パラワンは強かった……!
当初、
「え?www 最後の相手、ヘルクレスオオカブトとかコーカサスオオカブトじゃないの??ww あろうことかパラワンオオヒラタクワガタって……! 強さもMAXの500じゃないし、俺もバカにされたモンだなあ!!!ww」
と、憤慨と楽ショームードに酔わされるという特殊な体験を提供してくれたラストバトルの3戦目なんだけどさ……!
前回、前々回の記事で詳しく中間報告をさせてもらっている通り、
性格勝負で我が軍のヘルクレスオオカブトが敗北を喫したことで総合力は拮抗!! 楽ショームードは一転、どちらが勝ってもおかしくない混戦模様へとなだれ込んでしまったのであった。
そんな、1本目--。
予想通り、互いに最高攻撃力の“88”を出し合ってドローとなり、迎えたエクストララウンドで……!
かどまん君、執念の88引きでパラワンオオヒラタクワガタを上回る!! これで、どうにかこうにか1本目を先取することができたぞ!!
というわけで迎えた、パラワンオオヒラタクワガタにとっては後のない2本目。
すると当然のように、開幕でパラワンオオヒラタクワガタは……!
うっは!! スキル“すばやさアップ”を使用してきた!!ww
なんで驚いたのかと言うと、すばやさアップというスキルはその名の通り、
“自身のスピード(おそらく動体視力)をアップして、目押しルーレットをスロー(に見えるよう)にする”
というもの。ぶっちゃけ、コンピューターが操作しているパラワンオオヒラタクワガタは好きなところでルーレットは止められるわけで、「わざわざそんな技を使わなくても……w」と思ってしまったわけである。
でも、これが下は3歳から遊べる『カブトクワガタ』というゲームの誠実なところなんだよなぁ……! いつでもどこでも最高攻撃力の88ばかりを出せるというのに、言ってみればそういった“ズル”はせずに律儀にスキルを使ってから……!
88を出す、と……! ここにはきっと、『カブトクワガタ』を遊ぶおさな子たちに向かって、
「やろうと思えばできると言っても、そこは正直に、平等に、相手と同じ条件で戦わなければなりません。それが、力を認め合う“強敵(とも)”との正しい関係というものなのです。お天道様はつねに、あなたの行動と選択を見ているのですよ--」
このような教育的示唆を送っているのだと思われる。さすが小学館。さすがコロコロコミック。
するとかどまん君も、これに応えるようにしっかりと……!!
執念の引きで、88を目押しする!!! 何度も書いてきた通り、勝負の2本目はルーレットがやたらと速く回転するようになるので、老眼著しい俺などは最高攻撃力を引くのが難儀なんだよ……w でも、誠実にスキルまで使って対抗してきたパラワンオオヒラタクワガタの熱意に応じるために、俺もがんばって最高攻撃力で応戦したわ!!
さあ、勝負はここからだ。
スキルは使ってしまうとそのバトルでは使用できなくなるので、ここからはガチンコの目押し合戦である。
もうスピードアップが使えないパラワンオオヒラタクワガタは、きっと2番目あたりの攻撃を引いてくるに違いない。だって、ズルをしない実直で潔癖な相手なんだもの。
「そこで俺は……老眼をおして、88を引けるだろうか……!!」
緊張しながら、パラワンオオヒラタクワガタのルーレットを見ていると……!!
……って、スキルなしでも88出してるやんけ!!!(驚) こ、これ、裏で何か、大いなる意志が働いたんじゃないの!!?!
もしかしたらパラワンオオヒラタクワガタは、俺が疲れや眠気で緊張が解け、ミスをするまで88を出し続けるつもりなんじゃ……w
にわかに生じた疑問を抱えたまま、ついに次回、バトルが決着する--w
続く!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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