こいつはとんでもねぇかもしれないぞ
いまから……半年以上前のことだろうか。
月刊コロコロコミックの前編集長であり、俺(大塚角満です)とは10年以上前からの友人でもある和田誠さんが、
「ちょっとご相談があるのですが……!」
と、いつにない神妙な表情でメールをしてきた。……いや、メールなので顔など見えなかったんだけど、その文字面でなんとなく、(これは……タダゴトではない話だぞ!!)と若干イヤな予感を覚えた。俺は数年前から、和田さんが仕切っていたコロコロオンラインをおもな”書き場”として活動していたので、こういった深刻そうな話に対してはハリネズミのように敏感になっているのである。
「な、なんの話だろう……!(((( ;゚Д゚))) もしかして……仕事を減らされてしまうのかも!?!」
ワニワニと足を震わせながらオンライン会議の場に出向くと……!
すでに到着していた和田さんが、唐突に切り出した。
「大塚さん……! じつは……いまゲームを作っていまして、発売された暁にはぜひともプレイ日記を書いてほしいのですがッ!!!」
え……! ……そういう話!?!
地獄的な話題を想像していた俺にとっては、まさに天国と言っていいご提案であった。ヨロコビのあまりひっくり返りそうな声を必死に抑えながら、俺はふたつ返事で応えたのである。
「もちろんです!! なんでも書きますよ!!!」
あれから……幾星霜。
その対象のゲームが……!!
2023年3月15日に、ついに産声を上げたのである!!
ババンッ!!!
コロコロコミックと、”あの”『甲虫王者ムシキング』の作者として知られるゲームクリエイター、植村比呂志氏がタッグを組んで開発したNintendo Switch用ソフト『カブトクワガタ』!! このゲームのプレイ日記を、今日から毎日のように書いていくぜ~~~!!!ww
……と、その前に。大前提として記しておきたいんだけどさ。
俺はプレイ日記を書く予定のゲームに関してはなるべく事前情報を仕入れず、いわゆる攻略サイトもほとんど見ないで遊ぶことにしている。攻略に使う知恵や技(?)も基本的に、オノレのプレイ状況、先入観、妄想、都市伝説……などなど、”自分発”のモノだけを頼りにする傾向にある。
よって『カブトクワガタ』に関しても、年末に行った開発者インタビューで聞いた話くらいしか情報がないので、
ほぼ真っ新な状態からゲームを始めることを知っておいてもらいたい。
つまり、何が言いたいのかというと……!!
このプレイ日記では多分に、俺の妄想から生まれる”勝手な理論”とか”ナゾの攻略法”を書いていくことになりそうってこと!!w 序盤をちょっと触っただけで、そんな予感をヒシヒシと感じているんだよいま!!!www
……このプレイ日記の方針を書けたので、安心して先に進みたい。
2023年3月15日早朝。
『カブトクワガタ』をダウンロードしたのが午前6時過ぎのこと。はやる気持ちを抑えながらゲームを起動してみると……!!
キタぁぁぁぁああああ!!!ww 『コロコロコミック』のロゴ!! ホントにこれ、開発、発売はコロコロコミックが担っているんだなーーー!!
このロゴを見ただけで、
「500円分くらい元を取ったな。間違いない」
そんな気分にさせられる。”コロコロ発”のゲームを遊べるってだけで妙に浮足立った気持ちになるのは、やっぱりこのメディアが作ってきた流行に踊りながら少年時代を過ごしてきたからなんだろうな。
……って、コロコロのロゴだけで1話目が終わってしまいそうなので、少々急ぐ。
画面にはこのゲームの主人公と思しき少年が現れて、俺に↓こんなことを言ったではないか。
ふむふむ。名前を付けるのね。
このへんはありがちな流れなのでテキトーにすっ飛ばそうと思ったところ……!
いきなりつぎの画面で「え!」と固まってしまったよ。
「名前の文字数で発音が変わる時もあるよ!」
は、発音……? そして右上にある”なまえをよぶ”のタグは……まさか!!
いつもの通り「かどまん」と入力すると……!
「か・ど・ま・ん♪」
合成音声が俺の名前を読み上げたぁぁぁああああ!!ww
そうなのである。
ゲームが始まるとすぐにわかるんだけど、『カブトクワガタ』は理外の”フルボイス”仕様なのだ。
それもハンパなフルボイスではなく、なんとなんと……!
「ハナス♪」
「ネル♪」
「カミン♪」
「セッテイ♪」
「デル♪」
左にあるメニューのリストも全部読み上げるのかよこの音声!!ww しかも、さらに踏み込んで……!
「ハナススピード ハヤイ♪ フツウ♪ オソイ♪」
「コエノオオキサ オオキイ♪ フツウ♪ チイサイ♪」
ここも読んでくれんの!!?(驚) どんだけおしゃべりなんだこのゲーム!!
でもこれ、すぐにわかったことなんだけど、コロコロが手掛けたゲームということで”全年齢対象”をひたすら意識していて、本当に”誰でも”遊べるように敷居を下げまくろうとしているからなんだな。これだけ徹底して読み上げてくれたら、まだ漢字や難しい文字が読めない低学年の子も安心して遊べるし。こういった配慮は、「いかにもコロコロコミックだな!!」と感心したわ。
とはいえ、俺の”かどまん”という名前をだな……!
公式設定(?)だと、「か→ど↑ま→ん→」と”ど”にアクセントがあるんだけど(「知らんがな」って話だろうがw)、『カブトクワガタ』の読み上げだと、
「か↑ど→ま→ん→」
こんな感じで、頭の”か”にアクセントがあるのが気になる……!!w
……ていうか、ついいろいろと突っ込みたくなるゲームなので、ぜんぜん話が進まねえ……w 早いところ『カブトクワガタ』の真髄のひとつである、
甲虫バトルまで進まないと!!!ww
今後はなるべく、小さい子でも理解できる簡単な表現と短いテキストを心掛けて書いていこうと思います^^;
続く!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『カブトクワガタ』公式ツイッター:
https://twitter.com/kabukuwa_info
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