By ドブフクロウ
みなさんこんにちは。MtGライターのドブフクロウです。
最近、新商品の情報が多いですね~。スタンダードセットは従来どおりだいたい3ヶ月に1度のペースでリリースされていますが、それ以外の特殊なセットやコレクション用グッズも含めると買うものが……買うものが多い……!
発売日 | セット名 | 区分(※) |
---|---|---|
20219年12月2日~9日 | 『Secret Lair Drop』 | その他 |
2020年1月24日 | 『テーロス還魂記』 | スタンダードセット |
2020年2月29日 | 『Unsanctioned』 | その他 |
2020年3月13日 | 『Mystery Booster』 | その他 |
2020年4月24日 | 『イコリア:巨獣の棲処』 | スタンダードセット |
※区分について
スタンダードセット:スタンダードで使用可能になるセット。
その他:ジョークセット、コレクション用カードなど。
こんな感じで毎月何らかのグッズが公式から発売されます。現時点ではまだ英語圏でしか発表されていない製品もあったりするので、もしかすると漏れがあるかもしれない……とにかくそれだけ新商品が多いということですね。いくぞマジックプレイヤー、冬のボーナスの貯蔵は十分か。
特に今週になって詳細が発表された『Secret Lair』などはかなりバイブス上がりますね(リンク先は外部サイト・英語ページ)。
#MTGSecretLair is here! This limited-time collection of cards from Magic’s past features some of the wildest art we’ve put on classic cards. Learn about how to buy yours here: https://t.co/Vmby5wzM25 pic.twitter.com/Ia9f4Zg0MU
— Magic: The Gathering (@wizards_magic) November 25, 2019
期間限定販売かつ公式のウェブストアからのみ購入可能と販売方法も特殊ですが、収録されるカードはどれも超かっこいいのでなんとしても入手したいところ。特に《血清の幻視》のアートが絶妙にサグいというか、パンキッシュな感じでいいですね。部屋に飾りたい。
ぼちぼち『テーロス還魂記』の収録カード情報も出てくるでしょうし、しばらくは新商品の情報に盛り上がる日々が続きそうです。
さて、今回は《むかしむかし》と《王冠泥棒、オーコ》、そして《夏の帳》が禁止された現代のスタンダード環境を見ていきましょう!
Magic Online PTQ
禁止改定後初となるMagic Online PTQは、ジェスカイファイアーズと黒緑のサクリファイス系デッキの2つが上位を二分するという結果に終わりました。
現在の環境はある意味環境初期のようなものなので、この結果だけでは息を荒げる必要はないと思いますが、どちらもフードデッキ全盛の時代から存在はしていたアーキタイプ(≒既存デッキなのですでにデッキリストが研究されている)なので完成度は高そうです。
ジェスカイファイアーズなどはvol.32で紹介しましたが、このリストもまた、さらなる進化を遂げています。
ジェスカイファイアーズ(使用者:Gobern選手) | |
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枚数 | カード名(メインボード) |
3 | 《ヴァントレス城》 |
3 | 《寓話の小道》 |
4 | 《神聖なる泉》 |
2 | 《島》 |
2 | 《山》 |
1 | 《平地》 |
2 | 《聖なる鋳造所》 |
4 | 《蒸気孔》 |
3 | 《天啓の神殿》 |
3 | 《凱旋の神殿》 |
4 | 《砕骨の巨人》 |
4 | 《炎の騎兵》 |
3 | 《風の騎兵》 |
2 | 《帰還した王、ケンリス》 |
4 | 《予見のスフィンクス》 |
4 | 《時を解す者、テフェリー》 |
4 | 《轟音のクラリオン》 |
3 | 《可能性の揺らぎ》 |
1 | 《陽光の輝き》 |
4 | 《創案の火》 |
枚数 | カード名(サイドボード) |
2 | 《霊気の疾風》 |
2 | 《敬虔な命令》 |
2 | 《解呪》 |
4 | 《軍勢の戦親分》 |
4 | 《神秘の論争》 |
1 | 《魔術遠眼鏡》 |
大筋はvol.32でも紹介したとおり、《創案の火》をキーカードとしたミッドレンジ~コントロールデッキです。が、当時ご紹介したのは《願いのフェイ》によるシルバーバレット戦略を利用するデッキでした。
この《願い》というメカニズムはなかなかに曲者で、うまく活用すればメインボードの構築を歪めることなく幅広い相手に対処できることができるようになる一方で、サイドボード後にデッキを変形させることがほとんどできないことから、苦手なデッキとの相性差を覆すことができないという、強みと弱みが表裏一体になっていました。
こうした弱点に加えてその後のスタンダードが《死者の原野》デッキ一色に染まり、その後《死者の原野》の禁止を経てフードデッキに支配されたことで環境の表舞台から姿を消すことになりましたが、こちらのジェスカイファイアーズは《願いのフェイ》とプレインズウォーカーによるアドバンテージでゴリ押すような形ではなく、純粋に《創案の火》によってテンポ良く攻めるデッキとなっています。
このリストで使われている《帰還した王、ケンリス》はデッキに非常にマッチしたクリーチャーです。デッキの性質上、《創案の火》をプレイした後は土地を使うことがないためマナが余り続けることになりますが、そうしたマナを起動型能力に当てることができるというのは無駄がありません。同様の理由で《炎の騎兵》もよくマッチしており、ゲームを一気に決めることができます。
また、《予見のスフィンクス》もおもしろいカード選択です。このデッキは全体的に《創案の火》のバリューを最大限引き出すためにマナ域が4~5マナに寄っていますが、肝心の《創案の火》を引かないとなかなか挙動がもっさりしています。ゆえにマリガンをしてでも《創案の火》を探しに行く展開も少なくないのですが、この《予見のスフィンクス》は《創案の火》を探すのに役立つ上に、毎ターン土地をプレイし続けるためにも役立ちます。そういえばこんなカードありましたね……いやはや、発想の勝利と言えます。
現環境がこのままジェスカイファイアーズと黒緑系のサクリファイスデッキの二強のまま進んでいくことになるのか、あるいはまだ見ぬ対抗馬が出てくることになるのか……それはまだ分かりませんが、とりあえず環境の強大な仮想敵が出てきました。これからが楽しみですね。
ライター:ドブフクロウ
青春時代のほぼ全てをテキストサイトやゲーム系サイトを徘徊することに費やしていた根暗ライター。人間としての軽薄さに定評があり、親しい間柄では「空っぽ」というあだ名で呼ばれることもある。
MtGプレイヤーとしての腕前は自他ともに認めるヘッポコだが、青春時代に (いろいろなものを犠牲にして) 培ったMtG知識量は他の追随を許さない。
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