ミニ四駆名車開発秘話伝説【サイクロンマグナム編】第4回 発掘!! これがサイクロンマグナムの幻のクレイモデルだ!!
これがサイクロンマグナムが誕生した瞬間の真実だ!! 伝説のマシンが生みだされた歴史に残る一日のエピソードを、こしたてつひろ先生に語ってもらったぜ!!
ええっ!? サイクロンマグナムの原型は、一晩で作られた!?
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』で活躍するミニ四駆は、タミヤのミニ四駆開発チームとコロコロコミック編集部のコラボレーションによって生みだされたものだ。もちろんマシンデザインは、まんがを執筆するこしたてつひろ先生が担当。
今回は、こした先生のデザインが、どのように立体化されミニ四駆になったのかを、先生ご自身に語っていただいた!!
それは、1996年のある春の夜、東京・神保町の小学館の会議室でのできごと。ものすごい勢いで盛りあがり始めた第2次ミニ四駆ブームを目の当たりにして、夏のジャパンカップまでになんとしてもミニ四駆ファンの期待に応えるための新マシンを作らなければならないと、ぎりぎりのスケジュールで開かれた企画会議でのことだった。
そのとき、歴史は動いた……。
初公開!! これが伝説のミニ四駆の原型、クレイモデルだ!!!
すべてのフルカウルミニ四駆のデザインは、こしたてつひろ先生の手によるそもの。通常こした先生がデザイン画を描きあげてからミニ四駆キットが完成するまで、半年以上の期間が必要とされていた。
しかし、空前のブームの最中、短期間でのマシン開発が要求されていた。許された時間は、その一晩限り。そんなタイミングで開かれた会議に出席したのは、デザインを担当するこした先生、設計を担当するタミヤの土屋博士、クレイモデルを得意とする設計助手、コロコロコミック佐上編集者だ。
タイムリミットは朝まで。もはや話し合っている時間の猶予はない。こした先生が、さらさらっと鉛筆で描くスケッチを、設計助手が巧みに粘土で立体化してゆく。ミニ四駆のボディのデザインも、実車と同じようにクレイモデルを作って立体化されるのだ。
粘土のモデルを見て納得できない部分を再びこした先生が克明にスケッチしなおすと、設計助手が粘土モデルの形を整え直す……。「ここをもうちょっと形を変えて……」「設計上この形ではミニ四駆にできないので、こうしては……」そんなやりとりが延々とくり返されて、やがて窓の外が明るくなった頃、サイクロンマグナムのクレイモデルはついに完成した!!
フルカウルはデザインの幅が広がるので、いろいろな形を作れるんです!!!
絶大なファンの期待に応えるため、こした先生は大変な苦心をしたのではないだろうか!?
「ほかのマシンの時よりもダメ出しがなかったのかなー。デザインに苦労したって言う記憶はまったくないんです。会議は朝までかかって長時間の作業だったので、土屋博士と助手の方は、最後は朦朧としながらクレイモデルを仕上げてくださっていたと思いますけどね」
フルカウルミニ四駆で最強の人気を誇るサイクロンマグナム。意外なことに、こした先生はさほど苦労せずにデザインすることができたようだ。
「街の中でカッコいいクルマを見ても、それをそのままミニ四駆にすると魅力が出ない。カッコいいと思うクルマは、デザインが洗練されすぎていて、おとなしくなってしまうんですね。フルカウルミニ四駆は、カウルの分だけ面積が広いのでデザインの幅が広がる。グラフィックも含めて、いろいろなデザインに挑戦できるんです」
ほかのシリーズよりもデザインの可能性に幅のあるフルカウルミニ四駆。こしたてつひろ先生が次に発表してくれるフルカウルマシンは、いったいどんなカッコいいマシンなのか、大いに期待したいね!!!
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