By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
新型コロナウイルスが全世界で猛威を奮っており、業界問わず様々なイベントの開催中止が相次いでいます。マジック界でも、今週月曜日に開催を予定されていた国内の大型イベントであるBIGMAGIC Openが中止されてしまいましたね。うーむ、非常に残念……。
そんな背景もあってマジック的には若干落ち着いた週末となりましたが、ひっそりと新製品の情報なんかも出ていました(※リンク先は外部サイト)。
こちらの『Jumpstart』は、なんと500種類以上の再録カードと37種類の新カードで構成されているという異色中の異色のセットです。収録カード多すぎ。しかも、収録されているカードは全てMTGアリーナ独自のフォーマットである「ヒストリック」(※詳細はこちら/リンク先は外部サイト)でもプレイが可能になるんだとか。
ヒストリックはどうしてもスタンダードやパイオニアなどの人気フォーマットに押されて影に隠れがちなフォーマットでしたが、ここまで大規模なアップデートがあると話が変わってきますね!といっても、『Jumpstart』のリリース予定日は2020年7月3日(金)と、まだ少し先になるようですが……。
さて、ヒストリックの様子も気になるところですが、今回は久しぶりにモダンのデッキをご紹介したいと思います。こちらも『テーロス還魂記』のリリースの影響を受けて、おもしろいデッキが頭角を表したようです。
Modern Challenge #12094308
2月22日にMagic Online上で行われた「Modern Challenge」では、実に多種多様なアーキタイプが活躍していました。『テーロス還魂記』の新カードを使用しているデッキも多く、中でも《イリーシア木立のドライアド》を採用した「タイタンシフト」が目立った活躍を見せているようです。
そんな中、2位に入賞していたデッキが非常に変わったアーキタイプでした。その名も「白黒ポックス」……と言ってもピンと来ない方も多いかもしれません。個人的には大好きなデッキなので、ぜひご紹介させていただこうと思います!
白黒ポックス(使用者:musasabi選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
2 | 《悪臭の荒野》 |
4 | 《トロウケアの敷石》 |
2 | 《神無き祭殿》 |
3 | 《湿地の干潟》 |
1 | 《平地》 |
3 | 《乱脈な気孔》 |
3 | 《無声開拓地》 |
2 | 《沼》 |
3 | 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 |
4 | 《恐血鬼》 |
1 | 《悪ふざけの名人、ランクル》 |
2 | 《夢を引き裂く者、アショク》 |
2 | 《太陽の宿敵、エルズペス》 |
4 | 《ヴェールのリリアナ》 |
2 | 《集団的蛮行》 |
4 | 《コジレックの審問》 |
4 | 《未練ある魂》 |
4 | 《小悪疫》 |
3 | 《思考囲い》 |
4 | 《致命的な一押し》 |
3 | 《苦花》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
1 | 《夢を引き裂く者、アショク》 |
1 | 《苦渋の破棄》 |
2 | 《減衰球》 |
1 | 《解呪》 |
3 | 《大爆発の魔道士》 |
1 | 《ゲトの裏切り者、カリタス》 |
1 | 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》 |
2 | 《ケイヤの手管》 |
2 | 《疫病を仕組むもの》 |
1 | 《外科的摘出》 |
このデッキは《小悪疫》をキーカードとし、対戦相手の土地をロックするコントロールデッキです。キーカードの《小悪疫》の英語名である《Smallpox》から、「ポックス」の呼び名で呼ばれることが多いです。
テキストが長いのですが、要するに「お互いに手札と土地とクリーチャーとライフ1点を失う」という呪文です。自分も対戦相手も両方が同じ枚数のカードを失うことになるため、痛み分け……というよりはカード1枚分損をしてしまう恐れもある呪文ですが、たった1枚の呪文で戦場と手札の両方に干渉できるという非常に貴重な能力を持っています。特にわずか2マナで土地にも触れるというのは、モダンでは《小悪疫》をおいて他にはほとんど存在しない能力です。
《思考囲い》を始めとした手札破壊呪文で対戦相手の備えを崩し、《小悪疫》で泥沼の勝負に持ち込んで《リリアナ》や《ランクル》といったカードで蓋をする。きれいに回れば対戦相手にほとんど何もさせずに勝つことができるという、凶悪なロックが可能なデッキです。
ただし、この手のデッキは「負けないこと」を目指して戦うことになるため、グダらせた後の勝ち手段を引くことができず、その間に対戦相手にリソースを回復されてしまうという展開も少なくありません。そんな弱点を補うためのカードとしてか、《太陽の宿敵、エルズペス》が採用されているようです。
『テーロス還魂記』で登場した新しいエルズペスは、墓地から蘇る「脱出」能力を持っているため、消耗戦を狙うこのデッキにはもってこいのフィニッシャーです。ロングゲームになればなるほどこうしたフィニッシャーの存在は脅威となり、対戦相手を蝕んでいくことでしょう。
そんなわけで、『テーロス還魂記』のカードはパイオニアやスタンダードのみならずモダンでも大活躍中のようです。それどころか、まだまだ環境は解明されきっていないはずなので、これから新しいデッキが出てくることもあるかもしれません。リアルのイベントの開催が危ぶまれることがあっても、マジックの研究は続いていきそうです。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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