デュエマ妄想構築録 vol.51-4 ~コンボパーツを探せ!ロココ・ラジオ!!~

By まつがん

 さて、前回は皆さんにカードの能力を予想してもらったわけだが、まずは正解を発表することとしよう。

 それが、こちらのカードだ!

▲「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」収録、《キユリのASMラジオ》

 3コスト以下限定とはいえ、山札から2体同時出しだと……?

 明らかに何かをやらかしそうな予感がする効果となっており、これは3コスト以下のクリーチャーのラインナップを見直す必要がありそうだ。

 さて、10月に発売する「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」に収録される新カード、《キユリのASMラジオ》。このカードを使ってどのようなデッキを組むべきか。

 それを考えるにあたっては、「《キユリのASMラジオ》で何を出すのがベストなのか?」が焦点となる。

 まずは「3コストクリーチャーの中で最も強いクリーチャー」を出すことについて考えてみよう。「3コストクリーチャーの中で最も強いクリーチャー」とは何か?

 これについては、現代デュエル・マスターズに慣れた者たちにとっては自明と言えるだろう。

▲「アルティメット・クロニクル・デッキ 2019 SSS!! 侵略デッドディザスター」収録、《天災 デドダム》
▲王来篇 第1弾「王星伝説超動」収録、《Disジルコン》

 《天災 デドダム》だ。デュエマやってる感が最も出るのは3ターン目に《天災 デドダム》を出しているときと相場は決まっている。少し前に《運命の選択》で《天災 デドダム》をサーチする動きが流行ったが、《キユリのASMラジオ》なら同じ4マナで《天災 デドダム》を一度に2体出せるかもしれないというのだから、セットで使わない理由がない。

 さらに《天災 デドダム》を引かないときのケアとして《Disジルコン》も欠かせない。《キユリのASMラジオ》で《天災 デドダム》と《Disジルコン》がめくれたら脳汁ボンバーオブザイヤー受賞である。

 だが冷静に考えてみると、別に《天災 デドダム》や《Disジルコン》を何体出そうとも、気持ちよくなれはすれどゲームに勝てるわけではない。

 となると《天災 デドダム》や《Disジルコン》で得たリソースを勝利に直接つながる何らかのギミックに変換しなければならないわけだが、ここで一つ問題が生じる。

 《キユリのASMラジオ》の特性上、そのギミックも3コスト以下のクリーチャーであった方が当然望ましいという問題だ。

 したがって「3コスト以下のクリーチャーだけで勝てるギミック」が求められることになる。だが、そんなギミックがはたして存在するのだろうか?

 私が導き出した答えは、これだ。

▲十王篇 第2弾「爆皇×爆誕 ダイナボルト!!!」(《ドラグ変怪》
▲「ローソン・レジェンダリーカード 第2弾」収録、《コマンダー・ラッキーロトファイブ》

 《ドラグ変怪》を並べて《コマンダー・ラッキーロトファイブ》を出したら勝てるのでは???🤔🤔🤔

 《ドラグ変怪》は相手の手札以外からクリーチャーが出るのを山札5枚削りによって間接的に咎める能力を持っている。ならば、《ドラグ変怪》を複数体並べた上で《コマンダー・ラッキーロトファイブ》で強制的に相手の山札からクリーチャーを踏み倒させれば、10枚以上の山札を一気に削ることができ、最終的に山札切れで勝利することができるのではないか。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ドラグ・ラジオ」だ!

 『ドラグ・ラジオ』

枚数
カード名
4 《ベイB セガーレ》
4 《桜風妖精ステップル》
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
4 《極楽鳥》
4 《コマンダー・ラッキーロトファイブ》
4 《天災 デドダム》
3 《Disジルコン》
4 《ドラグ変怪》
4 《父なる大地》
4 《キユリのASMラジオ》
1 《生命と大地と轟破の決断》

 

 だが、このコンセプトには重大な欠陥があった。

 《キユリのASMラジオ》で出したいカードを詰め込みすぎて受け要素がほぼ皆無な上に、《ドラグ変怪》を並べて《コマンダー・ラッキーロトファイブ》を出しても別に勝たないという身も蓋もない事実が明らかになってしまったのだ。

 そもそもデュエマは初期手札5枚とシールド5枚を除いた山札30枚からスタートする。ということはたとえ20枚削っても別にすぐには勝たないのであり、したがって《ドラグ変怪》2体を並べて《コマンダー・ラッキーロトファイブ》2体を出しても22枚計算だからまだ勝てないことになる。勝つ気ナサスギル・スキルである。

 かくして「3コスト以下のクリーチャーだけでゲームに勝つ」方向は頓挫した。

 だが、次に私は考えた。「3コスト以下のクリーチャーで《キユリのASMラジオ》を唱えられたら相互に補完しあって最強では?」と。

 そう、すなわち。

▲十王篇 第3弾「幻龍×凶襲 ゲンムエンペラー!!!」収録、《魔軸の鎖 カメカメン》

 《魔軸の鎖 カメカメン》で《キユリのASMラジオ》を唱えたら強そうなのでは???🤔🤔🤔

 「《魔軸の鎖 カメカメン》で《キユリのASMラジオ》を唱えられる」上に「《キユリのASMラジオ》で《魔軸の鎖 カメカメン》が出る」という相互補完性を持つカードは思いつく限りでは他に存在しないため、《魔軸の鎖 カメカメン》は《キユリのASMラジオ》の唯一無二の相棒と言っていい相性の良さを誇る。

 あとはこのシナジーを軸にした光自然の3コスト以下のクリーチャーを中心としたデッキを組むだけだ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「カメカメン・ラジオ」だ!

 『カメカメン・ラジオ』

枚数
カード名
4 《ベイB セガーレ》
4 《煌ノ裁徒 ダイヤモン星》
4 《若き大長老 アプル》
4 《葉鳴妖精ハキリ》
4 《幻緑の双月/母なる星域》
4 《魔軸の鎖 カメカメン》
4 《BIRIBIRIII・ビリー》
4 《五憐の精霊オソニス》
4 《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》
4 《キユリのASMラジオ》

 

 ただの弱そうな鬼羅.Starじゃねーか!!!😡😡😡

 相互補完という発想は悪くなかったが、必然的に付きまとう光自然という組み合わせ自体の弱さもあり、《「正義星帝」 <鬼羅.Star>》のカードパワーを借りざるをえなくなってしまう点がどうしても乗り越えられなかった。

 そしてこれ以後、私のデッキ作りは迷走の一途をたどることになる。

▲「転生編 第1弾」収録、《停滞の影タイム・トリッパー》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《影速 ザ・トリッパー》

 《停滞の影タイム・トリッパー》《影速 ザ・トリッパー》を《キユリのASMラジオ》で並べまくるコンセプトを考えたが、重ねる意味があまりにもなさすぎてお蔵入りとなった。

 『トリッパー・ラジオ』

枚数
カード名
4 《葉鳴妖精ハキリ》
4 《カンゴク入道》
4 《若き大長老 アプル》
4 《星空に浮かぶニンギョ》
4 《キタカゼマンA》
4 《停滞の影タイム・トリッパー》
4 《影速 ザ・トリッパー》
4 《ビシャモンス <ハンニバル.Star>》
4 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》
4 《キユリのASMラジオ》

 

▲覚醒編 第4弾「覚醒爆発」収録、《穿神兵ジェットドリル》
▲新4弾「誕ジョー!マスター・ドルスザク!!〜無月の魔凰〜」収録、《グングン☆マグネットマン》

 《穿神兵ジェットドリル》《グングン☆マグネットマン》を並べて《G.R.QX.》で毎ターンランデスするデッキも考えたが、相手に超GRがないと破綻するため没となった。

 こうしてデッキを作っているうちに、私は《キユリのASMラジオ》が抱える本質的な矛盾に気づきはじめていた。

▲超天篇 第3弾「零誕! 魔神おこせジョルネード1059!!」収録、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》

 それは、3コスト以下のクリーチャーを2体出すだけで勝てるなら、そのデッキは《瞬閃と疾駆と双撃の決断》が生まれた時点で既にバグっているというものだ。

 《キユリのASMラジオ》でできることは、《瞬閃と疾駆と双撃の決断》でも大体できる。すなわち《キユリのASMラジオ》によって新しいコンセプトが成立したと言い張るならば、それは《キユリのASMラジオ》にしかできないことによって実現されなければならない。

 《キユリのASMラジオ》にできて《瞬閃と疾駆と双撃の決断》にできないこと……それは、山札からのサーチを兼ねることだ。

 つまり、《キユリのASMラジオ》はコンボパーツが多いコンボにおいてこそ輝くのではないか。

 その答えとは、すなわち。

▲ドラゴン・サーガ 第1章「龍解ガイギンガ」収録、《アクア鳥人 ロココ》
▲不死鳥編 第4弾「超神龍雷撃」収録、《リップ・ウォッピー》

 瞬殺コンボのパーツを揃えればいいのでは???🤔🤔🤔

 《アクア鳥人 ロココ》《リップ・ウォッピー》《夢幻なる零龍》の3枚が揃えば、山札を好きな枚数引くことができる。《アクア鳥人 ロココ》でドラゴンは死亡時に手札に戻るようになるところ、《夢幻なる零龍》は0コストかつ出た瞬間に死亡するので無限に出しなおすことができ、そこに《リップ・ウォッピー》がいればドラゴン登場時のドローを無限に重ねられるからだ。

 そしてこれらはすべて3コスト以下のクリーチャーなので、どれか1枚を引いているなら《キユリのASMラジオ》で残りの2種を揃えにいくことが可能となるのだ。

▲「最強戦略!! ドラリンパック」収録、《エンドレス・フローズン・カーニバル》
▲「20周年超感謝メモリアルパック 魂の章 名場面BEST」収録、《神の試練》

 山札を引ききった後の勝ち手段としては、まずデッキ内に10枚程度のスノーフェアリーを入れておけば《エンドレス・フローズン・カーニバル》を唱えることができる。

 これにより実質的な追加ターンを獲得したのち、続けて《神の試練》を唱えて追加ターン獲得と山札切れによる敗北をケアする。

▲「20周年超感謝メモリアルパック 究極の章 デュエキングMAX」収録、《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》
▲「弩闘×十王 超ファイナルウォーズ!!!」収録、《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》

 あとは《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》を唱えて《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》を捨てて山札を回復した状態で再び《夢幻なる零龍》で山札を引ききり、《エンドレス・フローズン・カーニバル》を唱えれば、相手は毎ターン「ターン開始時のドロー」「マナチャージ」「1コストのカードの使用」しかできない状態になるので、そのまま相手の山札切れまで同様の手順を繰り返せば勝利という寸法だ。

 というわけで、できあがったのがこちらの「ロココ・ラジオ」だ!

 『ロココ・ラジオ』

枚数
カード名
4 《夢幻なる零龍》
4 《天体妖精エスメル/「お茶はいかがですか?」》
2 《再生妖精スズラン》
4 《眼鏡妖精コモリ》
4 《アクア鳥人 ロココ》
4 《リップ・ウォッピー》
2 《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》
1 《セイレーン・コンチェルト》
4 《地龍神の魔陣》
1 《ハイパー・ウェーブ》
4 《キユリのASMラジオ》
2 《神の試練》
2 《【今すぐ】うわっ…相手の攻撃止めすぎ…?【クリック】》
2 《エンドレス・フローズン・カーニバル》

 

 このデッキが実際にどんな動きをするのか気になる方は、以下の動画で確かめてみて欲しい。

 さて、いかがだっただろうか。

 《キユリのASMラジオ》が収録されている「黄金戦略!!デュエキングMAX 2022」は、10月に発売予定だ。

 また、コロコロコミック11月号ではデュエル・マスターズの原作コミックが読めるほか、デュエマに関する激アツな最新情報も色々と掲載されているので、ぜひとも手に取ってみていただきたい。

 ではまた次回!


ライター:まつがん                      
 
フリーライター。クソデッキビルダー。        
 
論理的な発想でカード同士にシナジーを見出すのだが、途中で飛躍して明後日の方向に行くことを得意とする。  
 
オリジナルデッキでメタゲームに風穴を開けるべく日夜チャレンジを続けている(が、上記のような理由で大体失敗する)。

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次回更新は10/14(金)更新!!