見落としてはならない
前回、ストームヴィル城の主にして最初のデミゴッド、接ぎ木のゴドリックを成敗した様子を詳しく記事にした。
ふつうのゲームだったら、
「このエリアのボスは討伐した!! さあつぎの土地に進もう!!」
ってことになると思うんだけど、そこは作り込み度があきれるくらいスゴいフロムゲーのこと。このストームヴィル城も……じつはゴドリックは物語を進展させるためのフラグに過ぎず、探索ポイントは彼の存在に関係なくまだまだたくさん散りばめられていたのである!
これ、『エルデンリング』の世界における不文律みたいなものなんだけど、武具に代表されるお宝や重要なアイテムは、すべてがすべてボスに紐づいているわけではなく、“キチンと探索した者”にのみもたらされるモノも多数存在する。それを回収しなかったとしてもストーリーは問題なく進めることができてしまうので、自分でしっかりと注意していないと無数の取りこぼしをすることになるんだよねぇ……。
俺はべつに、アイテムコンプに命を懸ける完璧主義者ではないんだけど、後になって、
「あそこで隈なく散策していたら……こんな凄まじい武器を手に入れることができていたんだ!!!><」
と知って悶絶することだけは避けたいと思っている。要するに……俺だけ何も知らずにヒーヒー言っているところで、みんながみんな、
「これを入手してないヤツ、もうマゾとしか思えないよなww こんなに楽に進めるようになるのにさぁwww」
↑こんなことを言ってほくそ笑んでいるのが許せないのだ!!ww 俺もできるだけ楽をしてえよぉぉぉおおお!!!www
このように思っているわけです。
老後に安定した生活を送るために、苦労は身体が動く若いうちになるべく片付けてしまいたいと……! そんなことを思って、俺はボス撃破後の砦や城も、できうる限り散策しようとしているわけだ。
で、ストームヴィル城なんだけどね。
しらみつぶしに歩かなくても、すでにいくつか、見て見ぬフリをして通り過ぎてきた箇所があったんだよ……。
たとえば……↓このへん!!
重要消耗アイテムのひとつである“石剣の鍵”を拾ったこの下には……!
そうそう!! ゴドリックにかまけていて、存在を忘れてた!! “接ぎ木の貴公子”だよコイツ!!!
この接ぎ木の貴公子は、前述の“倒さなくてもストーリーを進める上では問題ない”という中ボスのひとりだ。そのくせ強く、相手をするだけで多大な時間を取られてしまうんだけど……この機会を逃すと二度とストームヴィル城には近寄らない気がしたので(苦笑)、かな~~~り無理して戦ってくれたわ。
その結果……!
よし!!! 接ぎ木の貴公子、(10回くらい「YOU DIED」になったけど)討伐成功!!ww これでもう、この気持ち悪い場所に来なくてもよくなったぞ!!www
でも……!
ストームヴィル城はまだまだ、余力を残しているようだった。
マップを見つつ、行けるところはすべて行ったと思ったんだけど……!
「さすがに、もう見るべきところはないかな」
なんて考えた矢先に……!
ちょ……。これは明らかに……地下へといざなっている橋と足場だよな……!
そう言えば以前、ストームヴィル城の階上から足を踏み外して落下しちゃったとき、見慣れない地下の空間に叩きつけられて「YOU DIED」になったことがあるような……! もしかしてあそこに、生身の身体で行くことができるっていうのかな……?
……行けちゃった(((( ;゚Д゚)))
やっぱり、この世界の城とか砦には、こういった隠し空間的なダンジョンが必ずあると思っていたほうがよさそうだわ……。
そしてこれまでの経験上、その最奥で待っているのは、“表の”ボスに勝るとも劣らない戦闘力を秘めた裏ボスのはず……。きっとこの地下のダンジョンも、たどり着いた先では……!
イヤな予感に身体を貫かれながらも、ここまで来たからには引くことができなかったので、奥へ、奥へと進んでいく。
そして--。
うわぁ……w
こんなだだっ広い空間……巨大なボス用に用意されたに決まってるじゃん!!!www これだけのお膳立てをしておきながら、出てくるのが毒ナメクジなんてこと、あるわけがないんだし!!!
「降りたら、ボスを倒すまで出られなそうだなぁ……。嫌だなぁ……><」
強烈なストレスによる抜け毛を覚えながらも、広い空間の奥地へと進もうとした。
しかし……そのとき!!!
!!?!?!?! でっけえ毒ナメクジでたぁぁぁぁあああああ!!!www
次回、ストームヴィル城編、完結!
大塚 角満
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。
『ELDEN RING』公式サイト:
https://www.eldenring.jp/
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