1年も遊び続けているゲーム
じつは1年も前から遊び続けているNintendo Switch用ソフトがある。それは、
『ディアブロ III エターナルコレクション』
アメリカの大手ソフトメーカー、Blizzard Entertainmentが展開する世界的人気のフランチャイズ“ディアブロ”の最新作にして、『ディアブロ III』の最終形態だ。
ここで、
「“最終形態”とはなんぞや?」
と疑問に感じた人がいるかと思うので説明すると、『ディアブロ』シリーズのナンバリングタイトル最新作は確かに『III』なのだが、この『III』の最初の作品であるPC版が発売されたのはいまから7年半も前の2012年5月15日。それからプレイステーション3、Xbox 360、プレイステーション4などさまざまな家庭用ゲーム機に移植され、その集大成として2018年12月27日にNintendo Switch版が登場するのである。
このNintendo Switch版を手に入れて以降、俺はほぼ1日も休まずプレイをし、そのプレイ日記をブログに綴ってきた。
→大塚角満のディアブロ日記はこちら!
https://www.diablo-kadoman.com/
それだけ遊んでもしゃぶり尽くせない魅力があり、しかもNintendo Switch版はローカル通信で協力プレイもできることから、
「こいつはもしかすると……PSPで社会現象的な遊ばれ方をした、かの狩りゲー同様のブームを作れるかも!!」
と思い、いまだコツコツと啓蒙活動を続けているのである。
ディアブロの歴史
せっかくなので本題に入る前に、俺が愛してやまない『ディアブロ』シリーズの歴史を振り返りたい。
シリーズの記念碑的な作品、初代『Diablo(ディアブロ)』が発売されたのは、1997年のことだ。
自動生成のダンジョンにくり返し潜って武器や防具を集め、ひたすら自分のキャラを強くしていく……というシンプルで奥深いシステムをまとったアクションRPGで、発売されてすぐに世界的な大ヒット作となった。
当時、俺は週刊ファミ通に入って3年目の若手記者だったのだが、このころ編集部で“妙な現象”が起こっていた。以前、自分のブログにまとめたことがあるのだが、その様子を箇条書きにしてみる。
・当時、ファミ通編集部に、ゾンビのような寝不足顔をした編集者が多数発生
・彼らは瞳孔が開いた目でPCのモニターを見つめ、ユラユラとマウスを動かしていた
・そいつらは夜な夜な集まり、徹夜でPCゲームで遊んでいた
・聞けばそのゲームこそ初代『ディアブロ』
・「みんなでひたすらダンジョンに潜り、敵を倒して、強いアイテムを求めるだけのゲームです!」と信者たち
・「わしもやりたい!!」と大塚角満
・でも数日後、当時の編集長から、「仕事に支障をきたすほど『ディアブロ』にハマっているやつが続出している! 当面、『ディアブロ』は禁止だ!」とのお達しが(苦笑)
・気持ちが高ぶっていたところで禁止を言い渡され、わし、茫然
↑こんな感じ。
俺はファミ通に20年以上在籍していたが、特定のゲームが禁止されたのって、後にも先にも初代『ディアブロ』だけだと思うわ。
そして、俺がシリーズ中もっとも好きな『ディアブロ II』が発売されたのは2000年7月のこと。もう20年も前のことだ。発売当初は英語版しか存在せず、いまのように有志がすぐに日本語MOD(改造データのこと)を当ててくれるということもなかったので、俺は辞書を片手にこのゲームを遊びまくった。それでもわからないことだらけで、
「これ……どんな意味のあるアイテムなんだろう……」
と、謎のキノコを恐る恐る試食する感じでプレイしていたのだが、それでも、『ディアブロ II』はとてつもなくおもしろかった。その後、『ディアブロ III』が発売されるまで11年もかかったのだが、その間もふいに思い出してプレイしてしまったほど、『ディアブロ II』に心酔していたのである。
ディアブロ IIIにコミットしたい!
それほど愛してやまない『ディアブロ』シリーズなので、前述の通りどうにか、いま以上にファンを増やしていきたい!!
……てなことを、コロコロオンラインの関係者にツバを巻き散らしながら熱弁したところ、彼らは顔に飛散した唾液を拭いながら、目をキラキラさせて言うのであった。
「ぜひ、やりましょう!! ブームを作ってやろうじゃないですか!!」
俺たちは深夜の神保町で、固く握手を交わしたのである。
そして迎えた12月15日。
俺はBlizzard Entertainmentが主催するイベント、“BLIZZARD WINTER PARTY 2019”の会場にいた。
これは同社の人気コンテンツ、『ハースストーン』、『オーバーウォッチ』、そして『ディアブロ III』のファンを集めて行う“公式オフラインイベント”で、会場では各タイトルの試遊コーナーやトークイベント、ゲーム大会などが実施。俺は“ディアブロのブロガー”として運営サイドに招かれ、Nintendo Switch版『ディアブロ III』の解説員として同コーナーに突っ立っていたのであります。
パーティーは、大盛況だった。
くどいようだが『ディアブロ III』は11年も前に発売されたタイトルなので、多くの来場者のお目当ては『ハースストーン』と『オーバーウォッチ』だったと思う。それでもたくさんの人が『ディアブロ III』のコーナーに顔を出して試遊してくれて、
「え、『ディアブロ』ってこんなにおもしろいの?」
「このワチャワチャ感、たまらないですね!!」
なんて、好感触を口にしてくれた。俺が得られた手応えは、想定以上のものがあったよ。
そんなパーティーで俺は初めてBlizzard Entertainmentの方とお会いし、興奮の口調でつぎのようにコミットしてきたわ。
「『ディアブロ』をもっともっと日本で流行らせようと画策しております!! そう、コロコロオンラインの力も借りて!! よろしくお願いいたします!!」
『ディアブロ』は8歳のときからプレイしているという超絶マニアの担当さんは、破顔しながら右手を差し出した。
「今後とも、よろしくお願いいたします!!!(流暢な日本語で)」
俺は担当さんとガッチリと握手を交わし、ホクホク顔で会場を後にしたのでありました。
というわけで、自分を追い込む意味でも書いておこう。
遠くない未来に、『ディアブロ』に絡めたコンテンツ(記事か、コーナーか)を、この場で展開したいと考えております! 読者の皆様、どうぞよろしくお願いいたしますー!
大塚角満(おおつか・かどまん)
1971年9月17日生まれ。元週刊ファミ通副編集長、ファミ通コンテンツ企画編集部編集長。在職中からゲームエッセイを精力的に執筆する“サラリーマン作家”として活動し、2017年に独立。現在、ファミ通Appにて“大塚角満の熱血パズドラ部!”、ゲームエッセイブログ“角満GAMES”など複数の連載をこなしつつ、ゲームのシナリオや世界観設定も担当している。著書に『逆鱗日和』シリーズ、『熱血パズドラ部』シリーズ、『折れてたまるか!』シリーズなど多数。株式会社アクアミュール代表。 |