デュエマ妄想構築録 vol.63-2 ~デュエマを一人回しに!インフェルノ・クロック!!~

By まつがん

 諸君、デッキの一人回しは好きだろうか?

 ちなみに私は大好きだ。記事のアイデアに詰まったりデュエチューブの動画を見ているときなどは、目だけはPCの画面に向けながらも片手間にせっせとデッキをシャッフルしては対戦相手のいないデュエパーティーのデッキを延々と一人回しし、「このカード別に要らないな……じゃああれに変えるか」と59分の1の微調整を無限に繰り返している。

 それを不毛な時間ととる人もいるだろう。現実の対戦相手は想像通りに動いてくれるわけではない。トリガーも、8枚入れたら1枚はめくれるなどというのは往々にして幻想だ。

 だが、一人回しは必ずしも「現実の対戦に役に立つから」というだけで有用なのではない。カードゲーマーにとって一人回しは、深呼吸と同じだ。デッキを一回回すたびに余計な情報がそぎ落とされ、思考の回転力も増していく。それはいわば、雑念を振り払うイメージに近い。ゆえに、一人回しとは精神の修行なのだ。

 となると、一つの結論に行き着く。もはや対戦相手は不要なのではないか?

 そんな思想にうってつけのカードが、最近登場していた。

 「大感謝祭 ビクトリーBEST」は5種族の「メクレイド」戦略を強化しただけではない。《飛翔龍 5000VT》をはじめとした、単体でも優秀なカードを多数収録していることによって、様々な戦略を密かにパワーアップしていたのだ。

▲「エピソード1 ライジング・ホープ」収録、《鬼羅王女プリン》

 《鬼羅王女プリン》。一見ただのデュエパーティー用のカードにしか見えないが、相手ターン中にマナゾーンにカードが置けるというのは、デュエマを別次元のゲームに変えてしまう可能性を秘めているのだ。

 そう、その可能性とは。

▲「エピソード1 ライジング・ホープ」収録、《屍術師インフェルノ・カイザー》
▲「エピソード3 レイジVSゴッド」収録、《終末の時計 ザ・クロック》

 相手のターンのはじめに《終末の時計 ザ・クロック》を出し続けたらデュエマが一人回しになるのでは???🤔🤔🤔

 《屍術師インフェルノ・カイザー》は多色のカードがマナゾーンに置かれると墓地から4以下を蘇生できるので、これが出ている状態で《鬼羅王女プリン》の効果で相手ターン開始時に多色カードをマナに置ければ、墓地から《終末の時計 ザ・クロック》を蘇生することで相手のターンを開始2秒でぶっ飛ばしデュエマの対戦を実質一人回しにしてしまうことが可能となるのだ。

 もちろんこれ自体は《強奪者 テラフォーム》でも既にできていたことではあるが、《強奪者 テラフォーム》と比べて《鬼羅王女プリン》は能力の発動が強制な代わりに登場時効果の分だけ発動回数が1回多く、しかも手札に加える選択肢がある点で素のスペックが優れている。7コストと重い《屍術師インフェルノ・カイザー》につなげる必要があるので、即座に2ブーストの選択肢がある点は大助かりだ。

 というわけで、あとは《屍術師インフェルノ・カイザー》の効果をできるだけ高い確率で発動するために、デッキ内を多色で埋める前提でデッキを構築するだけだ。

▲「マスターズ・クロニクル・デッキ ロマノフ煉獄からの復活」収録、《ダーク・ライフ》
▲「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」収録、《目覚めのファミリア キナコ/ムボー日和》

 相手のターンを飛ばすには《鬼羅王女プリン》と《屍術師インフェルノ・カイザー》を揃えた時点で《終末の時計 ザ・クロック》が墓地に落ちている必要があるため、多色でマナ加速と墓地肥やしを両立できるカードが必要となる。手札も補充できる《天災 デドダム》だけでなく、《ダーク・ライフ》も採用することで安定感のある動きが実現できそうだ。

 また、《目覚めのファミリア キナコ/ムボー日和》は素引きした《終末の時計 ザ・クロック》をあとから狙って墓地に落とせる上に《天災 デドダム》カラーなのがありがたい。

▲王来篇 第4弾「終末王龍大戦」 収録、《新世界王の権威》
▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《学校男/ゾンビ・カーニバル》

 とはいえ、相手のターンを1ターンだけ飛ばしても次にまた相手のターンが回るようでは一人回しとは言い難い。そこで《学校男/ゾンビ・カーニバル》を採用しておくことで、自ターンの多色マナチャージで《学校男/ゾンビ・カーニバル》を蘇生して《終末の時計 ザ・クロック》ごと自壊→相手ターン開始時に《鬼羅王女プリン》効果で《終末の時計 ザ・クロック》蘇生を繰り返せるようになり、対戦相手を排除した完全なる一人回しが実現する。

 ただ、まだこれだけだと気持ちよく一人回しした挙句に山札がなくなって自爆するIQ3のバカが爆誕するだけなので、多色カードでありながらアンタップでマナに置ける《新世界王の権威》《新世界王の思想》《新世界王の闘気》をそれぞれ採用し、適当なターンまで一人回しを堪能したのちに《Volzeos-Balamord》を召喚し、ワールド・ブレイクで一気にゲームエンドへと持っていこう。

 なおここでさっきまでいないものとして扱っていたのに突如として出現した対戦相手にS・トリガー5枚発動されてボコボコにカウンターを食らう可能性もあるのだが、こちらの一人回しに根気よく付き合ってくれた対戦相手なのだから、それくらいのチャンスは与えてあげよう。

 というわけで、できあがったのがこちらの「インフェルノ・クロック」だ!

 『インフェルノ・クロック』

枚数
カード名
3 《学校男/ゾンビ・カーニバル》
4 《目覚めのファミリア キナコ/ムボー日和》
4 《天災 デドダム》
4 《終末の時計 ザ・クロック》
4 《鬼羅王女プリン》
4 《屍術師インフェルノ・カイザー》
4 《地龍神の魔陣》
4 《ダーク・ライフ》
3 《新世界王の権威》
3 《新世界王の思想》
3 《新世界王の闘気》

 

???「コラ!ちゃんと対戦相手にもデュエマを遊ばせてあげなさい!!」

 そ、その声は!?

 大人ぶった男、デッドマン!!

デッドマン「一人回しが好きすぎる研究仙人のために、また新しいカードを持ってきましたよ!」

 はたしてデッドマンが持ってきてくれたカードとは!?

 次回に続く!

ライター:まつがん
 
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。
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次回更新は9/29(金)更新!!