【劇場版ポケットモンスター ココ】ポケモンとの出会いからテーマソングの秘話まで語る!! ポケモン愛にあふれた岡崎体育さんの音楽プロデュースに懸ける思いとは


人間とポケモンの奇跡の絆を描いた物語「劇場版ポケットモンスター ココ」は12月25日(金)に公開!
 
そして、「劇場版ポケットモンスター ココ」の音楽プロデュースを務めるのは、TVアニメ「ポケットモンスター サン&ムーン」のOPテーマ・EDテーマを担当したシンガーソングライターの岡崎体育さん!
 
岡崎体育さんは「コロコロ40周年の歌」を歌ってくれており、コロコロとはとても密な関係だ!
 
そんなご縁もあり今回、岡崎体育さんにインタビューすることに成功!
 
音楽プロデュースとして映画に携わったお話からコロコロコミックの思い出話まで、興味深いお話をたくさん聞いてきたぞ!
 
ちなみに、インタビュー実施タイミングと並行して、岡崎体育さんは『月刊コロコロコミック』先月号から本誌に登場中!
 

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岡崎さん率いる“岡崎体育探検隊”幻のポケモン・ザルードを捜索する特別企画を行っているので、そちらも併せてチェックしてほしい!!
 

▲「劇場版ポケットモンスター ココ」の音楽プロデュースを担当する岡崎体育さん。岡崎体育探検隊の格好に身を包んでの登場だ!

テーマソングの
制作秘話!

――今回「劇場版ポケットモンスター ココ」の音楽プロデュースを務めることになった背景、経緯を教えてください。
岡崎体育さん(以下、岡崎) 「ポケットモンスター サン&ムーン」のテーマソングを何曲か担当させていただいたご縁があって、プロデューサーの方から「じゃあ体育、次映画の曲やってみるか!」と言ってもらえたのがきっかけですね。
 
子どもの頃からずっと観ていた大好きなポケモンの映画に携われるチャンスはまたとないだろうと思って「是非やらせてください!」と引き受けましたが、映画の音楽を作るというのは初めてだったのでやっぱり最初はすごく緊張しました。
 
――そうですよね。「ポケットモンスター サン&ムーン」のときにはテーマソングや声優を務めていらっしゃいましたが、今回は音楽プロデュースという形での関わり方になるわけですからね。具体的に、どのような携わり方をしていたのでしょうか。
岡崎 「劇場版ポケットモンスター ココ」はポケモンの映画の中では珍しく、劇中歌がかなりふんだんに使われているんですけど、そのうちの劇中楽曲6曲を僕が担当させていただきました。映画の重要なシーンでかかる曲を僕が作詞作曲したり、プロデュースしたりということをしています。
 
――6曲も! そこで疑問があるのですが、音楽をプロデュースするのは、普通にテーマソングを担当するのとはやはり違いがありますか。
岡崎 テーマソングを担当するときも、アニメの世界観に合わせて、制作サイドの方から色々発注があります。ただ、今回の映画に関してはそれ以上に何倍も細かい指示がありました。「これはこういうシーンだからこんな曲調で~」「このテーマでこんな感情を曲に盛り込んでほしい」というような細かい発注がたくさんあったので、アニメソングのタイアップというよりは職業作家としての側面がかなり色濃く出ました。
 
――なるほど! 先日トータス松本(ウルフルズ)さんが歌われた曲が特報映像と共に解禁されましたが、オファーは岡崎さん自らされたと伺いました。
岡崎 そうです! 今回はポケモンと人間の“親子”の物語ということで、メインのテーマソングは“親子”や“父親”をテーマにしています。そこで、父親目線の歌を作っていったんですけど、全6曲のうち、僕だけじゃなく他の人にも歌ってもらおうと思っていたんです。そして、僕の考える父親像で1番の理想がトータス松本さんでした。これは曲を作る前の最初に打ち合わせた段階で「トータス松本さんで行きたい!」と矢嶋監督やスタッフに依頼していたので、曲が出来上がってからトータスさんが引き受けてくれて本当によかったです。デモを作っているときから完全にトータス松本さんの声を想定して作っていたので、もう他のアーティストの方では考えられなかったんです。
 
――そこまでの思いがあったんですね! 「トータス松本さんしかない」と思ったのは、映画の世界観を知るにつれて確信していったんですか?
岡崎 そうですね。 “ちょっと不器用で気も強くてはっきりしている“ところがあるのがザルードの性格だと思いますし、トータス松本さんとは、過去に音楽イベントなどで共演させてもらったときや、その後の打ち上げで話をさせてもらったときに、「やっぱりこの人はかっこいいな」と思ったんです。こんな親父がいたらすごく幸せだろうなと感じられる人だったので、この映画の台本を見たときに僕の中でトータス松本さんの印象と100%マッチしました!
 
――なるほど! スタッフと話したり台本を読んだりして世界観に触れていったと思いますが、この映画に抱いた印象はいかがでしたか?
岡崎 矢嶋監督がポケモン映画の指揮をとって今回で2作目になると思うんですけれども、なかなか攻めた内容だと思います。「ポケモンが人間の子どもを育てる」なんて今まで考えられなかったことだったので、それをテーマにして物語を進めていくのは脚本的にも苦労されたと思うのですが、完全に形にされていました。
 
実際に台本を読んで面白い映画だなと思いまして、僕も音楽という形で全力を尽くしてサポートしたいという思いがすごく強まりました! 自分の曲を映画館に来た人に聴いてもらいたい気持ちもありますが、一番強く思うのは「矢嶋監督の手助けがしたい」という気持ちです。矢嶋監督が映画に懸ける思いは相当なものですし、つい「手伝いたい!」と思わせるような人柄の方でもあります。
 

――話をお聞きするだけでワクワクしてきます! ちなみに今回、楽曲の制作中に起きた事件や、大変だったエピソードはありますか?
岡崎 歌詞を考えるのがかなり大変でしたね! 「ふしぎなふしぎな生きもの」というメインテーマは親父目線の曲ですけど、僕は子どもがいるわけではないので、完全に想像で書かなくちゃいけなかったんです。でも、自分の想像だけだと父親の気持ちを本当の意味で表せないんじゃないかという不安もあったので、実際に子どもがいる同級生とかミュージシャン仲間の何人かに「親父ってどんな感じなん……?」とヒヤリングして、そのときに言ってくれた言葉とかが歌詞になっているんですよね。それこそ歌詞の中で「キミのために生きるようになった」というフレーズがあるんですけど、これは実際に友達が言っていた言葉です。今まで自分のために生きていたけど、子どもが生まれてからは子どもの喜ぶ顔が見たかったり、幸せを願って生きるようになったりという変化にすごく感銘を受けて、これは絶対歌詞にさせてもらおうと思いました。
 
――テーマならではの苦労があったんですね。ご自身の親子関係で得た経験が生きた場面はありましたか?
岡崎 そうですね……うちはシングルマザーの家庭で、親父と過ごす時間が短かったので親父との親子の距離感というものは比較的少なかったんですけど、それでも親父から受けた愛とかは覚えていました。そういう意味では曲を書いているときに自分の親父のことが頭に浮かんだ瞬間もありましたし、これから映画館に観に来てくれるたくさんの子どもたち、そして親の世代の人たちに何か通ずる部分というか心に響く場所があればいいなと思っています。
 
――実際に父親の立場からすると、テーマソング最後の「父ちゃんだ」と歌うトータスさんの声を聴くだけで涙腺が刺激されるというか!
岡崎 そうですよね! 子どものために土日を返上して映画館に連れて来場している親父たちに、この映画を観てちょっとでも家族の大切さとかを再確認できるような曲になればいいなと思いましたね。
 

岡崎体育さんと
ポケモンの出会い

――本当に映画公開が楽しみです! 次に、岡崎さんとポケモンとの関係についてお聞かせ願えればと思います。岡崎さんのポケモン好きは周知のことだと思うんですが、最初のポケモンとの出会いや思い出を教えていただきたいです。
岡崎 出会いは……親戚にゲームボーイと『モグラーニャ』というゲームと『ポケットモンスター 緑』をなんとなくノリで3点セットで買った金持ちのおばちゃんがいたんですけど、「全然操作がわからんからあげるわ!」と言われてもらったのが初のポケモンでしたね。周りの友達みんながゲームボーイ持っているのに、俺だけ持っていなかったのでめっちゃラッキーと思い、もらった『モグラーニャ』と『ポケモン 緑』をやりまくっていました。だいたい、保育園の年長か小1くらいでしたね。
 
――じゃあ初代のポケモンと『モグラーニャ』の世代……!
岡崎 はい。
 
――なるほど! じゃあ本当に最初からゲームボーイで遊んでいて、その時にハマってという。
岡崎 そうですね。ポケモンを捕まえることにハマりました。「なんやこれめっちゃおもろいな」と。あと進化が楽しみすぎて! それから、やっぱり友達とポケモン交換するのがすごく楽しくてずっとやっていましたね! ポケモン初代の思い出です!
 

――最初に選んだポケモンは覚えていますか?
岡崎 ヒトカゲを選んだと思います!
 
――なるほど! ヒトカゲと冒険して以降、ポケモンって世代を超えて色々なタイトルが出ていると思うんですが、ずっとゲームは追っているんですか?
岡崎 『ポケットモンスター X・Y』以外は追っています! 『X・Y』のときがちょうど脱サラして音楽活動を始めた時期で、機材にお金を当てていたので金欠に……。3DSが買えないくらい貧乏になって、遊べませんでした。まぁ後追いで3DSを買ってプレイはしたんですけれども、リアルタイムで唯一できなかったのが『X・Y』でしたね。それ以外はリアルタイムでやっています!!
 
――本当にポケモン愛が強いですよね! ポケモン映画に関しても、何か思い出深いエピソードはありますか?
岡崎 小学2年生とか3年生のときに、少年野球をやっていた周りの友達と近所のショッピングモールにある映画館で「ミュウツーの逆襲」や「ルギア爆誕」を観に行っていたんですけど、まさか20年くらいたって自分が映画に携わる側になるとは……! その当時は全然想像していなかったですし、あれだけ友達みんなとワクワクして観にいっていた映画がこれだけのシリーズ続いていて。そこに携われているというのが感慨深いですよね。言葉では言い表せないような感覚です! すごく貴重な経験をさせてもらっています!!
 
※劇場版第1作「劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」(1998年公開)、第2作「劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕」(1999年公開)
 
――音楽的な側面で、映画も含めてポケモン関連の楽曲になにか影響を受けているのでしょうか。
岡崎 ポケモンに関しては特別印象に残っていますね! ほかのどのゲームよりもアニメや、映画よりも。本当にポケモンが第一の人生だったので、すべてのことが記憶に残っています。特に音楽が記憶に残っていて、和音の重ね方とかこんなやり方があるんだ、と大人になってから再認識して、すごい作品だなと思いましたね。
 
――シオンタウンのBGMとかいまだに怖いですもん。
岡崎 怖いですね……。あれ本当に。BGMだけじゃなくて鳴き声とか、ポケモンがわざを出すときの音とか、初代の“いわなだれ”の音とかエグかったんですよ! マジで!! めちゃくちゃテクノみたいな音が鳴っていて、「どこがどう“いわなだれ”やねん!」 と思っていたんですけど、それもめっちゃかっこよかったりして! そういうところから色々養ったミュージシャンとかは多いと思いますけどね。僕たちの世代には。
 
――それじゃあルーツの1つとして。
岡崎 そうですね。完全にそうだと思います。
 

岡崎体育さんと
コロコロの思い出!

――最後に2つほど、コロコロコミックの質問をさせていただければと! 岡崎さんには「コロコロ40周年の歌」を作って歌っていただき、大変お世話になっています。そこで、岡崎さんの子ども時代に、コロコロコミックとの思い出やエピソードがあれば教えていただきたいです!
岡崎 そうですね、コロコロコミックはだいたい周りの友達とかクラスのやつらは毎月みんな買ってもらっていて、僕は熱を出して病院行った帰りに売店で買ってもらっていたんです。というのも、めちゃくちゃ病弱だったんで、月1で病院に行っていたんですよ。学校も月1で休んでいたくらいです。ただ、しんどくなって病院に行ったらコロコロを買ってもらえるいう記憶が残っていて。学校休んでいるときにコロコロを読むのがすごく好きだったんで、学校休むのもおかげで苦じゃなかったです(笑)。
 
――病気で気持ちはマイナスだけれど、コロコロがプラスの要素になっていたと(笑)
岡崎 そうですね! コロコロコミック買ってもらって読めるっていうのは嬉しかった。コロコロコミックは風邪のしんどさとか熱のしんどさとかを帳消しにする僕の特効薬でしたね。
 

――しかもちょうど月1で!
岡崎 はい、病弱だったんで!
 
――そうだったんですね。コロコロで思い出に残っている作品はありますか。
岡崎 僕が一番好きだったのは「カンニングー」と「超速スピナー」でしたね。「超速スピナー」めっちゃおもしろかったです! でも「カンニングー」は1番ハマりましたね。カンニンググッズみたいなのを主人公のおじいちゃんが作ってくれるんですけど、「次はどんなカンニンググッズを作るんやろ」と毎月楽しみでしたね!
 
――伝説の作品でしたね!
岡崎 ですね。あと宇宙人がきて「カンニン」のふりして代わりにテスト受けるみたいな! ゴキブリ食って帰るっていう。
 
――通な作品が出てきてありがたい限りです。ありがとうございます! 最後に、「劇場版ポケットモンスター ココ」にかける思いを教えてください!
岡崎 ポケモンのアニメで担当させていただいたときは“岡崎体育というアーティスト”としての曲でしたが、今回は“映画の音楽に携わる岡崎体育”という側面が強いです。映画に寄り添うような意識を持って臨んだので、そこをすごく感じてほしい。みんなが映画を観ていて、「ここでこの曲流れてよかったな」と思ってもらえるように曲を仕上げていますので、観ている人に伝わったらいいなと思っております!
 
岡崎がこの映画に携わっていてよかった! と思ってもらえるように頑張ります!!
 
――熱い思いが伝わります! ありがとうございました!!

 


 
「劇場版ポケットモンスター ココ」12月25日(金)公開!
 
ポケモンに育てられた少年ココと、ポケモンでありながら人間を育てたザルードによる不思議な“親子”の物語を見逃すな!
 

作品概要
劇場版ポケットモンスター ココ
公式サイトはこちら