コロコロオンラインにて、カプコンのスマートフォン向けアプリ『ロックマンX DiVE』の開発者インタビューを実施! 日本版リリースまでの経緯や、ユニークなキャラクターたちの実装秘話、今後の展開などを、本作のプロデューサー・橋本賢一さんに聞いてみたぞ!!
コロコロオンラインが『ロックマンX DiVE』のプロデューサーにインタビュー!!
現在好評配信中のスマートフォン向けアプリ『ロックマンX DiVE』は、『ロックマンX』のifの世界を描く横スクロールアクションゲーム。原作のスピード感あふれる操作性を忠実に再現したアクションや、主人公たちだけでなく、過去のナビゲーターやボスもプレイアブルキャラクターとして使用できるのが見どころだ。
ストーリーは、様々なゲームデータが保存されている電脳世界「ディープログ」が舞台。原因不明のバグによりメチャクチャになってしまった『ロックマンX』の世界をもとに戻すため、ナビゲーターの「リコ」とともにゲームデータの世界を冒険することになる。
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もともとは、2020年3月にカプコン台湾より海外版(アジア版)が先行配信されており、2020年10月26日に待望の日本版がリリースされた本作。現在は、大人気シリーズ『ロックマン エグゼ』とのコラボイベントが開催中だ。本作の電脳世界「ディープログ」にロックマンやブルース、フォルテなどお馴染みのキャラクターたちが登場しているぞ!!
さて今回、コロコロオンラインが、『ロックマン エグゼ』の参戦などさまざまな盛り上がりを魅せている『ロックマンX DiVE』日本版のプロデュ―サー・橋本賢一さんへインタビュー! 今だからこそ聞けるリリース後の反響やプロジェクト発案の経緯、ユニークなキャラクターたちの開発秘話など、本作の気になる情報を聞いてみたぞ!
プロフィール概要
橋本賢一(はしもと けんいち)
株式会社カプコン所属。日本版『ロックマンX DiVE』のプロデューサーを務める。
※本インタビューは、『ロックマン エグゼ』コラボイベント前に行いました。
予想を大きく上回った日本版『ロックマンX DiVE』
──本日はよろしくお願いいたします! まず初めの質問ですが、橋本さんは『ロックマンX DiVE』においてどのようなことをされているのでしょうか?
橋本賢一氏(以下、橋本):基本的には日本版『ロックマンX DiVE』のプロデューサーを担当しておりまして、日本版の運営全体を見ています。
──ということは、本作の開発自体はカプコン台湾さんが担当されているのでしょうか?
橋本:そうですね。日本版『ロックマンX DiVE』は、アジア版と呼ばれているものと中身がほぼ一緒なんですが、日本版だけの仕様もありまして。その部分をどうしていくか……というのはアジア版の開発スタッフと毎日のようにコミュニケーションを取って調整しています!
──海外と連携を取りながら進めているんですね……! ちなみに、橋本さんはどのような経緯で本作のプロデューサーを務めることになったのでしょうか?
橋本:経緯からお話しすると、元々はカプコンの宣伝部署にいて、「カプコンTV」(※1)という公式生放送に出ていましたが、2年前ぐらいに開発の方に異動しました。その流れを経て今回プロデューサーを務めることになりました。
──経緯のお話ありがとうございます。改めて本作の質問に戻りますが、アプリのリリースから2週間以上経ちましたが現在の心境はいかがでしょうか?
橋本:まず、かなりの多くのプレイヤーさんにプレイしていただいてるということが数字にも出てきていますし、Twitterの方でも色々とご意見や「ガチャで〇〇が当たった」とか投稿していただいたり、純粋に楽しんでいただけてるかなとホッとしています。
──ちなみにその反響は予想通りなのか超えているのか……
橋本:超えてますね! 圧倒的に超えています。日本では『ロックマンシリーズ』が大好きな方がとても多く、アジア版の情報を追っている人が多かったんですよね。なので、日本で配信すると決まった時にどのタイミングで配信するべきかスゴイ悩みました。そこからコンテンツ内容を充実させて不具合も解消して、ようやく日本で配信できるかなというタイミングで今回リリースさせていただきました。
──万全な状態のリリースからさらに予想を超えていったという……
橋本:そうですね。ユーザーの皆さんの熱も暖かくて……今回の好評を受けて、今後の運営はさらに力を入れて取り組まないといけないなと。
──これからの展開が楽しみです! 先ほどのリリースのお話ですが、元々『ロックマンX DiVE』の企画は、カプコン台湾さんからかなり熱量のあるスタッフが集まってスタートしたと他メディアでおっしゃられていましたが、日本でのリリースはいつから決まっていたのでしょうか?
橋本:本作は「まずはアジアで先行配信」という形を社内で許可を取って動いていました。「台湾だけでなくいずれ日本で!」というのは考えていたんですけど、アジア版の中にすでに日本語が全て入っている状態で進めていたので、ローカライズという作業はあまり必要がなかったんです。なので、台湾と日本の間で協議しつつ、じゃあどのタイミングから始めるかっていう方針が決まったのが去年の春ごろでしたね。
──それで言うと、日本版リリースまで早く進んだ印象がありますね。
橋本:日本版に向けてある程度進めていた部分もあるので、後はリリースへの体制を整えるだけっていう状態でした。そういった意味では早かったですね。
──開始数週間の段階で成功したケースだと思われますが、今後も本作のように海外経由で展開される例は増えていくのでしょうか?
橋本:そうですね。日本のカプコンが開発していないものを運営していくというのも、新たな試みでありますし、こういうこともできるという実績が積み上がったので今後も広がっていくかなと思います。
※1……毎月第1&第3水曜日にYouTubeとperiscopeにて配信されるカプコン公式のWEB生放送番組。
本作のナビゲーター「リコ」はどうやって生まれたのか
──次にゲーム内容についての質問ですが、ゲームオリジナルキャラクター「リコ」の登場は開発当初から決まっていたのでしょうか?
橋本:はい。これはカプコン台湾のスタッフから聞いた話ですが、この『ロックマンX DiVE』は架空の世界「ディープログ」に入ってゲームデータを修復していくというストーリーなので、これまでの作品とは別物ということもあり、新たにナビゲーターキャラが必要だろうっていう話はありました。その中で、現実世界のプレイヤーをゲームの中に引き込んでいくので「グイグイ引っ張っていく元気な女の子」というイメージで、デザイナーの水野佳祐が描き起こしました。
▲リコ
──ゲーム世界にいきなり連れて行かれるストーリーなので、ナビゲートは欲しいですよね。
橋本:そうですね。最初のハイウェイステージで原作とは違うボスが出てきますが、説明があると『ロックマンX』をやってた人も思い出しやすいし、やってない人も「今異常が起こってますよ!」と理解できると思うので。
──個人的に、引き込んでる時のセリフ回しとかも、日本語でのセンスが凄い感じられたので興味を持ったポイントでした。合わせてリコのキャラクターボイスについてですが、アジア版でも声優の上田麗奈さんが担当されているんですけども、声優さんを決める流れは一体どういったものだったんでしょうか?
橋本:台湾に本作のプロデューサーがいるんですが、まずリコの性格とキャラクターデザインが出来上がった後に、そのプロデューサーの中で想像しているボイスっていうのがあったらしいんですね。それをイメージしながら上田さんのご出演されていたアニメを見たときに、彼女にぜひお願いしたいとバッチリハマったらしいんです。
──アニメを見て「これだーっ!」と!!
橋本:はい。リコ自身が元気いっぱいなキャラクターなのもあるので、上田さんの天真爛漫さや、魅力にあふれる弾ける元気みたいなところを採用に決めたと言っていました。
──プレイしていて癒されますね……! 本当にピッタリだと思います。続きまして、『ロックマンX DiVE』のプレイ部分についての質問ですが、スマートフォンで本格的なアクションは難しそうなイメージがあったので、本作を遊んだ時に『ロックマンX』のスピーディーな操作性が忠実に再現されていてとても驚きました! 開発を進める上で苦労されたエピソードなどがあれば教えてください。
橋本:本作を開発するうえで、スマートフォン上で『ロックマンX』を実現したいっていうのがもちろんありつつ、まだ知らない人にもこのシリーズを遊んで好きになってもらいたい、知ってもらいたいというところもあったんですね。ただ、『ロックマンX』をスマホ上で実現するには、作品ならではのアクション要素はひとつも落とすことなく入れないとダメだと。そういう信念を持って開発チームは制作していました。
──ダッシュとか壁蹴りは『ロックマンX』の特徴でもありますね。
橋本:でも、操作性を重視するのはスマートフォン上だと難しいな……っていうのが当然あるんですよね。壁蹴りとかダッシュジャンプとか、実は削った方がいいんじゃないかって言う議論もありました。ただ、「そこを落としちゃうと『ロックマンX』じゃないよね?」という話になってしまうので、そこは全部入れましょうと。そこから滑らかに操作できるようにするとかそういう部分をしっかりとトライ&エラーで重ねて、今リリースされてるものに近づけていきました。かなり苦労していたみたいです。
──タッチ操作でも遊べるようにしっかりと作り込まれていると感じたので、ダッシュジャンプなどを有りにする方向になって本当に良かったと思いますね。
橋本:そうですね。ダッシュジャンプも普通にスライドするだけでできますし、そこから攻撃やジャンプ攻撃とかもスムーズにできるようになっていますね。操作感だけではなくボタンの位置や大きさ、透明度も自由自在に変えられますし、そのあたりはゲーム自体をしっかり楽しんでもらうために細部までこだわっています! ほかにはゲームパッドにも対応しているので、自分がやりやすいプレイスタイルでぜひ本作を遊んでいただきたいですね。