トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×ルオカ団長 第1回】
ファン待望の『スプラトゥーン3』が遂に発売!
今回は『3』を取り上げる最初の回ということで、トッププレイヤーの中でも理論派で知られるルオカ団長選手をお招き。
あとばる選手とともに『3』をプレイしての卒直な感想や、『2』からの立ち回りの変化などについてたっぷり語ってもらったぞ。
『2』をやり尽くしたふたりが考える、『3』で勝つための思考術とは? さっそく対談スタートだ!
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
Twitter:https://twitter.com/Atobaru_ika
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UChczP5QLI27iCB-pEfz2eYA
OPENREC.tv:https://www.openrec.tv/user/atobaru_ikaルオカ団長
「第5回スプラトゥーン甲子園2020 九州地区大会DAY2」を優勝した「〆る者達」のリーダー。『スプラトゥーン』のプレーヤーの中でも屈指の理論派として知られ、ステージやルールに合わせた柔軟な戦略でチームを勝利に導く。また、「第4回スプラトゥーン甲子園2019 近畿地区大会」では、自身が監督を務めた「ぽぽじろう学園高等部3年A組」が優勝するなど、選手としてだけでなく指導者としても優れた手腕を発揮。まさにナワバリバトルの勝ち方を知り尽くしたプレーヤーといえる。
Twitter:https://twitter.com/ruokadancho
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『3』はより個人のスキルが問われるゲーム性に!?
――待望の『3』が発売されました。まずは実際にプレイしてみての感想を教えてください。
ルオカ団長:『1』のよかったところと『2』のよかったところをうまく組み合わせた、ユーザーの意見をすごく反映した作品になっているなというのが最初の印象ですね。
あとばる:『2』から『1』に寄ったというような感想が一番しっくりくるかな。おもにゲームスピードは『1』に寄っていて、スペシャルは『2』って感じですね。
――ゲームスピードが『1』に寄ったというのは具体的にどういうことなんですか?
あとばる:『1』もアプデごとにいろんな戦法が流行ったんですけど、最終的には復活時間短縮のギアをいっぱい積むのがセオリーという環境に収まったんですね。
復活時間が短いからガンガン攻めて、敵を倒しても倒しても詰めてくるような、個人の技量で殴り合うアクティブな試合展開がすごく多かった。
それで、今回の『3』もステージの構造とエナジースタンドの復活時間短縮によって、『1』に近いスピード感の試合が多くみられるようになっているなと。
ルオカ団長:『3』はステージが全体的に縦長だったりするので、後衛の味方の位置に飛びやすくなっているのかなと感じますね。なので、前線がダウンしても味方の後衛に飛んで、すぐ前線復帰をしやすくて、これも倒しても倒しても相手が詰めてくるという、『1』に近いゲームスピードの要因のひとつなのかなという気もしています。
――確かに相手の前線がすぐに復帰してきて、なかなかこちらの前線を上げられないという展開が多い印象があります。
あとばる:そうですね。抑え側の見える範囲が広いというか、打開側のルートを全部見ることができる上に、『3』のスペシャルがグレートバリアとかポップソナーとか、固めをもっと固くするスペシャルが多くなっているので。打開側からするとメインで敵を倒すことができないときつい環境になっている気がします。
――特にエリアだと抑え側が強くて、打開にすごく時間がかかる印象です。
ルオカ団長:それはわかりますね。やっぱりステージが縦長なので、打開側がエリアに辿り着くまでに時間がかかってしまうのと、今回のエリアって全体的に『2』よりもエリアの範囲が広くなっている印象があって、人数不利がモロに響くので、正直、抑え側の方が勝ちやすいという感覚はすごくわかりますね。
――スペシャルに関してはどうですか? 個人的に『3』のスペシャルは扱いが難しいものが多いと感じているんですが……。
ルオカ団長:そうですね。『2』のスペシャルは盤面を取るものが多かったのに対して、『3』のスペシャルはかなりキルをとることに寄っているというか、とりあえず使ったからと言って状況が好転するってわけじゃなくて、ちゃんとそのスペシャルを当てないといけなかったり、その後にどうするかが大事になってくるものの方が多い。
その意味では、全体的にちょっとスペシャルの扱いは難しくはなったかもしれないですね。
あとばる:どのスペシャルもパワーはあるんですよね。でも、「あるんですよね」というところにやっぱり難しさがあって、要は効果的に吐かないと使えない仕様になっている。なので、『2』のマルチミサイルやインクアーマーあたりのとりあえず吐いとけ感があるスペシャルは減りましたね。
ルオカ団長:そうですね。それは間違いないと思う。
――スキルを問われるスペシャルが多いですよね。
あとばる:スキル、問われますね。
――その上で、バンカラマッチの4ルール(エリア、ヤグラ、ホコ、アサリ)の立ち回りは、『2』と『3』ではどういった変化が必要ですか?
あとばる:どのルールも立ち回りは変えた方がいいような気はしているんですが、エリアに関していうと、さっき団長さんが言っていたみたいに、各ステージのエリアがまずでかい。それでいてなんかエリア判定がシビアで、取られている状態からの塗り返しがすごく難しいんですよ。
カウントを止めることまではできるんですけど、取り返すってのはかなり塗らないといけなくて、相手にわかばシューターが1枚いるだけでエリアが取れないとかがけっこうあるので。それを考えると打開に関してはキルで相手を潰して、人数有利を作っていかないと勝てないなという印象を受けましたね。
ただ、さっき言ったみたいに抑えをもっと強くするスペシャルが多くて、エリアを抑えている側がガチガチに守れるので正直、抑えた者勝ちになりやすいです。
――そうなると先手を取ったチームが圧倒的に有利?
あとばる:圧倒的に有利ですね。スパッタリーとかがいると永遠にビーコンで飛んできて、キルを取ってもキルを取ってもというパターンになるので、これは多分、ステージが長いというのが影響しているんですけど、けっこうビーコンがサブの中でも重要性が高くなったという印象ですね。
ルオカ団長:めっちゃわかります。打開側からすると人数有利を作らないと打開できないのに対し、抑え側は人数不利を作らなければいいという考え方になりますし、前線もかなり高く敷いておけば一人くらいやられても全然大丈夫だったりするので、打開にはかなりスキルが求められるなという印象です。
たとえば、『2』の頃はカウント打開ってのがけっこうあったんですけど。
――完全に打開はできなくても一瞬エリアだけ取って、相手にペナルティカウントをつけるみたいな?
ルオカ団長:そうです。それがたぶん『3』では、かなり減るんじゃないかと。
あとばる:カウント打開できないですね。
――それは全体的に『2』のときよりも塗れるスペシャルがないことが影響している?
ルオカ団長:スペシャルのボムピッチャーがないというのもありますし、やっぱりエリアが大きくて『2』ならキューバンボムひとつでカウントを止められていたのが『3』では止められなくなった。だから試合の展開が少し一方的になりやすくなったかなという印象ですね。
――そうなると、ウルトラショットのような、一撃で相手を倒せるスペシャルで人数有利をしっかり作れるかが打開のカギになる?
あとばる:そうですね。ウルトラショットとか、最近はショクワンダーもけっこう頼れるなと思っていて。
ルオカ団長:わかります。『3』って思った以上に長射程が強いですよね。最初、僕自身の中ではすごく評価が低かったんですけど、なんかみんなの理解が上がれば上がるほど長射程ゲームに感じるシーンが多くて。だから、ショクワンダーのような長射程に代われるなにかがないとけっこうきつい。
あとばる:そうですね。相手のポジションをどかせるなにか。現状だとマルチミサイルがそんなにポジションをどかすって感じでもなくなっちゃったので、メガホンレーザーやトリプルトルネード、ショクワンダーといった相手を動かせるどかすスペシャルが味方にいると嬉しいかなという。
ルオカ団長:そうですね。現状、チャージャーとスクリュースロッシャーが強いので、それ対して強いスペシャルを並べたりしていくのが編成の基本的な考え方なんですけど、まあまだ発売して間もないのでそこまでしっかりとしたことは言えないんですけど。
――確かにスクリュースロッシャーも評価が高いですよね。
あとばる:戦略的な部分でいうと、ナイスダマとダンサンボムの組み合わせが強いというのがありますね。タンサンボムでエリアを維持した結果、その塗りでスペシャルが溜まって、そのスペシャルがナイスダマというので、エリア管理がすごくやりやすい。
『2』のときはタンサンボム持ちのスクスロは、スペシャルがスーパーチャクチだったので、なかなか厳しいものがあったんですけど。
ルオカ団長:メインだけで強かったブキですからね。なのにスペシャルまでかなり強いものをつけてもらったので、もちろん強いですよね。
――なるほど。それで評価が高くなっているんですね。あと、高評価でいえばスペシャルのエナジースタンドはどうですか? 先行体験版の前夜祭ではかなり強いと話題になりましたけど……
あとばる:復活時間短縮や移動速度アップはもちろんなんですけど、通常は倒されると減るはずのスペシャルゲージが減らないのがやばいですね。
――ただ、前夜祭での評価が高かったので、もっとエナジースタンドばかりの環境になるかと思ったら案外そうでもないですよね。
ルオカ団長:わずか1日、2日でゲーム理解度がみんな進んだなって感じですね。
あとばる:味方にいると嬉しいんですけど、自分じゃ持ちたくないってのがありますね。結局、バンカラマッチだと基本は自分で全部なんとかしないといけないのが前提で、かつキルを取らなきゃいけないゲーム性になったことで、スペシャルがサポート寄りだと一気にパワーダウンしちゃうというか。
ルオカ団長:エナジースタンドは、けっこう編成を選ぶスペシャルという印象がありますね。どんな編成に入れても強いわけではなくて、マニューバーやシューター系の機動力が速いのが2枚以上いるのであればいいんですけど、ちょっとどっしりした編成だとあまり合わないのかなと。
――なるほど。続いてヤグラはどうですか?
あとばる:ヤグラもステージ構造上、攻めている側が強いですね。ヤグラは進行ルートが決まっている分、防衛側の動きも読みやすくて、そこで攻め側がグレートバリアとかカニタンクを吐くだけで相手は詰めてこられないんですよね。
ルオカ団長:ただ、個人的にヤグラは『3』に合っているのかなと思っていて。僕は『2』より『3』のヤグラの方が好きなんですけど。
あとばる:そうですね。やることをやったらちゃんとカウントが進むルールにはなりましたね。『2』はハイパープレッサーとマルチミサイルでやることをやってもカウントを止められちゃって「うわ、ハイプレ、強え!」ってなるだけだったんですけど。
ルオカ団長:そうなんですよね。ちゃんと前でキルを取って、ちゃんとタイミングを見てスペシャルを吐いてということをすれば、しっかりカウントが進むという。要は理不尽さがちょっとなくなったかなという印象があって、ヤグラはむしろ良ゲーになったという感想ですね。
――ホコはいかがですか? 『2』と比べて、新たにカンモンが設置されるという大きな変化がありましたけど。
あとばる:カンモンができたことで、初動でやられて一気にカウントを1桁まで持っていかれるってのがなくなりましたし、大抵はカンモンで相手のホコ持ちを落とせるので、そこで人数差が逆転してターンが移るのもいいですね。
あと、ホコ持ちがイカロールをできるようになったところも大きい変化だとは思うんですけど、立ち回りしての大まかな部分についていうと、体感は『2』とそんなに変わっていないかなという印象ですね。
ルオカ団長:僕もあとばるさんと同意見で、変わったのは変わったんですけど、基本的なプレイングの部分はあまり変わっていない気がしますね。
ただ、「このカウント差はもうひっくり返せないな」みたいなことは減ったのかなと思います。たとえば『2』だったら、延長戦でどうにか逆転を狙おうとしても「絶対にハイパープレッサーが飛んでくるから無理だ」みたいな絶望感を感じたりすることもあったんですけど、『3』の場合はそれがないので、「あそこさえ落とせばまだある」と感じられるゲームにはなりましたね。
味方のスペシャルもグレートバリアとかキューインキといった、ホコ持ちを守りやすいスペシャルが増えたことで、強引に押し込んで逆転という展開も狙いやすくなっていますし、守る側も「ハイプレあるからそれで止められるでしょ」という甘えが許されなくなったので、最後まで気が抜けないゲーム性になったなという印象ですね。
――アサリはどうですか? ガチアサリを作るのに必要な数が『2』の10個から8個に減ったというのが一番大きな変化ですが。
あとばる:アサリの数が変わったことによって、大きく変わったなってのはそんなに感じはないんですけど、やっぱりバブルランチャーとイカスフィアがなくなったことで試合展開に関わらず、膠着状態が多くなった印象ですね。
お互いに点が入らない展開が5分続くみたいなのもザラに増えてきましたし、『2』ではわりとあった1回のゴールで100点全部入っちゃうというのも減ったというか、これについては自分は今のところ1度も経験がないですね。
ルオカ団長:確かに、1回のゴールからノックアウトは自分も見たことないですね。
あとばる:たとえるなら、『2』のアサリはバスケットボールだったけど、『3』はサッカーになったという印象ですね。互いにぽこぽこ入れあって最終的な点数というよりは、1回のゴール入れ重視みたいな。
――スペシャルで仕掛けて決定機は作るけど、入るかどうかはわからないという感じですね。
あとばる:そうですね。スペシャルで仕掛けるものの、結局ウルトラショットとか以外はメインでのキルが入らないとゴール回りの敵をどかせないから、ずっとそれを狙い続けて睨み合うというようなイメージですね。抑えというか、防衛が固いんですよね。
長距離ブキが強いのもそうですし、グレートバリアだとかキューインキもあるので、個人的には一番集中力がいるルールになったなというか、5分間、気を抜けないですね。
ルオカ団長:バスケットからサッカーというのはすごくしっくりきますね。やっぱり1点が重いからこそ、入れるときにしっかり入れておかないと、あとあと厳しくなるなあと。
あと、『2』と違って、カウンターがそこまで刺さらないんですよね。『2』のときはゴールを決めたあとに相手からのカウンターがバンバン飛んでくるゲームだったので、単独でガチアサリを1個だけ入れるくらいなら、むしろ入れない方がいいという判断もけっこうあったんですけど、『3』はそういう場面がちょっとなくなったので、しっかりゴールできるときにゴールをしておいた方がいいゲームにはなったかなと思いますね。
・エリアは抑え側、ヤグラは攻め側が有利!
・ホコは最後まで気の抜けないゲーム性に!
・アサリは1回のゴールが大きく意味を持つ!
次回も引き続きふたりの対談をお届け。新ブキや新スペシャルについてのふたりの評価を聞いていくぞ!