トッププレイヤー イカすガチ対談マッチ!!
【あとばる×Kotaji^_^ 第2回】
Kotaji選手との対談第2回目! 今回はスプラマニューバー系を扱う際のポイントと、視野の広さについてふたりに語ってもらったぞ。
上位プレイヤーはなぜあれほど、すばやく敵の位置を把握できているのか? その秘訣を探っていこう!
あとばる
驚異的なエイム力を持つカリスマプレーヤー。「第2回スプラトゥーン甲子園」では、不利な状況から相手を次々と倒す神がかり的なプレーを連発し、優勝に大きく貢献。H3リールガンの名手としても知られ、彼の影響でH3リールガンを使い始めたプレーヤーも多いとか。おもな実績は「第2回スプラトゥーン甲子園」優勝、「第4回スプラトゥ-ン甲子園オンライン代表決定トーナメント」優勝など。チーム・よしもとゲーミング カラマリ所属。
Twitter:https://twitter.com/Atobaru_ika
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UChczP5QLI27iCB-pEfz2eYA
OPENREC.tv:https://www.openrec.tv/user/atobaru_ikaKotaji^_^
最高Xパワー3000超えを達成した、数少ないプレイヤーのひとり。スプラマニューバー系とN-ZAP85をメインで使用し、ハイレベルなプレイヤーが集まる数々の大会でも優秀な成績を収めるなど、実力はもちろん世界最上位クラス。エイムやキャラコンはもちろん、状況判断の的確さと駆け引きの上手さが抜群で、「たとえキルをとらなくても相手を抑え込む」というクレバーなプレイを得意とする。その「負け筋を作らない」安定した立ち回りは非常に参考になる部分が多く、ぜひフォローしておきたいプレイヤーのひとりだ。
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上手いプレイヤーは情報から予測を立てている?
――マニューバー系は無印、コラボ、ベッチューと3つありますが、使い分けはどうしていますか?
Kotaji:基本的にはステージとルールで決めています。ただ、ヤグラとホコに関しては、ジェットパックが非常に強いのと、カーリングが刺さったりすることも多いので大体マニューバーコラボを使っていますね。
――必ず積んでいるというギアはありますか?
Kotaji:必須ギアはないですね。インクもきつくないですし、ギアは個人の好みでいいんじゃないかなと。ただ、曝減はマニューバーに限らずだいたい付けているので、強いていえばそれくらいですかね。
――前線を上げる場面ではどんなことを意識していますか?
Kotaji:個人的に前線を上げる方法って、塗りで押すか、キルで押すか、スペシャルで押すかの3つがあると思っているんですけど、マニューバーは射程も短いですし、塗りもそんなに強くないので、塗りで前線を上げることは基本的には不可能だと考えているんですね。そうなると、スペシャルかキルで前線を上げることになるんですけど、特にキルに関してはセンプクとかを駆使して確実に1キルを入れたあと、自分は退いてやられないようにして人数有利を作る形にして、そこから前線を上げることを意識しています。
――やっぱり、キルがひとつ大きなポイントになってくるんですね。
Kotaji:そうですね。マニューバーを持っているからにはキルは必須ですね。
――キルを狙う際の対面ではどんなことを意識していますか?
Kotaji:相手のブキの射程がわかっていないときついと思うんですよね。たとえば、ボトルガイザーって意外と射程が長いじゃないですか。その最大射程で戦っていても絶対に勝てないし、スライドで2回詰めても届かないとかもわりとあるので、そういう場合はもちろん退かないといけない。あと、ブラスターは爆風の範囲をわかった上で、「ここでスライドで横に逃げたとしてもやられるから、これはもう前にスライドして詰めるしかない」とかを意識しなきゃダメなので、“やられない立ち回り”をするためにも各ブキの射程を全部理解するのは必須ですね。
――なるほど。それは頑張って覚えていくしかないってことですよね?
Kotaji:そうですね。僕自身は射程を把握するために試しうちで全ブキを持ったりとかしてましたね。
――その上でどう動くかってのを覚えていかないといけない。
Kotaji:そうですね。もちろん、試合中はいちいち相手のブキはボトルだからここは2回スライドしたら勝てるよなとか、そんなことは考えている時間はないので、そこは経験を積んで感覚で覚えるしかないです。
――あと、上手い人のプレイを見ていると「なんでそこにいるのに気づいているの」とか「なんでそこが見えているの」みたいなのがあるんですけど、視野を広く持つためにはどんなことを意識すべきですか?
Kotaji:確かに自分でも視野が広いなってのは思うんですけど、視野を広くするためになにかをしたというわけではないんですよね。逆にいうと、視野を広げることを意識するんじゃなくて、逆に意識を無くすことで視野が広がるのかなとは思っていて。
たとえば、ずっと対面を意識していたらそれは周りは見えないですし、「エリアを塗らないと」とエリアをずっと見ていても周りは見えないですよね。なので、なにかひとつのことに意識を集中しすぎないように気を付けることで、結果的にその他の部分に気づけるようになるのかなとは思いますね。
――あとばる選手はどうですか?
あとばる:視野の広い人って、画面全体からきっちり情報が取れているというよりは、最低限の情報を取って予測できていることが結果的に視野の広さにつながっているのかなとは思っていて。
たとえば、その試合でスプラッシュボムを持っているのが相手のシューター1枚だけという状況のときに、敵の姿は見えていないけど、スプラッシュボムが見えたから「あの種類のシューターがあそこにいるんだな」みたいな情報の取り方ができていて、そこから相手の動きを予測している。
一方、視野の狭い人って、敵味方のサブとスペシャルを把握していないというか、そういう情報の取り方をあまりしてないと思うんですよ。
あとばる:あとは、スペシャルがわかっていると試合の展開が組み立てやすくて、たとえばヤグラとホコってハイパープレッサーが強力なスペシャルじゃないですか。そのスペシャルを持っているブキを把握しておくことが、試合の流れを掴む上で大事になってくるんですね。
上手いプレイヤーはそういう情報を当たり前のように取得してくるし、こういう展開になると相手がどう動くというのはみんなわかっている。見えていない敵がさも見えているように動けるのはそういう情報の取り方の差なのかなとは感じます。
――単に見えているだけじゃなく相手の思考や展開を読む能力も視野の広さにつながっているんですね。
あとばる:視野が広いってのが、単純に物理的なものじゃないんだろうなとは思うんですよ。本当に画面全体を綺麗に見ていて、ちょっとの情報でも取っている人はいると思うんですけど、そういう方向だけじゃなくて、ある程度、頭の中でやれる、画面内の情報だけじゃ完結しないところで見えているのかなと。
――そのあたりの展開の予測というのは、経験値でわかっている感じですか?
あとばる:ある程度はパターン化されていて、まあパターン化と言っても本当に数万通りとかのパターンなんだと思うんですけど、その中でできる限り早く最善策を取ってくるのがトップ層のプレイヤーなのかなと。もちろん、試合中はじっくり考えている暇はないので、考えているんだけど、考えていないみたいな。ある種、反射に近い結論の出し方をしている感じだと思いますね。
――ほとんど超能力じゃないですか!
あとばる:でも、『スプラトゥーン』はたぶんそれが正解だと思いますね。あとから全部説明はできるんだけど、その瞬間は経験則から出る反射みたいな。Kotajiさんもそうですよね? 試合中は考えているけど、考えていないみたいな。
Kotaji:そうですね。たまにDMで「ここはどういう立ち回りをしていたんですか?」という質問がくることがあって、そこで一応説明はできるんですけど、試合中は無意識でやっていることが多いですね。
――あとから見ると、こう動いていた根拠というのはちゃんとあるという。Kotaji選手は自分のプレイを録画してあとで見返して分析したりとかもけっこうしているんですか?
Kotaji:いまは機材がないのでできていないんですけど、以前は自分で見返すためにYouTubeに投稿していました。結果的にそのあとXパワー3000行きましたし、けっこう見直すのはよかったかなと思います。
・各ブキの射程を把握しておくことで、やられない立ち回りができる!
・ひとつのことに意識を集中しすぎないことも大事!
・情報から相手の動きを予測することが視野の広さにつながる!
次回も引き続きふたりの対談をお届け。kotaji選手のもうひとつのメインブキである、N-ZAP85の立ち回りについて聞いていくぞ。