By まつがん
さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。
それが、こちらのカードだ!
「まあそれはそう」という効果だが……なんだか余計な一文があるぞ?
さて、9月16日(土) に発売予定のアビス・レボリューション第3弾「魔覇革命」に収録される新カード、《ボルシャック・サイン》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。
それを考えるにあたっては、「《ボルシャック・サイン》から何を出したら一番強いか?」をまず考える必要がある。
これについては、第1弾「双竜戦記」のオーバーレアである《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》が真っ先に頭に浮かぶことだろう。
だが、このアイデアには問題がある。なぜなら、その《ボルシャック・サイン》の相棒たるべきアーマード・クリーチャーは、「自分のエレメントを1つ破壊する」という一文に耐えうるものでなければならないと考えられるからだ。
5コストの呪文で7コストのクリーチャーを踏み倒す動きをデッキの軸とするなら、《豊潤フォージュン》などの手札が減らない3コストのマナ加速からつなぐのが一見最も理に適っている。
だが一方で、そうした3→5の動きをとろうとする場合、バトルゾーンにあらかじめエレメントを出しておけるターンが限られるため、往々にして《ボルシャック・サイン》の効果で踏み倒した7コストのアーマード・クリーチャー自体を破壊することとなってしまうことが当然予想される。
そうなると、4ターン目の5マナの動きを《ボルシャック・アークゼオス》の「メクレイド」から《ボルシャック・サイン》を唱える形にしない限り、《覇炎竜 ボルシャック・ライダー》ではバトルゾーンに残らない。そして、2枚コンボを3枚コンボにするのでは要求値が上がってしまう。
したがって、《ボルシャック・サイン》の相棒となるアーマード・クリーチャーは、何らかの除去耐性持ちである必要があるのだ。
しかし、除去耐性を持った7コスト以下の進化ではないアーマード・クリーチャーで早出しする価値があるものなど、そうそう簡単に見つかるはずも……。
あった。
《紫天連結 ネバーシデンド》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔
《紫天連結 ネバーシデンド》ならば、《ボルシャック・サイン》から出すと「EXライフ」が割り込んで付いてからエレメント破壊が走る (《天命龍装 ホーリーエンド/ナウ・オア・ネバー》+《龍風混成 ザーディクリカ》の挙動と同じ) ため、早出しした上に「離れない」耐性も付与できることになる。
さらに《紫天連結 ネバーシデンド》がもともと持っていなかったスピードアタッカーも《ボルシャック・サイン》で付与できるため、アンタップ能力持ちのW・ブレイカーによる即時の「離れない」4打点が完成するのだ。
とはいえ、別にデュエマは4枚ブレイクしたら勝ちのゲームではないため、ゲームに勝利するためにはノートリ前提でも5打点+1打点を用意する必要がある。
だが《ボルシャック・サイン》+《紫天連結 ネバーシデンド》だけで2回攻撃による4打点を用意できる以上、残る打点を補充するアイデアにたどり着くのはそう難しい話でもなかった。
そう、すなわち。
《電融秘伝グリードソレノイド》を唱えつつ《龍装者 バルチュリス》を出せばいいのでは???🤔🤔🤔
《電融秘伝グリードソレノイド》を使えば《紫天連結 ネバーシデンド》の4打点は6打点になる。この打点は「離れない」のでトリガーの影響をかなり受けづらい上に、同じくトリガーの影響を受けづらい《龍装者 バルチュリス》をダイレクトアタッカーに据えることで、全く無の盤面からトリガーをほぼ無視してワンショットが決まるコンボが爆誕したのだ!
光+火の文明で「3→5」の加速を手札を減らさず行うなら、《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》と《ケンザン・チャージャー》が最適だ。
これにより残りのスロットには「なるべくマナコストが高い方が良い」かつ「呪文が望ましい」という制約がかかることになるが、クリアできないほどではないだろう。
マナカーブで唯一空いた2ターン目はコンボパーツを集める動きをとりたいところ、《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》は《紫天連結 ネバーシデンド》《龍装者 バルチュリス》や《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》にアクセスしつつ《電融秘伝グリードソレノイド》や《ボルシャック・サイン》も見つかればトップに積めるので、かなり頼もしいサーチカードとなりそうだ。
また、2マナ域の2枠目としてさすがにこれに匹敵するカードではないものの、《ロジック・Re:キューブ》は見ることのできるれる枚数が同等でかつ受け札にもなるので上出来だろう。
《スクランブル・チェンジ》は5マナから《紫天連結 ネバーシデンド》を走らせられるので、《ボルシャック・サイン》の代わりとして機能する。こちらを経由すると「離れない」耐性は付かないが、その分「EXライフ」は維持されるため、《ボルシャック・サイン》からのルートほどではないもののある程度のトリガーケアは可能だ。
最後にここまで埋まったスロットで残りの要請を考えるなら「光単色のカード」でかつ「受け札」が欲しくなるところ、《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》は《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》《ロジック・Re:キューブ》《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》《ケンザン・チャージャー》のすべての要請を満たしており、しかも強力なトリガーということで文句なしの採用だろう。
というわけで、できあがったのがこちらの「ネバーシデンド・サイン」だ!
『ネバーシデンド・サイン』
4 | 《レーホウ・衛・デカッチ/「暴竜爵様のお出ましだッチ!」》 | 4 | 《龍装者 バルチュリス》 | 4 | 《龍装の調べ 初不/ホーリー・スパーク》 | 4 | 《紫天連結 ネバーシデンド》 | 4 | 《R.S.F.K./オールイン・チャージャー》 | 4 | 《ロジック・Re:キューブ》 | 4 | 《スクランブル・チェンジ》 | 4 | 《ケンザン・チャージャー》 | 4 | 《ボルシャック・サイン》 | 4 | 《電融秘伝グリードソレノイド》 |
要求値の話はどこに行ったんだよ!!!😡😡😡
このコンボが決まるためには「4ターン目のマナチャージが単色カード」でかつ「マナチャージ後の手札4枚が《紫天連結 ネバーシデンド》《電融秘伝グリードソレノイド》《龍装者 バルチュリス》+《ボルシャック・サイン》か《スクランブル・チェンジ》」であるという頭がおかしくなるほどに厳しい条件をクリアしなければならないわけだが、まあそのあたりは日ごろの行いを改めたり寺社仏閣の力を借りたりするなどして何とかして欲しい。
なぜそこまでこのコンボにこだわるのか?それは手札とマナをぴったり使いきって勝てると美しいという美学があるからだ。
実際にはモリモリの手札からあらゆるケアをして超余裕でコンボを決める方が楽に勝てるに決まっている……だがそれでも、ギリギリのリソースから紙一重で勝つ方が脳汁が出るのがカードゲーマーという生き物の性なのである。
ともあれ、このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。
※デュエチューブにて公開予定!
さて、いかがだっただろうか。
《ボルシャック・サイン》が収録されているアビス・レボリューション第3弾「魔覇革命」は、9月16日(土) に発売予定だ。
また、コロコロコミック9月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。
ではまた次回!
ライター:まつがん
フリーライター。クソデッキビルダー。
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。