かつて描いたオマージュ作品『プロレスマン』『ケツ肛門』!? 『ウソツキ!ゴクオーくん』吉もと誠×『コロッケ!』樫本学ヴ SP対談~3~

――参考にされたまんが家さんはいらっしゃいますか?
吉もと:冨樫義博先生(代表作『HUNTERXHUNTER』など)が好きで、今でもついその感じが絵に出る時があります。
 
樫本:僕だって、最初は完全に藤子・F・不二雄先生の絵でした。そこから鳥山明先生(代表作『ドラゴンボール』など)へ。みんなそんな感じですよね。
 


吉もと:もともとジャンプ志望だったこともあって、気を抜くとキャラクターの等身を高く描いちゃうんですよ。そういうときは、まず脳内で”のび太”を想像する。”のび太”の手や足はこれくらいの長さだったと。そうやって軌道修正しています。
 
樫本:そういうのは、ありますね。僕も連載を最初からみると、段々絵が変わるタイプなので。
 
吉もと:そうですか? 『コロッケ!』は終始違和感なかった気がします。
 
樫本:あの時代まではいくと、なんとなく自分の絵が固まってきたからかな。
 
吉もと:うう、そこに行き着きたい……!
 


▲『コロッケ!』第1話より抜粋! 連載当初から作品の絵が固まっている。

 
樫本:僕は19歳で賞を取ってからは、コロコロの誌面でまんがをいっぱい描くチャンスがありました。結果、それが練習にもなって身になったという感じですね。
 
吉もと:これはあんまり参考にならないと思いますが、僕は追い詰められないと努力しないタイプなんで。
 
樫本:それは僕も一緒ですね。
 
吉もと:僕は『ゴクオーくん』が始まってから絵が上達したと思っています。だから、担当編集さんなど周りからけしかけられているほうが上達するのかなと思っています。
 


▲『ウソツキ!ゴクオーくん』の第1巻と第17巻を比較!

 
――新人の頃は、なにをモチベーションに執筆されていたんですか?
吉もと:ここだけの話ですが、どうしても認められたいと思っていたので、ある雑誌のイラストコーナーに出していたんですよ。名前を変えて。
 
樫本:へ~。意外。
 
吉もと:僕は、ある雑誌の読者投稿コーナーに毎号イラストを描いて送っていたんですよ。5回中4回載るくらい掲載率が高くて。そういうので自信を保っていました。ほかにも、等身が高い作品が描きたいから、自分の描きたいものを描いたオリジナルの本を作りましたね。
 
樫本:僕の場合は一緒にまんがを描いていた同級生がいてね。合作で作品を描いていました。
 
吉もと:それは初めて聞きました……すごい。
 
樫本:モチベーションを保つというか、自分に酔っていたんでしょうね。それが段々と本気になって。
 
吉もと:互いにライバル心を持って描かれていたんですか?
 
樫本:そうですね。ちなみに、お互いの絵は全然テイストが違いました。
 
吉もと:え、キャラ分けはどうしていたんですか?
 
樫本:酷い話なんだけど、最初はページごとに分けてね。ページをめくるごとにテイストが全然違うの(笑)。
 
吉もと:さすがにそうなりますよね(笑)。
 
樫本:それから、キャラクターごとに担当することにして、段々と合作のやり方を掴んでいった感じです。ちなみに、当時からペンネームに「ヴ」の文字を使っていました。
 
吉もと:それを学校行きつつ、描いていたんですもんね。
 
樫本:そうですね。
 
吉もと:そこから違うな……やっぱりすごい。
 
樫本:今だから言えますが、実は僕もジャンプに応募していた時期があったんです。フレッシュジャンプ賞だったかな。
 
吉もと:そうなんですね! よかった、僕だけじゃなかった。
 
樫本:とにかく毎月応募しようという時期でね。
 
吉もと:……やっぱり僕と同じじゃなかった。
 

次回は2/9(土)更新!!

 

プロフィール

吉もと誠 先生
千葉県出身。4月6日生まれ。「第58回 新人コミック大賞」児童部門にて『ユメチャ!』で佳作を受賞。代表作『ウソツキ!ゴクオーくん』は、「第61回小学館漫画賞(児童部門)」受賞。
 


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樫本学ヴ 先生
愛媛県出身。8月12日生まれ。昭和61年『G筆まん吉』で「第12回 藤子不二雄賞」受賞。代表作は『がってん太助』『嵐のJボーイ ぶっとび闘人』『やったね!ラモズくん』『学級王ヤマザキ』『コロッケ!』『ぼくはガリレオ』『キメルのYOYO!』『ぷにゅぷにゅ勇者 ミャメミャメ』『手裏拳トンマ』ほか。『コロッケ!』にて「第48回小学館漫画賞(児童部門)」受賞。
 


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