードとは。
《森夢龍 フィオナ・フォレスト》で踏み倒せばいいのでは???🤔🤔🤔
2020年の「最強戦略!! ドラリンパック」で登場した《森夢龍 フィオナ・フォレスト》のテキストには、《族長の魂友 ワチャゴナ》と違って「フィールドを1枚、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい」としか書いていないので、「ヒストリック・フィールド」である《完全水中要塞 アカシック3》も問題なく踏み倒すことができるのだ。
自然文明の象徴とも言えるフィオナの森がドラゴン化した《森夢龍 フィオナ・フォレスト》が水文明の叡智の拠点である《完全水中要塞 アカシック3》を使って悪さをするというのは背景世界的にどうなんだという説もあるが、ゲーム的にはテキスト通りに読んだらそうなるので仕方がない。
ともあれ、《森夢龍 フィオナ・フォレスト》から《完全水中要塞 アカシック3》が出せるのであれば、あとは「《森夢龍 フィオナ・フォレスト》を最速で出す方法」と「《完全水中要塞 アカシック3》を確定でマナに置く方法」を考えるだけだ。
まず「《森夢龍 フィオナ・フォレスト》を最速で出す方法」については、《森夢龍 フィオナ・フォレスト》は7コストのクリーチャーであり、登場時効果さえ使えればバトルゾーンに残る必要はないので、《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》で能力だけ使うのが最もお手軽だ。
そして「《完全水中要塞 アカシック3》を確定でマナに置く方法」については、水文明単色のカードなので《神秘の宝箱》と《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》のセットを3ターン目に挟むことでマナ加速と確定サーチを同時にこなすことができ、「3→5」の動きで4ターン目のコンボ始動も夢ではなくなる。
ただこうなるとコンボパーツの多さがネックになるが、《森夢龍 フィオナ・フォレスト》《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》がすべて7コスト以上のクリーチャーであり、かつ2ターン目の動きが空いているのを生かして《巨大設計図》を採用すれば、コンボパーツが手札に揃う確率はかなり高まりそうだ (ちなみに殿堂カードの《超七極 Gio/巨大設計図》も入れられるが、3ターン目と4ターン目のタップインが許容できないので今回は見送った)。
また、《巨大設計図》と違って手札枚数は増えないものの、他のコンボパーツがすべて揃っていて《森夢龍 フィオナ・フォレスト》か《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》のどちらかがない場合は《未来設計図》で探しにいける。しかも、これらのカードは《完全水中要塞 アカシック3》設置後にも有用なので文句なしだ。
あとは肝心の勝ち手段だが、《der’Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》は《未来設計図》で拾える大量ドロー呪文であり、しかも《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》ともども2枚ずつ揃えることができれば、《完全水中要塞 アカシック3》を設置した状態では無限ターンを獲得できる (ただし無限は宣言できないので「4億100ターン」とか言っておくと便利だ)。
4億ターンを獲得した後は、「自分の他のドリームメイトは選ばれない」状態の4体の《森夢龍 フィオナ・フォレスト》で対戦相手を優雅に蹂躙すればいい。
こうなると残る問題は「《完全水中要塞 アカシック3》設置後の勝ち手段までのアクセス方法」だが、順調に3ターン目の《神秘の宝箱》系から動ければ先攻4ターン目に5マナ目をマナチャージした後の手札は3枚となり、うち2枚が《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》《森夢龍 フィオナ・フォレスト》となるから、4ターン目のドローが多色で濁らない限り、最速パターンでも1枚は自由な手札を抱えられる余裕がある。
その枠に《D-Jealousy-灰撫/♪五本まで 集めて林 森ジャングル》や《怒りの赤髭 ゴセントラス/目覚めし鋼牙のブレイン》といった「7コスト以上のクリーチャーで」「5枚以上にアクセスできる呪文でもある」「単色のツインパクト」を採用することで、フィニッシュループへの到達率が格段に向上する。前者は《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》を貫通できる一方で、後者は手打ちが5コストと軽いので一長一短だ。
最後に、《虹出づる繭 ミノガミ/帝の目覚め》を1枚だけ採用しておくとマナと墓地の両方に触れるので、マナ回収手段として《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》を楯落ちもケアして2枚入れるよりも融通が利きつつ、《der’Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》や《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》が楯回収手段と同時に楯落ちした場合でも、1枚までの楯落ちならばケアできるようになる。
というわけで、できあがったのがこちらの「アカシック・フィオナ」だ!
『アカシック・フィオナ』
2 | 《der’Zen Mondo/♪必殺で つわものどもが 夢の跡》 | 1 | 《虹出づる繭 ミノガミ/帝の目覚め》 | 4 | 《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》 | 4 | 《森夢龍 フィオナ・フォレスト》 | 2 | 《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》 | 2 | 《怒りの赤髭 ゴセントラス/目覚めし鋼牙のブレイン》 | 2 | 《D-Jealousy-灰撫/♪五本まで 集めて林 森ジャングル》 | 1 | 《黒豆だんしゃく/白米男しゃく》 | 4 | 《八頭竜 ACE-Yamata/神秘の宝剣》 | 1 | 《フェアリー・ギフト》 | 4 | 《未来設計図》 | 4 | 《巨大設計図》 | 4 | 《神秘の宝箱》 | 1 | 《デビル・ドレーン》 | 4 | 《完全水中要塞 アカシック3》 |
このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
さて、いかがだっただろうか。
《完全水中要塞 アカシック3》が収録されている「頂上決戦!!デュエキングMAX2023」は、10月21日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック11月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。