なかなか手強いヤツらだな……
秘密の谷のよろず屋で、待ちに待っていた最強・最栄養価のミラクルフード、“ばんのう!でんせつのようちゅうのえさ”を自由に購買することができると知り、さっそく売値2倍の出血大サービスが行われているヘルクレスオオカブトの量産体制に入った……というところまで前回の記事で書いている。
しかし……!
どんなにおいしく、どんなに栄養があるご飯でも、そればっか食べてりゃ飽きてきて食傷気味になってしまう……というのは、現実世界だろうが異世界だろうが、人間だろうがカブトムシだろうが同じことだったらしく。ここぞとばかりに金にモノを言わせて、
「ホレホレ!!ww 好きなだけ伝説のエサを食え!!!ww そして立派なカブトムシになるんだよ~~~www」
と、田舎の成金社長の如く最高級食材“だけ”を幼虫に与え続けたところ、なんとヘルクレスオオカブトの芋虫は……!!((゚Д゚;))
(((( ;゚Д゚)))
こ、こんにゃろ……!! 1個5000円もする伝説のエサを前に、
「こんなのもう食べ飽きたよぉ!! 別なの食べさせて!!」
とワガママなことをホザいていやがる……!! スネ夫かオマエは……!((゚Д゚;))
これにて、伝説のエサを与え続けたヘルクレスオオカブトの“栄養度”は900止まりに……! いやもちろん、これでも十分に強いんだけど、“この上”の世界があるのは火を見るよりも明らかであろう。
となれば……!!
試行錯誤して、栄養度900以上を目指すしかない!!
てなわけで、前回の続きである。
まずは何を置いても、
ゆっさゆっさwww
コレをやらないことには卵が産まれない。しかし何度見ても、世界最大の甲虫の交尾シーンは迫力がある。
そして、ここから“3れい幼虫”になるまで伝説のエサを与え続けるのは……間違いなく正解であろう。その証拠に、
この段階での成長具合は花丸で、栄養の合計は900になっている。
問題は、ここからだ。
最後、サナギになる段階でどれだけの栄養を上積みできるかに、この虫の将来がかかっているのである!!
そこで。
「とりあえず、万能エサのグレードを“伝説”から“ものすごい”にグレードダウンしてみよう」
ってことで、最後のエサを“ばんのう!ようちゅうのものすごいえさ”に変更してみたのである。
「食べ飽きた」って言っているんだから、伝説以外にすれば目先が変わって、再びバクバクと食ってくれるのでは……と予想したというわけだ。
ところが……!!
「こんなエサ、いーやー」
と言わんばかりに、またもや食事を拒否しやがった!! どんだけ贅沢言いやがるんだコイツ!!!
けっきょく、このときも栄養の合計は900止まり……。そこで、
「じゃあつぎは、万能ものすごいエサを“万能すごいエサ”まで下げてやる!! これで文句はないだろ!!!(怒)」
ってんで、3れい幼虫に与えるエサを万能すごいエサにしたんだけど、このときも……!!
「だから、イヤだっつってるだろ。食わん食わん」
こちらも拒否られた!!!(カーーー!) もうおめえ、何も食わなくていいわ!!!(怒)
しかし、ここでブチ切れて配合から撤退してしまうと、最大・最強の虫を完成させるという、『カブトクワガタ』というゲームにおける究極の目標からも逃げ出すことになってしまう。
それではいけない。
ここで公式記事を書いている人間として、その高みに到達しないうちに逃亡するのは、30年近くにわたってプレイ日記というものを書き続けている大塚角満の沽券にかかわるのである!
「なあに、まだ手はあるさ!」
俺は再度、ヘルクレスオオカブトのつがいをはるかちゃんに渡し、交尾の段取りをしてもらった。
そして育った3れい幼虫を前に、
「くくく……! ならば……このエサならどうだ!!!」
万能エサではない、意外なエサを与えたのであった。
続く。
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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